「私は魔女ですもの!知ったことじゃないわ!自らの手掛けた服を、自らが手取り足取り教えながら着せてあげる!それを無くしてなーにが着せ替え、何がメイクチェンジよ!笑わせないでちょうだい!」
「貴様――!どうやら先に射ぬくは貴様だったようだな!!」
「ハッ、やる気?無慈悲な若奥様ドス捌きを見せてあげるわ!」
「容赦せん!二大神に奉る――!!」
「受けて立ってよ!万象、一切を原初に還さん――!!」
「あわわ」
「怖いのだわ、怖いのだわ・・・」
「「たすけて――!!」」
「――おうよ!ゴールデンを呼んだかい!」
「「ゴールデン!」」
「⬛⬛⬛⬛⬛⬛――!(いい加減にしないか)」
「「ヘラクレス――!!?」」
『英雄王、英雄王。もうすぐガリアに到達だよ。起きる準備しなきゃ』
空中に浮遊せしヴィマーナ。鎮座し足を組み眠りについていた器の耳に、ロマンの通信が響く
――正統ローマと、サーヴァントを抱える連合ローマ、その両軍が激突せし最前線ガリア。そこに野営地を構える正統ローマ軍を、ネロ自らが鼓舞し応援する為、ネロ直属の軍と共に、マスター達が馳せ参じることになったのだ
敵の将軍はサーヴァント。いくらネロが万能の天才とはいえども、人智を越えた存在たるサーヴァントに唯人たる彼女一人では打開が叶う道理はなし
故に、サーヴァントを使役するマスター、守護を司りしマシュ。そしてゴージャスたる英雄王が参じる事となったのだ
「くぁ――全く。遠征に進軍とは面倒なものよな。マスターにマシュ、ついでにネロだけならばヴィマーナで直ぐに事足りるモノを」
『まぁ、それが軍だからねぇ』
ヴィマーナは最低速、オートモードで運用。真下にて行軍しているマスター達に合わせて飛行している。無論ステルスモードだ。抜かりはない
「我が面倒をみるのはカルデアの連中だけよ。軍を保つのは皇帝の仕事ゆえな。我が財にて運ぶ義理はない」
――自分はマスター達のそばにいるべきとは思ったのだが、死角からの進撃を見逃さぬよう、真上からの視点を用意したのだ
「我は大軍の進撃は好かぬ。征服王の真似事などする気にもならん」
『ま、物凄い数になるしねぇ。けど、できないとは言ってないんだろ?』
「当たり前だ。その気になれば大戦艦を用意し、財にて軍を完全武装するもおもいのままだ。――此度はマスターとマシュの育成が主眼ゆえせぬがな」
―――それと、本来の英雄王ならともかく、無銘の魂なる自分では選抜が間に合わないというのもあるのが、それを行わぬ理由だ
『君にいちいち驚いてたら身が保たないや。――さ、リッカ君の近くにいてあげてくれ』
「うむ」
起ち上がり、ヴィマーナから飛び降りる
――どんな戦いが待っているのだろうか
「皇帝、ネロ・クラウディウスである!謹聴を許すぞ!ガリアに参加せし兵達よ、余と余の民、そして余のローマの為の尽力、ご苦労であった!」
ガリアの野営地に降り立ち、ネロが鼓舞の言葉を張り上げる
「これより余が、そなたらの力となる!此方には一騎当千の将もいる!最早我等に負ける道理はない!今こそ!我等のローマを取り戻すのだ!!」
「「「「「皇帝陛下、万歳――!」」」」」
沸き立つ兵たち
――これが皇帝のカリスマ。分け隔てなく与えられる薔薇の輝きと言うわけか
「・・・あれ?もう演説終わり?」
きょとんとするリッカ
「まだまだビシィッとするかと思ったのに。ギルみたいに」
「ははは、我と比べては哀れに過ぎよう。あれはあれで懸命に考えたとすれば微笑ましいではないか、精々拝聴してやれ」
「え、英雄王は別格として・・・すごいカリスマです。これが全盛期のネロ陛下の人望・・・」
『うん。――でも不思議なものだ。これだけの人望をもった陛下が、晩年は・・・』
