人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ダヴィンチ工房

ダヴィンチ「いやー助かるよニャル君!楽園といえど新規素材はじゃんじゃん欲しい!天才や発明家は完璧を目指しながら、決して完璧に至ってはならないものだからね♪」

ニャル【スポンサーとは金や設備を渡して後は黙っていればいい。フリークエストの消化と戦利品納付は娘とやっておいた。レイシフトの安定や強化ヨロシク】

「任せたまえ!あ、そうだ。モナリザいるかな?美女だよ~?」

【マナプリの持ち合わせが無いもので】



ジャック「あ!ニャルおにーさんだ!」

ナーサリー「カオナシさんの物真似をしてくださいな!」

【アッ・・・アッ・・・】

「「おもしろーい!」」

コンラ「むむむ、この眼鏡をかけているときは決め台詞を言いたいです・・・何がいいかな・・・?」

【メガネキラーン・・・】

「めがねきらーん!?これですっ!ありがとうございます!ニャルおにーさん!」

【アッ・・・】



ムニエル「アストルフォきゅん、コンちゃんにデオンくんちゃんはいいぞ・・・」

ニャル【あぁ、コンちゃんには何が似合う?】

「悩ましい、悩ましいが・・・あえて上流階級の小学校制服にベレー帽とランドセルで登校班の班長として笛を吹いているコンちゃんが最高だ・・・右みて左みて手を上げるコンちゃん、授業参観で父さんが気になって集中できないコンちゃん・・・」

【お、手紙が来たぞ。光の神・・・『わかりみが深い』だってさ】

「あえて!あえてお嬢様として大切にされてる感がいいんだ!・・・え、光の神?」



アルジュナ「こんにちは」

ニャル【こんにちは】

(邪神・・・との触れ込みですが、そんな方にはあまり・・・)

【──【黒】は元気か?】

「───!?」

(・・・いない・・・!?)

・・・そろそろ答えを出すべきだ。あの【矢】を渡したマスターは、お前の【黒】をどう受け止めるかな──?

「・・・・・・私は・・・・・・」


楽園のマスターあれこれ──ぐっちゃん編・破──

「リッカ!私の知ってるあんたは、こんなものじゃなかった筈よ!?」

 

なんだか長年のライバルポジションめいた台詞を吐きながら騒ぎを聞きつけやってきた蘭や紅ちゃんに鎮圧されるぐっちゃん。雄々しく拳を振るうあんたは何処に行ってしまったの!?と喚きまくるが、これもまたリッカのメンタルをぶん殴るバッドコミュニケーションである。別に彼女は殴ってから話をするのではなくて、誠意と対話を尽くしてダメ、或いは言って解らない相手にしかやらないだけである。

 

「私は納得と決意と理解の伴わない暴力は絶対振るわないって決めてるもん!意味も解らないのに傷つけられる辛さは一生残る傷になるんだよぐっちゃん!」

 

「な、何よその説得力・・・。ま、まぁ・・・言われてみれば私も少し性急すぎたかも・・・ね?」

 

「ね?じゃないでちよ。辻斬り通り魔と変わらないでち。いざ尋常にの精神を忘れた立ち合いは鬼の蹂躙、さるかに猿と呼ばれたいでちか?」

 

えんまちゃんの静かな怒りに閉口するぐっちゃん。片手に入る仲良しの言葉はすんなりと受け入れる辺り決して悪い人ではない。数千年クラスで人付き合いに慣れていないだけである。シミュレーションゲームで人徳上げず武力を極めまくったワンマンキャラが死んで詰みになるような人生を送ってきたのが彼女なのだ。私は死なないんですけどとコントローラーぶん投げるまでがワンセットなぐっちゃんである。

 

「すみませんリッカ殿。マスターの奇行はこれこれこうかくかくしかじかということで理解していただければ・・・」

 

「ふむふむ成る程。根本的な意見いいかなぐっちゃん」

 

「な、何よ」

 

「なんで人間社会のコミュニケーションのやり方を地球の擬人化のアルクに聞いちゃったの・・・?」

 

勿論仲良しだから聞きやすかったというのもあるし、同時に自分と親類の相手もそうはいないという事から無意識に好意的になるのは仕方無い。だがしかし人間という脆弱性を可能性に変える種族の社会の溶け込み方を星という絶対強者に聞く辺りが実にぐっちゃんである。部屋を掃除するのに核爆弾のスイッチを押す輩が何処にいるというのか

