人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リッカ「答え合わせー!(テッテレー)」


オルガマリー「部員の皆は分かったかしら?この場を借りて、解説していくわよ!」

リッカ「さぁ!あなたの正解数を・・・教えて?」


クウガ 未確認生命体四号

オルガマリー「クウガ世界の怪人はグロンギと言うのだけど、警察の間では未確認生命体と呼称されていたわ。四番目にクウガが確認されたから、四号と言うことよ」

リッカ「ちなみにクウガの幼虫フォームは未確認生命体二号!ギノガ戦は神!」


アギト あかつき号

「謎自体は終盤だけれど、名前自体は初期から出るわ。水のエルという幹部怪人に教われ、主人公がアギトに覚醒する事件よ」

「ライダーが負けてもうすぐ死ぬよって言われたら怖いよねぇ~」

龍騎 仮面ライダー王蛇

「蛇のベノスネーカー、エイのエビルダイバー、サイのメタルゲラスと契約するライダーよ。その分維持には苦戦していたわね・・・」

「モンスターは餌あげないと襲い掛かってくる!戦わなきゃ生き残れない!」

ファイズ 十秒

「アクセルフォーム自体は35秒、高速移動はスタートアップで十秒よ。リフォメーションで自動的に元に戻るわ。これがないとスーツが破損して毒素が周囲を汚染してしまうの」

「カッコよすぎてブラスターはイマイチといったあなた!555映画、パラロスを見よう!」

仮面ライダー剣 十三体のアンデッドと融合してしまう

「本来ならキングフォームはカテゴリーキングのみとの融合なのだけど、剣崎一真の融合係数が高すぎてスペードスート全てと融合してしまったの。剣はネタばかりではないから、どうか最後まで見てほしいわ」

「後半は一話も見逃せない!ゲゲゲー!」

響鬼 夏

「怪人、魔化魍が発生するのは夏よ。オロチとは現象、現代にはいないわ」

「もとは音撃戦士響鬼ってなる予定だったんだって!CGばかりでアクターさんが苦戦したみたい!」

カブト ザビーゼクター

「矢車、加賀美、三島、影山・・・たくさんの相手を渡り歩いたゼクターね。最終的に誰からも相手にされなくなる辺り、自業自得といったところかしら」

リッカ「最終的にパーツ扱いだからね・・・皆も乗り換えは程ほどにね!」

ゼロノス ゼロノスになった自分をセーブできる

「ゼロノスのカードを持っていれば、過去の自分が殺されたとしてもすぐに復活ができるわ。・・・そんな細やかなメリットより、失うものが大きすぎるけどね」

「自分がいたという記憶を消費して、使い終わったら皆の記憶から消えちゃう・・・皆!ゆうとをよろしく!」

キバ キングスワールドエンド

「劇中未使用よ。装着者の命と引き換えに全てを滅ぼす広範囲殲滅技・・・これを使って、レジェンドルガと言われる種族を滅ぼしたの。ダークキバのデザインは秀逸だから、是非チェックしてみてね」

