(どうぞ、新たなる衆生を導く神とおなり下さい。私はその瞬間のみを、心待ちに──)
「ふふ、ははははは・・・ハハハハハハハハハハ──!!」
カルデア
「ふぁーっくしょい!!なんじゃ全く、サーヴァントが風邪なんか引くんか!誰かが噂でもしてるのかのぅ・・・もしかして、リッカ先輩の敵にわしの部下いたりする?──んー!不安!!」
帝都
沖田(カルデア産)「ちょちょ、土方さん待ってくださいよー!迎えに行くって!カルデア通信開くまでまってれば居場所はわかりますってばー!」
ヒッジ「待ちは好かねぇ。丁度身体も動かしたかった所だ。少し暴れてやろうじゃねぇか」
「もう完全に趣旨離れてるじゃないですかやだー!土方さんあれでしたね!バーサーカーでしたもんね!人探しとか任せちゃいけないチョイスですよー!うわーん!」
「おいお前・・・薩摩か、長州か。答えねぇなら・・・斬る!」
はぐれサーヴァント【!?】
「あのですね土方さん!?人探しの意味分かってます!?」
「帰ってきた!帰ってきたな者共!この茶々を待たせるとか不遜にして不敬!暇だからご飯作った!食べれ!」
坂本探偵事務所にてリッカらを出迎える者がある。朗らかにテンション高めな少女・・・幼女の存在。エプロンにて料理を机に並べ、まるで母のように振るまいし・・・
「紹介するね。うちの・・・いやまぁ、探偵事務所で保護しているサーヴァント。バーサーカーの茶々さんだよ」
「茶々ァ!というわけで茶々をよろしくする事を許すのだ!さぁさぁ、何を立ち竦んでおるか!一緒にご飯を食べてまずは交遊を深めるのじゃ!はやくはやく!はーやーく!」
茶々。大阪城にて徳川と戦った豊臣陣営の姫君であり炎と破滅に彩られし歴史を持つ者。クラスは・・・バーサーカーだというのだ。見た目と理性ある言動が一致しなくとも、そのような前例は数多無数にあるので今更突っ込みはしないリッカは挨拶と自己紹介を終え、料理を頬張り戴く事とする。同時にマジンさんもリッカに習い、おずおずと隣に着席を行う
「ほれほれ、忍もなんだと気にするな!座って食べるのに差別も立場もいらない!無礼講でよい!茶々寛容!えらい!」
「──戴こう」
「モヤシ丸。栄養が足りないぞ。カエル食え。食べるか?」
「遠慮しよう」
和やかかつ、緩やかなほんわかムードのままに料理を味わい堪能する。此処から何をするか、どうするか。その作戦会議をするために、豪華な和食料理・・・鮭や味噌汁。そして刺身や河豚刺しといった美味なる手料理に舌鼓を打ち続ける一行。暫くその和やかな時間を過ごしながら、場を取り仕切り転換するために龍馬が口を開く
「さて、同じ釜の飯を食べ・・・」
「同じ茶々の飯っ!」
「同じ茶々の飯を食べたところで、情報交換と自己紹介を始めようか。ここは帝都・・・東京。その片隅にあるしがない探偵事務所の一角さ。こっちは助手のお竜さん」
「いえーい」
「・・・・・・知らぬ存在で面食らったが。まぁ、サーヴァントなのだ。そういうこともあるのだろう」
「カエル食べるか?モヤシ丸」
「遠慮しよう」
サーヴァントではなくても、サーヴァント並に頼りになると龍馬は言う。グイグイとカエルを推しこみ薦める彼女はお竜さんだという。・・・おぼろ丸の視線は驚愕と納得。まぁそういうこともあるのか、とカエルを丁重にお断りしている
「リッカとか言ったな。お前お竜さんの仲間だな。頑丈で逞しい。龍馬も見習え」
「あははは・・・そして僕が、ライダーのサーヴァント、坂本龍馬。日本人だよね?リッカちゃん。名前くらいは知ってるかな?」
「あ!──幕末の!土佐の!」
「うむ、うむ」
「目覚めよニッポン!夜明けぜよ!な維新の英雄!」
「うむ──なんて?」
坂本龍馬。偉大なる維新の英雄にして、決して手を取り合わぬとされる者達を繋ぎ合わせ。海を越え、仲間達と共にでっかい夢を追いかけ為し遂げた──日本の、幕末の英雄。ライダーのクラスとして現界した彼の在り方と言動を、おぼろ丸が肯定しながら促し箸を動かす
「ははは、僕みたいな人間が教本に乗っているなんてね。──君達は来訪者。カルデアから現れ、いや・・・巻き込まれたって所かな。おぼろ丸君」
「然り。主君が此処に招かれ、カルデアの総意で追いかけにやってきた。──そちらの褐色のサーヴァントは見知らぬが、な」
「私はマジンさんだ。リッカのサーヴァントだ。それだけだ」
ふんすとご飯をたいらげるマジンさん。マジンさんはあくまでリッカの付けた仮名のようなものだが、自慢気に誇らしげにマジンさんを名乗るその姿に、茶々はツボに入ったのか笑い転げている
