人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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バレンタインの前に、どうしても楽園に招きたいサーヴァントがいる・・・楽園で大勝利してほしいサーヴァントがいる・・・

お ま ん も 財 ! !

と言うわけで、バレンタインの前にイベントをお楽しみください!

書けば出ると言うジンクスを信じ、福袋でかのサーヴァントを迎えるために・・・ッ



ギルガメッシュ「む?──それは確かな事実であろうな」

アルク「大分確信を持ってる!ねぇねぇ、スカウト!私に任せてくれない?」

──?アルク、一体何を?

姫アルク[何、そう大したものでもない。──カビの生えた同輩を見つけた。それだけの話に過ぎぬよ]

──同輩・・・?

「オルガマリーに打電しておこう。・・・仕損じるなよ、真祖」

「お任せ~!リッカちゃんにまた友達増やしちゃおー!」

「・・・全く安心できぬ請け合い、御苦労。あーぱーはジャンヌばかりでは無かったな・・・」


ぐだぐだ帝都奇譚──極東帝都魔神戦線1945 抑止顕現──ずっと。一緒に──
夜明けは未だ遠からじ


「いやー、冬にこたつはガチのダメ英霊生産機じゃのう!楽園だからその気になればいくらでも気温上げられるのにあえてこたつにガンガン頼る辺り最高にロックでノッブだよネ!是非も無いよネ!いやー楽園最高だわー。水道費電気代ショッピング代全部タダとか価格破壊にも程があるわー!ノッブここに永住!わし、楽園に骨を埋めちゃう!」

 

二月に突入せんとする中、環境を万全にし適温にした状態で蛸足配線、そしてアイスを頬張りゲームをポチりこたつをフル稼働させるという楽園スペックでなければ一撃でブレーカーが本能寺してしまう暴挙を、安土城を再現したスペシャルノッブぐだぐだルームにて展開しのんびりぐだぐだしているノッブにリッカ。やる事を一通り終わらせてなんとなしに廊下で会ったリッカにハーゲンダッツを食べんか!と勧誘して無事身柄を確保したのである。リッカもまたアイスと炬燵には勝てなかったのである

 

「うんうん。ゴロゴロさいこー・・・やっぱ冬には炬燵だよねー。ロマンもぐでーってしてたし、やっぱり人種なんて関係なく分け隔てなく人をダメにするんだよ炬燵はさー」

 

普段からは想像できないようなだらけたぐだぐだっぷりを見せつけるリッカ。いつも以上にのんびりしているのはノッブを含めたぐだぐだサーヴァントが醸し出すぐだぐだなオーラ、即ちぐだぐだ粒子的なアレがノッブからフローラルに作用しのほほんとリッカをダメな人種へと変えさせているのだ。是非も無い話である。ぐだぐだの汚染は止まらない、止められないのである。例え人類悪であろうとも、分け隔てなくぐだぐだしてしまう魔性の粒子なのである

 

「リッカ先輩を無事蘢落せしめノッブ大勝利!じゃのう!沢庵キメてフラフラしとる土方はともかく、じゃんけんで負けてアイスパシらせにいった沖田の分まで十分ぐだぐだしてやるでな!んー、実に魔王じゃわー。ワシえげつない魔王ムーブしてるー。我ながらワシが恐ろしいわー」

 

「なんかものっそい魔王ムーブがせせこましいの気のせい?是非もなさげ?」

 

「ワシが魔王じゃといったら魔王なの!形や既成概念、常識に囚われるなとどっかの犯罪者集団の一員の巫女も言っとったし!ワシの生きざまはワシ自身が決める!というヤツでな!あ、リッカ先輩脚つめたっ。もそっと脚を突っ込むのじゃ。ワシの脚つけて暖めてよいぞ?リッカ先輩なら許す!サルなら射殺!」

 

御気に入りのマスターとの時間を作れて上機嫌極まりないノッブがリッカの隣に来てうははと肩を叩く。彼女は気に入ったもの、有能なものにはとことん甘くそして寛容だ。リッカの価値を余すことなく理解しているが故に、その態度と対応はかつてないほどに柔らかく親しみやすい。アイスを食べ、それ美味しいのかのう?一口!と口を開けて待ち構えていたりするフランクさに、リッカは笑いながら付き合っているのだ

