いよいよ迎えた五兄弟との対決。意気込むカルナさんでしたが・・・
カルナ「勝たねば」
?「止めるのですカルナ!」
カルナ「何者だ」
クンティー「あなたの母です!クンティーです!」
カルナ「クンティー・・・」
息子たちが殺しあう事実を憂いた自分の母親が自分を説得に来ました。捨てられたのに、捨てられたのに
「この様な戦いに意味はありません!そもそもカルナ、お前はこちら・・・アルジュナらと血を分けた兄弟なのです!」
カルナ「・・・」
「そもそもこのような戦いに至らねばならないのは何故か?それは始まりの際に──」
24時間経過
「今こそ正しき形に戻り!光ある物語に立ち返りましょう!さぁカルナ、私と共に!」
めっちゃくちゃ母親面して情に訴えてきました。母親が戦意喪失させてきます。それに対してカルナさんは・・・
「・・・成る程。確かに貴女のいうようにオレがアルジュナらの兄弟に戻る。それは確かに光に満ちている」
「では!」
「だがクンティー。『貴女はその言葉を、遅すぎたと思わないのか』」
「・・・!」
我が身を省みるのが遅すぎた。カルナさんを省みるのが遅すぎた。そう思わないのなら答えてほしい。その問いに、クンティーは最後まで答えることが出来ませんでした。奔放であれ、恥を知らない訳じゃなかったので
「・・・それは独り善がりの愛だ。あなたの愛はあなたしか救わない。去るがいい」
クンティー「・・・・・・・・・」
そのまま肩を落とし、帰るクンティーでありましたが・・・
「・・・だが、その心と願いに応えたい。オレが仕留めるのはアルジュナのみだ。他の兄弟を殺すことはない」
「・・・カルナ・・・」
「・・・最後だが。オレを息子と呼んでくれた事に、感謝している」
こうして、カルナさんは情に訴えられ、実力に劣る兄弟を誰一人殺させない誓いを立てられたのでした。なお、この誓いの後に兄弟を徹底的に追い詰めた後に見逃しています
「いい話・・・あれ?・・・これ・・・」
「・・・新しい縛りが課せられただけでは・・・?」
究極に値するものを形容するとき、総じてその言葉は陳腐となる──
フォウの盟友にして、未知を探求するとある存在が掲げる持論であり。極まった万物に対する人間の認識の麻痺を痛烈に嘲笑せし真理。それほどまでに強大で鮮烈、頂点に至りしあらゆるものを目にした人間の万物の常識・・・ともすれば人生さえも変革する程の衝撃を刻み込む事がままある。至高、究極。おしなべてそう呼称されるものは、万物の総てが届かぬ境地に達しているがゆえに賛同と憧憬を集めるのだから
【──凄い】
小学生並の感想・・・そう自嘲する事すらも忘れるほどに、リッカは目の前の存在──月の新王とその傍にて奏でられる至高の名器の剣戟の調べに聞き惚れ、その情熱に魅せられ、その鮮やかさに息を呑んでいたのだ。
「ネロ、そこ」
「うむっ!総て余に任せてほしい!そなたが何故王を名乗るか、この身の総てを振るい森羅万象に伝えよう──!」
それは戦いと言うにはあまりにも壮麗だった。はくのんの示す指、指示、言葉は極めて少ない。最小限、ともすれば不足、乏しいとすら言えるかも知れないほどに淡白で、質素である
──だが、僅かでも、一度でもマスターとして戦った者であるならば。サーヴァント、聖杯戦争に参加したものであるならば。絶対にして究極、最早真理とも言える結論に達するだろう。「この人物に、戦術や洞察にて競う行為そのものが無能であると明言するものだ」と
戦場にて、対面にて秒単位で変化していく戦況。相手の取る行動、戦闘行為、戦闘手段。それら総てを読み取るなど不可能に近く、それが出来たのなら人間を、英霊を名乗ることを止め、神の頭脳・・・或いは無限の演算装置と意味を同等とせねばならない。人間には、その領域に達する事は許されていない。・・・だが、人の極みであり、統べる存在である『王』ならば。唯一の例外としてその領域を、己が力で抉じ開けることを可能とするのだ。はくのんのマスター、指揮者としての鍛え上げられた才覚はまさに、『王』として到達せし境地に相応しきものであった
呼吸をするように最適解を選び、身体を動かすようにサーヴァントたるネロに活路と勝利の道筋を示す。その実態は『洞察』の極致。相手の動きを読むのは当然、取り立てて意識する事でもないばかりに、はくのんは更なる極致を見せる
「そこ」
まずはネロを『相手の流れに合わせる』。攻撃ならば寄り添わせ、接近ならば同じ間合いに。回避なら詰めより防御ならば手打ちを与える。相手が行う事の、『相手が望む行い』をあえて示してみせるのだ。マスターの目なき残骸相手がいくら強靭凶悪であろうとも、新王には刺身のツマ程の脅威でしかない。
