人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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基地

信長「む・・・わしは・・・」

信勝「あ、目覚めましたか姉上!」

「・・・信勝?」

「いやー、あの皆さんが姉上を取り返してくれました!もう皆、退去してしまったんですが・・・僕はこっちの姉上に付き合いますよ!」

「・・・ふん。相変わらず調子がいいのう。・・・ま、全てが終わった今、最早肩肘を張るのも愚かしいか」

「はい。たまには休みましょうよ!膝貸しますよ、姉上!」

「・・・辺りが燃えておらず、静かに消え去る。うむ、わしらしくない最期じゃのう。・・・しかし」

「?」

「・・・末期を看取るのが貴様とかすっごい微妙」

「酷くないですか姉上!?」

「事実じゃ、仕方あるまい。・・・しかし・・・キンカンのやつめ。次にあったら茶釜に詰めて爆殺・・・し・・・」

「・・・御休みなさい。姉上。至らぬ僕を側に置いてくださり、ありがとうございました」

信長「・・・」

信勝「良かったらまた、呼んでくださいね。駆け付けますよ!なんたって僕は、姉上の世界で一番の──」


・・・そして、特異点攻略翌日──


ぐだぐだエピローグ──一流の悲劇よりゴージャスな喜劇!──

「いやー、全くリッカ先輩がキャトられた時はどうなることかと思ったがの。無事楽園に凱旋が叶い何よりじゃな!爆発するキンカンの基地の溶鉱炉で親指を立てて沈んでいくわし!なんてならなくて良かっガオガエン先輩ぃいい!!?」

 

混沌と執着のぐだぐだ特異点。推しの解釈違いにより勃発した信長降臨計画は無事に頓挫し解決と相成った。リッカに協力し、共に駆け抜けた渦中の人であるノッブもまた、御満悦でスマッシュブラザーズをいつもの面子とプレイしながら炬燵を賑わせている。発生し発売されたのなら何処であろうとなんだろうと取り揃える。楽園とアマゾネスドットコムの合わせ技による力押しの先行プレイである

 

「スマブラはしゃべくりながらやるものじゃないですよノッブ。私のマーベラス三段突きが火を吹きましたとも!ルキナさん大勝利!」

 

「おのれ、復帰が弱すぎなんじゃ!もっと空に羽ばたかんかガオガエン先輩!ガッツを燃やせば行けるじゃろルーペ復帰くらい!お主並のパワー持って復帰もいけるキャラとかザラにおるんじゃからシャキッとせい!」

 

「ちっ、どいつもこいつも線がほせぇ。もちっとガッチリした気合い入ったキャラはいねぇのか」

 

「おるじゃろ!シモンとかリヒターとかゴリラグズとかテンクーコングとか!いやどいつもこいつも強いのぅ・・・飛び道具や軽く振った剣でカッ飛ぶの怖い!リッカ先輩のアイクなー、近付けんでなー」

 

無事に生き延びた一同、されど此処にいないもの、姿を見せていない者もある。何やら別件にて席を外しているおぼろ丸、そして・・・

 

「はー、休憩するかの。・・・大丈夫かのぅ、リッカ先輩・・・」

 

炬燵にぐでりながら、みかんにリッカの顔を書き出し話題をノッブが切り出す。今回も無事に生還・・・と相成ったが、リッカのパートナーであったサーヴァント、マジンさんの別離と言う結果をもたらした。今まで別れや別離はほぼ全て無くしてきたカルデアだが・・・この旅路にて、スパルタクス以来の消滅者が記録される事となった。

 

「・・・俺達が気にすることじゃねぇ。沖田は沖田の負債を払った。んでリッカや俺らはその返済を手伝った。・・・そんだけの話だろうが」

 

そう。誰かに強要された訳ではない。リッカも、マジンさんも、最後にそう至るまでに駆け抜けた道に後悔は無かった筈だ。だからこそマジンさんは命を懸け、リッカは楽園に帰還が叶っている。・・・ただ、それだけの話であると土方は言うのだ。

 

「それだけ、だなんて納得できませんよ。──本当なら、その負債は私が払うべきもの。ともせず私は、自らの負債をマジンさんに背負わせ、リッカさんを曇らせてしまった事になります。・・・切腹ものですよ。リッカさんの笑顔を曇らせてしまうだなんて。頼光さんに介錯を頼んでも足りませんよ・・・」

 

