人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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じゃんぬ「『吼え立てよ、我が憤怒』─一!!」

吸血鬼に差し向けられる業火。リッカとその他大勢を護るため、鍛えに鍛え抜かれた焔が牙を剥く。先程とはうって代わり、悶え苦しむ無銘の吸血鬼。明白であった。『護国の鬼将』のスキルの恩恵が、失われている事が

『ぐあぁあぁぁあぁ!!何故だ、何だ!大聖杯の支配が!何が起こっている──!?』

ソロモン『何って、聖杯の支配率を貰ったんだよ。君のスキルは支配率、占有率に依存するものだ。奪っちゃえば無力化できる』

ジーク「・・・大聖杯の支配を、こんなにあっさりできるのか。ダーニックが数万回試行錯誤したものを・・・」

ロマン『出来るとも。人間が作った魔術なら僕が弄れない、介入できない筈はない。解析はレオナルドに、修復はメディア女史に任せてある。すぐに君の手に返すよ、管理者君』

吸血鬼『そんな、そんな事が──!!』

ロマン『出来るとも。不可能に挑み、可能とする。それが人間であり、それがロマンと言うものであり・・・それが、王の財である僕達の使命であり命題だからね』

リッカ「ロマン・・・!」

『勿論、僕やじゃんぬだけじゃない。見てごらん。ざっと見ただけでも、君の為に集った仲間達が見える筈さ──』

先刻 カルデア

マシュ「じゃあぁあん!!けぇん!!」

じゃんぬ「ほいっ」

マシュ「あぁあぁあぁあ──!!(グー)」

じゃんぬ「フッ、当然ね(パー)」

「せっ、先輩を・・・!先輩を!よろしくお願いいたします・・・!!」

じゃんぬ「当たり前よ。頼まれるまでもないわ──!!」

自室

エドモン「全く・・・」

(目覚めのコーヒーを入れている)


黄金の陣営

聖杯大戦、其処に走る晴天の霹靂。驚異的にして驚愕の乱入たる『金の陣営』と名乗るサーヴァント達の介入により、大聖杯にて再現されたトゥリファスに顕現せし死都。その牙城を突き崩す痛快無比なる蹂躙と快進撃が行われ、猛烈にて痛烈なる状況のままに、絢爛無比なサーヴァント達の活躍が、鬱屈とした吸血鬼達の眷属を蹴散らしていく。

 

「えぇーい!次のじゃんけんはぜったいに負けませんからね!守護空間設定・・・!設定対象!『疑似再現・遥か遠き理想郷(ロード・アヴァロン)』──!!」

 

ヴィマーナにてじゃんけんに負けた敗北者サーヴァント、マシュ。オルテナウスを展開し、貯蓄された魔力を設定された空間に爆発させ展開するマジンパワー式理論にて展開し、総てのサーヴァントを友愛による眷属化から阻み、遮断防護を実現させる。

 

「令呪をくれてやる、ジャンヌ!ソロモンの指定した召喚サークルにて招かれたサーヴァント共に強化を授けよ!三画ずつだ!」

 

「はい!フレー!フレー!み、な、さん!フレー!フレー!令呪、使用!」

 

ジャンヌが旗を振り、召喚されしサーヴァント達に魔力支援を送る。ギルより提供された令呪を、片端から使用していく。宝具使用を全力でサポートする命令にて魔力リソースを提供する。同時にマシュの防御を、ルーラーとしての権限にて更に強固とする

 

「うぅん、これだけ大掛かりなサポートなら六割じゃ足りないかな?・・・よし、もう二割貰っていこうかな」

 

更に聖杯の支配率を淡々と、そして猛烈に奪っていくソロモン・・・ロマニ・アーキマン。これにより、かつて占有していたジークの二割、そして先に奪った四割、そして同時に今奪った二割。合計八割にて金の陣営の戦闘環境を整える。指八本をクイッと動かし、残った二本の指で霊脈を全て掌握し、全体の魔力を循環させ円滑に、サーヴァントの全力をサポートする。大聖杯、奇跡と言えど人の作りし魔術。全ての魔術を修め、支配する魔術の王には、現代に生きる魔術師は、魔術にて戦うという土俵にすら立てない。奇跡の産物、ユスティーツァの魔術回路ですら例外ではない。

 

「支援の細工は整った──さぁ奮起せよ!我等楽園の精鋭共よ!存分にその力を振るうがいい!!」

 

王の号令の下、一斉に各地にて怒号と轟音、極光が巻き起こる。全てのクラスにて召喚を果たされた楽園の財達の輝きが、今こそ大聖杯にて響き渡る──!

