ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
翔とトリーが調子に乗ってます(。>д<)
それではどうぞm(__)m


番外編 第1章 第2話 男子は厨房に入る

「ちょっと、それってどういうことよ!」

 

 リアスが俺の出した免許2枚に抗議の声を上げた。だが俺の資格に死角は無い。

 

「どういうことって言われてもな。この店の調理士が倒れて料理が出せない以上はここでは飯が食えない。だがここに調理士免許を持ったヤツが居て、衛生管理士免許を持ったヤツが衛生管理を果たすならその限りではないわけだ」

 

 俺の説得にリアスが歯軋りをし、他の面々は開いた口が塞がらない。

 

「その気になっているからこの店のメニューは全部作れる」

 

「じゃ、じゃあ、野菜炒めとナポリタンを頼みます」

 

「注文入りまぁ~す♪」

 

 料理の腕を誇るとイッセーが注文を出してきたので、思わずリアスの声で応じてしまった。

 

「また私の声!?」

 

「あらあら、良いじゃないですか」

 

「今度は私の声なのね」

 

 俺はカウンターに入ると茶々を入れるために声をかけた。その声質に今度は朱乃が感心する。

 

 さあ、スタッフ・ド・RBの真価を披露しよう。

 

 厨房に入った俺は、大型冷蔵庫から野菜炒め用の野菜に豚の細切れ肉とナポリタンに使うベーコンを取り出す。野菜を一通り水で洗ってから包丁立ての中から野菜包丁を抜き取って野菜を切り刻んでいく。

 

「えっと炒め鍋は、っと結構深いな」

 

 俺は炒め鍋の深さが片手の幅分であるのを見て感心する。それだけ深ければ麻婆豆腐が作りやすいし、あんかけも作りやすい。チャーハンを作るには少し浅いが、中華鍋だと重いから仕方ないかもしれない。

 

 

 

 一方、客席の方では厨房を心配そうに見つめる面々の姿があった。

 

「大丈夫、でしょうか?」

 

「……自信満々だったから大丈夫かと」

 

 木場の心配そうな声に小猫が大丈夫と呟く。すると年配女性を見ていたはずのトリーが奥から戻ってきた。

 

「あれ? カケカケの姿が無いけど、どうしたの?」

 

「あっ、トリーさん。時渡さんなら今、厨房に居ますよ」

 

 トリーの疑問符に対してイッセーが厨房を指差す。

 

「あっ、居るわね。『貴方のスマイル』ください」

 

「うっふん♪」

 

 こっちはまじめに料理を作ってるんだ、お前の悪ふざけに付き合う暇など無い。トリーを黙らせるために俺は口元に笑みを浮かべてウインクして見せた。それ1つでトリー達が

たやすく轟沈した。

 

 俺はトリーが出してきた注文を即断で攻略すると、炒め鍋に油を少し入れてコンロに火をつけた。業務用コンロだけあって火力調節は面倒だが、何とでもなるだろう。

 

 野菜に火が通るのを見て、豚の細切れ肉を投入し、ジャカジャカと鍋を回す。すると鍋から野菜と肉のかぐわしい、食欲に訴えてくる香りが立ち上げる。そこで俺は僅かな焦げ目を付けるために炒め鍋を置き、コンロの向かい側に鎮座する大型炊飯器に茶碗を持って移動した。

 

「それでトリーさん、お店の人はどうなりました?」

 

「腰痛の方はほぼ全快。ただし経過観察をクリアしないと店には出せないわよ」

 

 店の年配女性の容態を朱乃が心配するが、トリーは問題ない所まで回復させていた。

 

 だが小猫達は別の所を心配していた様である。

 

「……なかなかの機敏な動きです」

 

「料理が上手かどうかはとにかく、料理する事には慣れているようね」

 

 小猫とリアスが客席で俺の背中を見ながら寸評をこぼす。

 

「確かに僕から見ても時渡さんの動きは理に適ってるし、手際も良さそうだね」

 

 グレモリー眷属の料理男子こと木場が俺の動きに感心している。だが厨房が狭いためにこの動きで我慢しているだけだ。この倍以上広ければ俺の動きは格段の良さを打ち出せる自信がある。

 

 そして俺はイッセーの注文を作り終えて客席へとそれらを運ばせた。

 

「さあ喰え」

 

「おっ、おう……」

 

 俺が食事を促すと何故かイッセーは息を呑む。

 

「他のやつらはどうするんだ?」

 

「イッセーが食べ始めてからにするわ」

 

 俺が注文を他の奴等にも促すと、イッセーの反応を見てからにすると言ってきた。だがイッセーが最初の一口を味わったところでそれは後悔の呻きに変わった。

 

「うおっ! すっげぇうめえ!」

 

「カケカケ、面倒だからオムライスにして」

 

「オーライ」

 

 トリーが俺に注文を投げかける。その上で余計な注文も投げてきた。

 

「オムライスの上にケチャップで、『愛してる』って書いてね」

 

「おしっ、カタカナで書いてやる」

 

「怖っ!」

 


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