人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「さぁ、準備は万端。向かうとしましょうか!」

朕「うむ、意気軒昂で大変結構!胸を張り参ずるがいい、扉は既に開かれているぞ!」

(ふむ、召喚人数辺りからして今回は此処等で打ち止めか?セイバーとやらも数多く出しているようだ、そろそろではある筈だが・・・)

「よし、行くとしよう。真打として行かねばなるまい」

「む。・・・あぁそうか。そういう集いであったな、そなたらは──」


ニアピン・クラッシャー

「乱入、先行召喚を考えれば此処等でよい塩梅か。よし、今日の〆、即ちセイバー召喚に挑むとするか!」

 

 

召喚タイムは楽園の人員補強、縁の清算の一面もあるが基本はこれ、即ち王のセイバーを招く儀式である。来そうで来ない、中々来ないという絶妙極まりない地上の星を手にするために、王は此度もまた挑み続けるのだ。果てしなき召喚の、英霊召喚の儀式へ

 

(ぼちぼち派生形アルトリアも出揃っただろう?もしかしたら本当に彼女、来てくれるかもしれないぜ?)

 

《であろうな。増えると言えどその生成、創造の速さには限度がある。猛烈な速さで召喚していくこちらのペースならば追い付くのはそう難儀な事ではあるまい。ニアピンの果てにたどり着いた流血多き結論ではあるがな》

 

見れば職員たちも、そろそろセイバーに挑むかな?といった感覚を感じとり気を引き締めているのが見てとれる。勝敗はどうあれ、これをしなくては話が始まらないのが楽園式召喚の流儀であるからだ。最早完全に理解し把握しきった財たちの覚悟を組み、今度こそはと王は意気込む

 

「よし──最早何度目かという問いは捨てよ!勝つまで回すがゴージャスの真理にして本領!出るまで回せば全てはチャラよ!夏に控えるサバフェスまでには出したいものだがまぁそれはそれ、召喚の儀のまとめを始めようではないか!」

 

 

「「「「「了解!」」」」」

 

めげない、挫けない、諦めないの心情と在り方にて辺りに活力を分け与え愉悦を恵むゴージャスガチャ挑戦が幕を開ける。召喚サークルが回転し、新たなる仲間を招き入れる、そしてセイバーを導くための光が満ちていく

 

「そろそろアルトリアの派生タイプもコンプした頃じゃない?本格的に勝ち目は見えてきてるかもだよ、ギル!」

 

「随分と多様かつ多彩な可能性に満ち溢れているわよね、アルトリアさん・・・もうずっと挑んでいると言うのに、本人だけが招かれていないというよく解らない事になっているし」

 

そう、アルトリアは来ているがアルトリアは来ない。これまで来たアルトリアはアルトリアではあるのだがギルが求めるアルトリアではないのである。求めるアルトリアは未だ来ないものの、逆に言えば外堀は埋められている。確かに招き入れられる状態と条件は揃いつつあるのだ。つまり、勝ち目の無い戦いではない・・・筈なのである

 

「大丈夫です。今回はきっと、王は勝てるはずです」

 

そんな中、王の勝利を力強く宣言するものがいる。マシュ・キリエライト・・・楽園における色んな意味で活力に満ちている頑強系溌剌なすびが、此度の意気込みを強く後押しするのだ。いつもとは違った姿に、リッカが舌を巻き問い掛ける

 

「なすび、君の意見を聞こう!」

 

「御覧ください。王の表情・・・あれは何か勝算を手にした表情、自信に満ちた王の表情です!」

 

(マシュが人の表情を読めるようになるなんて。変わったのはエキセントリックさだけじゃなく、しっかり人を見る力も備えたのね。成長したわね、マシュ!)

 

人が見ればいつも笑顔な王。ならばこそ此度の召喚に笑顔で挑むならば絶対に勝利できる。何故ならば、勝利するものはいつも笑顔なのだから!

 

「パターンセイバー!セイバーの英霊が来るぞぅ!」

 

その力強い言に応えるかのように、セイバーの英霊が招かれる。その気迫に応え、招かれし剣の英霊。確かなるセイバーたる存在は・・・

 

「セイバー、ガウェイン。召喚に応じ参上いたしました。遅参をどうか許されよ。セイバーは最優のクラスゆえと、様々な要因にて遅れてしまいました」

 

太陽の騎士、ガウェイン。円卓にて高名なる騎士が、海底の縁を辿ってやって来た。ガレスに嬉しい人員の到着に、一同はにわかに沸き立つ

 

「こちら、遅れたお詫びがてらの素材セットを。先んじて来ていたガレスに勧められ持参したものです。お受け取りください」

 

「え!持ち込みありなんだ!真面目!ガウェインってそういう気とか回せるタイプだったんだね!」

 

「む、確かに私は堅物と誤解されがちですが、騎士として、英霊としての礼儀は知っています。世話になる場所への持ち込みは英霊として・・・え?皆裸一貫でやって来る?・・・どうやら皆さんに英霊としての自覚は無いようですね・・・」

 

一応、持ってきたと言えばノッブの聖杯があるが、それ以外はほとんどが身一つである。そっかぁ、持ち込みありだったんだぁ・・・と意外な事実を受け止め、確認しながらガウェインを案内する職員達。きっとガレスも喜ぶだろう。兄上の待ち望んだ来訪なのだから

 

「よし、我が目論見は順調よ。ニアピンばかりであるならばニアピンの可能性を潰す。セイバーを招く前に全てのセイバーを招く!さすればセイバーに召喚拒否されぬ限りは召喚成立し我大勝利の図式が自ずと導かれよう!初めからそうするべきであったな!」

 

本丸が高いのならば、辺りの全てを蹴散らすまで。煩わしい不純物を全て取り除くというガチャ箱底まで作戦の行使を必勝法とする王が、此度の締めとしてガチャを回し始める。オルガマリーの召喚式にて悪は弾いた召喚であるためほぼセイバーが来るであろうと確信しながらである

 

「さぁ来たれ!長々と説明を果たしたがササッと来るもまた番狂わせで小気味よい!セイバーの全てが集うか貴様が来るが先か!道は示されているぞセイバー!」

 

──これが・・・ミリオンアーサー・・・!!

