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星5で埋めてないとかざっこ。聖伐聖伐
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1日ログインしてないとか意識低すぎだろ。いらんわ
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宝具レベル1とかwww薄っぺらい愛乙www
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低レアに聖杯とか、もったいなっ・・・頭ソルトかよ・・・ビー玉貰って喜んでそう
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は?時計塔?こっちには神霊や大英雄がいるんですが~?返り討ちにしてやんよw
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お前ら、人類の命運背負って立てんの?レフボンバーで死にかけてた癖にww
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僕だから出来た!私だから出来た!他のヤツには出来ない!サーヴァントと絆を結べない!最後のフォウで詰む!ソロモンで終わり!
Aチーム全員僕以下www精鋭(笑)www
全能『・・・・・・人は、何かと何かを比べずにはいられない。ゲーティアが言っていた哀しみには、こう言ったものも含まれているんだろう』
(哀しいものだ。始まりは決意と自負に満ちていた筈なのに、時と共にそんな想いは消えてしまう。手にした栄光を、掲げずにはいられない)
『君は、そして君を愛し、正しく君を見ていた者達は。そんな事、微塵も思ってはいないのにね』
(──どうか、それを目の当たりにし、全てを嫌いにならないでおくれ。歩みを止めなければ、きっと)
『──輝かしい物語に出逢える。僕はそうだと、知っているのだから──』
「あなたが藤丸立香を名乗るのは何故です!なぜ、この様な装置を作ったのですか!先輩に成り代わると言うのはどういう事ですか!」
【なんだかこのマシュはやけに活きがいいな。いいよ、おしえてあげよう。・・・僕は藤丸立香。このカルデアで、世界を救った最高のマスター。君もマシュならそれくらいは解るだろう。僕は期待された通り、示された通りに──世界を救った】
藤丸を名乗る何者かは語り始める。自分は確かに世界を救い、そして開位を貰ったマスターであると。
【ガチャで限定星5を引き宝具MAXにし、カレスコ限凸し、サポート欄を星5スキルマで埋め尽くす程の最高のマスター。誰もが羨み、フレンド要請は絶えず、こちらがいつも選ぶ側。切られる事は有り得なかったよ。低レアなんて酔狂者やマゾくらいしか育てないものはそもそも育成すら必要無いくらいに潤沢なカードプール。サーヴァント達はこぞって僕をチヤホヤしたさ。だって当然だろ?僕が引いて僕が当てた、僕のサーヴァント。そして僕は最後のマスター。僕はチヤホヤされ、大切にされて当然なんだからさ。誰とでも仲良くなれる、絆を力にする善なるマスター、それが僕。頼りになるフレンドと一緒に、あっという間に世界を救ったさ。・・・なのに】
「・・・・・・」
なのに。そんなに注ぎ込み、そんなに完璧で万全であったというのに。自分にもたらされた結末は、あまりにも惨めであったという。澱んだ瞳、そして呪詛を呻く声が木霊する。
【くそっ、くそっ。なんでだ、なんでだよ。皆あっという間に退去しやがって。あんなにチヤホヤしたくせに、あんなに金をかけたのに。残りたいってヤツは誰もいなかった。皆退去が決まったらさっさと帰った。誰も残りたいなんて言ってくれなかった・・・】
「・・・」
【それはいい、それはいいよ。どうせサーヴァントなんて孔明マーリンやスカスカいればなんだって同じだし。・・・許せないのはその後だ!クリプター!Aチーム!!肝心な時に寝てたくせに、後から僕の成果を横取りした無能どもが何より許せない!】
堰を切ったように藤丸は絶叫し始めた。それは何よりもの怒りと憤りに満ちている。自分自身の存在意義、世界を救ったマスターという肩書きを脅かした者達に。漂白された自分の功績に。
【何が僕らならもっと上手くやれただ!お前たちに何ができた!何が出来る!肝心な時に死にかけてたくたばりぞこないの癖に一丁前に吠えやがって!お前たちにチェイテピラミッド姫路城なんて頭のおかしい特異点や神霊に認められることが出来るのか!出来ないね!僕だから出来た!僕だから世界を救えた!あのイキり白髪野郎、僕への嫉妬でふざけた負け惜しみを言いやがって、カルデアをめちゃくちゃにしやがって、僕を、皆を・・・殺しやがって・・・!】
「──!」
殺された。カルデアの皆が、目の前の先輩を名乗る何者かが。よりによって、カドックさんに。そんな未来が何故、そんな事が、どうして・・・?
