遅れてすみませんですm(__)mそれではどうぞm(__)m
「えらい目にあったぜ」
「それはこっちの台詞よ」
部室の壁から抜け出し、体の具合を確認する俺をリアスが睨みつける。もちろんあの後、レコーダーが壊されてしまったために水着着用の件はご破算となった。
「水着を着ないなら、動きやすさ重視で体操着というのはどうかしら?」
「それが妥協点って所かしら?」
トリーの提案にリアスはそれが落とし所かも知れないと呟く。俺は体操着がかか何なのか分からないために、悔しさで涙も出ない。
ああ、俺の騒乱の導火線は燃え尽きた……。
「それにしてもよう、臨時教員でこの学園に入り込める様になるだなんてな。一言欲しかったぜ」
俺は一言ぼやきながら、懐から1枚の紙、中高教員資格免許を取り出す。
「へっ?」
リアスはこの紙を見て目が点になっていた。
「カケカケ! いつの間に取ったのよそれっ! 私、取ってないわよ!」
「3年前の初調査で臨時から正規に取り直したんだよ」
俺はわめき立てるトリーに言い訳してから手にした紙を懐に戻す。
「どうしてこの方はこうも持ってないと思うものをポンポンと出すのでしょうか」
小猫は蔑む目つきで俺を睨む。その遥か後ろではイッセーが絶望の沼地に沈んでいる。
「じゃあこれで機嫌を直せ」
「それは?」
俺が懐から取り出したのは1本の羊羹、市販品に比べて倍ぐらい太く、長さも1.5倍とふざけた1品である。
「俺の手作り羊羹だが」
「頂きます」
得体の知れない男の手作り菓子でも小猫はすぐに飛びつく。何しろ数日前に俺はグレモリー陣営に俺の保有技能である『調理師免許』と『衛生管理士免許』を見せて納得させた事が起因しているのだが。
「皆の分も渡すぞ」
「当然です」
俺は小猫にそう言って羊羹の入った風呂敷包みを手渡す。
それを見てトリーはぽそっと人聞きの悪いことを呟いた。
「カケカケは、小猫の餌付けに成功した。特殊技能『懐柔』のレベルが上がった」
「人聞きの悪いゲームをしてる気分だな」
俺は思わず嫌気が注し、愚痴を零してしまった。
「でもさ、懐柔……しちゃったんでしょ?」
「悔しいですが、懐柔されてしまいました」
俺の愚痴にトリーは自分が正しいと食い下がり、そこに小猫が賛同する。だが小猫の視線は手元の羊羹に注がれたままである。
「いい加減にしなさい!」
スパンッ! スパンッ!
リアスによる教育的指導にて話が元に戻った。だが俺とトリーが叩かれたのはどういうことだろうか。
「それで、貴方が提示する条件は以上なのね」
「他の部分についてはその場その場で折り合いを付ければ良いだろ。最初から全部に折り合いを付けられるほど手立てを揃えてるわけじゃないしな」
リアスの確認に俺は仕方ないと肩をすくめる。
「そうね、スポーツインストラクターとしてもこれがせいぜいでしょ」
トリーも現時点での条件を大筋を認める。
ここで決まった条件は
1.契約は基本的に週給1人につき5万、部員が増えた際にはその分を加算する。
2.契約期間は特に定めないが特別な事情が生じた際には話し合いにて今後を決める。
3.時間と場所は放課後の部室となる。場所を変える際も話し合いで取り決める事。
4.必要となる器具は安全性を考慮したものをコーチ側が持ち込むこと。そして安全性を双方で合意したものだけを使用する事。
という事でまとまった訳だ。
「後はこちら側は体育着着用で参加するわけね」
「ちくしょう、覚えてやがったよ」
リアスの追加事項に俺は血涙を流す。期待してたんだよ、お前らの水着姿を。
(小説のメモ帳)
特殊部隊レッドベレー
組織スタッフ・ド・RBの本体であり中心部隊。中枢幹部6人が所属し、組織のほとんどをこの部隊が統括している。また司令、副司令がこの部隊に在籍している。主な任務は組織維持の為の資金繰りや組織統括となる。
強襲部隊ダークネス
司法庁との司法取引による凶悪犯に対する強制労働の場としての意味合いを持つ部隊。主な任務は紛争地帯においての停戦もしくは終戦への襲撃活動。その為か組織内でも圧倒的な損耗率を打ち出している。
調査部隊シーカー
多岐に渡る調査を一手に引き受け、依頼に関する事前調査をもこなす先遣部隊。依頼人からの情報だけで現地に派遣され、調査するためダークネスに近い実力者を保有している。また組織内での地位はレッドベレーに次ぐ高地位に座している。