もしも八幡とあーしさんが運命の赤い糸で結ばれていたら   作:しゃけ式

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ラブライブのssコンテストに出てみようと思い応募したらまさかの掲載不可…。内容が若干アンチじみているからですかね。そんなつもりはないのですが。結構頑張ったのに残念です。




17話

 午前のみの授業が終わり、俺は大学の掲示板の前で唸っていた。いやまあ唸っていたと言っても悩んでいるだけだが。大学でもめでたくぼっちな俺が独り唸ってるとか不審者にも程があるだろう。想像するだけで気持ち悪い。

 

 

(楽そうでかつ印象がいいのは…、ないな。両立してるのがねえわ。池の水を抜いた後の生物保護とか誰がやるんだよ)

 

 

 俺が見ていたのはボランティア活動に関する掲示板で、3年になったということからそろそろ就活をするかと思い立ったのがこの行動だ。サークルにも入っていないためツテで見つけるのは叶わないため、自力で探すしかない。

 

 疲れを感じ、ほとんど無意識に煙草を取り出す。だが俺と同じく隣でボランティアの掲示板を見ていた女がぎょっした顔でこちらを見たため、戻すことに。

 

 そういえばこの大学どこもかしこも禁煙だったか。喫煙室に入ってまで吸おうとも思わないため、自重する。何かの間違いで教授と2人きりになった時には目も当てられないからな。良が可になるレベルだ。ちなみに俺にとって優を取ることは戸塚ルートに入るくらいの難易度である。偶然何回かとったことはあるが、積極性という面でぼっちの俺にはハードルが高すぎる。あれ?何回かとれたってことは戸塚ルートに入れるのか?なんかテンション上がってきたぞ?

 

 

 と、浮き足立った俺へツッコミを入れるかのようにスマホが振動する。俺自身が既にマナーモードなのだ、スマホなんてマナーモードで然るべきだろう。もしかしたら俺はサイレントマナーまである。

 

 最近の着信履歴は殆ど三浦、たまに小町と言う中学の頃の俺の着信履歴みたいになっていた。一応補足すると、全てが家族で占められているという……、まあこの話はいい。てか三浦もオカンっぽいだけで家族じゃねえしな。

 

 

「もしもし」

 

 

『ヒキオ、来週の月曜日って空いてる?』

 

 

「まあ一応。授業はない」

 

 

『じゃあその日幼稚園でボランティアね。もう申し込んどいたし、それじゃ』

 

 

 プツッ、と通話が切れる。

 

 

 ……つまり、事後承諾ってことか?とりあえず楽そうでかつ印象が良さそうなボランティア活動が見つかったことだけはよしとする。事後承諾なのは腑に落ちないが、それも多くの友人がいる三浦だから出来たことなのだろう。

 

 

 風に揺られ、遠くの桜が花弁を散らす。何十枚も落ちたように見えたが桜は依然としてピンクを保っている。あれが全て落ちるのは一体いつなのだろうか。久しぶりに花見でもしてみたいと感じるが、誘う相手がいないため即座に思考を打ち切る。

 

 三浦を誘っても酒盛りになるだけだしな。 奉仕部ならどうだろうか。つっても柄じゃないからやっぱ無理だな。それに奉仕部でないとはいえ一色のこともある。由比ヶ浜あたりが知らずに誘う可能性もあり、危ない橋は渡るもんじゃないと思い断念。

 

 

 こういう“気遣い”は、一色にとってはありがた迷惑なんだろうけどな。散った桜を見ながら、そんなことを思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒキオ、その椅子運んで。1列10席だからね」

 

 

「はいよ。…一気に3席は重いか」

 

 

 件のボランティア活動の日、俺と三浦はすでに活動の一環である用意を手伝わされていた。お遊戯室?とかいう準体育館的な場所に30席を並べるという、言わば雑用である。到着した時に挨拶した園長先生はどこぞのヤーさんみたいなのではなく、いかにも優しそうなふくよかなおばあちゃんだった。出会い頭に握手を求められ戸惑いはしたが、悪くない第一印象になったとは思う。

 

 にしても、こういう時の三浦はまるで人が変わったみたいだな。園長先生との挨拶でもそうだったが、行動力が普段とは大違いだ。過去に1度だけ合宿で同じボランティア活動を行ったが、あの時には見えなかった一面だ。単に俺が見ようともしていなかっただけかもしれないが。

 

 

 俺と三浦は無事に30席を並べ終え、園長先生のところへ行くとお遊戯室の前で待っておいてのお達しが。来た道を引き返しお遊戯室へ戻ると、すでに何人かの園児が椅子に座っていた。まばらな座り具合を見るに、もしかしたら席は決まっているのだろうか。

 

 

「…んな熱心に見なくても園児は逃げないし。ロリオ」

 

