【しかし、この世界線のマスターはサーヴァントなる高次の存在を使役するらしいぞ】
【何故高次の存在が人間などという存在の奴隷に甘んじる?】
【気にするな!(設定考察放棄)】
【となると、銀河警察もサーヴァントとして一般市民に協力しているのか?】
【強いぞ、そしてメチャクチャだぞ】
【心配するな。我々の勝利は揺るがない。地上の部隊を囮にしてこの地下の秘密基地を巧妙に隠し銀河警察をやり過ごすという偉大なる計画がバレる筈がない】
【これで我々の勝利は夜明けと共に決定する訳だ!】
【【【【【HAHAHAHAHA!!】】】】】
【おい!凄いことを考え付いたぞ!サーヴァントとマスターがいるなら・・・マスターを狙った方が早いんじゃないか!】
【素晴らしいアイディアだ!よし、これで我々の勝利は磐石だ!地上部隊!全員、マスターに向かって突撃せよ!】
夜、それは古来より人ならざる魔、怪しき怪物が跳梁跋扈する時間。草木も眠る丑三つ時然り、逢魔が時然り。非日常の世界は夕方から夜に開かれている、口を開いているといっても過言ではない。夜は神すら信仰を見失う暗闇。月の光も照らしたり照らさなかったりする。それはこの狂気の暗雲立ち込めるセイレムもまた、例外ではない。
「うひゃー!随分と数を出して来ましたねー!人類は邪魔をしなければ不干渉ではなかったのですか、ナイア?」
XXが口にする様に、セイレム入り口前にて待機しているリッカ達はその光景を見つめていた。──異形の甲殻類の様な怪物が羽音を響かせ、海の向こうよりやってきている、星空を埋め尽くす大群の進行を。全員が耳障りな音、怪しき光を放つ触角を震わせ、セイレムへと向かってきているその有り様を。
「元々アレらは邪魔をする輩には排除を試みる種です。我々を排除対象として見ていて、尚且つ決議したのならば行動に矛盾はしないかと」
ナイアとXXは入念な準備運動中である。XXはラジオ体操、ナイアはヨガとストレッチ。たまに背中合わせで体そらしを行い戦闘に備えているのだ。敵の敵は味方。神話生物の敵であるナイアとXXは互いに味方に間違いはないのである。
『アレらは大した事は無い、が。セイレムに入れてしまえば面倒な事になるのは変わりない。討伐は容易なれど防衛は難題なるぞ。リッカ、此処を背水の陣と心得てどっしり構えよ!』
『オッケー!』
デモンベイン・ゼロビヨンド・ナイアーをアクティブ状態とし、いつでも発動可能とするリッカ。セイレムを護る、楽園の使者。そしてラヴィニアの儀式に招かれるミ=ゴ達。そして──
『・・・──来たぞっ!全員気合いを入れよっ!』
アル=アジフの言葉と同時に、多数のミ=ゴが一斉に急降下にてリッカらに飛来する。外敵にして光の存在たるリッカらを排除せんと何者かに突き動かされるかのように迫る。鋭利な鋏を閃かせ、耳障りな羽音を一層強く喚き立たせ高所より襲い来る。迎撃するは──
『リッカ!気に食わぬが・・・外なる者の力を使え!ニャルラトホテプの力を!』
『フォーム変えろって事!?』
『うむ!聞けば汝はマスターという!ならば忙しなく動くばかりでなく、他者を活かし盛り立てねばなるまい!』
アル=アジフの強い推薦を受け、リッカは速やかに形態を決定し、身体中に刻まれた令呪を輝かせ手にした漆黒のクラスカードを掲げる。アル=アジフ、そして令呪に反応したカードが弾け飛び、リッカの周囲にフルアーマーの部品として浮遊し、やがて瞬時に着装を完了する。外なる神、ニャルラトホテプの力を全面に押し出した召喚と指揮を重視する形態、ナイアーフォームと呼称される形態だ。
『その形態は知性体の集合無意識、根源的感情を揺さぶる力を発揮するもの!念じ、手を突き出せ!』
【う、うん!──
頭に浮かんだ名前、そしてアルに言われ前に右手を突き出す。瞬間、漆黒の鎧に浮かび上がりし令呪が禍々しく輝き真紅の輝きがセイレム一帯の全てを駆け抜け、水面に波立った波紋の如くに浸透する。
【【【【【【────】】】】】】
「お、おおっ?今のは一体!?」
「これは・・・」
疑問を浮かべた二人、その瞬間──凄惨なる惨劇がミ=ゴの間に巻き起こった。リッカの、リッカに宿りし外なる深淵の神の力の一端が発動し、対象全ての正気と理性を奪い取ったのだ。
