鋼牙「・・・」
プレデター『・・・』
メイトリックス「・・・」
祖龍「振り返りの前に・・・取り調べらしいわよ。邪神としての生態をね」
オーマジオウ【楽園に招かれた以上、杞憂ではある筈だが・・・】
ゼロ『・・・何が始まるんだ?』
メイトリックス「第三次大戦だ」
『取り調べ室』
【わーい、振り返りだー、セイレムだー。裏話に作成秘話。知らない事知りたい事なんでも教えよう。・・・なのは、いいんだけどね?】
困惑気味に、自分を取り囲む女性、幼女、モニターに映る方々に見守られ・・・否、監視される形で手製の取調室に押し込まれ苦笑いしきりの邪神ニャル。目の前には太陽に吼えるようなカツ丼にライト、其処に調書の形を取るメモ。見るからに犯罪者な扱いである。
「当然だわ。あなたはとても恐ろしい邪神・・・目を離してしまっては大変危険。火事場泥棒みたいな真似で楽園を侵食しかねないわ・・・そして私のパンケーキを食べた疑いがかかっているわ・・・」
【パンケーキはなんのことやら。警戒し過ぎでは?楽園は最大限にリスペクトしているし、籍を置いている以上決して無礼は働かない。正直に言いなよ魔女ちゃん。私を恐れているのは・・・君だろ?】
「っ・・・やはりあなたは嫌いだわ!」
【私は好きだよ?カツ丼お代わり頂戴愛娘】
「今出前頼みますから、怖がらせないでください」
【こんな人畜無害の神を捕まえて苛めないでほしいんだよなぁ。振り返りもそうだが、じゃあ改めて卓のプレイングとして振り返るとしようか】
「あなたが正直に話しているという根拠は?」
【娘に誓って嘘は言わんよ】
なら大丈夫ですね!XXは答え、記録の書記として会話を記す。ナイアに誓うならばそれは真実である。娘を利用することは絶対に無いと、楽園でナイアと共に過ごす中で彼女は確信したのだ。
【質問役はリッカちゃんがいいなぁ。なんでも答えるよ。聞いてごらん?】
「・・・解った。宜しくお願いします、邪神ニャルラトホテプ」
よろしくー♪軽いノリではあるが、彼は星や銀河を混沌に貶める最低最悪の邪神。ある意味でリッカは今、外宇宙の深淵に最も理性的に触れあう機会をもたらされた。来るべき対話を振り返るという形で行う・・・独特の緊張がリッカを包む。
「・・・まず、特異点はどうして作ったの?」
【娘の楽園への就職支援。そして、ヨーグルトソース神の頼みで娘さんの罪悪感を晴らしてあげる手助けさ。中間管理職なのさ、こう見えて】
邪神にも上や下ってあるんだ・・・少し微笑ましく思いながらも、質問は幕を開けつつ問い掛けられる。
「私達が辿り着いた結末は、あなたの想定内?」
【想定内だとも。【必ず期待を上回る】という想定をね。ハッピー、ノーマル、バッド・・・トゥルーハッピーエンドだよ。ありがとう、楽園の者達よ】
「貴様の期待に楽園が応えられなかった場合は、如何にしたのだ?」
【そんな仮定が何になる?頭を使った質問をしろよ、ネクラロリコン】
貴様ァ!!沸点を越えたアルをクロウが抑え込む。リッカや娘以外の問いには真面目に答える気は無いようだ。カツ丼持ってこいよクソガキ、と中指を立てたニャルはラヴィニアの声に姿勢を正す。
「あんなに、大規模な特異点にしたのは趣味?拘り?」
【まぁそれもあるけれど・・・『楽園にしか出来ない特異点』を作りたかったというのがあるなぁ。生半可な特異点だと興醒めであるだろうし、私としてもクトゥルフ文化の侮られはやや不味いと考えたのさ。これから長い付き合いになるかもしれないしな】
「アビゲイルと、ラヴィニアへの救済についてはどう思ってた?どんな風に感じてた?」
【楽園に足りないフォーリナー枠としての要員にいいなぁと考えてたよ。今さら娘二人受け入れられない程狭量な筈は無いと考えてたよ】
「バッドエンドの条件って、なんだったの?」
【村人への好感度稼ぎ不足、ナイアの死亡。無理矢理なセイレムからの脱出、アビゲイルとラヴィニアとの交流不足による意識改革の失敗・・・私情は抜きに、失敗の処置は滞りなくやる予定だったよ】
そう、彼は失敗してしまった場合には手を抜かない。速やかに邪神としての権能を行使し、星の未来を閉ざし新たなる支配者を拵える予定だったという。そうならなくて良かった、とも付け加えてはくれたが・・・
「・・・何故、私を助けたの?あなたにとって、私は必要だったの?」
【それを決めるのは君じゃない。アビゲイル・ウィリアムズさ。アビゲイルにとって君は必要か、ラヴィニアにとってアビゲイルは必要か。それは君達が決めていくものなんだ。人間の価値と言うものは、死んだ瞬間まで解らんものだよ】
「ハッ、人間を弄ぶ邪神様が説法とはな。楽園ならではってか?」
【ほらリッカちゃん、次の質問おーくれっ】
(無視かコイツ!)