自らが払うべきであった契約の履行、自らが受け入れるべきであった運命。それを、別側面と言う形であれ誰かに押し付けてしまった。そしてその果てに、別離を味わわせてしまった。その暗い事実に、沖田は机に突っ伏しみかんをいじくる。責任転嫁など武士にあるまじきもの、切腹案件であるが故に。

 

「今さら言ってもどうにもなりやしねぇ。あいつらが選んだ道をあいつらが駆け抜けた。今回はそんだけの話だ。・・・おら、続きをやるのかやらねーのか・・・」

 

土方なりに気を遣い、たどたどしく対戦部屋を作り二人を招いた瞬間、勢いよく襖が開かれ、ほくほくと暖かい湯気をあげる鍋を持ち、エプロンをかけた金眼橙色の髪の少女が笑顔と共に現れる。

 

「ぐだぐだメンバーズに!今回の御礼を込めた差し入れに参りましたー!ささ、机開けて開けて!美味しい美味しいおでんがあるよー!」

 

「リッカ先輩!・・・その、もう、よいのか?」

 

「?マジンさんの事?うん!互いに、言いたい事は言ったからね!もう大丈夫大丈夫!ささ、皆で食べよ!」

 

リッカの明るい声音、楽園に在る一同は聞き慣れたものではあるが・・・──泣き腫らした眼、深く刻まれた目の下の隈を認めた一同は、その元気の意味がなんなのか鮮烈に痛感する。おでんは、マジンさんが事務所にいた時に好んで口にしていた食べ物であり。それを作ると言う事は・・・彼女にとってマジンさんの存在が過去になどなっていないことを、ありありと感じさせた。

 

「おう。おら、お前らも食え。旨そうじゃねぇか。腕を上げたな、リッカ」

 

土方はその様子に触れず、変わらず接する。どっかりと座り込み、そして箸を手に取りおでんを食す。しっかりと具に味が染み込んだ絶品おでんを頬張り、満足げに笑みをこぼす。

 

「ほら、どったの?二人も食べて食べて!」

 

「は、はい・・・」

 

「うむ。いただきますするかの。・・・むほぉ!ガンモ( ゚Д゚)ウマー!やるのぅリッカ先輩!」

 

「ちょ!?ノッブ!土方さんも・・・」

 

変わらずにまた、ノッブもいつものように声を上げる。沖田は彼女の心をおもんばかるべきと釘を刺そうとするも、リッカがおでんをよそってくれたという事実に抗えずに口におでんを運ぶ。

 

「・・・おいしいです!え、なんですかこれ!プロですか!?」

 

「エミヤ、キャット、母上に手伝ってもらったから当然だよねー!ほらほら皆で食べよ!お代わりあるよ!」

 

沈痛さを感じさせないリッカの勢いに、やがて和やかな雰囲気が漂いおでんパーティーが執り行われる。がんもやはんぺん、つくねなどといった盛り沢山の具が、こたつとの効果にて身体を優しく暖めてくれる。

 

「やるのぅリッカ先輩!これなら嫁の貰い手にも困らんじゃろ!あ、生半可な優男やチャラ男、パリピとかだったら撃ち殺すんでそのつもりでの!」

 

「撃ち殺さないで!?いやいや、まだまだ修行中の身だよ私なんか。手際がね、凄いの皆。もーテキパキテキパキしてたさ。目が回っちゃうかと思ったもん」

 

「こっから上手くなっていきゃいいだけの話だろ。味付け、よく出来てるぜ」

 

「ヒッジー、貰ってくれる?」

 

「そうだな、あと二カップくれぇデカくなっ──」

 

「セクハラ御法度三段突き!!!」

 

「うぉおぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!!」

 

「新撰組コントは止めぃ!なんなら踊るぞ!ワシも踊っちゃうぞ敦盛!よいのかー!」

 

「あはははは!もー!笑ってはいけないはもう過ぎたじゃーん!」

 

変わらぬぐだぐだぶりに、リッカは腹を抱えて笑い転げ回る。やっと見せてくれた本来の笑顔に安心する三人。塞ぎ込むマスターなど、誰も見たくは無いから。

 

「でもさー、私なんか味覚がおかしいのかも。おでんがさ、なんかしょっぱいんだよね。何回作っても作ってもしょっぱくなっちゃってさー」

 

「しょっぱいぃ?そんな筈ないじゃろ?わしの食戟のノッブタンに狂いは見られ──」

 

・・・おでんがしょっぱいとリッカが言う理由。それは他ならぬ彼女自身が解っている事なのだ。解っている、──解ってはいたとしても、それを止めることは出来なかったのだ。

 