「魔神さん・・・そして規格外にも程がある其処のマスター、リッカちゃん。・・・うん。どうやら気運は向いているみたいだね。──おぼろ丸くん。説明を頼めるかな?」
目配せとアイコンタクトにて了承し、そして立ち上がり忍法にて黒板とチョークを出し書き上げ始めるおぼろ丸。どこか手慣れ、尽力を喜んでいるかのようにも感じられるようにも見える
「良いだろう。──主君。この場・・・帝都には動乱と混乱が渦巻いている。【聖杯戦争】と言う名のな」
「聖杯戦争・・・」
「あぁ。七騎のサーヴァントが聖杯を求めて覇権を争う戦い・・・まぁ、それの亜種みたいなものかな。何せ今回の聖杯戦争はマスターが不在でね」
「その代わり、サーヴァントに関しては魑魅魍魎がごとき有り様だ。主賓であり役者でありし七クラスすらも定まっていない。席を奪うための争いと動乱が巻き起こっている有り様だ」
「茶々はなんかいつの間にかなってた!え?クラス?バーサーカー?なぜゆえ!?まぁ細かいことは気にしてはいかんでな!茶々は茶々じゃし!」
茶々はバーサーカーの席に収まり、ふらふらしていた所を龍馬が回収し同盟を組んだと言う。彼女には、特に目的ややりたいことはなく。のほほんと贅沢が出来るならそれでいいらしい。叔母上・・・信長には会えなかったらしいとしょぼくれていたらしいのだ
「・・・私は、マジンさんは・・・どんなクラスなんだろうか?」
「セイバーじゃないのかな?私の知るマジンセイバーはそうだったし、その刀凄いし!」
「す、凄いか?そうか。マジンさんは凄いのか。やったぞ、わーい」
そんなクラスの会話を行っている最中──その悩みに答えをもたらす通信を、おぼろ丸が展開する
『七騎士じゃないよ。多分。何らかのエクストラクラス・・・何かしらの特殊召喚みたいだね』
「!ロマン!?」
『ふはは、やはり息災か!それでこそ我がマスターよな!そやつは切り札となる存在よ。刷り込み英才教育を存分に行ってやるがよい!』
二人の王、楽園に在りし魔術王に英雄王がウィンドウに映し出されし頼もしき仲間達が、笑顔と確信、安心をもたらし皆と顔合わせを完遂する
「うわ、びっくりした。なんだこいつら、キラキラしてるのとゆるふわしてるのだ。なんだこいつら」
「・・・おぼろ丸くんの言葉を疑ってた訳じゃないけど、隔離された帝都に当たり前の様に通信できるとはね・・・」
『む、其処にいるのは日本の時代に乗りし騎手か。よい、協力と同盟を赦す。我等がマスターの手足と船となり尽力するがよい。そしてその妄執の聖杯戦争、生き延び楽園に帰還せよ!』
『うぉーい!リッカ先輩生きとるか!丸、丸ゥ!』
「え!?叔母上!?マジで!?茶々ビックリ!」
『は!?茶々!?茶々か!?なんで茶々が其処におるんじゃ!?マジでか!?』
ぐだぐだの雰囲気が高まってきた最中、賑やかにしてこの帝都の最大戦力である織田信長・・・そしてソロモン、ギルガメッシュという最高クラスの英雄が一堂に介するその状況に目を剥き、おぼろ丸に苦笑いの耳打ちを行う龍馬
「・・・本当に、大した船なんだね、おぼろ丸くん」
「言っただろう。星の海を往く船であると」
『はいはい、王様二人とぐだぐだ面子は下がっててー。ほらほら愛弟子』
『先輩!!私の力が必要で』
「遅いよなすびぃ!!」
『えぇえ!?いの一番に通信をした筈なのに!?』
「いてほしいときにいっっつもいないくせに顔を見たらブンブンブンブン尻尾振ってこのなすびはもー!ダメ犬か!ダメ忠犬か!愛くるしい系ポンコツなすびか!あざとい!スパンキングを覚悟しておくべし!でも声が聞けて良かった!で、オルガマリー。私は何処のなろうになったの?」
オルガマリーに説明を頼み、状況の把握を求める。その様子を、微笑ましい歓談をマジンさんは興味深げに見つめている
『あなた転生なんて必要ないでしょう・・・まぁそれはともかく。はじめまして、坂本龍馬さん。私達カルデアの目的はリッカの帰還と聖杯の回収。その志に、あなたは力を貸してくれるとおぼろ丸から報告を受けているけれど』
「あぁ、その判断で構わないよ。回収はそちらに任せる。僕はこの状況を片付けられればそれでいいからね」
龍馬はあっさりと告げた。聖杯は譲る。自分はそれには拘らない。大事なのはもっと、細やかで大切なものだとおぼろ丸は告げる
「──損得などでは計れぬものがある。苦しみ、嘆きを見過ごせぬ。それが、坂本龍馬を動かす原動力であるのだろう」
