人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「ギリシャマージろくでもないですねぇ・・・やはりここは太陽!天照な私こそが未来の妻に相応しいのです!クソみたいなギリシャ連中には負けられね――!!」

「リッカ・・・ギリシャの皆さんに目をつけられるなんて大丈夫かしら・・・人と神があんまり近しいと、ろくなことにならないから・・・心配なのだわ・・・」

「大丈夫ネー!リッカちゃんは私にルチャで勝った唯一の人間!最悪神殿ぶっ壊して脱出してくれると信じていマース!」

「ギリシャは、ギリシャは本当にダメですリッカ。頭おかしくなりますから本当に、本当に考え直してくださ」

「何か言った?駄メドューサ!」

「いえ、何も・・・」

「知り合い神はバカだらけ。うむ、御主人。ニボシを食べて強く生きるのだぞ。キャットは御主人の息災と無事だけを信じるキャットなのである」

「優良物件がキャットしかいないじゃないか!!」

「ロマン、言葉にしてはいけないこともあるのよ・・・」



月見の夜に姫は広がる世界の未来を見るか?

神が引き起こした善意による月見大作戦は、一人の信仰者にして人間であるリッカと、彼女に力を貸す数多の力によって無事に阻まれ、奪われたお団子も無事にカルデアに取り戻される手筈と相成った

 

 

「ただいまー!」

 

「あぁ、お帰りなさいマシュ、リッカ君」

 

ロマンたち後方支援一同も、無事に事が収まり安堵した様子で彼女達を迎え入れた

 

 

「さ、アルテミス?」

 

「はい~皆ごめんなさい・・・ちょっと考えが足りませんでした・・・」

 

しゅんとするアルテミスに、オルガマリーが所長としての処置を二人に告げる

 

「マスターとサーヴァントとしての取り決め、カルデアへの被害を鑑みても、そう深刻な被害はありません。互いに落とし処を見つけたならば、カルデアの対応は不問とします」

 

「マリー!」

 

「神と人は価値観が違うもの。数多の自由意思が集うのだから、これくらいの揺らぎは想定しておかなくちゃね」

 

顔を見合わせて喜ぶ二人に、ただし!と念を押す、

 

「被害が出たのは確かですから、あなたたちはこれより贖罪巡りに行ってもらいます。きっちりと謝罪の意を示し、今後の禍根にならないように罪過を清算すること!」

 

「謝罪の」

 

「旅・・・?」

 

・・・この後に、英雄王が考案した贖罪プログラムをきっちりとこなす事となるアルテミス

 

その贖罪の旅のお供は、スタンプカードに判子である

 

カルデアのそれぞれの個室に、アルテミスは足を運ぶ。被害を被った、特にやきもきしていたメンバーの名前がスタンプカードに書いてある。その面子の前に足を向かせるのだ

 

「皆ごめんなさい、私が悪かったです・・・これからは、ちょっぴり、いっぱい?皆の事も考えていきたいです・・・」

 

「そんな、アルテミス様! 畏れ多いです! その、敬うべきはこちらで、あなたが頭を下げるなど・・・!」

 

「じゃあ、その・・・『スタンプ』押してくれるかしら・・・?」

 

アルテミスが持つスタンプカードに、謝罪すべき相手が持つフォウ判子。これを、誠心誠意込めたと認識された時にのみ押してもらえるという形ある謝罪と和解の成立。これを神たるアルテミスに行わせるというのが王の考案した謝罪の形式である

 

「口約束やその時に抱いた陳謝の感情など時が経てば薄れる。形あるものに落とし込めなくば次に繋がるまい。児戯や稚拙にも程があるが・・・案外感情を促すにはよい手筈よ。学舎でも取られる手法なのも頷ける」

 

「そうだね!」

 

「――マスター。貴様が反省するものではないであろうよ。貴様は完全に巻き込まれの立場であろうが」

 

連帯責任だから!ときっちり反省文を書き上げていくリッカ。一先ずマスターとしての管理の甘さを題材にし、5枚のA4用紙に書き上げる

 

「出来ました! ギル校長! 聞いてください!」

 

ノリノリで校長呼びするリッカに吹き出す英雄王。なんだかんだでそんな軽口も当たり前のように許容する

 

「校長室に呼ばれる事ほど学童の連中に恐ろしいものは無いとは聞くが・・・まぁ、我以外の輩に校長など任せられんな! ふははは! よい! 貴様の反省文、我に聞かせてみよ! 謹慎か出席停止か好きな方を選ぶがいい!」

 

常に半裸のギルガメ校長に元気よく手を上げるリッカ

 

「どっちもなったことないし反省文書くの初めてだから新鮮! よーし! この度ワタクシはマスターとして・・・」

 

――判子作り、スタンプカードデザイン。楽しかったねフォウ! ところで最後らへんの記憶が無いんだけどどうなったのかな?