「・・・こんなんじゃ・・・マジンさんに食べさせられないや・・・わさびもからしも、マジンさん嫌いで、そのまんまの味がいいって言ってたのに・・・」

 

・・・リッカの眼から流れるそれが、おでんの味を変えている。その想い出と追憶のカタチが、リッカのおでんの味わいを変えているのだ。

 

「リッカさん・・・」

 

「マジンさんの事、考えて作ったら凄く美味しく作れるのに・・・私が食べると、いつもしょっぱくなっちゃう。なんで・・・なんでだろうね・・・?」

 

そっと皿を置き、目を拭う。金色の瞳が潤み、止まらぬそれを、意思に関わらず流し続ける。

 

「・・・楽園に・・・来てほしかった・・・。もっと一杯、お話ししたかった・・・マジンさん・・・」

 

「・・・リッカ先輩・・・」

 

痛みなどに音を上げず、苦難などには屈しない。でも──大切な者との別離は、どんな事をしても和らげる事が出来ない。心を抉り続ける。それを止める為には何をすればいいのか、それが分からない。

 

「・・・ごめんね、皆。女々しくて、みっともなくて。もう少ししたら、リッカ系女子の私に戻るから・・・今だけは・・・」

 

嗚咽と涙を、弱音を赦してほしい。・・・号泣も絶叫慟哭も、母や最も信頼できる相棒の胸の中で行った筈なのに、際限なく沸き出すそれを止められないリッカ。

 

一同も静かに肩に手を置き、無言で頭を撫で、そっとミカンを供えるなど、傷心のマスターを癒そうとした・・・

 

──その時であった

 

ふはははははは!!苦悶と嘆きに沈むマスターもたまには良いかと眺めていたが、うむ!すさまじくつまらん上に湿っぽ過ぎてカビが生えるわ!楽園に苔を育成する予定などありはせぬ、故にその嘆き、つまらぬ愉悦の種をこのゴージャスが終わらせてやろう!!」

 

「ファっ!?」

 

襖を蹴破りログインしたのは我等が東西南北中央上下天下泰平御機嫌王ギルガメッシュ。ゴージャス段ボールにて追跡し愉悦ウォッチングに励んでいたのだが、痛みと嘆きの愉悦があまりにも性に合わず、具体的には泰山麻婆並、イシュタルの手料理並に口にあわなかったためにいよいよ以て打ってでたのである。・・・その嘆きを、終らせるために。

 

「げぇ!!ゴージャス王!!」

 

「我だよ!!なんだ貴様ら、我が叙事詩にあるまじき沈痛な面持ちを浮かべおって。凱旋の宴は盛大に催すべきであろうが!イシュタル死亡を国を挙げて祝ったドゥムジを見習うがよい!」

 

「空気!流石に空気読んでくださいよ王様!リッカちゃんのメンタルはボドボドなのですから!」

 

「たわけめ!傷ついた人間は遠巻きに眺めニヤニヤするものではない!肩を叩き前を向かせるものであろうが!泣かぬなら、共に笑うかホトトギスよ!」

 

「あ!なんかそれっぽい事言い出したのぅこの王様!」

 

 

「ま、認めよう。正直マスターの曇り顔はギャップとしては最上であり保存したがそれはまぁどうでもよい!さぁ覚悟せよマスター、貴様の絶望、我等が愉悦に変えてやろうではないか!」

 

話が見えない、とばかりに呆然とするリッカに構わず、黄金の宮殿がごとき輝きの笑顔を放つ御機嫌王は指を鳴らし、悲劇の涙を完全粉砕する。

 

「リッカよ、よくぞあの最弱なサーヴァントにて戦い抜いた。その敢闘を称え褒美をたまわす!──出でよ!召喚シード枠!抑止の守護者新入りにして、楽園の新参者よ!」

 

そこに現れ、飛び出す影が一つ。マスターに、リッカに、一直線に飛び付き抱きつく、その褐色の影。辛抱叶わぬとばかりに現れた者、それは──

 

「──リッカ!会いたかった──!!」

 

「ぁ、え──うぁ、えぇえぇえぇ!?」

 

涙が困惑に、嗚咽が絶叫に変わる。目の前に現れ、泣き笑いにて覗き込んで来るのは?別離にて、二度と会えないと。もう再会できないとしていた・・・

 

「──マジンさん!?!?」

 

「うん!マジンさんだ!あ・・・でもマジンさんは堅苦しくて嫌だ。マジンちゃん、或いは沖田ちゃんと呼んでほしい」

 