「ダークキバのスーツアクターさんはいつも主役をやっているアクターさんだったんだけど、悪役の演技が全然しっくりこなかったんだって!」


ディケイド 通りすがりの仮面ライダー

「全てを破壊し、全てを繋ぐ仮面ライダー、ディケイドよ。覚えておきなさい!」

リッカ「テレーン♪テーン♪テテーン♪」

士「ほう、此処がfateの世界か」

「「!?」」

ダブル ジョーカーメモリ

「ファングの狂暴性を抑えられるメモリはジョーカーだけ。ファングメタル、ファングトリガーにはなれないのよね」

「私ファングジョーカー大好き!ゾクゾクするよね!」

オーズ プトティラコンボ

「プテラ、トリケラ、ティラノ・・・無の属性を司る恐竜コンボが該当するわ。マネーゲームにマネーを食べる怪物が現れた・・・といえば分かりやすいかしら」

「妖怪メダル砕き!!」

フォーゼ 仮面ライダー部との絆

「皆の絆で宇宙を掴む!が決め台詞の通り、絆が揺らぐと変身不能よ。・・・参戦した時期にはもう強い怪人しかいないのよね・・・」

「最強フォームは匙加減が難しい!」

ウィザード 一回

「指輪で子供がメリケンパンチしてはいけないから、パンチはたった一回・・・最終決戦で指輪を砕かれ徒手になってから放った一回きりよ。凄い拘りね」

「ゴヨミィイィ!アルティメイタムは絶対見ようね!」

鎧武 キルプロセス

「他のオーナー達と衝突することを見越した戦極凌馬が仕込んだ指令、キルプロセス。これでバロンはヘルヘイムの力を手にするのだから皮肉よね」

「バロンがロードになりデュークを越える!熱いよね!」

ドライブ デッドヒートマッハ

「超、が引っ掻けよねこれ。ドライブの戦闘記録を記録したキーで産み出された間に合わせのドライブが超デッドヒート。正規品のデッドヒートマッハに叶う部分は気合いしかないわ」

「その気合いがあれば十分!劇中で怪人二体も倒したんだよ!」

仮面ライダーゴースト 事情を説明せずに殴りかかり、こちらを話し合いの余地なく一方的に叩きのめし、無駄に強く、協力を持ちかけたら殴りかかってくる。自分の状況説明をせずにひたすら邪魔をしてくる

「15個集めれば生き返る事ができるアイテムを集め、身体を失った妹さんを生き返らせるというやむを得ない事情があったとはいえこれは・・・皆は軽々しく使っちゃダメよ。特撮ファンに、いえ・・・意味が通じる相手にいったら殴られても文句は言えないわ」

「前のマコト兄ちゃんみたいだ、とエースみたいでやんしたは平成アニメーション侮辱ワードだから覚えておこうね!」

エグゼイド 怪人と化した市民に手を出せず物陰に隠れる

「如何につよくとも相手は市民。ドクターが攻撃するわけにはいかないものね。強いことが、全てではないのよ」

「映画、トゥルー・エンディングはまさにハイパームテキだから見ようね!」

ビルド クローズビルド

「アーユーレディ?」

「ダメです!!融合素材として有能すぎる万丈とのベストマッチ!皆も見よう!劇場版!」

「アシンメトリーでありながら纏まっていて、カッコいいわ。ジーニアスは・・・人を選ぶわね」


ジオウ エグゼイドのライドプレイヤー

「頭部だけでなく、様々な場所を流用しているわ。パッチワークであれだけかっこいいなんて、まさに職人技ね」

「カルデア忍ーズが東映に放映希望の葉書を送ったのは言うまでもない・・・」





リッカ「どうだった?解けなさそうで解けるヤツを選んだつもり!皆は分かってくれたかな?」

「誰も答えられない、では意味が無いものね。参加してくださった皆様に感謝を・・・え?まだ難しくできるの?」

リッカ「出来るよ?でも楽しいのが出題者だけになるから自重した!」

「あはは・・・まぁそんな訳で、感想欄で答えてくださった皆様、ありがとうございました!」

リッカ「またやろうねー!」

士「大体分かった」


王のわくわく、獣のウキウキ

(ふん、ふふんふふーん♪ふふーん♪)

 

カルデアの廊下、王クラスのサーヴァントが部屋を構える区画の廊下を軽快に歩くものが一人、いや一匹存在し陽気に、楽しげに鼻唄を歌っている。この楽園に七色の奇跡の粒子を充満させながら、善き感情や想いが満ち足りた楽園を、清らかな姿のまま、誰に憚ることなく歩みを進める獣の姿がある。いついかなるときにも姫に寄り添い、見守り、そして日常平均10回は討伐されしプレシャスを愛しプレシャスに愛された(自称)獣。キャスパリーグことフォウである。件の英雄姫がもし望むのならば『とうとみクソザコビースト』と名乗るも吝かではない程に、至尊の姫に心酔し首ったけなキャスパリーグなのである。そんな彼が上機嫌な理由など一つしかない。かの心から想いを寄せる英雄姫、エアが楽しめるようなイベントが開催中だからである

 

(エアは誰にチョコを作るのかな?友人たちと交流できているかな?無理はしていないか心配だから、ボクの魂から捻り出したプレシャス御菓子を差し入れしよう!心身ともにリフレッシュすること間違いなしだ!友達と仲良く食べるんだよエア・・・無理はダメだよ・・・)

 

