人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ルー「コンラがレア・・・ジジィ知っているぞ、これはレア度に縛られない強さを持っているのだな。どれ能力は・・・」


ダブルクラス 

三ターンの間、三騎士全てに対する有利属性を得る。クリティカル威力、攻撃力UP

未完の英雄

回避三回付与、宝具威力UP、弱体無効、スター大量獲得、スター集中UP、体力2000ダウン、即死耐性ダウン(デメリット)

原初のルーン

選択した一人ににバスター・クイック・アーツ効果UPを付与、ガッツ付与。弱体解除。

死溢るる魔境の門(ゲート・オブ・スカイ)

敵全体に強力な攻撃+即死付与。NPリチャージ(オーバーチャージで効果UP)スター大量獲得、相手に確立でスタン付与(オーバーチャージで効果UP)

ルー「(ニッコリ)。・・・後はランサー・コンラの実装が待たれる・・・」


もしも光の神が楽園入りを本気で悩んだら

「うぅむ、最近はもう神の降臨とかよくある事なのであろうか・・・」

 

そんなスケールデカめな呟きをしながら、世界の裏側、英霊の座からちょっとスケールアップした場所より楽園を眺める気持ち虚ろなる存在が一柱。英霊が人が世界に召し上げられた存在ならば、こちらは自然現象や信仰そのものが形となった存在、宗教を興すシステムたる存在・・・

 

「アマテラス殿とかケツァル・コアトル殿とかゴリゴリの神話体系のトップだし、将門公も現在進行形で畏怖を集める守護神であるのか・・・ギリシャのアルテミスとかもいるみたいだし、もうfateという作品において神霊のネームバリューは遠い存在では無いのかも知れぬなぁ」

 

そんな呟きをする方が誰かというならばそれは誰あろう、れっきとした太陽の、光の神であり一つの神話の頂点クラスの存在・・・光神ルーである。ケルトにおけるクー・フーリンの父であり、コンラの祖父にあたるケルト神話の主神。神にしては珍しくコンラとクー・フーリンを至極真っ当に愛する善き神と言っていい存在だ。神とは自然の理不尽を人間が想像の枷を嵌めて形を与えた存在の為、傍若無人なのがデフォルト的な所もあるのだが。

 

「一人の気狂いが言い当てた神話体系の邪神も大手を振って歩き、娘を愛でている今、私もちょっと足を伸ばしても大丈夫なのではないだろうか・・・」

 

そう、クー・フーリンは立派な成人になり英雄として駆け抜けた生な故にとやかくは言わないが、この主神は真っ当な親バカな一面を持っている。邪神とは違い、真っ当に血の繋がった子孫を真っ当に愛するスタンダード両親と言っていい愛し方にて、である。コンラにあるだけの祝福を贈り、自分の技術を授け、ダメージやゲッシュを破った戒めを肩代わりしているため若干腰痛の気があるがそんな事は些末な話。息子や孫を目に入れても痛くないと豪語する系祖父神なのだ。『母の、妻の面影を忘れぬ様に』とコンラをクー・フーリンの妻オイフェ、またはアイフェに似た美少女にて召喚させたのもかの神である。

 

そんな影にサポートしてきたルー神だが、昨今の神霊招かれ過ぎ問題にてひょっとしたらワンチャンあり・・・?としてコンラやクー・フーリンと家族の団欒を出来るんじゃないかなと思い始めて来た次第である。本来なら自らがどれ程の存在かを受け止め、カルデアの負担を考えて自重していたのだが・・・最近の神々の台頭に、思うところはあったようだ。

 

(別に神の力で無双したい訳ではない。単純に我が子達の第二の生を間近で見たいだけなのだ。私より強い、知名度もある者は有り余っているだろうし)

 

単純に、シンプルにコンラを愛でてあげたいだけ。同時にクー・フーリン諸々が世話になっているカルデアの皆様に挨拶がしたいなといった礼節の問題で足を運びたいのだ。神々の召喚という土台が出来ているのなら、招きを拒否する道理はない。スカサハにも色々言いたいことは山程あるものだし。

 

「しかし・・・今更ジジィが我が物顔で参じても女性受けは悪いんじゃ無かろうか・・・」

 

御機嫌王という絶対王者を除けば、カルデアのメインメンバーは女性が多い。その為じいさんが出てきたとなればいらぬ心配と気を遣わせてしまうやもと思う。鎧姿で誤魔化すこともできるが、それでは孫を抱き上げた時にカチカチで痛いだろう、なんて事も考えつつルーは杞憂な心配を募らせる。やっぱり年長の方はいるだけで気を遣わせてしまうものだし・・・そんな畏敬はクー・フーリンに任せておけばいいし・・・そんな事よりコンラを抱いてあげたいし・・・

 

「・・・む、そうか。別に私がそのまま行く必要は無い。疑似サーヴァントなる存在として新しい姿となれば良いのでは無かろうか。それなら召喚の際の難易度も下がろう」

 