ミ=ゴの意志を示す触手が不規則に明滅し、やがてそれぞれ多種多様な錯乱を見せる。味方のミ=ゴを殺戮するもの、金切り声を上げるもの、自分の手を食べ始めるもの。一目散に逃げ出すもの・・・其処に一切の理性は介在しない、阿鼻叫喚の狂気が満ち充ちていた。そう、これこそが外なる怪物らへ向けられる深淵の凝視。牙を向きしは無数の狂気。この形態は、対峙する相手に強制的に正気判定を十回ずつ押し付け、一度でも失敗した者の正気を永遠に奪い去る神の力の一端であった。ミ=ゴは漏れなく、この冒涜的な神の審判を突破する事は叶わなかった。・・・突破された場合、制御不能なバーサーカーを相手取る事になるのは一長一短であるが・・・【マスターはマスターらしく戦うことも必要だろう】と、マスタースキルの調整を施したナイアーフォームの大元の意向でもある。・・・狂気と発狂の最中、混迷と混沌を極めている為、一歩間違えれば虐殺、暴虐の支配する惨劇が巻き起こる・・・いや、実際に起きているが──
『よし!行け妾らが家臣ども!リッカの、リッカの力にて!産み出された好機を無駄にするな!』
「家臣じゃありません!気心の知れた私の生活を面倒見てくれる(予定)のマスター君です!」
「家臣・・・それは即ち、よいではないか帯遊びをするしか無いのでは?着物と帯を仕入れるとします。存分によいではないかしてください、リッカ様」
アル=アジフのズレた号令に応え、XXとナイアが空中戦に適した形態を取る。XXは装着式飛行ユニット『アーヴァロン』を飛行形態に変え、アルトリウムをフル稼働させエンジンを限界にまで加速させ──
ナイアもそれと対照的に、自らの身体に硝子と霜に満ちた翼を生成し漆黒の夜へと浮かび上がる。淫蕩の身体を包み拘束するシスター服が、風にはためき──
「ナイア!多く倒した方が明日のおかずを譲るというのはどうでしょう!」
「ご飯抜きとは殊勝な心掛けです。あなたの分の食事はラヴィニアちゃんとリッカ様に追加致します故」
「其処で自分を選ばない辺り、あなたは本当に闇に向いてませんよ!──翔べ!!」
「切り裂け──」
「アーヴァロンッ!!」
「シャンタク」
エーテルを撒き散らし、物理法則を無視した軌道と推進にて稼働するアーヴァロンに乗り、手にしたツインミニアドを閃かせミ=ゴを蹴散らしてゆくXX。翼を摩擦し、無数の怪音と衝撃波を発生させ大混乱に陥ったミ=ゴ達を切り刻んでいくナイア。空を埋め尽くす蒼き流星と真紅の衝撃波が、雲を突き破り闇を切り裂いていく。この世にいるべきでない、闇に蠢く者達を。
「ちょっと!今アーヴァロンにかすりましたよ!敵味方識別くらいしてください!」
「しているではありませんか。それとも、この程度の微風すら避けられないのですか?楽園の誇らしき財の面汚しなのですか?死ぬべきでは?」
「ムッカー!ああ言えばこう言って!やはり貴女は私の特例!『セイバーじゃないけど腹立つからシバく』リストNo.1です!」
「まぁ、光栄ですわ。アバズレやビッチと呼ばれた方が嬉しくなる程度には」
本来ならば猛烈な激戦を想定されていた筈の大軍なのだが、正気を保てるかの深淵の凝視にまとめて陥ってしまったが故に招かれた一方的な蹂躙。みるみる内に数を減らしていくミ=ゴではあるが・・・彼等は決して、本隊や総戦力ではない。
【!!】
【わっ!?】
──本来なら、戦闘の最中にマスターを不意討ちする役割で地中に潜んでいたミ=ゴであったが。戦法を試していたリッカ、正確にはアーマーを制御していたアル=アジフにあっさりと見切られてしまう。返す刀で回し蹴りにより、腕を根本から刈り取られ──
『このまま脳髄を鍋に浸けられ喰われたくなければ、我等に協力してもらおうか!』
【派手に不意討ちするね!このままドゥンドゥンやられるか私達に力を貸すか、どっちがいい?】
【・・・!!】
背後に浮かび上がる姿見えぬ闇、同時にあらゆる魔を打ち払う剣の幻影、そして牙を剥き出しに笑う龍と光の巨人を目の当たりにし、哀れミ=ゴは善意の協力者に成り果てるのであった──
アル=アジフ『なるほど、やはり地上部隊は目眩ましであったか。小癪な真似を!』
リッカ【気付けて良かったね!基地を逃すとか絶対ハッピーエンドのフラグが折れただろうし!】
ミ=ゴ【・・・!】
リッカ【これから毎日情報流そうね?】
【!!!】
XX「情報をゲロらせるとは流石の手腕です、リッカ君!」
ナイア「このミ=ゴはどうなさいましょう?標本にしますか?」
リッカ【ううん。基地に案内してもらおう。基地に私達の侵入を伝えてもらって脱出勧告をしてくれる?】
【?】
【ほら、逃げるならよし。逃げないならそういうことだから。はい、というわけで案内よろしく!・・・あ、そうだ!基地攻略するなら・・・】
~
プレデター(ッシュー・・・)
メイトリックス大佐(デェエェエェン)
ナイア「おや、戦闘のプロとも縁を?」
「あなたは!ムエタイX!?」
リッカ【よーし!基地攻略!行ってみよー!】
アル『おー!!』
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