ビッキー『いぇーい!リッカちゃんと芸人デビュー!(о´∀`о)リッカちゃんとの火花散るドツキ漫才に会場は大盛り上がりだよ~!(o^ O^)シ彡☆今度は未来とクリスちゃんでトリオやろうね!(≧▽≦)』
クリス「ギア付けてやるお笑いってなんだよ・・・洒落になってないぞそれ・・・」
未来「良かったぁ、別の世界の人ともちゃんと手を繋げてて・・・」
クリス「心配ないだろ、バカとバカなんだし。お笑いか・・・アタシ突っ込みなんだろうなぁ」
未来「はい」
『ハリセン』
「は?」
未来「目標はM1だから♪」
「・・・はぁ!?」
夜明け前
モモ「それでは、始めましょう。最後の総仕上げです!」
『『『御意!』』』
リッカの部屋
『少し出ます。朝には戻りますからね あなたのモモより』
リッカ「ふぁっ──?」
「閻魔亭を離れる前に、どうしてもやっておきたい事がある。今からそいつを終わらせに行くが・・・ついてくるかい、リッちゃん?」
朝、ぺちぺちと頬を叩かれ温羅に起こされたリッカ。いつもと違う神妙な様子を不思議に思った彼女は二つ返事で付いていく事を決めた。いつの間にかいなくなっていたモモを不思議に思いながら、早朝5時程に寝床をそっと抜け出し、言葉少ない温羅の後に追従し閻魔亭の裏口より二人は抜け出す。そのまま向かうは、閻魔亭裏側にある山であった。
「時間が惜しい、山を飛び越える。掴まれ、リッちゃん」
「え、ぁ。うん!──わあぁーっ!?」
そっと温羅に掴まった瞬間、猛烈な勢いで跳躍する鬼神に巻き込まれる形で空を跳躍するリッカ。痛みや風圧を感じる前に温羅が庇ってくれた為怪我は何も無いが、山を丸々一つ飛び越える規格外の跳躍力に声を上げる事が抑えられないのは無理からぬ話である。そのまま二人が降り立ったのは、山の頂上。まだ薄暗く、山も起きず静まり返っているが故に静寂の中にある山頂に温羅はやって来たのだ。何事か、とリッカが不思議に思うが──その理由は、即座に理解が叶った。
「あ・・・お墓・・・」
「あぁ、鬼に喰われ、人に害されながらも決して人を恨む事のなかった。アタシが知る限りの最高の二人を此処に弔ってある」
要人や偉人が眠るがごとき立派な墓が二つ。沢山の華やお供え物が祀られてあるその墓の名など見る必要もなく、リッカはそこに眠る方が何者かを理解する。此処に眠っている者、それはきっとモモを育ててくれた二人の・・・。
「リッちゃんも手を合わせていってやってくれないか?最後まで人を信じ、最後まで鬼を信じた方たち。アタシが知る、誇らしき人間の彼等に」
「うん、勿論・・・!」
やってきた温羅に倣い、二つの墓の前に座り手を合わせるリッカ。そっと冥福を祈ると同時に、心に浮かんだ言葉をそっと語りかける。
「おじいさん、おばあさん・・・モモはもう大丈夫です。もう、悪い鬼に困らされる事はありません。温羅ネキと私が、ずっと一緒にいます。だから安心して、お眠りください・・・」
リッカの隣で、温羅も手を合わせている。──桃太郎を人足らしめた、心優しきおじいさんにおばあさん。人の優しさを、仁愛を、美徳を懐いた彼等に救われたからこそ彼女は桃太郎として英雄の道を選んだのだ。それを考えれば、かの二人の功績は計り知れない。温羅も静かに、リッカの言葉に続くように冥福を祈る。
「どうか天国で幸せにやっていてくれ。長らく困らせていた鬼はもういない。桃太郎はもう、苦しみ疑う事はきっと無いだろう。──現代に生まれたこの娘がいる限り」
彼女は少なからずの負い目と責任をこの二人に感じていた。疑心暗鬼は自身の名を示したが故に現れた。恐らく桃太郎が生まれる前から暗躍していたのだろう。心に鬼のおらぬ優しき二人を、疑心を育てる糧として迫害させてきた。故に彼等は村を追い出された。その選択とその境遇は、自分の在り方が少なからず関係していると考えたのだ。
最期の刻に立ち会い、二人を看取った温羅はその亡骸を丁重に葬るため、自らの財を擲ち山頂を買い取り、豪奢な墓を建て冥福を祈った。死後の魂は、生前に丁重に弔われた事により行き先の裁量が変わってくる。──せめて死後は天国に行けるよう、彼女は三日三晩冥福と平穏を祈り続けたのだと言う。丁重に火葬を行い、骨壺を拵え、そっと眠れるように山の頂上へと墓を建て。
「ちゃんとモモも、解ってたみたいだね。温羅ネキ」
