人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

60 / 2547
別世界・立川


「・・・ソーシャルゲームって人類が産み出したもっとも罪深い発明なんじゃないかな・・・」

「また丘を登りきるような顔して・・・ジャンヌちゃんまた爆死したの?」

「父さんに『ジャンヌめっちゃかわいい』って勧められてみたら本当にかわいくてさ・・・私いつ迎えられるんだろ・・・」

「セコムはやめてね、FGO終わっちゃうから・・・構えないで!」


追走

「ほう、ジークフリートめが仕事を果たしたか。ワイバーンどもが混乱しておるわ」

 

明らかに精彩をかきパニックをみせるワイバーン達、ざっと数千は落としてきたが、終りの時は近いようだ

 

「隙を見せたな?――抉り落とすわ!」

 

更に展開し放つ財の弾丸。文字通り削りおとされ吹き飛ばされ霧散するワイバーンたち

 

 

――ならばそろそろ、決着をつけにいく頃合いだろう

 

「どれ、奴等めを迎えにいくとするか。これだけ減り、指揮系統も喪ったとあればもはや捨て置いても問題はあるまい――いや」

 

ぱちんと指をならし、残ったワイバーンを皆殺しにする

 

「念には念を入れておくとするか。――さて、ヴィマーナよ。地に降りよ。勤勉な奴等を迎えにいくぞ!」

 

王の号令に従い、地上に向けヴィマーナが下降していった……

 

 

「おかえりなさい、ギルガメッシュ様!」

 

華やかに笑うマリー。皆、無事のようだ

 

 

「務めは果たしたようだな。それでこそ我と肩を並べる兵どもよ」

 

誰も欠けていなくて、本当に良かった――

 

「英雄王、魔女ジャンヌはジルに連れられ撤退しました。すぐに追撃しようと思います!」

 

「うむ、予想通りの答えよ。随分と己を取り戻したらしい」

 

「もちろん私達も行くよ、ジャンヌ!」

「はい!必ずミッションを完遂しましょう!」

 

マスターとマシュの気合いも充分だ

 

「はいはいはい!私もついていくわ。小ジカはアタシが守ったげる!」

「私はついていかないはずがありません。ますたぁですものね?ふふふ」

 

「いいよね、ジャンヌ?」

 

「はい!――英雄王」

 

「ん?」

 

「貴方も、どうか。私達の旅の締めくくりを、貴方の眼で裁定なさってください。私達の――総大将として!」

 

――頷く皆。――あぁ、もちろんだ!

 

「ハッ、言うな小娘!だが良かろう、当然の帰結だ!だが間違えるな!我は総大将ではない、ゴー☆ジャスな王だ!」

 

より一層上機嫌になる器。そこは大事なんですね

 

「この旅の締めくくりと言うならば、使うべき脚はあれしかあるまい!」

 

「アレ!?もしかしてアレ!?」

 

「そのアレだ!――いでよ!『栄華極めし王の鉄馬』――!!」

 

黄金の波紋から、輝く黄金のバイクが現れる。――うん、最初も、これだったしね

 

「マスターは我の後ろ、マシュとジャンヌと蛇はサイドカーだ!最後のウイニングランを決め込むとするか!」

 

「ちょっとゴージャス!アタシの席がないじゃない!」

 

「……あ」

 

「あって何よ――!!」

 

そもそもそんな大人数で大丈夫なのか、バイクって

 

「ッチ、仕方あるまい。急場凌ぎではあるが貴様には特別な席をやろう」

 

「特別!?VIPってこと!?」

 

パチン、と指をならす。エリザベートの足にローラースケートが、お腹にバイクに繋がるひもがつけられる

 

「へ?へ?なにこれ、VIP?え?」

 

「貴様はアイドル、バラエティーアイドルであろう?この程度の無茶ぶりは楽にこなせるはずだ」

 

「え、ちょ……デジマ?本気で言ってる?ウソよね?」

 

「気を付けて、ジャンヌ。ここまで来て、死に別れなんてウソよ?」

「はい、もちろん!待っていて、マリー!」

 