 

(違うよエア!それ別の世界のアーサーだから!)

 

回転し、高まっていく召喚に・・・マシュは誇らしげに、確信を込めた言葉を紡ぐ

 

「大丈夫です。この召喚で、私はきっと来てくれる、そんな気がするんです。円卓の騎士は、セイバーたりえる方は全て来てくださったんですから」

 

「・・・ん?」

 

(全員・・・?)

 

「頑張った人は、必ず報われます。それは報われるために頑張ったからであり、報われる道を自分が歩んだからです。だからこそ・・・この楽園で一番頑張った御機嫌王は、誰よりも報われるべきなのでは無いでしょうか?」

 

唐突になんか語りだした後輩に顔を見合わせるリッカとオルガマリー。あれ?円卓全員いたっけ?少なくとも実装されている英霊でセイバーは全員いたかなと考えたと同時に、召喚の機運が高まり光が満ちる

 

「パターンセイバー!凄いぞマシュ!解っているような感じじゃないか!」

 

「えぇ、きっと来てくれる筈です!騎士王・・・アルトリアさんは!『現時点で円卓のセイバー』が全て揃った今ならば、きっと!」

 

力強く宣言するマシュに呼応し、固唾を飲み見守る一同。ようやくお酒が、ご飯が不味くなりながら王を御祝いできるのか?遂にその瞬間がやって来るのかとサークルを皆が見守る中・・・

 

「事此処に至って外しはすまい!──出よ、セイバー!そろそろ貴様も楽園にて数多の行事に参ずる時──」

 

現れたのは・・・──

 

「セイバー、ランスロット。召喚に応じ参上いたしま」

 

「お疲れ様でしたー!!撤収!皆さん撤収しましょう!失敗!今回の召喚はセイバーアルトリアさんならずでした!」

 

「なんと──!?」

 

「ランスロット卿、少しは空気を読んで貰いたかったです。というかセイバーでも参加したいだなどと浅ましいとは思わないのですか?そんなに円卓最強の名を示したいのですか?下のアロンダイトは制御不能だと言うのに?」

 

(何ということだ・・・彼女の後ろに、ギャラハッドが見える・・・!)

 

割と本気で『円卓全員揃った』と思う程にバーサーカーランスロットに信頼を寄せていたマシュの対応は辛辣も辛辣であった。ニアピン潰しの為に召喚した為王も特に語ることはなくさっさと部屋を後にする。塩試合というやつである

 

「何ということだ・・・私はまた、空気の読めない事を・・・?」

 

「最高に空気の読めないところで無駄に強さを発揮するその傍迷惑ぶりをなんとかしてくださいお父さん」

 

「ぐっ!ぐうの音も出ない・・・!」

 

「行きましょう先輩、所長。このランスロット卿は穀潰しです。ホームセンターにいるランスロットさんにお弁当を作ってもらいましょう」

 

「辛辣ぅ!でも、いらっしゃいランスロットさん!」

 

「その・・・頑張ってください」

 

無関心ではないのでワンチャン・・・と励ましになっているかなっていないか微妙な言葉を託し、ランスロットは楽園の皆に歓迎されたのであったとさ──

 

 

 




NG召喚 リクエスト 黒崎一護

「よう。黒崎一護。時期的に死神代行って言えば通りがいいかもな。なんの巡りか招かれちまった。宜しくたの──」

リッカ「・・・ブリーチ・・・だと・・・?」

「は?」

オルガマリー「なん・・・だと・・・?」

マシュ「どういう・・・事です・・・?」

一護「いやちげーからな?別にそういう話し方じゃないと意思疏通できないって訳じゃなくてだな」

「「「なん・・・だと・・・?」」」

「・・・原作のノリをよく知ってるって誉める部分なのか、コレ・・・」

「黒崎さん!あれみたい!アレ!エレちゃんがカッコいいから見たいっていってた!」

「アレ?・・・あぁ、そうか。死神っつったらアレだよな」

マシュ「アレ・・・ですか・・・?」

オルガマリー「どういう・・・こと・・・?」

「いちいち知能下げないでいいって!・・・じゃあ、早速だが行くぜ。特別だからな?」

リッカ「録画!録画の準備!」

オルガマリー「分かっているわ。どうせなら皆で叫びましょう?」

マシュ「センス抜群の宝具開帳!斉唱の機会はそうありませんものね!」

「よし、じゃあ行くぜ?せーの!」


「【「「卍!!解──!!!」」】」



エレちゃん「はぁあ感激なのだわ!生卍解なのだわ!一生ものの映像なのだわ!天鎖斬月の生卍解!一生大切にするのだわ・・・!」

リッカ「エレちゃーん!」

「あ、リッカ!録画は──」

「ごめーん、卍解の衝撃でカメラ霊圧しか映って無いや、黒塗り!」

エレちゃん「なの・・・だわ・・・?」

『この後もう一回来てエレちゃんの前で卍解してもらった。エレちゃんは光栄で倒れた』

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