 

「熱心に見てねえし変なあだ名つけんな。マリオのパチもんかよ」

 

 

 見たことのない顔だからか、お遊戯室に入ってくる園児らはしきりにこちらを見てくる。あれ誰ー?など周りの子らに訊いている子も多くなり、後ろから入ってきた若い先生が早く座りなさいと急かす。

 

 

 と、考えていたのも束の間。突然腰へかなりの衝撃が走った。

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

「おお、優ちゃん」

 

 

 どうやら優ちゃんは遠くから俺の腰へタックルしてきたようで、しっかり俺の腰にしがみついている。てかそこ良く考えたら男の大事な急所だから。バレると怖いから早くどいてくんねえかな。

 

 

「ヒキオ」

 

 

「ひゃ、はい」

 

 

「たててたら去勢するし。覚悟しときなよ」

 

 

「」

 

 

 あまりの威圧感に絶句する。声だけだとどの“たつ”のニュアンスなのかはわからないが、まあ去勢の言葉でわかるだろう。……たまに高校時代以上の威圧感を放つんだよな。怖い怖い。

 

 

 程なくして優ちゃんは先生に連れられ、自分の席についた。これで全員が座っていることになり、先生が朝の会を始める。

 

 

「みなさん、おはようございます!」

 

 

「「「おはようございます!!」」」

 

 

 園児らは子ども特有の一言一言が長いおはようございますをし、先生を見ている。ここで誰も話し出さないのは幼稚園教育の賜物なのだろうか。

 

 

「今日は、1日だけ、ローリー先生の代わりに、新しい先生が来てくれたよ!さ、どうぞ!」

 

 

「ぶっ」

 

 

「何吹いてるし。ほら、さっさと行くよ」

 

 

 三浦に連れられ前へ向かう。いやでも幼稚園でローリー先生だぞ?完全に狙ってるだろ。……ローリーがあだ名でないことを祈るばかりだな。

 

 

「じゃあ先生方!お願いします!」

 

 

「はい。三浦優美子です!あーし子ども大好きだからみんなと会えて嬉しいよ!よろしくね!」

 

 

 パチパチと拍手が鳴り響く。鳴り止まぬまま、三浦は俺の肩を叩く。

 

 

「……いやいや、お前キャラ完全に崩壊してんじゃねえか。誰だよ」

 

 

「うっさい。これくらいの方が子どもには受けがいいからだし。てか早くやんないとハードル上がるよ」

 

 

 それもそうだと思い、一度咳払いをする。それを何の合図と思ったのか園児は拍手をやめてしまった。

 あたりに響く静止音。これが漫画なら完全に『シーン』という擬音がつくだろう。

 

 …あれ?俺何を言えばいいんだ?あいつみたいなキャラは男にはおかしい、てか危ないし、かといって下手にテンション上げてもキモがられるだけだ。ならば落ち着いて挨拶しかないが、それもまた園児には向かないだろう。

 

 

 有り体に言うと詰んでるな、これ(白目)

 

 

 雪ノ下と川崎を同室で対峙させた時レベルで頭を回転させ、何をとち狂ったのか俺は。

 

 

 

「にょ、にょわ〜!ハッチマンだにぃ!みんなとハピハピした……、すんません、宜しくお願いします」

 

 

 

 と、どこぞの某巨人系アイドルの挨拶をしてしまう。先生と園長先生は苦笑いをし、三浦は大きな溜め息をつく。園児でさえも拍手がまばらという大惨事。

 

 

「…あんたの方がキャラ崩壊してんじゃん。ウケる」

 

 

「その言い回しは別のやつと被るからやめろ」

 

 

 しかし、拍手は突然大きなものに変わった。なんと優ちゃんが気を利かせてくれたのかかなり大きな音で拍手してくれ、周りも釣られて拍手をする。そのタイミングで先生はこの機を逃すまいとしたのか両手でパンパンと2回叩いた。

 

 

「はい!じゃあみんな、今日1日、宜しくお願いします!さん、はい!」

 

 

「「「よろしくおねがいします!!」」」

 

 

 こうして俺の黒歴史は増え、朝の会は終わった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 朝の会後、俺と三浦は先生と一緒に椅子を片付けていた。あの挨拶の手前先生と顔を合わせるのはなるべく避けたいところだが、仕方ないものは仕方ない。

 

 

「あの、ハッチマンさん」

 

 

「あ、すいません八幡です。いや比企谷です」

 

 

「ああっ、ごめんなさい!」

 

 先生が声を掛けてくれる。正直恥ずかしく話すのは躊躇われるが、話しかけられて無視するのは失礼だろう。

 

 

「あの、優ちゃんとはお知り合いなんですか?」

 

 