 

 

「よし、楽園に招かれし金のセイバーとして相応しき輝きを示そう!共に!騎士王、シャルルマーニュ!」

 

「良いでしょう。英雄王、そしてマスターの助力になるのならば」

 

「おうっ!!見てるかアストルフォ、マスター!カッコよく決めるぜ!心配すんな──何処にいたって見える筈だからよ!俺達の輝きを!!」

 

三騎のセイバー、シャルルマーニュ、アーサー、厳密にはセイバーではない『騎士王』の三騎が、聖剣と、勇士の剣が闇夜と真紅の空を貫き照らし出す。

 

「『十三議決開放・円卓議決開始(シールサーティーン・ディシジョンスタート)』!!」

 

『承認。ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド』

 

「束ねるは星の息吹。輝ける星の極光。──輝ける旅路を、照らし拓かん」

 

「一夜に沈みし闇の空、この輝きにて切り開かん!マスター、ギルガメッシュ!この伝説の具現を見よ!!」

 

放たれていく封印、黄金の柱がごとき巨大なる剣の光。十二の輝きを示し伝説の王勇。それらが束ねられ、放たれる──!

 

「「『約束された、勝利の剣(エクス、カリバー)』──!」」

 

「『 王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣(ジュワユーズ・オルドル)』!!」

 

輝剣の群れ、二つの聖剣が戦場を切り裂き、悪夢の具現を目映く照らす──!

 

 

「此より地獄を開始する──!!マスター、御覧あれ。これこそが我が力・・・!」

 

「リッカの危機だと言うならば、最早躊躇う必要はない。そう言えば、吸血鬼の抹殺は挑んでいない難行だったのでな。──全力で挑むとしよう」

 

「ははっ、そうだな。俺はちっと格落ち気味だが、全力でやらせてもらうぜ!」

 

アルジュナ、ヘラクレス、そしてアーラシュの三騎。群がる動く肉塊を吹き飛ばさんと矢を放つ。──否。弓矢をつがえたのはアーラシュのみ。ヘラクレスがつがえたのは矢ではなく『流派』であり、アルジュナの放つものは矢ですら無く──

 

「『破壊神の手翳(パーシュパタ)』──弾けて!落ちよ!!」

 

「『射殺す百頭(ナインライブス)』」

 

「あーと、宝具じゃなくて悪いな。──アールマティよ、ご照覧あれ!」

 

九つのドラゴンレーザー、破壊神の力の行使、そしてミサイルクラスの弓矢、一万が戦場を蹂躙し尽くす──!

 

 

 

「アルジュナも奮起しているようだ。我等も負けてはいられない。光の御子よ。背中は任せてほしい」

 

「おう!さぁ、リッカの為に一肌脱ぐとしますかねぇ!!」

 

走る爆炎、無数の炎の槍に遥か地平線を焼き付くす炎の視線。地表を焼き尽くす神殺しの槍、降り注ぐ隕石。紅き槍と蒼き軌跡が縦横無尽に心臓を抉り尽くす。城が空より落ち、光の剣が閃き山と丘が切り裂かれる。槍でありながら地形を甚大極まりない大規模破壊の嵐を発生させ、災害に巻き込まれるが如くに破壊し尽くされていく

 

「向こうではスカサハとコンラがやってんな!負けるわけにはいかねぇよなぁ!」

 

「武人として、アルジュナに負けるわけにはいかん。リッカを助け、同時にヤツと張り合うとしよう」

 

 

「ははははははは!!逃げろ、走れ!そして飛べ!!足掻け、喚け!叫べ!!貴様ら雑多の悉く!!御機嫌たる王の一番と二番!その威光の前に焼かれて消え去る運命よ!!」

 

黄金の船『闇夜の太陽の船(メセケテット)』から放たれる太陽光、熱線の放射。そして地表に放たれた獅身獣スフィンクスの蹂躙と行進が有象無象たる吸血鬼を食い散らし、焼き尽くし、破滅の浄化を進めていく。御機嫌王の片割れ、静かなるオジマンディアス。王、そしてネフェルタリの友たる姫。そして当代のマスターたるリッカの為に。その輝ける威光を如何無く発揮していく。ネフェルタリは、神殿にて安眠である。護衛にモーセを添えて

 

「張り切っておるではないか太陽王!余の疾走も負けてはおらぬ!後にも先にも!我が蹂躙を阻むものは無い!!」

 

雷を発し、征服の王たるイスカンダルも疾走を行い蹂躙を展開する。撥ね飛ばし、引き潰し、制覇し、咆哮を上げ吸血鬼達を肉片にし駆け抜ける

 

「Aaaaaaalalalalalalaaaaaai!!!」

 

天地を駆ける雷と太陽。その通る道は完膚なきまでに勝利へと繋がり切り拓かれる──!