「はいはい!では私から!拒否権も黙秘権も存在しないので、キリキリ答えてくださいね!」
え~・・・死ぬほど嫌そうな顔の邪神をガン無視し、XXは質問を行う。それは刑事ではなく、純粋な疑問を提出したのだ。
「邪神とは総じて吐き気を催す悪だと銀河警察では教わります。実際私もそう思います!」
【私だって国家権力は嫌いだよ。桜の代門ちらつかせて好き勝手やってくれて。散々私の娘を邪魔してくれた恨みは忘れてないぞコノヤロウ】
「それです。・・・──ナイアの身体には、最新鋭のナノマシンや技術の遥か彼方・・・銀河警察ですら解析できない技法による不老長寿化が施されていました。──それを踏まえて問い掛けますよ」
そう。ナイアの身体には邪神が粋を集めて突き詰められた徹底的な調整と術、メンテナンスが施されていた。それらは一見外道ではあるが・・・
『病気の克服』『ナノスキンによる肌の永遠の張り』『飢えず、渇かず、いつまでも保たれる若さ』といった、人間の望む夢と希望の実現を全て詰め込まれていた。極め付きは、自らの権能を体現したトラペゾヘドロンを託したのだ。自らの全てを捧げたと言っていいその行為に秘められたのは──
「それは、娘に対する『愛』なのですか?或いは狩人という【道具】としてのスペックを追及したものなのですか?答えによっては、此処で串刺しにするのも吝かではありません」
その改造、改良は常軌を逸した入念さである。北極から南極までドミノで繋げる様な途方もなさ。副作用も起きぬ様、細胞一片に至るまで計算され尽くしたコーディネート。身体を解析すれば、それだけで人類は今患う全ての肉体的苦難を克服できる・・・真祖に迫る肉体を全人類にもたらす事すら可能な程に。
娘と呼ぶ存在に、それほどまでに入念な手を加えた邪神の心持を明らかにしなくてはとXXは決意した。それは、ナイアと心を通わせたリッカにも通ずる質問である。
【──何を今更。最も解りきった質問だ】
それを静かに聞いていたニャルは、揺るぎ無い口調で答えた。
【愛している。──何も私は、彼女を助けただけじゃない。彼女を通じて、人の愛し方を学んだんだよ】
神の玩弄と、人の仁愛とは大いに異なる事を彼は学んだという。どうすれば喜ぶか、どうすれば哀しむか、道具としての触れあいと、人間としての愛し方はどう異なるか。ナイアを通じて、彼もまた学んだというのだ。
【だが、私はこの方人間の愛し方なんぞ知ら無くてね。単純に、存在としての強さ・・・スペックを突き詰める事でしか愛を表せなかった。だからこそ、彼女の育成には手を抜かなかったよ】
それしか知らないなりに、それらの全てを惜しみ無く。だからこそ──曲がりなりにも、自身は彼女の親を名乗っている。
【何も知らないとしても、何もしない理由にはなるまい。・・・随分と外道に映るかもしれないが、彼女へもたらした術と、教育は全て・・・】
だからこそ、邪神としての偽りなく、彼は問う。
【初めて出来た愛娘に、私が親として考えに考えた・・・私なりの、愛し方だよ。解っていただけたかな。皆様】
「・・・──」
「カツ丼買ってきました~・・・。・・・?なんですかお父さん、このみょうちきりんな雰囲気は」
【楽園の中心で愛を叫んでいたのさ、愛娘】
「???」
疑問符を浮かべ首を傾げるナイアを、リッカを初めとした一同は温かく見守っていた・・・──
【話が脱線したな。いやなんならこれが本題としても全然構わないんだが。さぁリッカちゃん、質問は他にあるかな?】
リッカ「・・・じゃあ、これを聞こうかな。ニャルさん、あなたは・・・」
【うんうん】
「楽園に来れて、良かったって思えてる?」
【──はははははははっ!それは勿論さ!愛娘共々、よろしくお願いするよ。グランドマスター並びに財の諸君!】
リッカ「そっか!良かった!アビゲイルのパンケーキ食べたのは?」
【勿論私さ!・・・あ】
アビゲイル【・・・イグナ・イグナ・クトゥルトゥクンガ・・・】
【・・・あ、違うんだよ。美味しかったらナイアに買ってあげようかなって】
リッカ「ユゥユゥー?」
ユゥユゥ【はーい!】
ナイア「あなたという人は・・・娘として恥ずかしいです」
【あれ?これ綺麗にっていうか・・・炭に──】
ニャルVSクトゥグア&ヨグ・ソトース
『炭』
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