人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

708 / 2547
「皆さんはGWに予定はありますか?無いなら私を何人か送りましょうか?」

「・・・いえ、止めておきます。もう、私はカーマなんですから。失礼しました。では行きましょう。カルナさん、不幸エピソードです」





アルジュナ「尋常な・・・尋常な勝負を・・・カルナ、お前だけは私が・・・」

インドラ「気合いに満ちている息子・・・だがカルナの鎧があるかぎり勝てはしないだろう。絶対に勝たせてみせるぞ」



カルナ「・・・(森林浴にて太陽を礼拝中)」

カルナさんは毎日、森林浴をして太陽であり父であるスーリヤに礼拝するという決まりをしていました。そして『森林浴中にバラモンに物を乞われれば必ず応えねばならない』との決まりもまたあります

それを・・・

バラモン(インドラ)「もし、そこの御方。あなたの持ち物を戴きたいのですが」

インドラはバラモンに扮し、カルナさんの太陽そのものたる鎧を所望したんです。何も身に付けていないカルナさんには、肉体と一体化した鎧しか渡せるものがありませんでした

カルナ「申し訳無い。今は渡せるものがこれしかない。どうかこれで納得しては貰えないだろうか」

その生命とも言える鎧を、笑顔でカルナさんは差し出しました。それを失うは肉を失うと同じ、自らの滅びを確信しても、それでも

「インドラ、アルジュナを気遣うお前の気持ち・・・嬉しく思う」

「──気付いていたのか・・・ならば、責めないのか?」

「あなたを責める事などない。一枚上手だっただけの話だろう。・・・そうだな。神と言えど父であることが、オレには喜ばしく思う」

最早見る影もなく痩せ細ったカルナさん、それでもアルジュナとの戦いに出向きます。何故だと問うと・・・

「自らの宿命に背は向けん。一度定めた事だ。・・・父の威光だけは、汚すことは出来ない。それに・・・父への不敬となるが。ドゥルーヨダナが持つような人間の暖かさこそが、真なる輝きを宿していると信じている」

だからこそ、彼や人の心の為に戦うのだとするカルナさんに、インドラは深く恥じ入り彼に槍を授けました。神すら殺す必殺の槍。アルジュナすら使えなかったそれをもしかしたら彼なら、と

「感謝する。元より狙うはアルジュナのみ。ただの一度ならば同じことだ、採算は合う」

こうしてカルナさんは至宝たる鎧と引き換えに、一度しか使えない単発花火を貰ったのでした。

・・・fateではついに使われなかった槍ですが、原典ではきっちり使われますよ!やりましたね!

インドラが槍でアルジュナを殺されることを危惧して差し向けたモブ鬼神に。友軍に足を引っ張りに引っ張られて




ガトートチャカ「この生命を懸けてカルナに挑む!せめて実力の一端さえ削げれば・・・!」

カルナ「槍は温存せねば。インドラの施し、無下にはできな・・・」

味方「突撃だー!うぉー!」

「ダメだ無理だ!勝てない!あー一撃で殺せるような槍とかあればなー!(チラッ)」

カルナ「・・・」

「このままじゃ全滅だなー!嫌だなー!死にたくないなー!(チラッ)」

「見たいなー!インドラの槍を見てみたいなー!まさかカルナが我々を見捨てるはずが無いよなー!(チラッ)」

カルナ「・・・是非もない」

ガトートチャカ「ぐわぁー!バカな、それを使うときは今ではないと言うのに!(死亡)」

「お前の覚悟と、味方の願いに応えたまでだ」






「まぁこんな状態でも、アルジュナを何度も瀕死に追い込むんですよカルナさん。凄くありません?まぁアルジュナが勝つんですけど」

「・・・まだまだ不幸は続くので。また明日お逢いしましょう。はい、理不尽ですね・・・」


キアラ・パニッシャー

「キアラさん・・・まぁビーストⅢの事ですが、あれは恐らく半身、Rです。RといってもR指定、レーティングとかの意味じゃないですよ?ラプチャーの意味でもあります。たった今、私が名付けました」

 

あの最悪の魔性菩薩・・・即ちビーストⅢ。それには別の形が存在しているという。司令官を豪語し協力を誓ったBBが調べあげた事実によれば、ビーストという存在にはいくつか『対』の概念が存在しているのだ。この場合、ライト・・・右の意も含まれているのだろう

 

「左と右、陰と陽ですね。キアラさんはビーストⅢのRの様です。そして、まだそのRになる一歩手前の状態です。羽化前の蛹、といったところでしょうか」

 

「・・・あれで、蛹ですか」

 

蛹、幼体の存在であれほどまでに力を持っているとトリスタンが重く受け止める。その蛹に、後一歩で全滅にすら追い込まれたのだ。楽観視出来るような情報ではない。ならば羽化すればそれより強くなるのかと問われれば・・・

