遊戯王 Replica   作:レルクス

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二十話

 誠一郎 LP4000

 天音  LP4000

 

 ステージで始まった一つのデュエル。

 一人の少年が道を作り、一人の少女が成長して生まれたステージで始まる。

 先攻は、天音だった。

 

「私の先攻。手札から魔法カード、『開幕の二重奏』を発動。自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、デッキから『シュプレヒコール』永続魔法一枚を手札に加えることが出来る。私は『シュプレヒコール・アドミッション』を手札に加えて、発動。この二人をデッキから特殊召喚する」

 

 

 開幕の二重奏

 通常魔法

 このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。

 ①:自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから「シュプレヒコール」永続魔法一枚を手札に加える。

 

 

 シュプレヒコール・アクター  ATK1600 ☆4

 シュプレヒコール・アクトレス ATK1500 ☆4

 

「そして私は、アクターの効果を発動。アクター以外のシュプレヒコールモンスター全ての効果を無効にすることで、次の私のスタンバイフェイズまで、私のシュプレヒコールモンスターは戦闘では破壊されない」

 

 

 シュプレヒコール・アクター

 レベル4 ATK1600 DFE1000 風属性 悪魔族

 このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。

 ①:自分フィールドにいる、このカード以外の「シュプレヒコール」モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にして発動する。自分フィールドの「シュプレヒコール」モンスターは全て、次の自分のスタンバイフェイズまで、戦闘では破壊されない。

 

 

「私はカードを一枚セットして、ターンエンドだよ」

「俺のターン。ドロー!」

 

 誠一郎は手札を見て、『いつも通りだな』と感じた。

 どうやら誠一郎のデッキは、このデュエルが面倒だとは思っていないようだ。

 

「俺は『増援』を使って、『星王兵リンク』を手札に加える。手札を一枚コストにして、特殊召喚だ」

 

 星王兵リンク ATK1700 ☆4

 

「そして魔法カード『星王の錬成術』を発動。自分フィールドに星王兵モンスターが存在する場合に発動。『星王トークン』を一体特殊召喚だ」

 

 星王トークン ATK0 ☆1

 

 

 星王の錬成術

 通常魔法

 ①:自分フィールドに「星王兵」モンスターが存在する場合に発動できる。自分フィールドに「星王トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。

 

 

「そして、リンクと星王トークンを守備表示にすることで、リンクの効果を発動。『クリムゾン・ワイズマン』を手札に加える」

 

 星王兵リンク ATK1700→DFE1000

 星王トークン ATK   0→DFE   0

 

「やっぱり、星王兵リンクは驚異的だね」

「そう言うデッキなんだよ。俺は闇属性の星王兵リンクと、星王トークンをシンボルリリース。黒き七つの星々よ、閃光の果てに一つとなりて、賢者の宝玉を紅に染めろ。オーディナル召喚!レベル7『クリムゾン・ワイズマン』!」

 

 クリムゾン・ワイズマン ATK2500 ☆7

 誠一郎 SP0→2

 

 現れる紅の賢者。

 その瞳には、どれほどの成長をしたのか、それをテストする者の色があった。

 

「クリムゾン・ワイズマンが存在する限り、魔法カードの発動におけるライフコストは不要だ。1000ポイントのライフコストを踏み倒して、魔法カード『序数賢者の秘術』をクリムゾン・ワイズマンを対象にして発動。このターン。対象モンスターが相手モンスターとバトルして、その戦闘で相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時、そのモンスターを除外する」

「!」

 

 

 序数賢者の秘術

 通常魔法

 ①:ライフを1000ポイント払い、自分フィールドのモンスター一体を対象にして発動できる。このターン。そのモンスターの攻撃によって相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時に発動できる。その相手モンスターを除外する。

 

 

「そして、ライフコスト1500を踏み倒して、魔法カード『序数賢者の心得』をクリムゾン・ワイズマンを他称にして発動。このターン。対象モンスターは相手モンスター全てに攻撃することが可能になり。戦闘で相手にダメージを与えるたびに、カードを一枚ドロー出来る」

「うそ……」

 

 