其処にあるお供え物・・・桃や骨、バナナや木の実を見て、二人は顔を見合せ笑う。きっと閻魔ちゃんが教えたのだろう。その足周りの速さに、感銘と称賛を二人は懐いた。きっと朝早くから手を合わせ、報告を行っていたのだ。モモはきっと。
「あぁ、そうだな。──よし、じゃあ報告も終わった事だし今度こそ行くか。・・・ちょっと背中を押してから、な」
背中を押す?リッカの怪訝そうな顔に、温羅はちょっと不満げに彼女の頭を撫で回す。謙虚の過ぎる目の前の少女をしっかりと見ていたのだ。
「お前様は自分のやった功績の割になーんか及び腰なとこがあるよなぁ。前向きな傾向は見られるが、ちょっぴり卑屈めいた感じの言動。自分より誰かを誉めてほしい。立派な事だが・・・褒められるの嫌いか?お前様は」
「う、お見通しだった・・・。──褒められるのは好きだよ。楽園のマスターとしても、きちんと自信も自覚も持ってるつもり。・・・でも・・・」
今は、自分が生きている時代ではそういった態度を厭う傾向にある。自慢気に振る舞う者を粋がりやイキりと呼び、上から押さえつける傾向にある社会性である事をリッカはネットなどから感じていた。ストレスフリーな作劇や、最初は普通な人間が力を授かり戦う物語への変換。時代の移り変わりを感じると同時に、自身の誇りや言動もまた、知らず知らずの内に応援してくれている誰かへの不快な言動になっていないかとリッカはずっと考えていたと言う。
「自信と傲慢の境界が曖昧だから、今の時代。──頭では解ってるんだけど。どうしても・・・『私は凄いんだ』って、言いにくい今なの。そういうの、嫌いな人がたくさんいる時代なんだ、現代って」
「~。粋がるっていうのは、江戸から言われる分不相応な力の輩が吼える事を指す言葉で、事実を誇る輩を貶す言葉じゃ無いんだが・・・成る程、そういう時代かぁ・・・」
意外な所に気を回す、繊細な心を把握したリッカを、──温羅は有無を言わさず抱擁し抱きしめる。母上に勝るとも劣らぬ鬼神の抱擁に、リッカはたまらず声を上げる。
「ふぉっ!!!むふぉいっっっっ!!!!」
「いいんだ、リッちゃん。お前様は誇れ、胸を張れ。誰がなんと言おうとお前様は強い、凄いんだ。粋がりや自惚れなんかじゃない。それは立派な事実と誇りに思っていいお前様だけの自信なんだ」
「・・・でふぉ・・・」
いつか、自分達が成し遂げた功績が自身を変えてしまうかもしれない。自身の功績で、誰かを踏みつけてしまうかもしれない。そんな不安の眼差しを、温羅はしっかりと受け止めた。
「大丈夫だ。ならこう考えろ。『自分は凄くて当たり前だ。だって自分は、『自分より凄い人達に支えられている凄い人なんだ』ってな」
「・・・!」
「人は一人では生きていられん。其処にはたくさんの人の支えや想いがあって人は自分を人にする。──お前様の人生を、とびきり輝かしい人生にしてくれた素晴らしい人達は紛れもなく凄い人達だ。そんな人達が懸命に支えてくれたお前様を、お前様が凄くないと切り捨てていいのか?」
リッカは反射的に首を振っていた。自分に世界を救わせてくれた楽園の皆や、高校生の皆やグドーシが凄くない筈がない。
「そうだ。自分に自信が持てないなら、自身に向けれれた想いを感じてみろ。今の自分を作ってくれた誰かの想いを信じてみろ。自分を立派に育ててくれた、今在る自分を支えてくれた世界を信じてみろ。そいつがきっと、お前様の不安を消してくれるはずだ」
「温羅ネキ・・・。・・・そっか、そういう事か・・・」
鬼神という、自信と確信に満ちた彼女がぶれない理由。それは妖怪達の願いと・・・桃源郷の人達の優しさを卑下しない為。自身は素晴らしい人達に支えられ、命をもらった。だからそんな自分が素晴らしくないはずがない。そういった自負の下、彼女は最大最強の鬼神として振る舞える。
「私も、ちょっと怖がってたかもしれない。自信は、決して傲慢に変わる訳じゃないもんね」
なら、自分だってそうな筈だ。オルガマリーの一族が立ち上げたカルデア、支えるスタッフ。力を貸してくれる英雄達。そして、自分をマスターとして認めてくれた英雄王、素敵な女の子と言ってくれたお姫様。いつも褒めて、応援してくれる部員の皆。そんな沢山の凄い人が信じてくれる、支えてくれる自分が・・・凄くない筈はない!