 

(無理に思い出さなくていいんだ・・・君の繊細な魂は王のぶっ飛んだ価値観には堪えられないんだ・・・)

 

フォウ判子を、白紙にペタペタ押し込みながら喜び遊ぶエアの不思議そうな様子に、フォウは悲痛な表情で頬をすりすりし続けるのだった。フォウ的に、とても嫌な事件だったのである

 

――王が校長なら・・・私は学校の前で皆を待つ役目がいいな。おはようございまーす、さようならーって。皆に言ってあげたいな。あと、交通安全や登校の警備とかもやりたい!

 

(そうだね。欠席者ゼロになるよ絶対! じゃあボクは・・・学校のシンボルマークになろう!)

 

――それって役職なの!?

 

そんな、有り得たら楽しいifも思い描きながら、リッカの謝罪の儀式は粛々と行われる――

 

 

そしてこちらも、しっかりと真面目に取り組む女神の姿がある

 

「はい! コンラは反省している人は許します! けして過ちは引きずりません! スタンプをどーぞ!」

 

「神様が反省とかヤベェもん見せてくれた礼だ、こりゃあ許すしかねぇわな」

 

元気よくスタンプを押すコンラ、クー・フーリン

 

「はい。元に収まったのですから気にはしておりません。神よ、態々ご足労いただきありがとうございます。あなたの想い、大事にしてくださいね」

 

「――赦す!!」

 

慈悲深きネフェルタリ、妻の選択に異論を挟まぬファラオも力強くスタンプを押す

 

「はんせー、するの?えらいね」

 

「とっても大事な事よ。喧嘩の熱は紅茶が沸騰してしまうもの!」

 

「げんき、だして。みんな、なかま」

 

ぽんぽんと、スタンプを押してくれる子供たち

 

 

「当人の間で儀式も終え、謝罪にて意を示したのです。私がどうこう言うことではありません」

 

ヘラクレスも、即座にスタンプを押す

 

「いやぁ・・・マスターの影響と言うものは凄まじい。まさかこんな、真摯に反省する神々が見れるとは・・・」

 

「ホントな。ところでヘラクレス。俺ら一応家族みたいなもんなんだけどキャストオフに抵抗とかねーの?」

 

「無い」

 

「無いのかよ!? あってくれよぉ!!」

 

そして・・・

 

「(むすー)」

 

「うぅ~・・・」

 

頬を膨らませ、あからさまに怒ってますオーラを見せるはじゃんぬである。おこである

 

「ごめんなさい、じゃんぬちゃん・・・もうしないわ、一言入れるから・・・だから、お願い!許して~!」

 

「・・・リッカが赦しましたし、罰も受けたのですから、二重処罰は行いません。レア団子は全部回収できましたし」

 

仕方無いですね、とスタンプを押してあげるじゃんぬ

 

「失敗は次に生かしてこそ。リッカのサーヴァントとして、これからの奮闘を期待します」

 

「! じゃんぬ、ありがとー! あ、オリオンお団子、いる?」

 

「いりませんよそんな不細工」

 

「ぷぎゅるる!?」

 

そんなこんなで、謝罪の儀式は進んでいく

 

「はぁ~・・・神様って迷惑かけてばっかりなのね。ギリシャじゃそれが当たり前だったんだけど、こうしてみると凄い痛感しちゃーう・・・」

 

「伊達にクズさとろくでもなさで世界に名前が轟いてねえってことだな。かくいう俺も九股してたしぷぎゅるる!!」

 

「これじゃあ神様失格よね~・・・アタランテも泣いてたし、リッカも傷つけちゃったし・・・」

 