なんかネジが飛びに飛びまくったマシュを微笑ましく、生を謳歌しデンジャラスになっているかつての善き人を後退りで見守り、まぁそれはそれとしてと今生にて一筋の愛を捧ぐただ一人の事を想うフォウ。此処のマシュは自分が救ったマシュではなく、かつてのマシュとは別人だ。そもそも彼女との関係は、死を覆し自らの人格を投げ出した時点で終わっている。周りに誰もいないのならともかく、最早自らが目にかける理由はない。彼女の物語は彼女だけのものだ。転生先まで善意の押し付けなどしたくはない。あのクズみたいに

 

(エアは勿論一番大事だけど、なんだかんだで・・・ていうかあそこまでエアを大切に育てた功績を評価してやらんでもない。ギルにも一応作ったチョコをくれてやろう)

 

背中には王に渡すプレシャスチョコ、姫に渡すプレシャスクッキー。ウーフォになりキッチンで二人のために作った菓子を乗せながらフォウは部屋の前に立つ。御機嫌王──この楽園の中核にして紛れもなき頂点なるサーヴァント、ギルガメッシュの私室である。『エルキドゥ、ピンポンダッシュは禁止とみなす』と書かれた張り紙を一瞥しながら、ピョインと認証を認可する

 

(王と姫の唯一無二の守護獣が来たぞ。中に入れてー)

 

『む、フォウか。鍵は空けてある。心して通るがよい』

 

・・・心して?微妙に気になるニュアンスが気になりつつ、ほいほいと手慣れた様子で部屋の扉を開けると──

 

(うわぁあぁあぁあぁ!?)

 

突如、カラフルかつ豪奢な津波がフォウの身体を襲い拐った。山が崩れたかのように、河が氾濫したかのように、圧倒的な勢いにてフォウの思考もろともその小さな身体を奪い流していったのである。だがそんな最中も、二人に渡す御菓子だけは手放さず護りきる事だけは決して忘れなかった。フォウがもみくちゃにされる様を、誰よりも楽しむ者の声が響く

 

「ふははははは!だから言ったであろうが淫獣めが!バレンタインなどという日頃の気概を物品に変換する催しの折に此処に足を踏み入れたのが運の尽きよ!いや、よくぞ来たと言ってやるべきかも知れぬな?」

 

黄金にして絶対の自我を宿した声音にて笑う、いつものみんなの御機嫌王ギルガメッシュ。彼は変わらず玉座にて鎮座し足を組み頬杖をついていた。──溢れんばかりのチョコに埋め尽くされた部屋にても変わらずに、だ

 

(なんなんだよこれぇ!?ボクとエアの憩いの場に何が起きた!?)

 

「見て解らぬか。これら全ては我に向け贈られしチョコの山よ。ふはは全く、『日頃の感謝がチョコ一個で表せる筈がなく!我らスタッフ一同!一人100個作り上げました』などと告げ一日かけて受け取ったのだ。イベントで浮かれていたとしても感謝を示す気概は流石は我が財どもよ。だがちょっと加減というものを加えてほしかった気はしないでもないがな?麻婆といいニアピンといいサーヴァント手製の甘味といい・・・楽園には我の死因が溢れているな!!

 

やだ、我の財本気すぎ・・・?15LDKの我が私室を埋めつくほどではあるまいと一つ一つ吟味していたのが運の尽き。エアの私室、共に眠る寝室とキッチン以外の部屋が余さず埋まる始末に王は若干後悔した。我やっちまった、エアよ早く整頓に来るのだヘルプと

 

(大人気じゃないか良かったな!もしかしてこれ全部食べるつもりなのかオマエ!)

 

「当然であろうが!弓の我なら下らぬと鼻を鳴らし、賢き我なら胃を下し死ぬであろうこの脂質と甘味の山!御機嫌王たる我は一味違う、感想を書き込み改善点を纏め返礼を賜す決心である!!」

 

(加減を知らないのはオマエもだバカタレ!まぁ好きにしろよ!此処にチョコ置いとくから!じゃあボク、エアに会いに行くから!)

 

「逃がすと思うか!この余りに余りある一年分の感謝のチョコ!有り難く思え、貴様にも堪能させてやろう!楽園にて、王とチョコを戴く栄誉を授ける!」

 

(いらん!高血糖でくたばれ!こんなプレシャスみと地獄の道に続く善意に満ちた空間にいられるか!ボクはエアのエビフ山に帰らせてもらう!エビフ!エビフ!)