「うん!私は凄い!私は偉い!だって私より何倍も凄くて偉い人達が、私を認めてくれている!そんな私が、凄くない筈がない!」
「そうだ!その通りだ!自分を小さく見るな、それはやがて本当の意味で寄り添う誰かを侮辱し落胆させてしまう!胸を張れ!自分を褒める事は、支えてくれる皆の感謝に繋がると信じろ!」
「うんっ!!決めたよ温羅ネキ!私は名乗る!楽園最悪の、唯一無二のマスター!誰にも代わりは出来ない・・・──最高のグランドマスターとして自分を誇りに思ってみせるっ!」
楽園の皆を引っ張るマスターとして、これからも世界を救うマスターとして自分を鼓舞する名を名乗る。だってそれくらいを名乗らなきゃ、自分を支えてくれた人達の凄さは全く表せない。
「よーしっ!!今日から私は!泣く子も黙るグランドマスターだーっ!ありがと、温羅ネキ!本当に──すっごいすっきりした気がする!!」
「おうっ!!もう私は凄くないなんて言わない様にな。見ろ──お前は、アレだ!」
指差す温羅の先には、地平線から昇る太陽。全てを照らし、闇を切り裂く輝きが、世界の全てに満ちる。
「これからも護り続けろ、世界を!それは、お前様とお前様を支える皆にしか出来ない事だ!その事実を誇りとして──進め!藤丸龍華!」
「うんっ!!私は最高、最悪!最大最強の──グランドマスターだーっ!!!!!」
もう迷わず、謙虚さと自信を身に付けたリッカを朝陽は優しく照らす。温羅はその様子を確かに見届け、木霊する彼女の言葉と笑顔に深く頷いた。
「──冠位は此処に置いていくよ。おじいさんにおばあさんよ。アタシは自分の意思で、この娘や世界と向き合っていく」
世界の為でなく、自分の意志で。照れ臭そうに笑うリッカの頭を強く撫で、満面の笑みを温羅は見せる。
「行くか!お前様の楽園に!」
「うんっ!モモ、温羅ネキ!本当にありがとう!」
リッカもまた、心の鬼を討ち果たし──今度こそ、誇らしげにマスターを名乗る事を誓うのだった。
──めでたし、めでたし。
閻魔亭前
紅閻魔「本当にいいんでちか、温羅様。冠位なんて凄いものを此処に・・・」
温羅「あぁ。アタシの実力に関係はしないってんなら構わん構わん。グランド旅館として広告に遠慮なく使ってくれ。アタシに必要な名前は『鬼神』の二文字だけだからな」
「・・・わかりまちた。では大切に『預かって』おくでち。必要な時は必ず取りにくるのですよ、温羅様」
温羅「おう!ま、捨てるよりかはいいか!──確かに預けたぞ!お前ら!!」
妖怪一同「「「「「行ってらっしゃいませ!!温羅の姉御!!」」」」」
温羅「よぉーし!って、モモは何処に行きやがったのかね。シャイなのかぁ?今更ぁ?」
?「──ちょっと野暮用に、ですよ。温羅」
かけられたモモの声に、温羅は振り向いた。すると──
「何してたんだよ。鬼のパンツならお土産コーナーに・・・」
少女「──うら!久しぶり!」
「───────」
・・・桃源郷は、不老の桃が成っている。それを食べている為、死はあれど老いる事はない。目の前にいるのは、二十歳程の少女。
モモ「皆様にお話をつけておりました。そして、代表としてこの方に。ね、『花代』ちゃん?」
花代「はい!──すっごく、すっごく立派になったね!うら!」
目を見開き、硬直している温羅。無理もない。彼女は二度と会えないと思っていたのだから。
温羅「・・・、お父さんと、お母さんは・・・なつきは、皆は。元気か?」
「うん!皆言ってるよ、うらは我等の英雄だって!なつきね、寺子屋の生徒になったよ!皆、平和に生きてるよ!」
「・・・──」
「また、頑張るんでしょ?はい、これ!皆で作ったから、皆で食べて!」
そうして渡されたのは・・・片時も忘れた事の無い、あの日に食べた優しさの味。彼女が人を愛し続ける理由なりし──
温羅「──立派になりやがって!バカ野郎~~ッ!!!」
「ひゃあぁ!うらが暴れた~!たすけてーっ!」
アンク『・・・まさに、鬼の目にも涙、ね』
フワイサム『協力、感謝する。賢者、王』
紫「良いのよ。桃源郷、私も前々から興味があったしね」
イヌヌワン『人が思い描くやさしい世界・・・あんな世界もまた、人は産み出せるという事か。目からイヌヌワン・・・』
モモ「紫おばあさまの境界、王の単独顕現。故にこそ、呪いを越えて招く事が叶いました。──二人を丁重に弔ってくださった恩を、此処に」
リッカ「──ありがと、ギル!姫様!ギルのそういうところ、本当に大好き!」
ギル「ふはははは、絶対愉悦エンド作るマンと呼んでもよいぞ?出番が無いならエンディングを支配するがゴージャス流よ!」
フォウ(イヌヌワン、といったかな?フッ、あざとさでボクに勝てるかな・・・?)
『何を!私には・・・ほっぺすりすりがあるっ!!』
──喧嘩しちゃだめ~!はい、カレー作るから、ね?
(『リザードン級!!!』)
モモ「これより、ふつつかものですがよろしくお願いいたします。それでは、定番の締めを!」
リッカ「うん!──これにて!」
ギル「一件落着!!我が叙事詩は今宵も磐石よ!ふふはははははは──!!」
リッカ「いいとこ取られたぁ!?」
天守閣
タケちゃん「──めでたし、めでたし」
雀「タケちゃん、ヒルコ様から連絡っチュン」
「風呂に入る」
「タケちゃんチュン!?」
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