人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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『行け!私の三軍と二軍と一軍!』

アルトリアシリーズ『『『『『『『『『』』』』』』』』』

カドック『何がマウント云々だ、最高レア大量にいるじゃないか!』

『そりゃあいますよ初期組だし。ま、多少はね?』

カドック『二枚舌め・・・!ダーニックかお前は!』

リッカ【皆、力を貸して。マスターの皆で、アルトリア達を倒してくれる?】

カドック『リッカ・・・?』

リッカ【ごめん。私今、あのマスターしか見えないから】

カドック『・・・しくじるなよ、リッカ。サブマスター!レイシフト!行くぞ皆!』

マストリア『私のガレスを馬鹿にしましたね。許しません』

ガレス『低レアだって、やれるんです!』

アイリ『行くわよセイバーライオン!未実装の力、侮らないで!』

『がおん!!』

ぐっちゃん『・・・・・・まぁ、呂布とかも低レアだし一概には言えないわよね!決めなさいよ、後輩!』

リッカ【うん!───よぉし】

ロマン『皆、頼んだよ!』

【──必ず殺すと書いて・・・必殺と読む・・・!!】


逆鱗すり下ろしの報い

【────】

 

左腕を右手で静かに掴み、厳かにリッカは刀を引き抜く。血肉と泥、魔力にて研ぎ澄まされしリッカのみが振るう事の出来る妖刀、【龍咆怨獣斬村正】。自分自身の信念の下に斬ると決めた時のみ顕れる刀を右手に、そして母の護り刀『童子斬安綱』を左手に。地響きを立て、龍の鎧を纏いしマスターが一歩一歩歩み出す。

 

【アンデルセン、ロムルス様】

 

「あぁ、言わなくてもいい。──俺も、シチューに泥を入れられて穏やかではいられん」

 

「──往け、我が子よ。己がローマを打ち立てる為に」

 

ロムルス、アンデルセンを召喚し、自身に皇帝特権、エンチャントを付与してもらい、背中を預けながら進むリッカに、大量のウェンディゴが徒党を組んで襲い来る。

 

『総勢100体のエネミー召喚!そう、聖杯ならね!この数の前には──』

 

【レオニダス、ゲオルギウス】

 

リッカの鎧が輝き、焔の守護者、守護聖人が雪崩のごときウェンディゴを押し止め、海を割るかのように道を阻む者を押し返す。マスターの道行きを、拓いたのだ。

 

「ふんぬぁっし!!マスター!我々は確かに低レアかもしれませんがぁ!!しかし我々にはレア度などを補う!筋肉がありますッ!!」

 

「進まれよ、マスター。その鎧を纏う魂の輝きのままに!」

 

【うんっ!──ゼロ!】

 

『ウルトラマン!ゼロビヨンド!』

 

ゼロビヨンドカプセルを展開し、鎧に変化を起こす。フルアーマーの鎧が白く、紫色のアクセントを加えたバトルスーツに。両手に構えた刀に、白き神威が纏われる。

 

『マスターが歩いてくるとか、ステイナイトリスペクトかな?藤丸はそんなことしない!』

 

聖杯が輝き、更に召喚されるはシャドウサーヴァントの群れ。霊基に満たない魔力を爆死の怨念と結び付け、使役しリッカに差し向ける。──しかし、構成した材料に怨みを混ぜたのが最悪の悪手だった。

 

【ベリアル父さん、ニャル義父さん】

 

『ベリアルアトロシアス!』

【ニ◼️ャp>:プ】

 

ベリアルアトロシアスカプセルをリード、ニャルラトホテプのクラスカードをインストールしたリッカの鎧に、漆黒の装飾が加えられる。そしてその力が発揮された瞬間、名も無きマスターの目論みはまたしても瓦解する。

 

『ちょっ・・・』

 

絶句する光景、それは悪夢であり絶望と称するに相応しい。リッカに攻撃を加えたシャドウサーヴァントは片端から魔力に還元されリッカに吸収されてしまい、足許から溢れ出る泥の魔力に喰い尽くされる形で沈んでいき、無力化されていく。悪意で編み込まれた存在を喰らい尽くす龍の鎧。リッカが背負った業が全ての悪の頂点に立つ力を発揮する。

 

『アル、お願い』

 

『任せよ!その力、汝のものだ!』

 

飛来する魔を断つ剣の形をしたエネルギー。一歩一歩歩む毎にリッカの形態を白く、流線型と鋭角さが同居した洗練されしギアへと変化させていく。彼女が辿り着いた最高最強の姿、デモンベイン・ゼロビヨンド・ナイアー。装着を終え、微塵の揺るぎもなく、真っ直ぐに歩んでいく。

 

『や、やだなぁ。なんですかその魔改造の姿。本気で倒す流れ?本気で?ほんのちょっとしたジョーク、ジョークですよ?』

 

【───】

 

『まさか本気で・・・本気で?藤丸なのに、人を殺したりしないよね?私、一応世界を救ったマスターですよ?あなたと同じよ?』

 

リッカは答えない。静かに、ただゆっくりと魔力をみなぎらせ歩いていく。その歩みが、微塵も揺らぐ事はない。フルフェイスからバトルギア形式になったが故に垣間見えるリッカの表情は──射殺す様に鋭く、燃えるような怒りが煮え滾り金色の瞳に宿っている。

 

『っ──』

 

瞬間、理解せざるを得なかった。自分がどの様な存在を目覚めさせたのかを。どの様な存在を怒らせ、覚悟を決めさせてしまったのかを。

 

【───】

 

一言も発さず、語らず。表情のみが憤怒と決意に満ちた異様な迫力を湛えるリッカに、根源的な恐怖を覚えた名も無きマスターは手を打つ。

 

