宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型

24 / 87
まだオデッサには行かんよ。


オデッサ作戦 前哨戦

宇宙世紀0079.10月11日。地球連邦軍【オデッサ作戦】の準備の為、部隊収集を行う。同日、第3軍がドーヴァー海峡を横断。

宇宙世紀0079.10月20日。地球連邦軍はオデッサ作戦の為の各戦力を集結地点であるワルシャワに集める。

宇宙世紀0079.10月25日。地球連邦軍【オデッサ作戦陽動】開始。オデッサ作戦をジオンに悟られるのを防ぐ為、陽動部隊が多数各地に派遣される。

 

そしてMS特務部隊第27小隊であるラングリッジ小隊は敵戦力の偵察及び撃破の為に出撃する事になった。

 

……

 

宇宙世紀0079.10月26日。集結地点ワルシャワには地球連邦軍の大部隊が存在していた。そしてMS特務部隊第27小隊 ラングリッジ小隊は、かつての前線基地から北東に進軍開始。目標はジオン軍補給路破壊を行う事になった。それと同時に敵補給部隊とモビルスーツ部隊の破壊も行う事になる。

 

「しかし、今回は61式戦車5型と共同任務か」

 

トレーラーから61式戦車5型を見る。61式戦車5型は何度も改修、改良を受けた最終バージョンだ。二人乗りで不整地でも時速90kmを叩き出す高性能戦車で155㎜連装砲の威力は高い。又データリンクによる射撃も可能だが、ミノフスキー粒子により厳しい立場にある。

そんな優秀だが不遇な立場になってしまった61式戦車が合計8輌の二個小隊になるバンブル小隊だ。

 

「そうね。まあアーヴィントの量産型ガンタンクと一緒に後方から支援砲撃させるのが無難よね」

 

「それで納得してくれるとは思いませんが」

 

そう、このバンブル小隊は古参兵が居るのだ。更にザク6機を撃破して来た強者揃いだ。元バンブル小隊の生き残りも今や4名しか居ないが、それ故に生き残って来たプライドがあるだろう。

そして目的地まで到着した訳だが、案の定問題が発生する訳だ。

 

「それで、俺達が後方で砲撃しろと?はっ!其奴は自走砲に任せな。俺達は61式戦車乗りだぜ」

 

「バンブル少尉、貴方の気持ちはよく分かるわ。でも、今の戦場はモビルスーツがメインなのよ。それはバンブル少尉が良く解ってるはずよ」

 

「へっ…言ってくれるねぇ。確かラングリッジ少尉だったな。お前は俺より後任少尉だ。だったら、俺の、指示に、従え!それが嫌なら別行動を取る」

 

ラングリッジ少尉とバンブル少尉はお互い一歩も譲る気配は無い。

 

「まあ、待ちたまえ。此処は僕達にモビルスーツ乗りに任せ給え。そうすれば全てが上手く行く」

 

「お前は俺達と同じ後方支援になるんだろ。ガンタンクだったか?あんなモビルスーツ擬きに乗ってる癖に偉そうにほざくな。それにな、俺は最初見た時くらお前らが気に入らねえんだよ」

 

バンブル少尉は俺達ラングリッジ小隊を睨みつけながら言う。

 

「お前らの初戦は何時だ?俺達はな…あの巨人が地球に降りて来た時から戦ってる。あの巨人の化け物を見た時から絶望的な戦いをして来たんだよ!お前らの様な恵まれた連中とは潜って来た修羅場が違うんだよ!!!」

 

バンブル少尉は吼えた。その声は絶望的な戦場を生き抜いて来た兵士の声だった。その威圧にレイナ少尉、アーヴィント少尉、ルイス伍長は一歩引いてしまう。

 

(しかし、三人も少尉が居るのか。ちょっと面倒だな)

 

そんなどうでも良い事を考えてるとバンブル少尉が睨んで来た。ヤベっバレた。

 

「おい、お前は曹長だな。初陣は何時だ?」

 

バンブル小隊の全員が睨んで来る。

 

「ルウム戦役が初戦になります。その後は地球降下阻止作戦に参戦しました。尤も結果はご覧の有様ですが」

 

ルウムと聞いたバンブル小隊のメンバーは驚く。

 

「それに、バンブル少尉の言う事は良く理解出来ます。セイバーフィッシュのミサイルは全てロック出来無いんです。例え出来てもザクの回避能力はセイバーフィッシュより上ですし、あんな小型のミサイルが当たっても大したダメージにはなりません。唯一の対艦ミサイルは至近距離で直接照準で当てるしか無い」

 

ま、近付く前にやられるんですけどね。と最後に付け足す。

 

「その点61式戦車はまだ良い方です。装甲は有るし155㎜の砲弾を沢山撃てる。セイバーフィッシュは20㎜バルカンぐらいしか撃てるのは無いですからね」

 

何だか愚痴っぽくなって来たな。それに何だか雰囲気が暗くなって来たし。

 

「ミノフスキー粒子。コレがばら撒かなければ少しはマシな戦闘に成ったんでしょうけどね…」

 

俺はミノフスキー粒子が無ければ宇宙での戦闘で終わったと考えている。ザクは確かに強力な兵器だが、連邦軍の物量には勝て無い。だが、ミノフスキー粒子が連邦軍の攻撃システムを全て中世紀の時代に戻したんだ。

 

「そうか…だが、俺達は後方支援何ぞ御免だ」

 

バンブル少尉は直ぐに顰めっ面になりながら言う。暫くお互いが沈黙する。

 

「でしたら、モビルスーツ隊が囮になるのは如何でしょう?」

 

ルイス伍長から提案が出る。

 

「囮…ああ、成る程。確かに良いかも」

 

「ちょっと、私達が囮になるのに何でシュウは納得するのよ?」

 

「ジムにはシールドが有り機動力も61式戦車より上です。生存性ではジムの方が圧倒的です。それに俺達が囮になればバンブル小隊もやり易くなります」

 

「でも〜…」

 

レイナ少尉、でも〜じゃ無いよ〜。気が抜けるよ。

 

「他に案が有るなら良いですけど。それにルイス伍長なら俺達にとって有利な地形を見つけてくれる筈ですよ」

 

「はい。お任せ下さい」

 

こうしてラングリッジ小隊とバンブル小隊のメンバーはルイス伍長からの作戦を聞く。取り敢えずバンブル小隊も納得したので良しとするのだった。




主人公がガンダムに乗る?うーん…何か違和感しか無いなw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。