 

「やはりそれか淫獣めが!!エアの肢体に骨抜きにされおってまぁ我が賜した至高の芸術に至宝たる魂が宿ったのだ無理はないがな!だが貴様は所詮即物的な欲に溺れたデンジャラスビーストよ!」

 

(ハァ、ハァ・・・デンジャラスビースト・・・!?取り消せよ!今の言葉ァ!)

 

「断じて取り消さん!淫獣淫獣敗北者!スケベ変態敗北者めが!!」

 

(ボクに尊さと幸せを教えてくれたエアをバカにするな──!!)

 

「勘違いするな、バカにしているのは貴様のみだ──!!」

 

チョコに包まれたリアルファイトが此処に勃発する。小回りを活かしたフォウがチョコの海を泳ぎ回り、ギルガメッシュをテシテシとフルボッコにしながらじゃれあうこと一時間。平静を取り戻した二人はエアの整理整頓を信じ、一つ一つのチョコを机に出しながら食べていくのであった・・・

 

あくまでも ぜんいにみちてる けものかな

 

 

(オマエいつも楽園で死にかけてるな(モグモグ))

 

「仕方あるまい。特異点における常勝無敗の帳尻と割り切るまでよ。いや全く、我が財に殺されかけるなど笑い話にもならんな(パクッ)」

 

一段落つきチョコを食べていくギルガメッシュにフォウ。フォウは正確にはチョコではなく込められた感情をプレシャスパワーに変えているため身体には無害なのである。むしろ彼を動かすパワーがもりっと溜まり絶好調となるのだ。チョコ一個につき100プレシャスパワーであり、フォウが爆発する限界値の1000000プレシャスパワーに届くにはまだまだ余裕がある。総プレシャスパワーは宇宙が膨張するレベルで高まっているため預かり知れはしないが、少なくとも容量を心配することは無いのである

 

「見るがいいフォウ。マリアめは皆に配るチョコにも妥協せぬ。やはり我が認めた王妃は大したものよな。騎士王めは円卓どもに助力を乞うたな?フッ、かつて当たり前の事が当たり前に出来なかったというだけで、ヤツの治めた国と間が悪すぎたことが垣間見えるというものよ」

 

王もまた、丁寧に包装をほどきリボンを紙に張り付け一口一口を食べながら感想を書き込み漏らしていく。それぞれ評価を下しながら、製作課程やその奮闘ぶり、そして生まれた甘味を楽しむ。それ故に、彼の口に余さずチョコが放り込まれていくのだ。ただの一つも食べ逃しはない。摂取されたカロリーは貯蔵魔力としてG缶とGタンクに保管しながらである

 

(みんな手が凝ってるなぁ・・・スタッフも全部手作りでしかもコピペが無いとか尋常じゃない手間隙だぞ・・・)

 

「フッ、だから言ったであろうが。我が楽園の財には至高のモノしか有り得ぬとな。あぁそうだ、我的に最もあざといと感じたチョコはな、物陰から飛び出してきたアルトリアめがサーヴァントユニヴァース人気商品を、私のブログの為にレビューしてほしいなどと宣い手渡して来たこのどう見ても手作りなXハットチョコとドゥ・スタリオンⅡチョコでな?ハッチは開放式、内部構造も再現されているなどといった・・・」

 

(ヒロインXが、ヒロインをしている・・・だと・・・いや今更かな?ボクはやっぱり王妃チョコかなー!ヴィヴ・ラ・フランス!)

 

「我の声によく似た音楽家と白百合の騎士が争っていたな。まったく不毛な事よ。このメッセージカード『ゴージャスさまへ。エアからのチョコレートも心待にしていてね♪』を見れば勝者は一目瞭然であると言うのにな」

 

そんな軽快なトークの後、自然とチョコは消化されていき、やがて口の中が甘味まみれとなった頃合いにて二人は一息をつく。外装が凝っていたもの、繊細であったもの、こだわっていたもの。其処に宿るものを愉悦とプレシャスパワーに変え、二人はそれぞれ玉座にもたれかかり、身体を丸める

 

「よし。これでエアめが如何なるチョコを作ってきたとしても埋もれ、見失う事はあるまい。整理整頓を押し付けたきらいはあるが、我が至宝ならば容易くこなすであろう。今から我にどのようなチョコを渡し想像を越えるのか・・・ふはは、これだから笑いが止まらぬと言うものよな!」

 