 

特にやることのない穏やかにしてうららかな昼下がり。テレビをつけたりゲームをしてノッブをボコったり唐突にロックしたりの平和な休日を楽園にて過ごすぐだぐだチーム。二月に入ることによるイベントを偲びながら、その平穏の一時を甘受している

 

「しかし二月が近いからかどいつもこいつもチョコを手掛け始めとるのー。アレじゃろ?バレンタインとかいうイベントじゃろ?リア充がいい思いしてムニエルが爆散するヤツ。リッカ先輩も誰かにチョコ渡すんか?本命作っちゃうんか?ん?ノッブに言ってみ?ん?誰かの?」

 

じゃんぬも言っていた、バレンタイン・イベント。甘いチョコに血と涙がしたたる明暗分ける行事。自分も参加しないと言えば嘘になる。キチンとしっかり、自分のチョコはあげるつもりだ。と言っても本命や義理などとは分類しない、感謝の気持ちを込めたものを全員に配るわけだが

 

「本命が多すぎて逆に本命にならないパターンなヤツ。だから私は全員に配るつもりだよ。そう!私は全員に配るつもり!哀しき涙は私が拭う。リア充爆発しろなどと告げる怨霊を沈めて見せる!」

 

「大分半端ない労力じゃのー・・・たまには手を抜いて休んでもええんじゃよ?ワシ基本エコでいるし。まぁワシがいこつチョコとか作るつもりだけどネ!切り分けて被れるとか最高にロックじゃない?ロックじゃろ!ワシやっぱ天才だわー。チョコ界の風雲児だわー」

 

「それ食べれるよね?まさか本物のがいこつとかにチョコ塗りたくるとかしないよね?」

 

「──天才か!!」

 

その発想は無かったわ!と膝を叩くノッブに無言で顔を覆うリッカ。おぉ、もう・・・戦国の魔王のセンスは常人には計り知れないと痛感し、アイス食べよと思考停止した刹那、ガラリと襖が開き、静かなる身のこなしにてとある影が現れる。紫の髪、漆黒の忍装束。手にせしは追加のアイス

 

「織田信長。命による買い出し、全うした。購買にて完備でござる」

 

炎魔忍軍、おぼろ丸。クラスはアサシンにて、忍びとして幅広く雑用をこなす忠実かつ数多のイメージに合致する振る舞いを見せ、任務に忠実なる忍者である。ノッブのパシりという厳命に忠実に対処した結果、ハーゲンダッツを買ってきた忍であった

 

「でかした丸!うんうん、北条の気持ちがわかるのぅ!ワシも猿飛や服部、風魔みたいな忍雇っとけば良かったのー。忍より鉄砲に注力し過ぎたのがいかんかったのぅ・・・楽しいのじゃ!忍!ワシもなー!ピチピチのスーツ着て退魔したいのぅ!」

 

「それは感度がまずいことになる。控えた方がいい」

 

(物凄く冷静に返答した・・・!)

 

見ると大量に漫画やDVDを持っている。それはまさに忍者のアニメや戦隊、様々な文化の形態であった

 

「マスターの方針に合わせるためにも、様々な忍の在り方を研究し、活かさねばならないと定義した。拙者も炬燵へと参じよう」

 

「マジで!?無礼講過ぎワロタwww」

 

「丸くんは頑張りやさんだなぁ・・・ノッブや私もゴロゴロしていていいのかなってなるよね!」

 

「それ言わない約束!休むときには休むの大事!それは今!敦盛踊っとく?」

 

「火元だ、控えるべし」

 

「うっはっはっはぁ!辛辣ぅ!」

 

そんな賑やかなる集まりは、ぐだぐだならではの無礼講にしてほんわかな雰囲気。そして、此処にいるべき相手。ノッブの相方の姿が見えない事に気付いたリッカが告げる

 

「あれ、そういえば沖田さんは?」

 

沖田さん。大勝利セイバーにしてムードメーカーの姿が見えない。珍しい組み合わせに疑問を呈したリッカに、ノッブがそれなと指を指す

 