それはかつて、彼と語り合った故への理解。この忍は、ある意味で何よりも彼を信じているのだ。『大きさ』を、自らの器の価値を見出だした彼の事を
『個人の損得よりも大局を重んじ、その未来の成果を求めた男。資料通りの男よな。ライダー。──なればマスターを貸し預ける。その天命を果たすまで精々画竜点睛を欠くことなく励むのだな』
「御忠告痛み入る。こちらこそ、リッカちゃんやおぼろ丸くんに助けてもらうよ、英雄王」
『時に貴様、訛らぬのか?ほらあるであろう。ぜよだのじゃきだの。あの妙な言葉尻は妙に耳に残る。我等に聞かせよ』
「ま、また今度にしてくれるかな、あははは・・・」
──維新。時代の荒波を乗りこなしたライダー・・・コロンブスくんといい、ライダーはロマンなクラスなのですね・・・
フォウを撫でながら、ライダークラスの自由さにエアは舌を巻き感じ入る。ランサークラスとは段違いの自由性に、格差を存分に痛感しながら
『リッカをよろしくお願いいたします。坂本龍馬さん。──本題に入るわ。その空間は日本の東京しか存在していないわ。漂流島のようなものよ。見えない壁のようなもので空間が遮られ、侵入も脱出も困難・・・特異点に在り方は酷似しているわね』
「その通り。此処には出ることも入ることも生半可じゃない。何者かの作為的な企みと目論見が垣間見える構成だね」
『実に分かりやすい方針よな』
バッサリと王が評価をくだし成すべき事を提示する。それらは至極当然にして、王が口にするものとして当然の裁定であった
『マスター。聖杯戦争の覇者となれ。カルデア代表のマスターとして聖杯を掴み取り、その特異点の全てを手にいれよ!その場に在る縁、力を全て注ぎ込むことによってな!案ずるな、支援と出費は惜しまぬ!』
万全と磐石の保護と完全無欠の勝利。目指す場所、求める結果はそれのみ。リッカを招いた時点で、楽園を敵に回した時点で。辿り着く結果は解りきっている。だが──それを高らかに王が告げる事こそにより。その裁定は下されるのだ
『その閉鎖されし魔境!見事攻略してみせよ!我にその奮闘と健闘を捧げ、愉悦を献上するがよい!』
「・・・勝利、か。・・・よし、マジンさん、やってみせるぞ。聖杯戦争・・・リッカに勝利を捧げてみせる」
「──主命を果たすのみ。そして・・・かつて、拙者に託された期待に報いるのみ」
「茶々は別に勝ち負けはどうでもいいし!楽しく過ごせたら万事オーケー茶々オッケー!じゃな!」
全員の目的は定まり、集いし仲間達、財達の輝きが示される。それぞれの思惑を乗せ、それぞれの決意を胸に・・・
「よーし皆!やるよ!えい!えい!おー!!」
「「「「おー!!」」」」
──一同は一丸となり、全てが異なり変質せしめる聖杯戦争へと挑む。その先に待つのは果たして・・・
茶々「というわけ!この茶々の戦線!ここでのんびりしていくでいいでな!リョーマ!買い出し!買い出し!」
「はいはい、分かりましたよ茶々さん。じゃ、皆はゆっくりしていてね。此処は三騎士の戦線からは離れているから、大丈夫だよ」
リッカ「戦線?」
「あぁ。正規のサーヴァントには聖杯のバックアップが貰えるんだ。陣地としてね。僕と茶々さんは正規のクラスだから、陣地としてしっかりこの探偵事務所は働いてくれるよ」
「それを奪い取り合うのが聖杯戦争!みんなどんぱち殺し合い!茶々全然興味ないけど!生前アホほどやったし!茶々、今回は家で家事やる系サーヴァントやる!もてなしモードにおののけー!あ、火事になったらゴメン」
龍馬「勘弁してよ・・・」
おぼろ丸「陣取りゲームか」
「それだな、モヤシ丸。分かりやすくていい」
「そんな訳で、ごゆっくりしていてね。唯一のマスターとサーヴァントのコンビなんだから、身柄を大切にしておかなくちゃね」
「はーい!あ、じゃあマジンさん!」
「?」
「勉強しよう!色々教えてあげる!私の知ってる色んな事!ね?」
「──それは、嬉しい。よろしく頼む。リッカ」
おぼろ丸「文字と百科事典は用意しておいた。励まれよ」
「ありがとう、丸」
「同志は、重んじるものであるからな」
リッカ「あ、ラジオとかもいいんじゃない?よーし!勉強勉強!勉強だー!」
~
?「・・・・・・騒がしいのぅ。まぁえい、すぐに静かになるっちゅうもんじゃき。今のうちにはしゃいでおくぜよ。・・・女子供がマスターなんぞ、わしには楽な仕事が舞い込んで来たもんじゃ」
(──恨みは無いが、これも仕事じゃき。首をもらうぜよ、カルデアのマスター・・・)
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