バビロニアの女主人たちは人間の身体を使いサーヴァントの枠に収まった。軍師は合理的に考え、その時代の人間に力を譲渡した。英霊には足らぬ者と合意し、新しいサーヴァントとしてならばカルデアやみんなに余計な気を遣わせなくてもよくなり、もうコンラを愛でてやれるのではないだろうか。そう考えたルーは静かにほくそえんだ。伊達にジジィや主神になってはおらぬ、孫を愛する祖父に限界は無いのだ。

 

「ならば早速依代となる存在に目星をつけるとしよう。えーと、ケルトに縁深く、クー・フーリンに縁がある存在の勇士・・・」

 

あまり拘りは無いものの、やはりただコンラを愛でに来ただけのじいさんと思われるのはまずい。クー・フーリンの沽券に関わる。そんな訳で人並みでもいい、戦闘力がある存在の一人でもいてくれればよいのだが。無いなら無いで自分が前に出ればどうとでもなるし、最悪フォローしてもらえればよし。万能な一が全てを行う時代はとうに終わっている。今は多種多様な弱さが支え合い世界を紡ぐ時代なのだ。検索を進めた結果・・・

 

「む、一件ヒットか。意外と現代も侮れぬものだな。どれどれ、出来ればタイツが似合う逞しき勇士であってほしいものだが・・・」

 

一人、あなたの依代判断にてヒットした存在が浮かび上がる。現代に神を宿すに相応しき存在がゴロゴロいるのも恐ろしい話だが、世界そのものを作った神の王を招く魂が現れた時点で今更だろう。さて、この老いぼれを招いてくださる清き方であれば・・・と、名前を見ると。

 

『バゼット=フラガ=マクミレッツ』

 

「・・・びっくりするほどの美人さんであった・・・」

 

これにはルーもビックリである。現代の赤枝の騎士にしてなんとクー・フーリンをサーヴァントとして招いた事もある女傑がよりによって依代に相応しいといわれたのである。確かに肉体的には問題ない、強さ的な意味でも彼女は代行者とやらで宝具も持っているトンデモだ、こちらからお願いするには異論無い。問題なのはこちらである。

 

「・・・顔馴染みの存在たる女性になってやってきた祖父なんていうゲテモノをクー・フーリンはどう思うだろうか・・・」

 

コンラはまぁ、なんとか説明して分かってもらうとして問題なのはクー・フーリンの方である。自分の親父が思い出の女性の姿格好で自分の職場にやってきたなんて地獄絵図を果たしてどう受け止めるのだろうか。クー・フーリンとコンラだけならまだしも、あの職場には叔父、友、仲間、女王、師匠、息子、フィニアンサイクルの後輩がいる(あと王として愚直に在り続ける雄々しく労しい息子も)のだ。何よりマスターはクー・フーリンをとても推してくれている。そんな中に放り込まれるT(トランス)S(セクシャル)G(ジジィ)なんて劇物を息子は、周りの者はどう受け止めればよいのだ?私も解らぬのだ、当の息子らに解ろう筈も無い。

 

「・・・やはり自分が行くのは止めよう。私の意志を汲んでくれる英霊を推薦する方がよっぽど有意義だ」

 

息子も孫も愛している。愛しているからこそ、あの楽園が過ごしにくくなるなどあってはならない。それが自分のせいだなどとあれば容認出来る筈も無い。愛は示す他に、秘める在り方だってあるのだ。ここはきっと、ぐっと我慢な所なのだろう。

 

「私はいつも見守っている・・・と伝えてくれる英霊の誰かに声をかけてみるか・・・」

 

愛を毒にしない在り方は難しい。そう痛感しながらも、虚ろなる神の座にて光神ルーは楽園の営みを見つめ続ける。

 

「・・・でも、交渉くらいはしておこうかな・・・」

 

諦めきれないお爺様であった。




『バゼット・・・バゼット=フラガ=マクミレッツ・・・我が声に耳を傾けよ・・・』

バゼット「・・・?」

『私は、えと、その・・・祖父である』

「えっ、お爺様・・・?」

『そんなに偉くないから心配しないでほしい。その、ものは相談なのだが・・・』

「は、はぁ・・・」

『そなたの身体を使わせてもらいたい』

「!?!?!?え、いや、あの、は・・・!?」

『そして、孫を抱いてやりたいのだ・・・私の望みは、それだけなのだ・・・』

バゼット(もしかしなくても・・・特級の危険人物!?もしやこの威厳、好色ぶり・・・)

『どうだろうか、その、意志は完全にそちら主導でいいので・・・』

「・・・つかぬことをお尋ねいたしますが・・・」

『うん』

「貴方はもしや・・・大神ゼウスなのですか?」

・・・──『よりにもよってあんなロクデナシと同一視されるとは』とルーはショックを受け体調を崩し、暫くの間寝込んだという。

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