「ええ。前に三浦…、そこの金髪縦ロールとの縁で。あいつの従姉妹なんですよ」

 

 

「そうなんですか!言われてみれば似てますね〜」

 

 

 あはは、と愛想笑いか素の笑いか見分けがつかない笑顔を浮かべる。てかよく見るとこの人美人だな…。歳は3、4つくらい上か。ポニーテールでエプロンみたいなのを着ている、いかにも幼稚園の先生といった風貌である。

 

 

「あと、三浦さんの髪型はゆるふわウェーブですよ」

 

 

「そっすか」

 

 

 前にも聞いたツッコミ。そういえばそんな名前だったか。俺には判別がつかねえけど。それから少しの間は会話がなく、もしかして世間話をしに来てくれたのだろうかと考え出したところで再度先生は口を開いた。

 

 

「あと少しですし、2人は先に外で園児達と遊んでてくださって大丈夫ですよ!」

 

 

「いや、でも悪いですよ」

 

 

「いえいえ、優ちゃんのためにも行ってあげてください!」

 

 

「なら、お言葉に甘えて」

 

 

 本当は雑用をしていた方が気は楽ではあるのだが、ああ言われた以上行かざるを得ない。三浦を呼んで行くぞと伝えるが、なぜか三浦は少し機嫌が悪かった。

 

 

「…あっそ。んじゃあーしあっち行くから。ヒキオそっち頼むね」

 

 

「何怒ってるんだよ」

 

 

「別に怒ってないし」

 

 

 そう言いながらも右側に垂れた髪をくるくると回しては戻す。三浦が何かを隠している時のサインだ。これを突っ込むほど馬鹿ではないため、言われた通り“そっち”へ向かう。やはり三浦は反対方向へ向かったため、とりあえずはクールダウンをさせておこうという結論に至る。

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

「おふっ」

 

 

 またしてもタックルをする優ちゃんに、今度は思わず咳き込んでしまう。子どもの力と侮るなかれ、なかなかに強い飛びつきは受け止めるのにも一苦労だ。

 

 

「あっちでおままごとしよ?」

 

 

 そう言って優ちゃんは指を指す。示した方向には5人ほど女の子がおり、キャラもののシートの上にそれぞれがちょこんと座っていた。

 

 

「わかった」

 

 

 優ちゃんは俺の手を引いて歩く。着いたところで優ちゃんを除く5人が俺をまじまじと見つめてくる。ぼっちは視線に慣れていないからな。思わず目を反らすとある女の子が口を開いた。

 

 

「じゃあハッチマンはお父さんね!あたしはお母さん!」

 

 

「わかった」

 

 

「優ちゃんもお母さん!」

 

 

「おう……、え?」

 

 

「あたしもお母さんだよ!」

 

 

「わたしも!」

 

 

「すまんちょっと待ってくれ。お母さん役は誰だ?」

 

 

「「「はい!!」」」

 

 

 6人が一斉に手を挙げる。まさかの一夫多妻制の国設定に、困惑する俺は何も言えなくなっていた。

 

 

「お兄ちゃんはろくまた?のお父さん!じゃあスタート!」

 

 

 一夫多妻制じゃなくて六股の方かよ。なおさらダメじゃねえか。

 

 

「ねえお父さん。この服のくちべにって誰のよ!」

 

 

「え、ああ、それはだな…」

 

 

「ちょっとあなた!この女誰よ!」

 

 

「あ、えと、そいつは…」

 

 

「あらあなた?最近ごぶさたじゃない?」

 

 

「やめ、女の子がそんなこと言ったらダメだぞ」

 

 

「…一生あたしのこと、覚えててよね」

 

 

「どこで聞くんだそんな呪詛みたいな言葉」

 

 

 ロリっ子たちがあーだこーだ言いながら俺を責め立てる。時に園児同士が責めあったりもするので、それを止めたりもしながら約1時間もの間、俺は園児達に振り回されていた。

 

 

 

 

 

「…あー、疲れた」

 

 

 やっと六股おままごとから解放された俺は、一服するために幼稚園の生い茂った裏庭のようなところへ移動していた。こういった場で煙草を吸ってもいいものかと悩んだが、そんな非常識なことさえも合理化してしまえるレベルで疲れていた。

 

 子どものエネルギーってどこから来るんだろうな。むしろ吸われてるまである。

 

 

 煙草を取り出し、胸にあるライターを口に咥えた煙草へ近付ける。しかし火を付ける直前、誰かに声をかけられてしまった。

 

 

「あら、比企谷さん」

 

 

「…ども」

 

 

 声をかけてきたのはまたしても先生であり、まずいところを見られたかと焦る。

 

 

「あっ、煙草は吸われて大丈夫ですよ!…ただ、匂いの残らない程度にしてくださいね?」

 

