ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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プロローグ 異世界
第0話 どうしてこうなる(2017.11.19修正)


 とある次元空間、この世界では魔界や天界、神界は個々の種の共存を提唱しては平和協定を結び、平穏な日常を送っている。

 

 だが、異変があれば必要な手段を講じて諸問題に着手するだけの能力も有していた。

 

 

 

「突如現れた別次元の調査、ですか?」

 

 神界の首脳陣の急な呼び出しに辟易しながら対応する男の顔に珍妙な表情が浮かんだ。

 

「確かにうちの組織は三界との繋がりが有るし必要な人員の手配もしますが、こういうのは専門機関に任せるのが筋ではないかと」

 

「じゃが、むやみに専門家に任せて能力を失うワケにも行くまい。我々は出来うる限りの支援をする事を約束しよう」

 

 呼び出された男、司令の反論に対して首脳陣側は支援を盾にして引く気配を見せない。未開の次元空間という場所は何が有っても不思議は無く、未知の領域だけに誰もが及び腰にならざるを得ないのは自明の理だが、こうも動かぬ議論というのは面倒でしかない。この状況で出来るのは一つ一つ解きほぐすように相手を説得するしかないが。

 

「出来うる限りの支援とは?」

 

「無論、次元を超える際の手助けを始め、当面の活動資金の配慮、活動拠点に対する支援などある程度の配慮を約束しよう。無論見返りとして報告書の提出を求めるがな」

 

 良く言ったものだと司令は目を細める。だが魅力的な材料であることも承知していた。

 

「なるほど、そういう事であればこちらとしてもやぶさかでは有りません」

 

「それは上々」

 こうして異次元への調査が始まりを告げた。

 

 

 

「……というワケでテメェにお仕事だ、貧乏くじ当たる君」

 

「何が、というワケだよ、コラッ!」

 

 俺は目の前に立つ見慣れた顔の男、司令の言葉に反抗する。

 

「俺はそんな取ってつけたような名前じゃねえよ! 俺の名前は|時渡翔<<ときわたりかける>>だ」

 

 そう、俺は時渡翔。この膨大な規模の組織『スタッフ・ド・RB』の一員で、危険調査部隊に籍を置いている。主な仕事は指定された地域の初期調査、単純に言えば危険の有無を調べる調査員だ。命がけの仕事だけに死に掛けた事は数え切れないほどある。

 

「で、今回の調査はどんな規模でやるんだよ」

 

「少数精鋭、現場派遣は2名だが支援は充実させる。必要があれば現地換金用に金塊さえ用意する」

 

 仕事内容を確認する俺に対して司令は単純ながらも内容を並べ立てる。

 

 未知の世界となると調査員の規模はそこそこ大きくなるのが基本のはずだが、俺達はそんな事を気にする必要は無い。何しろ一番ひ弱な種族である人間がこの組織には1人も居ない。この俺ですら魔界に帰れば魔界の軍勢2十万の騎士を指揮する一角の将軍なのだ。

 

 だが調査費用を必要経費で前払いする用意があるという話は魅力的だ。大抵の場合は現地調達が基本で、必要経費は報告書に添えた領収書と引き換えにして取り戻すものなのだ。

 

 俺はそれを聞いて思わず口笛を吹いた。

 

「ずいぶんと豪勢にふっかけるようで。期間は未定って所か」

 

「そこは進展状況によるな。必要な手段は次元通信機で連絡してくれ。現地でのテメェの権限は部隊長……いや師団長クラスにしておくからな」

 

「大隊長無視してそこまで出すか」

 

 俺はトントン拍子で進んでいく確認作業の中、自分に与えられる権限に目を剥いて驚いた。師団長ってことは、俺の判断で大抵の事が許されてしまう。それこそ現地での犯罪行為ですら必要性を説明できれば止む無しと認めてもらえるということだ。

 

「無論、時空間を越える必要がある事項については要相談となるけどな」

 

「それで仕事開始は?」

 

「1週間後のヒトマルマルマルまでに、本部の地下に次元門を作っておくからそこから現地に行ってくれ」

 

「アイサッ!」

 

 こうして俺はワケの分からない現場の調査に向かうことになった。

 

 

 

「あっ、もう1人の調査員は後日派遣な」

「あんだとぉーっ!」




初めまして皆さん、バグパイプです。

こうして始まったハイスクールD×DのSS、楽しんで頂ければ嬉しいです。

なお、主人公の時渡翔はチートキャラですが、お笑い担当です。それでは次回もお楽しみに。

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