ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
すみません、UAやお気に入りが増えたり、感想が頂けたりと喜んでます。
感謝して書き上げましたので、続きをお楽しみくださいm(__)m


第19話 あいつらをどう鍛えましょうか(2018.02.10修正)

『どわぁははははぁ~っ!』

 

 イッセーと分かれて拠点に戻った俺達は、報告とばかりに通信機をつけ、出てきた司令に報告したら笑われた。報告書の部分は削除しての報告だが。

 

『さすがはドラゴンのプライドをへし折った『プライドの捕食者』だけの事はあるな! 堕天使を返り討ちにするなんざ、屁でもねえか!』

 

「俺は言葉もねえよ」

 

 トリーの昔の称号を出しての司令の褒め言葉に俺はぐうの音も出ない。昔からこうだったのかよ、あいつは。

 

『それで話を変えるが、そっちの協力者達をテメェ等で鍛えるのか?』

 

「そういう依頼が来たもんで」

 

 俺は成り行きという形で引き受けることになったと明言し、後日承諾のような許可を取ろうとした。しかしそれは空振りというか、無言の承諾とばかりにスルーされてしまった。

 

『なるほど、体の方は出来てるのか?』

 

 司令は俺達がリアス達を鍛えることになった事について事前情報を求めてくる。相手が高校生ということを加味しても俺達が比較対象では比べ物にはならない。それ故に俺としては言葉に詰まった。

 

 少しだけ間を置いてしまったが、何とか言い訳めいたものが頭に浮かんできたので話を続けることにした。

 

「その辺は比べるほども無いですよ。柔軟と基礎から組まないと厳しいですね」

 

『だろうな』

 

 俺の報告に司令がうなずき、小難しい表情を浮かべだす。だが次の瞬間、俺達の度肝を抜くことを抜かした。

 

『良しっ! 伝説の鬼ごっこで行こうぜ!』

 

「「伝説の鬼ごっこっ!?」」

 

 司令の言葉に俺達2人は仰天して椅子から転げ落ちた。

 

 組織流、伝説の鬼ごっこ……それは鬼は苦労するが逃げる方は大変な縛りを受けて逃げる。逃げる側の縛りはただ1つ『鬼に背中を見せてはいけない』というだけ。背中を見せた場合や捕まった時には容赦なきお仕置きが待っている。

 

『あれならスタミナが嫌でも付くだろ。それと冷静な判断力と空間把握能力もだな。……そうだ!、お仕置きはタイキックで行こうぜ!』

 

「それは鬼だろ、絶対」

 

 俺は満面の笑みを浮かべる司令の背後に、そこはかとなく漂う鬼畜な雰囲気から嫌なものを感じてしまう。本当に鍛える事をちゃんと考えているのか、コノヤロウは。

 

『それと出来れば高速思考か並列思考を鍛えたい所だな。それが有る無しで戦い方が大幅に変わるからな。後は柔軟性だが、こればかりは時間が掛かるし、掛けないと後々で面倒な事になるからな、十分に注意してくれ』

 

 司令の言う事に俺は思わず考えてしまう。確かに高速思考と並列思考のどちらかを持たせれば、それは当人が戦場を生き抜くための大きな武器になる。

 

 また、柔軟性については防御にも関わる回避力に直結する能力だ。柔軟な身体はそれだけでも外部からの衝撃を軽減する効果があるほどだ。

 

「なるほど。分かりました、その様にします」

 

『まあ、無理はしないようにしろよ。報告書が遅れるくらい多少は目を瞑るさ』

 

「本当っ!?」

 

 司令の報告書遅延の件に話が及ぶとトリーが声を挙げた。そのせいなのか気のせいか、スピーカーから微かに笑いを堪えている様な声が漏れ聞こえてきた気がする。

 

『ああ、その位は我慢するし、我慢させるさ。でもな……』

 

 トリーの言葉に司令は同意すると、やおらに両手を組み合わせ、体を少し前かがみに傾けた。

 

『司令さんは何でも知っている。トリーさんが報告書を代筆させようとしていたことも、知っている』

 

 ドォキィーンッ!

 

 司令のおもねる様な視線に晒され、トリーの背筋が跳ね上がる。

 

 だが、次の台詞で俺の背筋も跳ね上がった。

 

『司令さんは何でも知っている。その代筆で時渡さんが『ゴメンして』と書こうとしていた事も、知っている』

 

 ドォキィーンッ!

 

『分かったらさっさと報告書をまとめろ。面倒ごとを増やすな』

 

 俺達の狼狽を他所に、司令は話をまとめに掛かった。

 

「了解です。でもどうして……」

 

 俺はなぜ分かったのかを訊こうとすると、画面の横から副司令の黒い髪が顔を覗かせた。副司令は結構不在がちの方で知られているが今日、そこに居るとは思わなかった。

 

『それは昔、それをやった俺達そのまんまだったからだよ。顔つきまで同じだったのは笑えたけどね』

 

『あっ! 馬鹿っ! テメェ!』

 

 ……朱に交われば赤くなる、それはこの事を言うのだろうか。

 

 妙な所が同類だったことに愕然としながらも、俺は画面の向こう側でドタバタを繰り広げている上司2人をそのままに、通信を終えてスイッチを切った。

 

 今日の報告書は、徹夜作業になるな……。

 


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