 

 綺麗な笑顔で忠告してくれる。教えてくれたのはありがたいが、なら先生はなぜこんなところへ来たのだろうか。

 

 しかしその理由は、すぐにわかるところとなる。

 

 

「これ、みんなには内緒ですよ?」

 

 

 口の前に人差し指を当て、しーっと音を鳴らす。その手の中指と親指に挟まっているのはまさかの煙草だった。100円ライターで手際よく火を付けると、吸ってからの吐き出しがなかなかに早かった。口腔喫煙だろうかと注目すると、あることに気付いた。

 

 

「黒煙草ですか。渋いですね…」

 

 

 鼻につく匂いと黒ぐろと主張する煙草。およそ若者が吸うものではなく、まして幼稚園の先生が吸うなんてミスマッチにもほどがある。

 

 

「すみません!匂いきつかったですよね」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

 手の煙草を胸のライターでつけ、肺に煙を溜めてから一気に吐く。黒煙草の独特な匂いとピースの純粋な煙草の匂いが混ざり、カオスな異臭が出来上がっていた。もう1度だけ吸ってから、携帯灰皿に吸殻を入れる。見ると先生も灰皿を出そうとしていた。

 

 

「よかったら」

 

 

「ありがとうございます。では遠慮なく」

 

 

 押し付けて火を消し、灰皿の中に入れる。しっかり閉めたことを確認し、ポケットに戻した。

 

 

「さっきのお礼ってことで、1本お家などで試されてみますか?」

 

 

 先生はパッケージから黒煙草を1本取り出し、先ほどと同様よかったらと言って俺に渡す。

 

 

「黒煙草ってなかなか手が出ないと思うんですよね。でも試したいからって1箱買うのはもったいない、ってことで!」

 

 

「そう言われたら受け取るしかありませんね。ありがとうございます」

 

 

「いえいえ!今度またお仕事をご一緒する機会があったら感想教えてくださいね!」

 

 

 先生は大人の余裕からなのか、余裕のある笑みを浮かべて園児の元へ戻って行った。俺もそろそろ戻るかと思い、一応匂いを手で散らしてからその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「今日は1日ありがとうございました」

 

 

「いえいえ、こちらも助かりましたよ。またいらしてね」

 

 

 午後7時、幼稚園を出る間際三浦と園長先生は別れの挨拶を行っていた。俺は三浦の斜め後ろで何も言わずに立っており、夕飯は何にしようかなんて適当なことを考えていた。

 

 

「比企谷さん」

 

 

 そう呼んだのはやはり先生だった。

 

 

「これ、私のアドレスですから黒いの試したら感想送ってください!」

 

 

「え、いやでも次って…」

 

 

「いいじゃないですか、ほら!」

 

 

 俺の手を外から手で包み、アドレスの記載された紙を無理やり握らせる。急なボディタッチに顔が熱を帯びたが、もうすでに暗いため目立ちはしないだろう。

 

 

「じゃあお2人さん、お元気でね」

 

 

 最後に園長先生が笑いながら手を振ってくれる。俺と三浦は声を揃えてありがとうございますと感謝を述べ、帰り道を歩いた。

 

 

 

 

 

 道中、三浦はまだ不機嫌な様子で話しかけてきた。

 

 

「あんたさっき何握らされてたの」

 

 

「なんでまだ怒ってるんだよ…」

 

 

「怒ってないし!」

 

 

 朝と同じ問答。このままでは埒が明かない。

 

 

「アドレスだよ。昼前に煙草吸ったんだけどな、その時に先生が黒煙草持っててそれの感想を聞かせてくれって」

 

 

「黒煙草?」

 

 

 聞き慣れないフレーズなのか、先程までの険悪な態度は薄れていた。

 

 

「あとでうちに来たら見せてやるよ」

 

 

「別に行くとか言ってないし。……行くけど」

 

 

 拗ねたようにそう漏らす。それから長い間無言のまま歩いた。その時にはもう無言の気まずさはなくなっており、ここまで三浦に気を許していたのかと気付くとどこか恥ずかしく感じた。

 

 

 と、そんな折前方に綺麗な光景を発見した。稚拙だが言い得て妙な表現のはずだ。

 

 

「おお、夜桜か」

 

 

「凄いじゃん。しかもライトアップまでしてある」

 

 

 日の落ちた暗い夜に照らされた満開の桜。時折花弁を散らす様は一層幻想的な雰囲気を醸すのに一役買っていた。

 

 

「…これが花見代わりだな。酒もねえし」

 

 

「ヒキオ何1人で喋ってんの?」

 

 

「何でもねえよ」

 

 

 煙草はないが、長く息を吐く。不意に触れた情緒にしみじみと浸りながら、俺と三浦は桜並木を歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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