『れ、令呪を以て命ずる!ジャック、ナーサリー!バニヤ』

 

【ロマン、メディア。お願い】

 

令呪を使用しようとした名も無きマスター。その用途を『ジャック達を自分の楯にする』手段だと声音や発汗、精神状態から見破ったリッカは静かに魔術の王たるロマン、そして神代のキャスターたるメディアに依頼する。

 

『任せてくれ!令呪無効、そして没収からの・・・』

 

「『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。チクッとするけど、我慢なさいね?」

 

名も無きマスターの令呪を打ち消し、メディアがそのままジャック達とマスターの契約を断ち切る。縛られかけた三騎のサーヴァントの無事を見届け、笑顔を浮かべたリッカが、いよいよ名も無きマスターに歩み寄る。

 

『い、いやだなぁ。はははそんなマジにならないでよ?FGOだよ?こんなクソゲーにマジになってどうするの?』

 

【雷位、開帳】

 

『私も初期からやってFGOを支えてるマスターだよ?だからちょっとくらい運営とかに文句を言ってもですね?』

 

【龍哮一閃・雲曜神雷】

 

紫色の雷が童子斬より溢れ出、リッカの全身を強化する。身体に収まらない魔力が、名の通り龍の咆哮がごとき村正の刃鳴りに共鳴し、紅く黒い雷に変換され刃に取り込まれ、業と万物を断ち切る至上の刀と化す。

 

『だから話を、話をですね!?ほら、聖杯あるし、好きな星五サーヴァントだって呼べるんだよ!?』

 

【────】

 

『だからほら、今までの事はクソライターのクソシナリオに当たったクソイベントだと思おう?ね?ね?』

 

【────】

 

『あの、その、いや、だから・・・』

 

大地が抜け落ちるような地響きと共に、リッカが立ち止まる。──間合いに、入った。

 

『あ、ぅ・・・』

 

【────】

 

静かに、言葉を発する事なく此方を見つめ続けるマスター・・・そう呼ばれる存在に戦慄が止まぬ名も無き存在。話が違う。藤丸リッカとは対話が武器で話の解る存在だとタカを括っていたのに。

 

会話しない。言葉がない。切っ掛けすら与えられない。得られるのは、読み取れるのはただ一つ。純然にして苛烈無比なる──【敵意】と【拒絶】。そして【殺意】のみだ。相互理解の余地など、何処にもない。

 

『っ、っ・・・』

 

殺される。今まで曲がりなりにも世界を救う戦いをこなしてきた異世界のマスターが浮かべた感情がそれのみだった。これに比類する経験、体験はたった一度にして一つ。ジグラッド頂点にて、ビーストⅡが狙撃を行ってきたあの時の死の確信。あのときにいたマシュも、賢王もいない。

 

『た、助け・・・』

 

【────】

 

────龍が、憤怒のままに此方を見つめ続けている。

 

その事実が、揺らがぬ死の確信が。命乞いからの恐慌へと行動を繋げた。

 

『せ、せ、聖杯よ!私を──』

 

聖杯に願いを告げ、この絶望から抜け出し、逃げ出そうとしたその瞬間──

 

『──あ、れ?』

 

高く聖杯を掲げた『自分の身体』を、自分自身が見つめている。立ち尽くす自分の身体と、目の前にいる化け物を見上げている

 

【───】

 

カチャリ、と刀を納める音と共に、サイコロステーキの様に崩れていく自身の身体を見つめ・・・名も無きマスターは、理解した。

 

命乞いなど無意味だった。

 

自分の生など、最早何処にも無かった。

 

『私・・・いつの間にか、死んでた・・・』

 

もう既に。──その自覚すら無い程、鮮やかに。迅速に。その一撃にて命を刈り取られていたからだ。

 

【─────】

 

静かに自分を見下ろす・・・目の前の、人の形をした怪物に。決して触れてはいけない逆鱗に、触れてしまった禁忌の贖いとして。

 

生半可な気持ちにて、夢を見た名も無きマスターの生命は。人類最後のマスターだったものは。夢の中で夢のように。──怒り狂う龍の手により、旅の終わりを迎えたのだ──




リッカ【───・・・、ふぅうぅぅ・・・っ】

ジャック「リッカ、ありがとう」

ナーサリー「無理をしないで?お話をしないあなた、とっても辛そうだったわ?」

【・・・ごめんね。口を開いたら、嫌な想いをさせちゃったと思うから】

オルガマリー『お疲れ様。──楽園に帰ったら、ゆっくり休みなさい』

カドック『こっちも終わった。一軍とか言う割に、サーヴァントのレベルは30くらいだったぞ』

アイリ『あんまりサーヴァントを育成しないタイプだったのね、彼女・・・』

アルトリア『私のガレスをバカにした報いです。思い知りましたか』

ぐっちゃん『えっ。割りと強くなかった?』

一同『『『『えっ』』』』

リッカ【皆、ありがとう。じゃあ。聖杯を・・・】

バニヤン「待って、まだ!」

バニヤンの言葉と共に、聖杯が浮かび上がる。──受理されたのだ。最期の願いが。

聖杯『マスターとして、皆を幸せにする。そしてエッチな事をいっぱいする。──その為に、私は神となる。私を阻んだ合衆国の女神を使い、このイベントの先の展開のリソースを使うことにより』

肥大化する魔力、形が造られる巨人。それはバニヤンがなるはずだった、人造の神・・・

『楽園カルデア、最早お前たちに私を倒すことは許されない。そう、私は全てのFGOプレイヤーを幸せにする神。即ちガチャの運命を司る神』

リッカ【──!】

『そう──『ガチャで星5しか出ないようにする』事が出来る、平等と幸福の神なのだから──』

神の霊基と、聖杯を使い。名も無きマスターはガチャ勝利の神へと変貌する──

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