――そう、ネロ・クラウディウスの末路は、華やかさとは無縁なものだ
民からの信頼を失い、国を追われ――逃亡叶わぬと知り、自らに短剣を突き立て、自決したという
――これほど愛され、輝く彼女でも。幸福な末路は迎えられなかったというのか。――華やかなりし、薔薇の皇帝でさえも
――愛は、必ずしも永遠と言うわけでは無い、というものなのか
『辛気臭い話はやめよ!士気にかかわる!それよりサーヴァントの反応があるぞ、コンタクトしてみるがよい!』
思考を戻される。――そうだ。疑問は後回しにしよう。今は今の状況に集中しなくては
『そうだね、今は――』
「あなたたちがネロ公のいう客将?」
ロマンの言葉を遮る、包容力を感じる声
『また遮られた・・・』
「落ち込むな、いつものことだ――貴様は」
「あ、ごめんごめん。私はブーディカ。ネロ公に協力して戦ってるサー――あ、ネロはいないよね?」
――ブーディカ。聞いたことない名前だ。大きな胸、赤い頭髪、柔らかな雰囲気。
「ネロさんならあちらにて・・・」
「貴様、――クラスはアヴェンジャーか?」
器が口を開く
「~・・・」
「貴様が正統ローマにいるとはなんの皮肉だ?むしろ貴様ほどローマを滅ぼすに荷担するに相応しい英雄はおるまいよ」
――そう、なのか?
「・・・ううん。私はライダー。鋭いね、お兄さん」
「ハッ、貴様の名を知れば誰もが気付こう。ブリタニアの古き女王」
――自分は聞かない名前だが、器には心当たりがあるようだ
「今は、それどころじゃないからね。私は護るために戦ってる。――女子にそんなに無遠慮だと、相手に振り向いてもらえないよ?お兄さん」
「ハッ、女に選択権など与えぬ。振り向かせ、手に入れる。それが我の恋愛道よ」
――なるほど、眼中に入れてさえいるならば振り向かせられるのですね。相手が貴方を眼中に入れてさえいるならば
「でも、ギル!騎士王はッ!」
「言うな、つらい」
「二人とも・・・すみません、ブーディカさん」
「あはは、いいのいいの。――ネロがいないならいいや。私はサーヴァント。この時代に召喚されてね。で、こっちのでかいのが・・・」
「圧制者」
呟く男。――その身にみなぎる、歓喜
「え?」
「見つけたぞ、まみえたぞ、出逢えたぞ――その偉容、その眼差し、その威光――」
――歓喜に打ち震える、巨大なる男。無数の傷に、青白い肌
そして――朗らかな、笑顔
「ちょっと、スパルタクス!?」
「そなたこそ――圧制者の究極。圧制者の頂点!!」
全身に覚悟と信念をみなぎらせし異形の大男が
「――ネロめ。英霊を招くならばもそっと吟味を重ねるべきであろうが・・・」
剣が――自分に向けられ
「我が愛、我が生涯!!――今こそ貴方に捧げよう!!我が歓喜、我が躍動をここに――!!」
――迫る!
「汝を抱擁せん――黄金なりし!!圧制者ァアァアァアァア!!!」
「――フン」
――その男は
筋肉(マッスル)だった――!!!
「ギリシャ出身として謝罪します。申し訳ありません、オルガマリー」
「⬛⬛⬛⬛⬛⬛(節度を護れ、カルデアに迷惑をかけるな。私闘は赦さん)」
「「ごめんなさい・・・」」
「生け贄として、お好きなように」
「い、いえ・・・そこまでは・・・」
「どうだこのカチューシャ!ゴールデンにプリティだろ!」
「かわいい!」
「まるで、メルヘンな⚪ーさんなのだわ!」
どのキャラのイラストを見たい?
-
コンラ
-
桃太郎(髀)
-
温羅(異聞帯)
-
坂上田村麻呂
-
オーディン
-
アマノザコ
-
ビリィ・ヘリント
-
ルゥ・アンセス
-
アイリーン・アドラー
-
崇徳上皇(和御魂)
-
平将門公
-
シモ・ヘイヘ
-
ロジェロ
-
パパポポ
-
リリス(汎人類史)