「なんか大慌てでチョコや和菓子を仕入れとったぞ。なんだかイベントで差をつけろ!とか言っとったでな。はー、必死すぎ辛いわー。影薄セイバー必死すぎて辛いわー。うっはっは!ま、是非も無し!増えられぬセイバーはただのセイバー!あやつもそろそろ分身の一つも出来ねばやっていけまい!キャラ立て必死ワロタwww」

 

「増える同一人物とはなんなのだ。サーヴァントとは不可思議に過ぎる」

 

「御主も他人事ではないぞ?もしかしたら!増えてくやも知れぬのだ!おぼろA!おぼろBとか!」

 

衝撃的な予想に愕然とするおぼろ丸。──そして、ふと有り得ぬ未来を歩んだ自分を見定め、夢見、夢想し、そんな可能性を夢見る

 

「・・・抜け忍になった自分、任務に忠実であり続けた自分。そのような可能性とも出逢う日が来るのだろうか」

 

「楽しみだね、丸くん!これから沢山色んな場所に行って、自分自身に会えたらいいね!」

 

「──あぁ。よろしく頼む、主君」

 

そんな、未来への会話と対話を行っていたリッカの瞳と想いがとあるものを見出だし、視界にそれを映し出す

 

【───】

 

・・・褐色。白髪。黒き鎧を纏った少女。そっと佇み、じっとリッカを見詰めている何者かの存在がある。その姿は細部は異なれど、リッカにはよく見覚えのある存在に相違ないといった直感と感覚がある

 

「──あなたは・・・」

 

【・・・此処が、楽園か。これがマスターの記憶か。・・・良かった。最後の最後で、触れることができて】

 

そっと笑み、涙を浮かべたような儚げな表情をリッカに贈る。その姿は、空に照らされた影のように。陽炎のように頼り無く、今にも消えてしまいそうで・・・

 

【ありがとう、マスター。──さようならだ。願うなら、もっと・・・もっと、リッカ。貴女と・・・】

 

「──待って!あなたは・・・!」

 

手を伸ばす。今にも消えてしまいそうなその少女に、何かを伝えようとしているような儚さに、懸命に手を伸ばす

 

「お、お?リッカ先輩!?どうした!?乱心か!?」

 

「──主君・・・!」

 

リッカは何を見ていたのか。彼女は何を見出だしたのか。伸ばした手の先から、白き光が溢れ出していく。そしてそれはそのまま、リッカを呑み込んでいき──

 

「も、もしやこれはまた!リッカ先輩ワンマンアーミーイベントという奴じゃろうか!沖田!何をしとるんじゃ沖田──!!」

 

新たなる戦いの地へ、リッカを招く。その先にあるもの。その果てにあるもの

 

 

──それは、遥かなる無窮の空──

 

 




リッカ「・・・此処は・・・」


ふと、目を覚ました先に。その都市にリッカは立っていた。モダンな作り、レトロでオリエンタルな建築。そして何処か、古きよき趣を残す町並み

「・・・日本、かな?」

線路に街頭、昨今の都市には見られない輝きと風情がある。現代衣装の自分が浮いているかのような──

「おい、あんた!」

「?」

「こんなところでボサッとしてちゃいかん!早く逃げろ!警報が聴こえないのか!」

警報──言われてみれば、絶え間無く響き渡るサイレンの音がある。これは、何か危機を伝えている。何か、火急なる危機を──

ちびノブ「ノッブー!」

見ると、ちびノブが火縄銃を掲げて立っている。英雄姫に従う忠実なる楽園のスタッフたち。こんな所で何してるの?と伝える前に──

「──がふっ!!」

銃声。そして鮮血。撃ったのだ。ちびノブが。民を、一般人を

「・・・そんな・・・私は、忠実なる帝国市民・・・」

「・・・!!」

ちびノブ達は変わらず愛くるしい。愉快で、ほんわかな印象すら与えられる。それが・・・躊躇いなく、民達を虐殺しているのだ

「──違う!楽園のちびノブ達じゃない!」

それを伝えたと同時に、リッカをちびノブが取り囲み──

「「「「「ノッブー!!」」」」」

「──!!」

なんの躊躇も無く、丸腰のリッカに包囲射撃を行う──!

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