間違いなく、あの戦いを共に駆け抜けたかけがえのない相棒、マジンさんそのものであったのだ。一体何故──そんな疑問は、当の本人たちからは消し飛んでしまう。

 

「──本物だ!本物のマジンさんだぁ!!やったぁーー!!」

 

「あぁ、本物だ!もう離れないぞ、ずっと一緒だ・・・リッカ。──本当に、会いたかった・・・」

 

抱き合い、笑い合う二人を見つめ、王は満足げに酒を出し飲み干す。先の涙を肴にした酒は辛気臭くとても飲めたものではなかった。突き抜けるような清涼感、爽やかな喉越し。酒とはこうでなくてはと神代の酒を味わい抜く英雄王である。そんな中、当然説明を求められる視線が飛来するがそれも織り込み済みである。

 

『説明いたしましょう!』

 

ギルガメタブレットより響くはエアの声。エアだけは、このタブレットを通じて直接声を発することが出来るのである。事の顛末、それをガイドする役割に立候補したエアが、マジンさん来歴の顛末を画面に表示し説明を始める。

 

『本来なら無穹の狭間にて消え去るのみだったマジンさん。しかし我等が御機嫌王にはスキル『単独顕現』が備わっており、認識される場なら如何なる場所であろうと赴ける効果がございます。其処にてマジンさんにコンタクトを取り、新たに契約を交わしたのです。『我が楽園にて生を謳歌せよ。対価は一つ、マスターのサーヴァントになることのみだ』という契約ですね。めでたく受理されたマジンさんですが、霊基は唯一度の抑止にて調整されたもの。通常のサーヴァントではなかったので・・・プレシャスパワーにて調整を施し、更にカルデアに登録されていた『魔神セイバー』の霊基を合体統合したのです!』

 

「「マジで!?」」

 

沖田とノッブが合体することで生まれた、fateを終らせるために出現した魔神セイバー。あえなく経験値のエゴにより設定はお蔵入りし楽園に登録されていた魔神セイバーも埃を被っていたのだが・・・それは、稀薄であった霊基を補うのには十分であった。そしてフォウが提供したプレシャスパワーを使い、曰く『プレシャスパワーが一分で修復してくれました』というジェバンニ・プレシャス現象を引き起こし、楽園のサーヴァントとして霊基を調整されたマジンさんはめでたく──

 

『こうしてリッカちゃんと再会を果たすこととなったのです!はい、証明完了ですね!御清聴、ありがとうございました!』

 

「ホワァ・・・」

 

「むむっ、またリッカが昇華された。私もシャナさまみたいにやりたい、それ」

 

「御都合主義ってレベルじゃないんじゃが!!?」

 

「ハッ、真理を受け入れられぬ狭量な者の常套句よな。理論、論理、雑多の納得など知ったことか!我が(ルール)だ!!

 

「え!?じゃあ私たち、もう魔神セイバーにはなれないんです!?」

 

「うむ、諦めよ。その設定は御蔵入りよ。ま──我の蔵にだがな!!ふははははははははは!!!」

 

──ちなみに、霊基調整はロマンさん、プレシャスパワー提供はフォウ、契約書の確認と楽園の案内はワタシが担当させていただきました。王は笑顔と判を押す偉業を成し遂げられたのです!はい!

 

(まぁスカウトやヘッドハンティングもコイツ担当だからね!死に芸を覚えた後輩へのプレゼントさ!極めよう、仰げば尊死!)

 

そんなわけで、無事に楽園所属のサーヴァントとなったマジンさんにして沖田ちゃん。魔神セイバー合体設定はボツになるというデメリットはあるが、元々そんな切羽詰まった状況にぐだぐだ組を頼ることは無いであろうが故に些末として、

 

「「酷い!?」」

 

「おぉ、おでんがある。リッカが作ってくれたのか。食べよう、リッカや皆と一緒に。その後は、楽園を案内してほしい。見たいこと、知りたいこと。それがたくさん、一杯在るんだ。良いだろうか、王様」

 

「無論赦す。好きなように振る舞うがよい!夢のスイートルームも手掛けてやるゆえ楽しみにしておくのだな!ふははははははははは!!!愉快だ!やはり楽園とはこうでなくてはな!!」

 

──それでは皆様、ごゆるりと!これからも、愉悦と笑顔に満ちた日々をお送りくださいね!

 

(リッカちゃん・・・尊みの高みで逢おう!君の推しが誰になるか・・・楽しみにしているよ!)