 

「んー、それはどうでしょう。羽化といっても『自由に動ける』『動けない』くらいの差かと。セラフを利用してビーストに変生したキアラさんですが、逆に言えばまだセラフに縛られているわけで。このままセラフが地球の内核に到達し、溶け合った時が『羽化した』と言えるでしょう」

 

そうなった場合、人類は救われるだろう。地球にある生命総てを使い救済の時は訪れる。人類とは誰で、どのように救われるかはビーストⅢの尺度に依るものだが

 

「なにそれ気持ち悪い。さっさと倒すし。害虫は駆除するものでしょ?」

 

「怒るな怒るな。ぶっちゃけゴミの様に駆除されたのはこちらの訳で。ここだけの話、その方法を今話し合っているらしいゾ?」

 

実際問題として、どう足掻いても現状では相討ちすら望めない。キアラの言う『未知の龍』という存在が何かも掴めぬ今、藤丸一行は手詰まりと言えるだろう。そこの所は、覆せない事実であるのだ。──先程までは

 

「はい。現状ではキアラさん──ビーストⅢを倒すことは困難・・・まぁ、セイヴァー沢山抱えたマスターさんならどうかなーと言った程度ですが。そんな話は無いので不可能といってもいいでしょう。ですが!」

 

くいっ、と教鞭を振るい、BBが取り出したるはBとラベリングされた何やら怪しい化粧品めいたグッズの数々である。それらこそ、彼女・・・正確には背後にいるザビが『キアラ絶対仕留める』と意地と気合いにて不眠不休にて仕上げた渾身の必殺アイテムの一覧であったのだ。

 

「じゃじゃーん!こんな事もあろうかと用意しておきましたムーンセル産BBアイテム!あの最低・・・そう!最ッッッッ低なチート権能。『知性体なら問答無用でテクノブレイク』こと『ロゴスイーター』を抑制する抗リビドー剤はもちろん!ビーストからの魅了対策の賢者カプセル!ビーストのレベルダウンの化粧落とし!ビーストのスキル封印などなんでもござれ!先ぱ・・・いえ!BBちゃんが『キアラ殺す、絶対にお前だけは威信と誇りをかけて地の果ての果てまで追いかけてでも絶対殺す』と執念を込めて作り上げた会心の一作達です!」

 

 

 

メルトちゃんデスwhip。圧倒的絶壁パワーにて全能力をダウンさせ魔性菩薩化を阻止する致命的な弱体化を訪れさせる月の新王渾身のキアラ絶対殺すアイテム。

 

抗エロス剤。キアラの無駄にあふれでるエロスに対抗した向こうしばらくクリボーが日課を行わなくなるレベルの強力な服用薬。五感総てを賢者にするという触れ込みで月の新王が調合した必殺の女性対策薬剤。

 

 

ただ一つの色。魂に干渉し己の色を主張し保護するザビエル印のフランシスコカラー。元々特別なオンリーワン?うるせぇ一人で立派にやっていけるんじゃいと深夜のテンションで創造した万色悠滞キラーソフト。個性を発揮し融解を防ぐ魂保護ソフト・ザビエルプログラミング。

 

化粧落とし。キアラの魂レベルで彩られた女性の魅力を問答無用で肌ごと叩き落とす事を主題としたザビエルパニッシュメンター。如何なる厚化粧や面の皮でも頭蓋骨が見えるほどにキアラの魅力を削ぎ落とす事を主題に作り上げたキアラ専用ツール。世界がそっぽ向く素面へ。

 

グッド・スキン 。キアラの肌の艶を上回れ!もっとだ!もっと!もっと輝けぇ!!と男の義務教育を見ながら徹夜でザビエルが作り上げた肌ツヤ保持。キアラの女の肌を単純に上回ることでキアラに靡かなくなるという力押しのコンセプトで作り上げた肌クリーム。これさえあればアバズレにマウントとれる。菩薩許すまじ。

 

 

人魚姫の原文。楽園の某作家が寄付してきた最高にしてファンコレクションの決定版。アンデルセンが書き上げた原文にして本文をデータ化したもの。本の角を向けて思いきりぶん投げてやろう。

 

他にも攻撃を通さない感じない、ダメージ抑制スプレー。誰でもブッダに、スーパー賢者カプセル。うるせぇガバガバボディ貫いてやんよなダメージツウジール。塵も積もらせません勝つまではなスリップ・バリアー、獣の権能諸とも海底の塵になれと鍛えた人理倫理剣、これ見よがしな香ガードマスク等々、ありとあらゆるキアラの能力をひっぺがし無力化し絶対に殺すと決意した月の新王渾身の傑作の数々をBBはそれはもう自慢気に見せびらかす。これは先輩が、月の新王が全身全霊不眠不休で作り上げた意地と努力の結晶なのだ。先輩の頑張りは後輩の誇りなのである

