アキレウス「なぁなぁ、俺も弟子を取ったんだろ?どうなんだ?やっぱ厳しいのか?すっげぇスパルタなのか?ギリシャだけど」
リッカ「あー、アキレウスの教え方?そだね~・・・」
~
アキレウス「先生ェ!!」
ケイローン「ど、どうしましたかアキレウス。顔色が悪いですが・・・」
アキレウス「オルガマリーが・・・!オルガマリーが、チクショウ!俺のせいで・・・!!」
「・・・どうしたのです?まさかオルガマリーに・・・何」
「膝をすりむいちまった!!それだけじゃねぇ、肌に傷まで!秘薬を、秘薬をくれ先生ェ!!オルガマリーが死んじまう!!」
ケイローン「・・・なんですと?」
~
ヘラクレス「今日はオルガマリーの勝利だ。打撃のキレと凄まじさが一段と・・・」
アキレウス「しゃあォラァアァアァ!!やったぜぇえぇえ!!見たかぁ!俺の弟子が!弟子がやったぜぇえぇえ!!」
リッカ「めっちゃ・・・喜んでる・・・」
オルガマリー「あの、すみません、アキレウスが・・・その」
ヘラクレス(生暖かい目)
~
リッカ「やったー!今日は勝ったー!」
オルガマリー「掴まれたら私の負け・・・なんて集中力が試されるあい」
アキレウス「おぉおぉおぉお!!!うぉおぉぉおぉお!!俺の、俺の指導力不足だ!!すまねぇ、すまねぇ・・・!!」
オルガマリー「い、いえ!これから補習と話し合いを・・・」
アキレウス「ヘクトール引き摺るしかねぇ!!!」
ヘラクレス「止めろ、マジで止めろ」
「ヘクおじ逃げてぇー!!」
~
リッカ「・・・」
アキレウス「お?どうした?」
リッカ「凄い」
「凄いかぁー!!」
シッダールタ「・・・あの目は、そうですな。微笑ましさと生暖かさが同居したものですな」
ギル「おい覚者、お代わりをよこせ。我の舌を唸らすとは・・・やるではないか。誉めてやろう」
フォウ(うめ、うめ)
──(お昼寝中)
シッダールタ「光栄にござるな。これより戦う鋭気を、存分に養ってくだされ」
・・・──そして、夕暮れ・・・
『──時刻、深夜零時を迎えました。サーヴァント再現体、起動を確認。聖杯大戦シミュレーション、スタートします!』
ぴょいんぴょいんと跳ね回るミニガシャナの告げる通り、時刻は夜。月が高く登り、天然の幻想照明が戦場を優しく照らしている。・・・しかし、大多数の存在は知らないであろう、この穏やかな月の大本が恋愛脳女神であるという衝撃の事実に。アタランテすら知らなかったのだ、知り得る筈もないのである
「美味しいな、シッダールタが作ってくれた携帯味噌汁」
「ホントにね!やる気がモリモリ元気がバリバリ湧いてくるよ!これは絶対負けない負けられない!」
ジーク、リッカ、ケイローン、アキレウスの四人が城塞にて一面の世界を見る。夜営、そして同時に見通しと偵察を兼ねた位置取りである。ミニガシャナはタブレットから報告しているが、王と共に在りし彼女は既にヴィマーナで敵陣に深く飛来し斬り込んでいる。先に狙うべき相手を纏めて引き寄せ、三騎をこちらに任せるといった案配だ。御機嫌なりし王に無いのは慢心とセイバーへの縁だけではない。手抜きと怠惰、そして無駄もないのだ。同時に黄金の流星群が夜空を駆け抜け、重力を振り切る爆炎の火柱が上がる。──開戦の合図であり、聖杯大戦の幕開けなりし王の号砲だ。
「始まりましたか。アキレウス、準備はいいですね」
「応ともよ!まだ楽園のオレが取ったっていう超絶美少女弟子の話を聞いてねぇんだ、最短最速で蹴散らして帰ってくるぜ!」
アキレウスの士気と覇気は非常に高い。窮地に追い込まれた英雄の戦い・・・と呼ぶには些か以上に戦力が有り余っているものの、燃えるシチュエーションな事に変わりはない。同時に彼は興味津々なのだ。導く者として、誰かに技を仕込んでいる自分とそれを受ける者の実態を。この駿足に、今宵も追い付けるものは有り得ない。
「私がジャック・ザ・リッパー、アキレウスがシェイクスピア、そしてジーク殿、リッカ殿がアヴィケヴロンを打倒する。・・・準備はよろしいですか?」
相対の配置はケイローンが定めた。シェイクスピアはとにかく宝具を放つ前に仕留めるべし。喋らせる前に轢くべし。アヴィケヴロンは物量で来るはずなので、ドラゴンであるジーク、人類悪なるリッカに任せるといった思考。そしてジャック・ザ・リッパーは単純に、彼女に全力を以て排除が叶うのは性格的に自分のみと判断したからだ
「問題ない。心臓を捧げる覚悟は出来ている。全ての準備は今、この瞬間の為にだ」
「私も問題なし!ナビゲートよろしくね、姫様!」
『お任せください!こちらも対処しつつ、ポジショニングや宝具発動の際のアラートを担当致します。必ず生きて生還して見せましょう!』
