ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
何とか出筆速度を取り戻しましたo(^-^o)(o^-^)o
それではどうぞm(__)m


第17話 それは帰り際のすったもんだ

 ひとまずながら契約できるほどに話が纏まった事で俺達は肩の荷が下りた。

 

「それじゃあ、今日の所はこれで引っ込むとするか」

 

「そうだね。名残惜しいけど」

 

 俺がトリーに声をかけようとアイツの姿を探すと、アイツは部室のソファーで小猫を膝の上に乗せて楽しんでいた。

 

「本当に名残惜しそうだな、テメェ」

 

「いやん♪ 浮気はシテナイワヨ」

 

「早くこの人を何とかしてください」

 

 俺が見てるとトリーに抱きしめられている小猫が救いの手を求めて俺に訴えかけてくる。

 

「トリー、そろそろ仕事に戻らないと今日の分の報告書が纏まらないぞ」

 

「そうなったらカケカケが何とかして」

 

「良し分かった。トリーの分は『ゴメンして』と書いて送ってやる」

 

「イヤァーッ! それはいやぁーっ!」

 

 トリーが誤魔化しを俺に頼んでくるが俺はそれを許さない。

 

「ほら、さっさと帰るぞ」

 

「ぶーう」

 

 俺に促されてトリーは未練と文句たらたらに席を立つ。

 

「あらあら、もうお帰りですか?」

 

「悪いな、長居できるほど暇って訳じゃないんだ」

 

「そうだったわね、調査部隊……だったわよね」

 

 俺が長居出来ないと言うと、リアスが思い出したように俺達の事情を口にする。

 

「調査は進んでるの?」

 

「ある程度は、な。出来るならここの、他の世界にも調査の手を出したいが、まだそこまでは進んでない」

 

 俺はリアスの質問に対して言葉を濁した。調査というのはいつの時代でもされる側には問題となるものだ。しかし無ければ現実が明かせないのも問題なのだが。

 

「まあ、今日の予定はこの交渉だけだから予定がある者は帰っても良いわよ」

 

 リアスは俺の言葉に納得したのか、それ以上のことを追及せずに部員に対して予定を明かす。するとイッセーが右手を上げてきた。

 

「すんません部長、俺、ちょっと予定があるんでお先っす」

 

「なら、俺達と帰るか? また堕天使に襲われるとも限らないからな」

 

「そうっすね、お願いできますか?」

 

 イッセーが帰宅するというので俺は途中まで一緒しないかと誘う。すると俺の案にイッセーが賛同する。

 

 どうやら先日の悪夢を忘れているようだ。馬鹿というのは本当だったんだな、イッセー。

 

 俺が哀れみの目でイッセーを見ていると何かに気づいたのか、リアスが俺に問い詰めてきた。

 

「時渡さん、イッセーを無事に帰すんでしょうね?」

 

 どういう意味で無事に帰すと訊くのか、俺はそれを考え込んでしまう。

 

 まさか俺がイッセーを襲うとでも思っているのか? いや、トリーが襲うという考えも無くはない。

 

 俺が黙って考え込んでいるのを見てリアスが口を尖らせてきた。

 

「時渡さん、ちゃんと答えて頂戴!」

 

「ちゃんとイッセーのドーテーは守ってやる」

 

「どういう意味で!?」

 

「あの痴女に遇わない様に心がける」

 

「あの痴女って誰!?」

 

「レイナーレ」

 

 俺は言い訳として用意していた要注意人物レイナーレを挙げると、リアスは目をぱちくりさせながら理解を示した。こう言うのもなんだが、レイナーレのあのボンデージ衣装は危険だ。イッセーが妙な方向に目覚めかねない。

 

「ドーナシークの1件でイッセーが生きてるのがバレたんだ、警戒するに越した事は無いだろ」

 

「そ、そうだったわね。貴方達のせいで忘れていたわ」

 

「というわけで行こうか、イッセー」

 

「えっ、あっ、はい」

 

 俺はリアスを説き伏せるとイッセーとトリーを連れて部室を後にした。もっとも、一旦別れて校門の所で落ち合う事になったのだが。

 

 

 

「今日はすんません」

 

「何、構わないさ。俺も堕天使には遇いたくない感じでね」

 

 道すがらにイッセーが頭を下げてきたことに対して俺は構わないと言って緊張をほぐす。

 

「私としては、その堕天使ってのを見てみたいんだけどね。私達の世界には居なかったから」

 

「ええっ!? 居ないんすか?」

 

「ああ、天界から堕落して魔界に来る所はあるが、それで堕天使と呼ばれはしないんだよ。悪魔って呼ばれているし、そいつらは魔界宮廷の方に入って貴族様をしてるからな、俺達には縁がないもんだ」

 

 俺はイッセーに対してこちらの堕落事情を説明する。

 

「えっ、えっと、じゃあ、俺みたいな転生悪魔ってのも?」

 

「居るわけないだろ。人間ヨロシクえっちらおっちらと作ってるんだよ」

 

 イッセーが質問する転生悪魔の存在について俺は明確に否定する。俺達異世界人にとってこれこそが最大の謎と言って過言ではない。もっとも、それと並び立つ大きな謎としてある存在の生死が問われているのだが。

 

 と、3人で話しながら歩いているところで不意に誰かの気配を察知した。距離的には遠くて判別できないが、間違いなく誰かが近づいてきている。

 

「トリー」

 

「分かってるわよ。この先の道、20メートル先に堕天使が居るわ」

 

「ええっ!」

 

 俺達の会話にイッセーが驚き、前方を凝視する。だが彼の目ではまだ見えないだろう事は窺い知れる。

 

「おおっ! あんな所にゴスロリ美少女!」

 

 ……イッセーのスケベ心は時として己の限界を平気で凌駕するらしい。

 


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