そして次に『完全に流れを作る』。先の動きを瞬時に、刹那に積み重ねた結果、相手がネロの動きに合わせるという逆転現象が起こる。隙を作れば吸い込まれるように空振り、踏み込めば自然と必殺の間合いへと誘われ、攻撃を振るえば痛打にならぬ手打ちへと浚われる
そして──
「ん」
「うむ、うむっ!──余はたのしーい!!!」
『自らの流れに総てを呑み込む』最早己の制動を知らぬ間に把握、掌握されており、またその事に全く気づけぬ憐れなる敵対者は最低6手、最大18手先まで読み取る新王に必殺の機会を託す事態に陥るのだ。それは実際に戦うネロにとって、凄まじい全能感・・・高揚感へと変わり。自然とはくのんに指差された『必殺の一撃』の極点へと最大最高の音階を奏でる事となるのだ。はくのんの目には当然のように映っている。見えているのだ。勝利の為に選ぶ道筋。マスターとしてサーヴァントの総てを引き出す為の最適解を。最早それは戦いではない。皇帝にして無類なる絢爛の薔薇、ネロ・クラウディウスを主演とした劇場なのだ
ネロ自身も、新王のレガリアによって自らの霊基を根源へ、『ゼロ』へと至らせている。ネロという存在の極点。ネロという存在の根源をカタチにした姿──『神話礼装』を身に纏っているのだ。そのドレスは黄金の如く。火山の如くに激しく薔薇のように輝かしい。手にした原初の火を振るう度、火を噴く度に花弁の如くに敵が散り逝く。一体でも同じこと。百でも取るに足らぬ。向かう全てを、当然のように新王は洞察し、苛烈に暴君が自らの彩りとするのだ
「レガリア起動。『ムーンクランチ』」
そして、新王の力の一端を発動した瞬間に当然のように勝敗は決する。辺りを一瞬で絶対有利空間に変える王権の発動。それにより、万に一つたりとも敵対者に勝利の目は存在しなくなるのだ
「期待に応えよう!──上げていくぞぉっ!!」
瞬間、ネロの霊基が高速処理により特定空間を瞬間移動が可能となり、敵対者に絶対停止のキャストが課せられる。戦いではなく蹂躙。独唱による一人舞台。それを行ったはくのんは、仕事は終わったとばかりにプレミアムロームケーキを頬張る
高速処理されたネロが、光速もかくやとばかりに空間を縦横無尽に駆け回る。木偶と化したエキストラも散り際にて輝かせようとばかりの、徹底した剣技による絢爛の舞踏の彩り。誰も傷つけられず、誰も阻むことが許されぬ即興の劇場に、最早残骸には華と散るより他に道は残されてはいない。そして───
「見るがいい!雄々しく麗しき龍よ!そして暫し私情を語ろう──」
紅蓮に燃える剣を振るい、一閃。そのまま勢い余ってリッカの前に胸を張りながら、剣を大地に突き立て、そして、告げる。昂りすぎちゃった紅蓮の、そして一途にして不変の愛を──
「余は!奏者が大好きだっ!!!」
「うぷっ──!」
自慢気に、高らかと告げるネロ。リッカ以外の愛など疎ましく面倒なだけのカーマに叩き込まれる鮮烈な愛に彼女は倦怠拒否反応を起こし吐き気を堪えて蹲る。祝福するかの如く残骸総てを呑み込む業火。危険なる、凶悪なるデータは王とその名器に埃すらつける事無く、哀れにも爆散して果てたのだ。実力差以前の問題──『絆を紡がぬ者に、月の新王を破る事など叶わない』という不変の真理の前に敗れたのである。
「そこ!何故吐く!余の熱い告白剣の何が不満だというのか!ははん、さては、嫉妬だな!うむうむ仕方あるまい!愛の女神すら!余と奏者は圧倒してしまうのだっ!」
「ネロすきー、かっこいー。愛してるー」
「もう、奏者よっ!そういう告白はだな・・・二人きりでな・・・」
「待ってください・・・待ってください・・・イヤです、ゲロインなんてイヤです・・・」
いつも通りのやり取りに戻ったはくのんを目の当たりにしても、リッカは暫くはくのんと、ネロに・・・目を奪われ離せないでいた。
【──す】
これが、マスターとしての究極。これがマスターとしての極み。自分が及ぶべくもない『王』の指揮。当然のように勝利を相手に献上させる、熾天の座に至りし、最強のマスター・・・!
【すっごーい!!はくのん、凄く凄くカッコいい!!】
「ほ、ほんと?」
これ程の極致を、これ程の極みを目の当たりに出来る機会などいくら望んでも有り得ない。自分はなんて凄い存在と友達になれたのか。仲間でいられたのか!感謝と感激が、リッカの魂を狂おしく震わせているのだ。
同じ条件ではくのんと戦えば、手も足も出ずに自分は敗北するだろう。そう確信するほどにはくのんはマスターとしての極みと高みに座していた。どれだけの死線を潜れば、どれだけの死地を、決戦を乗り越えればこの地へ至れるのか
そんな存在が仲間として、同じ同志として側にいる。なんと素晴らしく、なんという幸運なのだろうか。目標が高く、足許に及ぶかも分からない。だからこそ──嬉しいのだ。素晴らしいのだ。そんな存在が、自分の友達でいてくれることそのものが!