【なんでだ、なんで誰も僕を護らなかった?なんで僕を助けなかった?僕を祭り上げるだけ祭り上げて、要らなくなったら切り捨てるのか?頭ソルトリバーなのか?どれだけ金を出してガチャをして、強いサーヴァントを当てたと思ってる?宝具レベル1しか揃ってない奴等なんかよりずっとずっと優れていた僕を、なんで誰も助けてくれなかったんだよ。どれだけ僕を苛つかせれば気が済む?くそっ、くそっ。──だから、死ぬ瞬間。思ったんだ。『あぁ、このアカウントはクソだったな』って】
藤丸を名乗る呪詛の塊の言葉は、半分も理解できない。ただ、どうしようもなく自分勝手で、醜くて、それでいてとてつもない自尊心を叩き付けてくる。相対しているだけで、頭痛を起こす程だ。
【だから、こんな世界に見切りをつけて、新しい世界・・・新しいアカウントでやり直そうと決めたんだ。このガチャガチャには、数多の藤丸立香の因果律を景品として取り込んでいる。聖杯を使ってね。・・・本当は、SSR藤丸龍華のアカウントを乗っ取りたかったんだけど、生い立ちとか、個性とか、リッカのキャラとかの設定はいらないし、能力と立場だけ欲しかったから、当ててから初期化して、最初から【龍華】でありたいと考えたから、ガチャにこうして因果律を放り込んだ】
乗っ取るのではなく、最初から自分が藤丸龍華でありたいが為にガチャの景品として取り込んだ。このガチャは、引き当てた世界をアカウント、つまり自分の世界として設定する事が出来る。即ち・・・
【ざっと見たけど、凄いよね。魔力無限にサーヴァントにガチで勝てる戦闘力。刀や弓や槍もなんでもござれ。おまけに女の子にモテモテ。これだけある藤丸は中々いないよ。僕がやり直すアカウントにピッタリだ。今度は僕が強くてニューゲーム。これだけ最初からなんの苦労もなく備わってるなら、カドックやAチームを真っ向から潰せる。他の奴等を、サーヴァントの後ろで粋がるイキり鱒太郎wwwって煽り放題だ。はあおーん?僕は真正面から戦ってます最強マスターですけど~?うわっ、最高じゃん!僕、藤丸龍華決定!やったね!龍に華って、ちょっと女の子過ぎるかもだけどさ。ま、性転換転生だと思えば全然気にならないし。ほら、カッコいい女子なんでしょ?じゃあいくらクサい台詞言っても最高って事じゃん!】
「・・・・・・・・・」
【マシュもいいだろ?二次創作の作り物じゃなくて、原作主人公のマシュとしてお墨付きが貰えるんだよ?聞いた限りじゃ、じゃんぬに推されてて影薄いんだって?安心しなよ、僕がじゃんぬもマシュも、全員愛してあげるからさ】
藤丸の言葉に、マシュは静かに目を細めた。頭と思考は冷静なのに、盾を持つ手が震えるのが止められない。
【バビロニアアニメも、大晦日スペシャルもピックアップされてるのは男藤丸、つまり僕だぜ?女藤丸なんてリヨぐだなんてよくわからない生き物くらいでしょ?そんなマイナー主人公にイキられて大変だったでしょ。大丈夫。僕はそんな事しないよ。マシュをメインサーヴァントとして、ご機嫌王が集めた星6クラスのサーヴァントと完全無欠の──】
「もういいです、黙ってください。聞きたい事は今一つだけになりました」
こんな経験は初めてかもしれない。心臓が破裂しそうな程に脈打ち、身体が燃えるように滾っているのに。頭と思考は、シーンと冷えきっている。瞳孔が開ききった眼で、マシュは問いかけた。
「最高のマスターさん。最高なのに、どうして、私・・・マシュ・キリエライトはいないのですか?」
【え?それはほら、ね?聞いたら駄目な話題じゃん?え、マシュ何怒ってるの?】
「当ててみせましょうか。マシュ・キリエライトはあなたを護って消滅したんです。時間神殿の、ゲーティアの攻撃から貴方を護って。そしてきっと・・・ドクターも。・・・訣別の時を迎えて」
それを告げた瞬間、藤丸から表情が消えた。それは、彼にとって、虚飾を持って隠し立てていた、決して癒えない傷にして別離。
【・・・止めろ】
「あなたは自分が認められたいんじゃない。あなたがやり直したいのは旅路じゃない。あなたは取り戻したいだけなんです。もう決して届かないドクターの死を、そして、あなたの隣にいない・・・」