 

嵐の様に退出する英雄王、笑顔が輝くリッカにマジンさん。困惑で目を白黒させている沖田さん、沢庵食ってる土方。それぞれの結末を、たった数分で笑顔に覆した御機嫌王のハチャメチャさに・・・

 

 

「────ま!是非も無いよネ!!よーしマジンさん!わしが色々レクチャーしてやるでな!」

 

「変なこと教えないでくださいよ!一応私、私なんですから!」

 

「・・・なんだか違うと思ったら、あれだ。私の方がおっぱい大きいな」

 

「おっ、凄い!!!」

 

「出たぁー!!!!リッカ先輩のおっすご!!沖田には無い判定じゃのうwwww」

 

「大いに結構じゃねぇか」

 

「士道不覚悟三段突き!!!!」

 

「うぉおぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!!」

 

「──あぁ。嬉しい。また、こうして一緒にいられる事が、何よりも・・・」

 

「私も!なんだか今なら、物凄く美味しいおでん、作れそうな気がする──!!」

 

そうして、楽園は新たな仲間を迎え未来へと進んでいく。次には、どんな結末が待っているのだろうか?どんなハチャメチャが、待っているのだろうか?

 

・・・わかることはただ一つ。我等が王がいる限り。誰もが笑顔で在れる、嘘のように痛快な物語が紡がれるという事のみである────




露天風呂

龍馬「本当に良かったのかい?楽園に招かれたのは嬉しいけど、正式な手続きとか、あるんだろう?」

おぼろ丸「忍者は汚い。裏口入学などさいさいでござるよ。真っ直ぐに生きる貴殿の無軌道さには苦労をさせられたが、それ故馴れたのだ」

「・・・そうか。君は・・・」


「・・・今度はこちらから誘うとしよう―――――共に乗らないか、星の海を往く船へ」

龍馬「・・・カルデアに、かい?でも、僕は・・・」

「この世界では、楽園カルデアが星の海への先駆者となろう。"未来の可能性を知っている者"として、拙者も興味があるのだ。──海援隊を手掛け、未来を見据えたそなたが乗れない道理はない」

お竜「いいじゃないか、面白そうだぞリョーマ。凄いカエルもいそうじゃないか」

「・・・薄々感じていたけれど。君は僕じゃない僕・・・此処とは別の世界で・・・」

「それを語る時間、共に在る時間はいくらでも在る。楽園にて、酒を酌み交わし語り合おう。故に・・・」

「・・・」

「──御待ちしております。坂本様」



「アレはズルいよ。行きたくなるじゃないか。いやはや・・・こうなったら聞かせてもらうぜよ。丸くんがどんな僕と過ごしたのか・・・寝かせんき、覚悟せいよ?」

おぼろ丸「フッ──望むところじゃ、龍馬よ」

「・・・ぷっ。あはははは!」

「ふっ・・・」

お竜「おーい、お竜さんもそっちがいい。いっていいかー」

おぼろ丸「上がる。水入らずで過ごすがよし」

「待つぜよ二人とも!?混浴はちとまずいちゃ!?お竜さん!壊しちゃダメだから!待っ──」

「どーん」

「──あぁ、怒られるなぁ。これ・・・」

シミュレーションルーム

以蔵「腕自慢が腐るほどいよる。武蔵を名乗る頭のおかしい女に誘われたんはいいが、今はこっちじゃ!」

将門公『手合わせ、歓迎なり』

アマテラス『ワンワン!ワフ!』

「守護神なんぞおおぼら吹きよってからに。その化けの皮、剥がしてやるがじゃ──覚悟せぇ!!」

『意気や佳し。我、ばらんす調整を極めん』

「行くぜよ甲冑の大男!!わしこそが一億侍!人斬り以蔵じゃあぁあぁあぁぁ!!」


『このあと日本が間合いの剣で一刀両断された』


すいーつじゃんぬ

じゃんぬ「リッカ、立ち直ったみたいね。だから言ったでしょう?心配ないって」

マシュ「そんな・・・!マシュ式はげましボイス収録にかまけ遅きに失したという事ですか!?」

「いや、何してんのあんた・・・」

茶々「スイーツ!スイーツ!支払いは殿下で!いやー!めちゃうまし!楽園、茶々の城に決まり!おかわり!」

「はいはい。また常連が増えるわね・・・ほら、マシュ。スイーツ、リッカと食べなさい。一緒にいられる時間、逃すんじゃないわよ」

「じゃんぬさん・・・!」

「おかわり!おーかーわーりー!」

「あぁもう、本当に毎日毎日騒がしい場所ね!この楽園って場所は!バレンタインも近いし、やってやろうじゃない──!!」

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