 

 

「星の獣、サンリオコラボ。実にあざとい。一度皆彼の夢を見てみればいいんじゃないかな?罪無き者のみ通るがいい──『永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)』」

 

地面には花が咲き乱れ、暗闇、地獄の中に楽園・・・『塔』が再現される。十メートル四方の楽園。彼が幽閉されし理想郷を、此処に再現する

 

「さぁ存分にやってほしい。私とソロモンの補助があれば撃ち放題さ。魔王と呼ばれた力を見せてくれるかい?」

 

「あの、トップサーヴァントの触れ込みでしたよね・・・?私は場違いなような・・・」

 

「何を言うのかな君は。火力において君に勝るキャスターはいないとも。おやもしかして、英雄じゃないことが負い目かな?なら、この辺りを弄ってしまおうか」

 

なのは、そしてマーリンのキャスターコンビが展開され、彼がなのはに『英雄作成』をかける。少しの間、これを成されたなのはは王たる力を持つ『英雄』となる

 

「力が・・・!うん、これなら!」

 

「さあよろしく頼むよ。思う存分に蹴散らしてほしい!」

 

「解った!久々に・・・やろう、レイジングハート!」

 

Idon't know what to do(どうなっても知りませんよ)

 

・・・その後、『楽園を除くキャスターがいた周囲一帯が消滅した』。火力を極限まで高めた結果であり、楽園を構築した訳。それは絶対安全圏を確保するためであったのだ──

 

 

「人!人!人!人!ォ!おまんも、おまんもおまんも皆人じゃぁ!!うははははは!!わしは天さ──」

 

【何処だ・・・何処だ・・・!何処だ・・・!!オォオォオ──!!!】

 

ザクザクと以蔵が切り裂いていく中、極大の殺気をみなぎらせながら天に生命を返していく。大剣を振るい、死を見失った者達を正面から断ち斬り、突き進んでいく。晩鐘は鳴り響き、契約せしマスターと楽園に、使命と天命の剣を預けし山の翁が、蒼き焔を迸らせ奮戦する

 

「・・・・・・・・・」

 

「ビビったのか、くそざこなめくじ」

 

「誰がビビるかぁ!あんなん楽勝じゃ!わしもあれくらい・・・あれくらい・・・」

 

「無理しない方がいいよ、以蔵さん」

 

「しちょらん!!わしは一億侍じゃ!いずれ出来るようになるんじゃあぁあ!!」

 

負けじと突撃する人斬りのアサシン。気合いにてついてきた人斬りと伝説の暗殺者が、ひたすらに屍を積み上げていく。矜持の為に、使命の為に──

 

 

「行きますよ、金時。我が愛娘の為に、今こそ鬼となる時です」

 

「おォよ。大事な妹分の為だ。いくらでも肌を脱いでやろうじゃあねぇか!!」

 

金色の雷、そして紫電が敵を灰と帰していく。日本の誇る武士にしてリッカの心の家族、坂田金時、そして源頼光。参戦した順番で言えば、かの二人は誰よりも速かった。誰よりも早く、リッカの助力に駆けつけたのである

 

「誅罰、執行。リッカ、母はいつでも見守っていますよ。──死になさい。虫にも劣る畜生ども」

 

「ちょ、頼光サン。くれぐれもゴールデンに正気を喪わないように──」

 

「塵芥となるがいい──!!」

 

「聴いてねぇな!よぉっしゃ、さっさと潰して帰るとしようやリッカ!黄金衝撃(ゴールデンスパーク)』!!!」

 

 

バーサーカーですら無双の武練、無双の怪力たる英雄と源氏の棟梁。──総ての陣営の蹂躙と比例し、比肩するかの如くに支配率が磐石となっていく。

 

「ふははははははは!!知るがいい!御機嫌王たる我等に仇なすとはこう言う事よ!!さぁ御膳立ては済ませた!決めるがいい!覚者よ!!」

 

王の号令が響き渡る。そう、総ての決着を委ねられし最後のエクストラクラスは、既に招かれていたのだ──

 




シッダールタ『───転輪は時を告げる』

シッダールタ、眼を開く。その声音には悩みも、苦しみも無く。ただひたすらに穏やかである。

いたずらに武威を示しはしない。目の前に在る存在がどの様なものであろうと、彼は恐れない。禅定を続け、そして待ち続けた彼に応えるように・・・──時は、満ちた

『あらゆる衆生、あらゆる苦悩は我に還れ。──大いなる悟りの下・・・』

光の輪が七つに増大し、音を立て一つに合体する。そして高速に回転し、やがて大日如来の放つ後光が如き光となり吸血鬼の360度から光の柱が集い、包み込み──

『人類は、此処に一つとなる』

吸血鬼『オォ、オォオォオォオォ─!!!』

あらゆる生命を解脱させ、あらゆる生命に救いを与える。人類史が広がれば広がる程に力は高まり、生命であれば絶対に堪えられない。──人類創生の理に匹敵するエネルギーを収束させ、あらゆる苦しみから救う最終解脱。・・・究極の対個人宝具。その真名──

『──一に還る転生(アミタ・アミターバ)

総ダメージ、約五十六億七千万。──吸血鬼の再生すら及びもつかぬ。地球人類の総てを以てしても堪えられぬ究極の『個人』宝具である──

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