【止めろ!止めろ!!──マシュはもっと儚げで、もっと僕を尊敬してくれて、僕を傷付けるような事は言わなかった!解釈違い・・・お前はクソ二次創作、最低系小説が産み出したキャラ崩壊マシュだ!!】
瞬間、藤丸から無数の触手が伸び、マシュの身体に絡み付く。ガッチリと両手両足を捕らえ、動きを封じる。
【再設定してやる!僕への賛同と称賛しか言えない、あの可愛いだけの後輩に戻してやる!お前に自意識なんて要らない、個性なんていらない!ただ僕を護って、僕を囃し立ててやる気にさせる都合のいい存在でいてくれればいい!僕への絆レベルをMAXに──】
「『──
マシュが口にした瞬間、マシュの盾に埋め込まれた聖杯が輝き、マシュの為にのみ鋳造された、唯一無二にして至高の鎧が顕現し、マシュに装着される。穢れた触手を消し飛ばし、濃紺の輝きを放つフルアーマーマシュが降臨する。
「御断りします。私はもう、とっくに先輩への依存と妄信を捨てていますので。私はリッカ先輩の隣で、対等に歩む一人のマシュ・キリエライト。あの人から貰った信頼と勇気に満ちる私の身体と心に──」
【こ、これは・・・!ま、まさか!レベル100、星5マシュ!?】
「貴方のおぞましい絆が入る余地なんて何処にもありません!私のマスターはただ一人、藤丸龍華!私の全ては・・・!リッカ先輩のものです!!」
高らかに宣言し、身体のブースターと飛行ユニットを展開し、相対する。最早一片の揺らぎもない、目標へ向けて。
「楽園の敵対者、そしてマスターの、全ての藤丸立香さんの尊厳を踏みにじる敵性エネミーを発見!討伐・・・いいえ!駆除を開始します!!」
【マシュ・・・!!僕のマシュぅう!!】
「貴方のではありません!私は!藤丸リッカのマシュ・キリエライトです!!」
亡き後輩にすがる自己顕示の怪物に、マシュ・キリエライトが・・・楽園のシールダーが立ち向かう。
(待っていてください、先輩!必ず、楽園に帰りましょうね──!)
最早敵対者としてしか、目の前の存在は認識しない。迷う余地など、何処にも無い──!
自尊の怪物【いいよ、僕の力を見せてやる!僕に逆らう解釈違いの後輩を、僕好みの後輩に変えてやる!!】
そして現れる、彼の力と称される、supportと付けられたサーヴァント達。
マシュ「・・・!?」
スカサハ=スカディ「・・・済まぬな。フレンドポイントとやらで、こやつは切れなかったらしい」
イヴァン「・・・・・・」
アルジュナ=オルタ「まさか、独善という比類無き悪に荷担する羽目となろうとは。初めて、サーヴァントの業を呪いました・・・」
【いけ!フレンドの王達!あのマシュを調教し直してやれ!】
(トップクラスのサーヴァント達・・・!私一人で捌ききれるでしょうか・・・!)
だが、負けは赦されない。先輩の、全ての藤丸立香の尊厳をかけたこの戦い。人を踏みにじりなんとも思わない怪物に、背を向ける訳には──そう、決意した瞬間だった。
珍妙な声【そうだマシュ。可愛いなすび。たとえ私のマシュでなくとも、なすびがなすびである限り、私は貴女に手を貸そう。あの自己承認欲求と自尊心、他者への優越感に凝り固まった【イキリツカ】という概念に負けるな】
「!?誰です!?」
【誰だ!!世界を救ったマスターの僕を、そんなふざけた罵倒で呼ぶのは!!】
何処かで聞いたような、聞いてないような。そんな珍妙なトーンにて、扉がガチャリと開けられる。
【イキリツカ、イキり鯖太郎。それらの大半は藤丸立香にとっては謂れの無い呼称である。だって本当にイキっているのは、主人公の偉業を自分のものと勘違いした者達や、Twitterで宝具レベルやガチャ結果でマウントを取る者達。そう、私達プレイヤーの負の側面なのだから。それらは場を弁えずに騒ぎ立て、対立を深刻化させ、純粋なファンの肩身を狭くさせる・・・遥か過去より生息せし『信者』という】
其処に現れたのは・・・かの怪物と同じ二頭身で、リッカと似ている・・・似ていない・・・似ている。斧を振り上げし珍妙な生き物
リヨぐだ子【待たせたな、部員ども】
マシュ「先輩・・・!?」
人類悪は人類悪を呼ぶ。紀元前1万年前の歴史を持つ最強無敵のマスター、リヨぐだ子が楽園マシュの隣に並び立つ──
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