(なんだオマエ、やっぱりエアのチョコが楽しみなんだ)

 

「当然であろう。それぞれの人生を歩み、生が交わった者共と全てを漂白されながら至宝に至るまで研鑽された者の敬愛は大きく趣を異とする。あらゆる世界において我に純然たる敬愛を示せるのは誰あろうエアのみだ。我が肉体、我が財宝、我が力のすべてに眼もくれず、我という魂と存在にまずは敬意を示したあやつの敬愛・・・他の何者にも示すことは叶うまい」

 

口直しにワインを飲みながら王は目を細める。至宝と戯れに口にはしない。その言葉には確かな重みと意味があるのだと星の獣に聞かせるように告げる王の瞳は爽やかな輝きに満ち溢れていた。未だ変わらぬ愉悦は続いていると、そして何処までも続くものであると。細やかな日常からも受け取っていることを、そしてこれからも・・・そうであることを。霊基の内より感じる暖かな、柔らかな感情と輝きの感覚を以て確信しているのである

 

(──フン、なんだかんだでオマエもエアが大好きなんだって事は認めるよ。その件のエアは何処に行ったのかな?)

 

「チョコを作るに我がいたのではやりづらかろう。楽園の内部を自由にさせているくらいの気遣いはしているに決まっていようが。いつ来るか、いずれ訪れるのか・・・そう思案しながら一人チョコを消化していたのだがな。いやまこと良き所に来たなフォウ」

 

(エルはどうしたんだよエルは)

 

「マスターめを抱えてはしゃいでおったわ。全く、いつになっても変わら──」

 

瞬間、部屋の内部にインターホンの役割を果たす黄金の鐘の音色が響き渡る。来客を告げるその不意打ちに、王とフォウは顔を見合わせる

 

「来たか!漸くかエア、待ちわびたぞ!特に赦す、お前の研鑽と感謝を受け取ってや──」

 

『英雄王ー、いますかー?ジャンヌです!ハッピーバレンタイン!溢れんばかりの感謝を込めて、真っ赤なチョコを作って参りましたよ!』

 

(デ デ ド ン !)

 

(気配を殺せ、瞑想を始めるぞ!いかん、あの味覚が滅んだ聖女めに気配を悟られる訳にはいか──)

 

『ありゃ、自動ドアに手をかけたら閉まらなくなってしまいました・・・後で謝りましょう!ギルガメッシュー!ジャンヌが、チョコを作りましたよー!』

 

(もうダメだぁ、おしまいだぁ・・・ギルの味覚はおしまいだぁ・・・)

 

(諦めるでないわ!!我は諦めぬ!気配遮断の妙を活かし、この窮地を乗りきり・・・)

 

「おや、フォウくんではないですか!ギルガメッシュ王が何処にいるか、ご存じありませんか?」

 

「キュー?フォウ?キュー?」

 

(良いぞフォウ!そのままマスコットとしてのいい感じの猫を被るがよい!のりきるのだ、ファイトだ我等!)

 

「むぅ、いないのですか・・・仕方ありません。フォウくん、ちょっと食べてみますか?大丈夫!いつもより抑えめな激辛!ギルガメッシュ王への気付けと口直しを兼ねたものですから!」

 

「フォウ!フォーウ!ソコニイルフォーウ!」

 

「フォウ貴様ァアァ!!!」

 

「あ!いらっしゃいましたねギルガメッシュ王!さぁどうぞ!召し上がれ!ハッピーバレンタイン!はい、あーん!」

 

「おのれぇ──!特異点にて大苦戦するのと楽園にて死にかける事象、どちらが最適解なのだ──!!」

 

・・・この後栄養バランス抜群なマイルド激辛チョコを口にし、ジャンヌの輝かしい笑顔を背に受けながらギルガメッシュ王はトイレに籠りきりになりましたとさ・・・

 

 




~キッチン

──よし、準備完了!

式『落ちついて、焦らないでね』

姫アルク[戯れだ。肩肘を張らず気楽にくれてやるがいい]

──手伝ってくれてありがとう。皆!じゃあ、行ってきます!

マリー「頑張って、エア!ゴージャスさまやフォウさんも、きっと喜んでくれるわ!」

ネフェルタリ「神にも気持ちは届くわ。信じています。シャナ」

──はい!必ず、感謝を・・・届けて見せます!まず向かうのは・・・──!

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