【これからもますますよろしくお願いします!新王はくのん!私、はくのんを心からリスペクトする!!】
「ほんと?ありがと。リッカにそう思われるの、プレミアムロームケーキを毎日食べれるくらい嬉しい」
「待て黒曜の龍!奏者をリスペクトするならばまず余を褒めて敬うべきではないのか?ん?ん~?」
「・・・ふんだ。指揮で勝てないなら力づくで倒しちゃえばいいんです。勝ったと思わないでくださいよ。マスターにはそれが出来るんですからね」
それぞれの感傷と感情が交錯し、絆と活路が開けた中。──アンデルセンは静かに告げる
「当然だ。最弱からその洞察にて最強に至った王、それがお前だ。しかしだな。あえて批評させてもらうとだな──」
「?」
「──その、全く統一感のない雑なごった煮装飾を改めろ、馬鹿め!」
右手に神霊の木刀、身体中に純銀のアンクレットをじゃらじゃらとかけ、左手には遠見の水晶玉、王の衣装の下にブルマと体操服、脚には強化スパイクの姿に──
「何を言う。これこそが最強のザビエル=スタイルだというのに。ね、ネロ」
「うむ!ひじょーに!!余好みの!!グロテスクさだっ!!」
「ね?」
「・・・美的定規が一番グロテスクじゃないですか・・・」
【よぉおーし!!私もはくのんみたいになるぞぉーっ!!】
「だーめーでーすー!見た目とセンスは、ぜーったい真似しないでくださーい!」
愛すべきただ一人が、ローマグロテスクに堕落する。それだけは、決して容認できないカーマの叫びが響き渡った──
堕天の檻、最下層
アンデルセン「よし御苦労、たどり着いたな。此処には新王たるお前が追い求めし『ヒュージスケール』を持つBBのサクラファイブが一人、アルターエゴ・・・『キングプロテア』が封印されている」
【キングプロテア・・・つよそう・・・】
カーマ「無限に求め、満たされない愛を懐くアルターエゴ・・・インドにおける悪作、トリシュナーの体現者。それの事ですね」
はくのん「彼女が観測されて外に出れば、セラフは潰れて海の藻屑。でも、彼女が力を貸してくれれば、キアラを明確に詰ませる事が出来る。・・・それは、リッカにしか出来ない。私には出来ない」
【私?】
「──伝えてほしい。『どんな存在も、愛されちゃいけないものなんてない』って」
【──成る程!オッケー!任された!!】
カーマ「──はい。見えてきましたよ皆さん。あそこが・・・キングプロテアの・・・」
堕天の檻・・・──『撮影スタジオ』
ギルガメッシュ「ではカメラを回せ!良いなプロテア!『唸りを上げイシュタル神殿を破壊するキングプロテア』のシーン・・・!まさにこの作品の肝よ!見事演じて見せるがいい!」
キングプロテア『はい!がおー、がおー!』
エルキドゥ「念入りに、的確に。気持ちを込めて完全粉砕しよう。──あぁダメダメ手心を加えちゃ。徹底的にだよ」
マルドゥーク(プロテアデコレ)『wktk』
ティアマト『待っていなさい、マルドゥーク・・・。キングプロテアvsマルドゥーク大決戦はもう少しあとだから・・・』
エルキドゥ「ラフム役はどうしよう?デザインを大幅に変えなきゃいけないよね?」
ギルガメッシュ「フォウで良かろう。増える、笑う。同じではないか」
フォウ(同じなもんかー!!いいか!!ボクがチョロいクソザコなのはエアにだけだ!!比較のプライミッツマーダーを嘗めるなよ!!)
──えへへ。これからもずっと・・・フォウの特別でいたいな・・・
「フォワァァアァア───(虹の粘土になって消化)」
エルキドゥ「わぁい。こねよう。こねこね」
ギルガメッシュ「レフ板!何をしている!ピカッと照らさぬかピカッと!出来ぬというなら──我自身がギル裸体となり輝いてくれる!!」
──王よ。主役より輝く監督作品など前代未聞です。話題騒然となりますのでお控えを。炎上場外乱闘案件です
《む、そうか。それは愉快な話題ではないな。やはり──別件で撮影すべきよな!》
リッカ&カーマ【「なんだか撮影してるーーー!?」】
はくのん「これが王クオリティ・・・スケールが、違いすぎる・・・(ガクッ)」
ネロ「奏者ーーー!!?」
アンデルセン「・・・・・・・・・・・・そうか。完全無欠の叙事詩は・・・人類最新のコメディ小説でもあったか・・・」
『あっ・・・!皆さん、来てくれたんですね・・・!』
【うわぁあぁ手がせまるぅうぅう!?】
「む、漸く現れたか!御苦労!では構ってやるがよい。こやつが無垢なる渇愛の少女、キングプロテアよ!」
はくのん「──突っ込みが、追い付かない」
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