 序数賢者の心得

 通常魔法

 ①:ライフを1500ポイント払い、自分フィールドのモンスター一体を対象にして発動できる。このターン。そのモンスターはバトルフェイズ時、相手モンスター全てに攻撃でき、戦闘によって相手に戦闘ダメージを与えるたびに、カードを一枚ドロー出来る。

 

 

「バトルフェイズ。クリムゾン・ワイズマンで、アクターとアクトレスを攻撃」

 

 天音 LP4000→3100→2100

 

「秘術の効果で二体は除外され、心得の効果で二枚ドローだ」

「このバトルフェイズ終了時、罠カード『シュプレヒコール・アンコール』を発動。バトルフェイズ中にフィールドを離れたシュプレヒコールモンスターの数まで、デッキから別名のシュプレヒコールモンスターを特殊召喚できる!」

 

 

 シュプレヒコール・アンコール

 通常罠

 ①:相手バトルフェイズ終了時のみ発動できる。このバトルフェイズで自分フィールドを離れた「シュプレヒコール」モンスターの数まで、デッキから別名の「シュプレヒコール」モンスターを特殊召喚できる。

 

 

「フィールドを離れたのは二体。私はデッキから、それぞれ二人目のアクターとアクトレスを特殊召喚!」

 

 シュプレヒコール・アクター  ATK1600 ☆4

 シュプレヒコール・アクトレス ATK1500 ☆4

 

「……なるほど、俺はカードを二枚セット。ターンエンドだ」

「ターン終了時、アドミッションの効果が発動。このカードを墓地に送り、デッキから『シュプレヒコール・マーチ』を手札に加える。そして、私のターン。ドロー!」

 

 ドローしたカードを見て、天音は表情を変えた。

 

「永続魔法『シュプレヒコール・マーチ』を発動。このカードが表側表示で存在する限り、私のフィールドのシュプレヒコールモンスターは、攻撃力が400ポイントアップする」

 

 

 シュプレヒコール・マーチ

 永続魔法

 「シュプレヒコール」永続魔法は、自分フィールドに一枚しか存在できない。

 ①:このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールドの「シュプレヒコール」モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。

 ②:相手ターン終了時、フィールドのこのカードを墓地に送って発動する。デッキから「シュプレヒコール」カード一枚を手札に加える。

 

 

 シュプレヒコール・アクター  ATK1600→2000

 シュプレヒコール・アクトレス ATK1500→1900

 

「そして、アクトレスの効果。アクトレス以外のシュプレヒコールモンスターの効果を無効にすることで、相手モンスター一体の攻撃力は、シュプレヒコールモンスター一体につき、ターン終了時まで攻撃力が300ポイントダウンする」

 

 

 シュプレヒコール・アクトレス

 レベル4 ATK1500 DFE1000 風属性 悪魔族

 このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。

 ①:自分フィールドにいる、このカード以外の「シュプレヒコール」モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にして発動する。相手モンスター一体を選択し、ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を、自分フィールドの「シュプレヒコール」モンスター一体につき300ポイントダウンさせる。

 

 

 クリムゾン・ワイズマン ATK2500→1900

 

「なるほどな……」

「バトル!シュプレヒコール・アクターで、クリムゾン・ワイズマンを攻撃!」

「甘いな。ライフコスト500を踏み倒して、速攻魔法『崩壊した神秘』を発動。相手モンスターの攻撃宣言時に発動し、フィールドのモンスターの攻撃力は全て、このバトル中、全て元々の攻撃力となる」

「む……」

 

 

 崩壊した神秘

 速攻魔法

 ①:相手モンスターの攻撃宣言時、ライフを500はらって発動できる。ダメージステップ終了時まで、フィールドのモンスターの攻撃力は、元々の攻撃力となる。

 

 

 シュプレヒコール・アクター  ATK2000→1600

 シュプレヒコール・アクトレス ATK1900→1500

 クリムゾン・ワイズマン    ATK1900→2500

 

「反撃しろ。ワイズマン」

 

 天音 LP2100→1200

 

 ライフがかなり減っている天音。

 だが、微笑んでいる。

 

「やっぱり、誠一郎君は、この程度じゃ通用しないか」

「そうだな。なら、どうする?」

「全力で行くだけだよ。私は速攻魔法『唱和の才覚』を発動。戦闘で破壊されたシュプレヒコールモンスターを一体、私のフィールドに特殊召喚する」

 