 

「主よ、正直にお申し上げを。『なんか聞くの恥ずかしい!項羽様には畏れ多く、今更オルガマリーに泣きつけない!そうよ!視点が近い相手にサッと聞くの!』とでも思ったのでしょう?」

 

「あなたエスパー!?キャスターも行けたの!?」

 

「ぐっちゃんが分かりやすすぎるだけでち・・・はぁ、所長を呼んできまちゅので、少し待っているでちよ」

 

手間のかかる子でち・・・。やれやれと退出する紅ちゃん。それでも、初めて会ったときの絶望と疲労に澱みきった姿と比べれば、活力に満ちている今のぐっちゃんは微笑ましく・・・

 

(良かったでちね、ぐっちゃん)

 

友達として、はなまるをあげたくなるえんまちゃんでありました。なお、この微笑ましさに後ろで威厳のある先輩になりたいのよッ!と喚きまくるぐっちゃんの威勢は聞かなかった事とする。ノーカンである。そして数分後・・・

 

 

「あのね、ぐっちゃん。仲良くなるって言っても色んな仲良しの形があるんだよ。友達、親友として、恋人として・・・」

 

「あなた同姓にしかモテないでしょ」

 

「あるもん・・・異性にアピールされたことくらい・・・あるもん・・・」

 

「はーい、話の腰折ったりリッカを苛めないのー。殺すわよ?」

 

アルクもひょこりと顔を出し、ぐっちゃんに人間社会の感情の機微をレクチャーするリッカ。しょんぼリッカは楽園全体のエマージェンシーバスターコールなので、ぐっちゃんは慌てて謝罪する。アルクの威嚇は基本、嘘ではない。

 

「つ、続けて?えっと、私はそうね・・・」

 

「どんな風に仲良くなりたいの?」

 

「・・・さ、最低限チームとして足並み揃えられるくらいには・・・Aチームの時も、ほら私優秀過ぎて孤立してたし。記録もあるのよちゃんと」

 

「優秀?????」

 

「あ、それお父さんの偽造データだったのでマスターとしての実力はEランクにしておいたわ」

 

オルガマリーッッッ!!暴れだしそうになるぐっちゃんをタピオカドリンク飲みながら涼しげに見守るカルデア所長。大丈夫、あなたの価値はマスターの実力なんかじゃない──それはそれとして実力は把握する。ちなみにぐっちゃんがE、マストリア、カドックがA-、アイリスフィールがEX、リッカがー(評価不能)である。一流どころに輝くぐっちゃんの記録は破られる事は無いだろう。下限の守護者として。 

 

「あぁもう!だから要するに、楽園マスターチームとしてやっていけるくらいの社交性を望んでいるの!任務に挑むとき足並み揃わないで私だけ生き残るなんて嫌よ!責任取って死ぬことも逃げるために死ぬこともできないのよ!?あんたらには絶対生きてもらいたいのよ!」

 

やっと出来た安住の地なんだから!そう勢いで叫ぶぐっちゃんに微笑ましい雰囲気が充満した。この言葉を引き出すまでが余りにも遠回りで空回りなのが実にぐっちゃんだなぁと誰もが思うのであった。項羽様もさぞ気を揉んだのでは無いだろうか。

 

「それが聞きたかった!じゃあまずは、私がとことん付き合ったげるからマスターとして訓練しよ?まずはお互いの実力を知って、課題点やレクリエーション風味で話し合うきっかけも作れたり打ち上げでカラオケいったりもできる!ね?コミュニケーションは、段階を踏んでコツコツやるの!いきなりマブダチなんて、洗脳と変わらないんだから!」

 

「う、うぅ・・・解ったわよ。アルクは同類って時点で気付くべきだったわ・・・そりゃあ私と同じような発想しかできないわよね・・・」

 

「ごめーん☆私の人間らしい人間の初邂逅ってまずバラバラにされたとこから始まった感あるから♪」

 

真顔のぐっちゃん、真理に至る。(なんでこんな特級のヤバイ奴に相談したんだろう)的なアトモスフィア。価値観は自分だけでは間違っているかは分かりにくい。弱いからこそ、誰かの弱さや痛みを知れるわけで。バグでも起きない限り、真祖に人の機微など手に取れる筈が無いのだと今更に痛感するぐっちゃんクオリティー。そんな様子を聞きつけたオルガマリーがシミュレーションを起動する。