財の選別を行いつつ、マスタースキルを選択しリッカに提唱する。ガンダムにはあらゆる未来から最適なものを見せるゼロシステムなる装置が存在するが、それと同じ事をエアは行うのである。勿論、破滅の未来や敗北の未来などといった情報はカット・・・するまでもなく存在しないのでなんの問題も無いのである
「よろしい。では──。・・・遮蔽術式、『
念と術式にて、人払いの結界を構築する要石なる弓矢を撃ち放つケイローン。前もって分断、引き寄せを行っていた三騎と、大地が抉れ天が引き裂け火の海に包まれし王の戦場を分断する。手分けするのも大事な要素ではあるが・・・多分に、『王の本気の巻き添えを避ける事』なるニュアンスもこの結界には含まれているのである
「それではアキレウス、参りましょうか。つまらないといってふてくされてなぶったり、逆に力加減を間違え粉砕する事の無いように。適当、という意味を正確に実行するのですよ」
「注意事項だらけだな・・・くぅ、先生と一緒の戦場はやりにくい・・・!」
「ははは、大丈夫ですよ。実践経験は私の方が少ない。ですから私は教えを請う側ですから。──それでは、また夜明けに顔を見られる事を祈っていますよ」
先んじて、霧の立ち込める空間に突撃していくケイローン。彼はこの世で最も有名な射手であり、ギリシャの名のある英雄全てに教えを授けし大賢者。実践経験が稀薄と言えど、その勝利を疑うものは誰一人としていなかった
「よし、じゃあ俺も行くぜ。あんたらなら大丈夫だ、どうしてもヤバくなったら俺らを呼べ。・・・ま、なんとかなるとは思うがな!」
そう言うが速いか、翡翠の軌跡と猛烈な余波を残しアキレウスは駆け抜け、瞬時に地平の果てまで駆け抜ける駿足にて戦場に参じていく。人類最速の脚、なんら一切矛盾なく健在かつ存在しているのだ。残されたジークとリッカが、頷き合う
「リッカ、周りのゴーレムは俺に任せてくれ。キャスターを取り囲んではいるだろうが、全て俺が蹴散らしてみせる。──そして、活路が開けた瞬間」
「私が突っ込んで無力化する!だね!大丈夫、やってみせるよ!ジーク君も気を付けて!」
そして同時に、二人の身体に変化が起きる。リッカはいつものように、半身たる泥の鎧を纏う
【決めるぜ、覚悟!未来を私色に染め上げる!!】
龍の鎧──心境の変化に応じてか、愛を素直に受け止める事が叶った故か。かつて主張されていた禍々しさはヒロイックさへと転身する。黒曜石のような黒に、サブカラーの白。そして新たにピアスの色として追加された暗闇に光る鋭利な黄金の輝きの三色。見た目も、彼女が思い描くヒーロードラゴン・・・クローズエボルに酷似したシルエットに転化していたのだ
「我が英雄、ジークフリート『さん』。──竜殺の力、お借りします!」
同時にジークも制限時間付きにて竜殺しなるジークフリートの姿へと変わる。彼もまた、竜の心臓を受け取った身であり、呼び合い惹かれ合うジークフリートの存在に自らを置換させることも可能であるのだ。これがあるが故に、彼もまたサーヴァントとして十全の力を発揮できるのだ
「竜を殺し、悪を討つ・・・!行くぞ・・・!今の俺達は」
【負ける気がしねぇ!!】
翼を羽ばたかせ白黒の龍が飛翔し、大地を疾走する竜殺しの英雄。──遥かなる約束を果たすため、二人の龍と竜が戦場に飛び込む・・・!
シェイクスピア『・・・』
アキレウス「よう。悲劇の作家さんよ。──やりきれねぇもんだな。自慢の筆も言葉も封じられてるってのはよ」
『・・・』
「だが心配すんな。──真の英雄、この俺がお前の物語に幕を引いてやる。どうせ何も書けねぇし語れねぇんだ。さっさと味気ない劇には幕を引いてやらねぇとなァ──!!」
ジャック・ザ・リッパー『・・・』
ケイローン「・・・聖人ならざる私には、貴女を正しき場所に送ることは叶いません。──ですから、せめて。その魂を救う出逢いに恵まれることを信じ」
『・・・』
「眠りなさい。──『
アヴィケヴロン『・・・』
ジーク「まずは俺が道を開く。──背中は任せたぞ、リッカ!」
【おうっ!私達は必ず──!】
~
シッダールタ「さて、明日の献立は何が良いですかな?必ず帰ってくるのです、サボっていい筈がありませんな──」
~
【シッダールタさんの、美味しいご飯を食べるんだから!!】
「その通りだ・・・!行くぞ、生き抜く為に!」
ミニガシャナ『ゴーレム、9体展開!どうか二人とも、御武運を──!』
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