 シュプレヒコール・アクター ATK1600 ☆4

 

「そして、特殊召喚したモンスターを含めて素材にすることで、オーディナル召喚を行うよ」

「バトルフェイズ中のオーディナル召喚か」

 

 

 昭和の才覚

 速攻魔法

 ①:このターン中に戦闘で破壊された「シュプレヒコール」モンスター一体を対象にして発動できる。そのモンスターを墓地から特殊召喚して、そのモンスターを含む自分フィールドのモンスターをリリースして、オーディナル召喚を行う。

 

 

「私は、風属性のアクターとアクトレスをシンボルリリース。心の底から求める真実の夢。風の竜の背中に乗せて、今、響け!」

 

 シンボルが光り輝き、ドラゴンが姿を現す。

 

「オーディナル召喚!レベル8『シュプレヒコール・ドリームドラゴン』!」

 

 シュプレヒコール・ドリームドラゴン ATK3000 ☆8

 天音 SP0→2

 

「……なるほど、このタイミングで出してくるか」

 

 強くなれるわけだ。

 そして、コイツも、天音を選ぶわけだ。

 

「ドリームドラゴンの効果発動。自分の墓地とフィールドから、永続魔法を任意の数除外することで、二つにつき一つ。私のSPを増やす。墓地のアドミッションと、フィールドのマーチを除外して、SPを一つ増やすよ」

 

 天音 SP2→3

 

「そして、ドリームドラゴンの追加効果は、私のSPの数で決まるよ」

 

 シュプレヒコール・ドリームドラゴン

 レベル8 ATK3000 DFE2000 風属性 ドラゴン族

 オーディナル・効果

 風属性×2

 ①:このモンスターのオーディナル召喚に成功した時、自分のフィールドと墓地から永続魔法を任意の数選択して発動できる。選択したカードを除外し、その数二枚につき、SPを一つ増やす。

 ②:自分のSPの数によって、以下の効果を得る。

 ●一つ以上:このモンスターは効果では破壊されない。

 ●三つ以上:自分フィールドのモンスターは、相手の魔法カードの効果を受けない。

 ●五つ以上:このカードがモンスターゾーンで表側表示で存在する限り、相手フィールドのモンスターの効果は無効になる。

 『SP2』

 

 

「それにより、今のドリームドラゴンは、効果では破壊されず、相手の魔法カードの効果を受けない!」

「強固と言えば強固な耐性だ」

「バトル!シュプレヒコール・ドリームドラゴンで、クリムゾン・ワイズマンを攻撃」

 

 ドリームドラゴンがブレスを構える。

 そしてそれを命じた天音の顔だが……。

 

「通らないことは分かっているみたいだな」

「まだだけどね。でも、いつか、誠一郎君を超えて見せるから」

「楽しみにしておこう。ライフ半分のコストを踏み倒して、速攻魔法『オーディナル・オーバーヒート』を発動。自分フィールドのオーディナルモンスター一体を攻撃力を倍にする。ターン終了時に破壊されるがな」

 

 

 オーディナル・オーバーヒート

 速攻魔法

 ①:ライフを半分払い、自分フィールドのオーディナルモンスター一体を対象にして発動できる。そのモンスターの攻撃力は倍になり、ターン終了時に破壊される。

 

 

 クリムゾン・ワイズマン ATK2500→5000

 

「クリムゾン・ワイズマンの反撃。『オーバーロード・クリムゾン・ビジョン』!」

 

 圧倒的なエネルギーを集約させる杖を振って、ドリームドラゴンを倒した。

 

 天音 LP1200→0

 

 勝者。遊霧誠一郎。

 

 ★

 

「強かったよ。誠一郎君」

「当然だ」

 

 誠一郎はフッと笑った。

 

「あと、残すところ、このステージでの歌は一つだけなんだ。だから……一緒に歌ってくれる?」

「いいだろう」

 

 ちらほらと、本人が連絡してきていたからな。

 それくらいなら。構わない。

 

 誠一郎は、トップアイドル、御堂天音とともに、綴った。


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