 

「合意の下のシミュレーションね?じゃあモノは提案なんだけど、いつもとは違うパートナーと組んで戦ってみてはどうかしら。ぐっちゃんさんにマシュ、リッカには・・・」

 

「オッケーじゃんぬ呼んでくるね!」

 

「待って!?それは私が不利よ!知ってるんだからねリッカ!召喚したサーヴァント一人一人に挨拶回りしてしっかりコミュってること!」

 

「マスターとして来てくれたサーヴァントと触れ合うのは当然!サーヴァントは今を生きる私達を助けてくれる、人類史の奇跡だから!」

 

「じゃあ誰を呼んでも不利だから~・・・あ、じゃあ私がサーヴァントやりまーす!リッカトハソンナニナカヨクナイワ。一緒にショッピングモール歩いたり水族館見たりプラネタリウム見た後温泉入って寝るくらいの赤の他人よ?」

 

「マブダチ!竹馬の友と言うのよねそれ!?ズルいわよあんた達!どっちもサーヴァントとしてもマスターとしてもステータス振り切ってるじゃない!」

 

「絆レベル0.5くらいね(棒読み)じゃあシミュレーション開始するわよ準備してー」

 

「話は聞かせてもらいました!!もしや私は、先輩に最大最強のマシュとして立ち塞がってしまう展開のシミュレーションなのでしょうか!?先輩ッ、私の屍を踏み越えて行ってくださいッ──!」

 

「オッケーマリオジャンプで飛び越すね。マシュを踏むわけ無いじゃん。マシュっとして転びそう」

 

「先輩!?」

 

「はいシミュレーションスタート」

 

「ちょっと待っ、待ちなさい!釈然としなさすぎて──!?」

 

そんな劇的(?)な対話を経て、懐かしきマスター訓練(マスターレベル100迄の頃、カルデアにはマスター経験値が半端ないクエストがあったのです)に挑むぐっちゃん。賢い人もそうでない人も結果はまぁ大体分かるやもだが・・・以下後書きが、オルガマリーが藤岡隊長式コーヒーを作っている間に記録された出来事である。




マシュ『戦闘開始ですぐっちゃんさん!まずは私が──』

ぐっちゃん『私がリッカを羽交い締めにして自爆するわ!フォローしなさい!』

マシュ『!?!?ま、待ってください!マシュっとシールドより先行されては私の長所が・・・!』

リッカ『ほいガンド』

『何ィイッ!?おのれ、カルデア・・・!真祖に効く呪いとはなんという・・・!』

アルク『はいマスター確保ー♪』

ぐっちゃん『くぅっ・・・!!』

リッカ『ふへへ、マスターを失ったサーヴァントは脆いものよのぅ・・・さてどんな痴態をインスタアップしてやろうか・・・』

マシュ『こ、殺してくださいっ!先輩!私は絶対屈しません・・・あっ、先輩・・・!』

二回戦目

ぐっちゃん『ぬぁあぁぁあぁ!!』

リッカ『ガンドを堪えた!?バカな、ティアマトママンにすら効くガンドぞ!?』

びりりとしましたby礼装テスター・ティアマト

(まずい、一手遅れた!だが私には多種多様な自衛武装(エクバ並感)が──)

『エターナル・ラメントォオォオォオォオ!!!』

『『!?』』

マシュ『ま、マスターーっ!?』

リッカ『・・・ふへへ、マスターが爆発四散したサーヴァントは無力よのぅ?』

マシュ『あっ・・・くっ、屈しません!マスターを失ったサーヴァントは絶対に先輩の魔の手に・・・あっ、先輩・・・!』

三回戦

アルク『(そもそも普通に戦ったら自動的に絶対相手よりちょっと強くなるサーヴァント)』

ぐっちゃん『くはぁあぁあぁあぁ!!む、無念ッ・・・!!』

マシュ『マスターっ!?』

リッカ『ふへへ、真っ先にサーヴァントを殴りに行くマスターを失っ(ry』

マシュ『あっ、せんぱ(ry』

オルガマリー「・・・・・・」

芥ヒナコ

マスターレベル 根本的な意識改革が必要

マスターランクE→ー(評価不能)

リッカー ぐっちゃんー

アイリスフィール EX

マストリアA カドックA-

オルガマリー「リッカと並んだ・・・!?」 

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