「マスター、マシュ。ギルガメッシュ。気を付けてくれ」

 

「うん!」

「はい!」

 

「無論だ。各員はヴィマーナにて待機せよ!総てが終わったあとの宴を行えるようにな!」

 

エンジンに火を入れる

 

『ジャンヌの反応はこの先の城だ!ギルギルマシンなら追い付ける!』

『チャンスは今しかないわ!振り返らず走りなさい!』

 

エーテルが粒子となって排出される

 

 

「よし、では往くぞ!――駆けよ、『栄華極めし王の鉄馬』――!!」

 

アクセルを、フルスロットルで決め込む――!!

 

 

「来た――――!!私ツーリング大好き――!!」

「先輩、気を付けて――!」

 

「ジャンヌ、ジル――決着をつけます!」

「あぁ、あんちんさま……もうすぐお別れなのですか……?」

 

150キロをオーバーし、唸りをあげるギルギルマシン!

 

「ぶわ――――――――――!!!!!やめてとめてやめてとめてやめてとめてやめてとめてやめてとめてやめてとめてやめてとめて挽き肉になっちゃう転んだらドラゴンミンチになっちゃう――――――!!!」

 

「姿勢をただせ!脚を曲げるな!屈したならそれが貴様の最後よ!」

 

「ゴージャス――――――!!!あんたマジで覚えてなさいよ――――――――!!!!」

 

「覚えておくとも!貴様の無様さをな!フハハハハハハハハ!!!」

 

決意と悲鳴と歓喜を湛え、ギルギルマシンは最後の決戦へと疾けていった――!

 

 

「気を付けてね――!必ず皆で、歌を歌いましょうー!ヴィヴ・ラ・フラーンス!」

 

「さて、じゃあ僕も曲でも作ろうかな!」

 

 

「――武運を祈りましょう」

「あぁ、そうだな」

 

 

 

 

 

「ジル、ジル!どうしよう、どうしましょう……!?ファヴニールもやられ、ワイバーンも残っていない……!サーヴァントも!私達、もう……!」

 

動揺と狼狽を隠そうともしないジャンヌ。完全にすがるものを無くした娘そのものだ

 

 

「あぁ、くる、来る……!金ぴかのあいつが来る……!勝てないわ、私……!ファヴニールがいても勝てなかった、全力でも勝てなかったのよ!?私、私……」

 

「どうか落ち着かれよ、ジャンヌ。あなたには、このジル・ド・レェが傍におりますれば」

 

そっ、と頬を撫でる

 

「あなたがいる限り、必ずや勝利は我等に。貴女は竜の魔女。我等を鼓舞していただければそれでよいのです、さ……玉座にてお待ちください。ここは、このジルめが」

 

諭すようにささやくジル。ーやがて、平静を取り戻すジャンヌ

 

「……解ったわ。お願いね、ジル」

 

「お任せを、ジャンヌ」

 

「……信じてるから」

 

 

ふらふらと部屋に戻るジャンヌ

 

 

「――ジャンヌはやらせはせぬ。断じて赦さぬぞ!」

 

深淵を覗かれし瞳が燃え猛る

 

「たとえ英雄王、貴様でもだ――!!」

 

 

――

 

「よい箇所に崖があったな!ちょうどいい、跳ぶぞ!城に突っ込む!!」

 

「ヤッフー!!かちこみじゃ――!!」

 

「マシュさん!」

「はい!宝具、展開します――!」

 

「野蛮ですのね、まったく……」

 

 

「い――や――――――!!!し――――ぬ――――る――――!!」

 

「往くぞ!!ギルギルジャンプ――!!」

 

車体が宙を舞い、そのまま一直線に城に突っ込む

 

 

そして――爆音と轟音を轟かせ、城の一部をぶち抜いてダイナミック☆入城をぶちかましたのだ――!

 

――フランスを巡る旅の終わりは、すぐそこだ……!




「くっころよ・・・くっころされるんだわ私・・・あの金ぴかに身も心もくっころされてしまうんだわ・・・!あぁ、誰か私を護って!ファヴニール、ジル・・・!」

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。