 

「どれもこれもセンパイの為に用意されたものです!格安で奉仕しますので!是非頼ってくださいね!」

 

「金取るのかよ!?地球の危機じゃ無かったんですかねぇ!?」

 

「執念を・・・アバズレ絶対滅ぼす殺すべしと言う固い固い意志を感じる・・・」

 

「あのですね。アイテムが、仮にもビーストを完全封殺できるチートアイテムがただで手に入ると思っていたんですか?これの更なるウルトラ上位版、対完全体ビースト滅殺ツール『レガリオン・パニッシャー』を起動するためにどれくらいのサクラメントが必要だと思っているんですか?」

 

私だって辛かったのです、キアラさんの目を盗み協力するにはとサクラメント巻き上げた自分を正当化するBB。実際のところ貯めに溜め込んだサクラメントはもうすぐで規定値を越える。これを全てお買い求めした時、真の意味でビーストⅢは滅びるのである

 

「そう!全てはこの時の為にマージンを取っておいたのです!」

 

「取ってたのかマージン・・・」

 

「─────」

 

「ビジーした振りをして誤魔化しています・・・気にしないでください、藤丸さん・・・」

 

「ともかく!これで全ての因果は揃いました・・・と、言いたいところですが!センパイにはあと一つ、やってもらいたいことがあるんです!」

 

そう、藤丸にはあと一つ、最後のピースを手にしてもらわねばならないのだ。あの獣を倒す、最後の一刺しを完遂させるために

 

「・・・えぇ。解っているわ。──藤丸。私の心の中に入りなさい。そして私を打ち倒して」

 

「え、は・・・ええっ!?」

 

「そうすれば、私と言う存在総てを理解できるわ。ここにいる私が、何故あなたを助けるのか。──そしてそれが、『あの人』が唯一絶対にやらなかった事だから」

 

それを機に、藤丸が手にした青き鍵が輝き出す。そう、彼は知らねばならないのだ。自らの相棒がどのような存在で、何故ここにいるかを。そして──

 

自らの想いのために、湖を飛び立たんとした白鳥が、何故ここにいるのかを。その真意の総てを受け止めて、彼女というセンチネルを討ち果たさねばならないのだから──

 

 

 




カーマ「ビーストⅢは対の概念を持ちます。Rがアレ、ラプチャーであるなら左はL、ラプス。お互いは不倶戴天の天敵であるので、協力とか合体とか絶対にしません。だからボス二連戦とかいううんざりな展開は無いと安心してください」

はくのん『ラプス・・・キアラがアレ過ぎて全く対となる存在が想像できない』

カーマ「・・・まぁ端的に言うと、愛が疎ましくて嫌いで、相互の愛を自らの愛で燃やして満たして宇宙に遍在する愛の概念を焼き尽くす獣です。愛で堕落させるのではなく、堕落させる為に愛を使う。Rが孔の中心なら、Lはそれらの周りの空間ですよ」

リッカ【おぉ、なんかスゴそう・・・】

カーマ「スゴいですとも(フフン)。宇宙を燃やすほどの愛欲を人類に振り撒く。何をしてもよい、どんなにダメになってもよい。家畜になっても堕ちても愛して肯定する。そんな究極の甘やかしを可能とするもの。全人類一人一人に、釈迦に与えた以上の誘惑を。──煩悩無量誓願断。愛の魔王の名を懐く人類悪です」

リッカ【究極の】

はくのん『甘やかし』

【『あぁ~ダメになるぅ~』】

「・・・まぁ、安心してください。あなたたちの世界にはもう、絶対に出現しません。『とっくに討伐されていますから』。──愛の素晴らしさを、徹底的に叩き込まれて。【本当に愛を与えたかった相手に、何も与えられなかった】時点で、ビーストⅢのLは総てを愛する事が出来なくなったのです」

【え!?そうなの!?】

『いつの間に・・・確かビーストⅣはお姫様にニコリとされただけで死ぬクソザコビーストの名を欲しいまでにしていた存在だと聞いているけど、ラプスもそんなん・・・?』

「・・・まぁ・・・はい。でも、だって。しょうがないじゃないですか」

【?】

「──あなたは、私に。何もさせてくれなかったから。だから、倒されるしかないかな、と」

【?・・・カーマ?】

「・・・何でもないです。ほら、見えてきました。──渇愛の重力圏。愛されたいとただ願う、最後のピースを封じる堕天の檻ですよ」



──えぇ。心から愛したい、幸せになってほしいと願う人の離別すら、与えて当たり前の愛すら私には、授けることが許されなかった

女神も魔王も等しくあなたに倒されたんです。──でも、それで良かったんでしょう

・・・こうして、あなたといっしょにいられるのなら。倒されて良かったとも・・・正直、思っていますから。

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。