ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
連投ですが、UA2000突破記念の番外編をどうぞm(__)m


番外編第1章 飯は愛情とぬくもりを
番外編 第1章 第1話 おかしな仕事を請けたな


 

 廃工場での戦闘を終えて、俺達はリアス達の勧めでとある大衆食堂に入った。

 

「いらっしゃい」

 

 店の中は従業員の姿しか無く、客の姿が見当たらなかった。

 

 テーブルの数は3つにカウンター席、まあ、これなら全員が席に座れるな。

 

「それにしてもお疲れ様だな、お前らは」

 

 俺はイッセー達にねぎらいの言葉を投げかける。

 

「いえ、それよりもお2人の強さに驚かされました」

 

 俺の言葉に木場が謙遜する。確かにはぐれ悪魔1体に余力程度とはいえ、全員でかかって倒すのは良いが、無駄や無理が多すぎるのは問題だ。

 

「片手間であれだと、先が思いやられるぞ。搭城は技術面が甘い上に能力に頼りすぎてる。木場は早さにかまけて防御と連携に弱い所がある。姫島は魔力の収束が全然出来てない。グレモリーはぜんぜんダメだな。魔力も少なければ制御も出来てない。それで実戦に出たら問答無用に囮か捨て駒にされるぞ」

 

 俺は先ほどの戦闘での問題点を指摘する。どこをどう学べばこんな偏った能力部隊が出来上がるのか。

 

「一番の問題は戦略が力任せでごり押しなのが、問題よね」

 

 トリーが俺の言葉を継いで問題点を指摘する。彼女達は耳の痛い話なだけに苦笑を浮かべることしか出来ていなかった。

 

 これだけの問題を抱えているとなると、俺達がどれだけ恵まれた組織で訓練されたのかが分かってしまう。何しろ訓練期間は一切の出動を許されず、また緊急出動も無い。あるのは一流の専任講師の下での訓練だけである。そしてその講師の認可を得て初めて部隊に配置され、任務に従事するわけである。

 

 だが、配属先の部隊で伸びるだろう別の能力が露見した場合、その部隊での任務に従事しながらも能力を伸ばすための訓練に駆り出されるのだ。俺はそうやって今の調査部隊に転属させられた。

 

「まあ、小難しい話は明日でも良いだろ。まずは食事だ」

 

 俺は皆を見てからそう言って店のメニューに視線を移す。大衆食堂だけあってそれなりにいいメニューがある。

 

「へえ、コロッケがあるのか」

 

「アジのフライがあるねえ」

 

 俺とトリーはメニューの中の一品を見てにんまりと笑ってしまう。

 

 だが問題がそこで発生してしまった。俺達ではなく、店の側に。

 

「アタタタタ……」

 

 不意に店の年配女性がカウンターの奥で呻きながらその場に蹲ってしまった。それを見た俺とトリーは他の従業員の横をすり抜けて彼女のそばに取り付いた。

 

「トリー、彼女の様態を」

 

「治療場所に移送を」

 

 トリーの支持に俺は年配女性の腕を取り、出来る限り丁寧に持ち上げる。トリーは年配女性の腰に手を添え、病状を確認し始める。

 

「神経および臓器に異常なし。筋肉に若干の伸張と硬直を確認。魔法での治療を要する。認可を求む」

 

「治療を認可。最善まで確実に果たせ」

 

「了解」

 

 俺の許可を受けてトリーが治療体制を整える。その間、高校生のグレモリー眷属はその光景を呆然と見続けることしか出来なかった。

 

「ふう、これで一安心だな。しかし、食事をどうする? 居酒屋かファミレスぐらいしか開いてないだろうが、そこに行くか?」

 

「うええぇ~っ!」

 

「……我慢出来ねえか」

 

 俺はこの騒ぎで夕食がパーになったのを受けて店を変えようか相談したが、何人かがうめき声を上げたため、呆れてしまった。俺とトリーの方は仕事の関係で3食なんて抜いても平然と仕事が出来る。

 

 まあ、俺も料理は出来ないわけじゃないが、司令官ほど料理が上手いわけじゃない。もっとも司令官に勝てる料理人が居たら見てみたい。あの特級料理士とパテシィエのふざけた化け物に勝てる勇者を。

 

「しゃぁ~ねえ」

 

 俺は残っている従業員に確認を取る事にした。

 

「ところで、料理の出来るやつは居るのか?」

 

「いえ、おかみさんしか居なくて」

 

「なら、厨房は借りれるか?」

 

 俺はそう言って自分の財布から適当に10万円を抜き出してチラつかせる。すると相手は目の色を変えて反応した。

 

「はい、大丈夫です」

 

「迷惑料込みで受け取ってくれ」

 

 俺は従業員に10万を握らせ、交渉を終わらせた。これで俺はこの厨房を借りて料理が出来るわけだ。トリーは年配女性にかかりきりで動けないから、俺をとめるやつは居ない。

 

「あっ、あれ? 何か」

 

 目を白黒させて狼狽するグレモリー陣営に対して俺は懐から2枚の紙を取り出し、それを突きつけてやった。

 

「喜べ、俺がお前らの胃袋を満たすことになった調理士の時渡だ。なお衛生面に関してはこの俺、衛生管理士の時渡が許可を出した」

 

「えええぇぇ~っ!?」

 

 俺の出した紙、調理師免許と衛生管理士免許にその場がざわめいた。

 


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