私ってダメダメ~・・・と落ち込むアルテミスに、さりげなくオリオンが言葉をかける

 

「ダメダメってわかったんなら上等だろ。そりゃあ、沢山のものの見方が分かったって事だ。迷惑かけるのが神様の在り方から、ようやく前に進めたって訳よ」

 

「そうかな~・・・?」

 

「そんなもんだ。まぁ、なんつーか。ミスと失敗をアホみたいに繰り返して成長していくもんなんだよ。人間だって出来るんだ、人間を作った神様ができない理由は無いだろ」

 

「ダーリン・・・」

 

「まー、なんだ。ダメ人間に駄女神。お似合いだろ、俺ら。二人合わせて、マスターにケツたたかれに行こうや。対等なダチって、金ぴかリンゴより価値があると思うぜ」

 

そんな、オリオンなりの励ましに感激し、身体中を圧縮プレスし始めるアルテミス

 

「うん! ダーリン! 永遠に愛してる~♥!!」

 

「永遠は重いから! お前の愛は重すぎるからぁ!! タスケテ――!!!!」

 

握りつぶされるオリオンの断末魔が、空しく響き渡った――

 

 

そして、二人の贖罪の巡礼は終わり・・・今度こそ、月を見上げて語り合う本来の行事が執り行われる

 

「では、カルデアの非常電源に切り替えて・・・師匠、お願いいたします」

 

オルガマリーの号令に応え、ダ・ヴィンチちゃんがカルデアの映像を月に変える

 

「別途でお団子を仕入れましたので、好みのままにお楽しみください。スタッフの皆も、英霊の皆様も、どうか風情と共に、人理修復の旅の完遂を祝い、お楽しみくださいますよう」

 

管制室のオルガマリーの号令に従い

 

「それでは――カルデアお月見、開幕を宣言します!」

 

長い苦難を労る、風流の儀式が幕を上げる――

 

 

「立派になったなぁ、所長・・・」

 

シバにゃんと月を見上げながら、涙ぐむロマン。涙を流すことができるその事実にも、感謝を捧げながら

 

「残念です~・・・私ももっと早く召喚されれば、皆様の旅路を一冊に纏めるとか、できましたのに~・・・」

 

「それはこれから僕が教えるよ。これからずっと一緒なんだ。時間も思い出も、語り尽くせないくらいあるからね」

 

「はい♥! よろしくお願いいたします、ロマン様♥!」

 

肩を寄せ合い、酒を酌み交わすロマンとシバにゃん

 

「・・・良かったわね、ロマン。ようやくあなたはあなたの時間を使えるというわけ」

 

そんな様子を、コーヒーブラックを飲みながら微笑ましく見守るマリー。ダ・ヴィンチも感慨深げに笑う

 

「そうとも。ようやく、ようやくなんだ。自由を謳っておきながら、何一つ自由に出来なかった男がやっと、人並みの幸せを手にいれて歩み始めた。天才と言えど、個人の幸福は与えてあげられないからね。まったく手間のかかる友人を持ってしまったものさ」

 

やれやれ、とマリーのコーヒーにシュガーを入れまくるダ・ヴィンチ

 

「ちょっ!? これじゃあ甘すぎて飲めないじゃないですか!?」

 

「どっちの意味でだい? 味覚かな? 雰囲気かな?」

 

「どっちもに決まっているじゃないですか! もう、ムニエル、飲む?」

 

「俺が飲めるわけないじゃないですか――!!!!」

 

カルデアの怨念の咆哮も、いつも通り響き渡るのであった

 

「とりあえず、よく頑張ったと言っておきましょうか」

 

マシュとじゃんぬという、リッカの三大メインサーヴァントの双璧が食堂にて飲み合う

 

「はい、ありがとうございます。・・・」

 

「・・・? 何よ?」

 

団子に手をつけず、じゃんぬを見つめるマシュに怪訝に返す

 

「あ、すみません・・・なんだか、違うなと」

 

「?」

 

「先輩が私と、じゃんぬさんに懐く信頼の形が、何処と無く違うのかな、と・・・考えてしまって」

 

マシュの思う事は、先程の戦いにて気にかかっていたのである

 

あの時、じゃんぬは躊躇いなくリッカの隣に立ち、リッカも躊躇いなく背中を預けた

 

サーヴァントとマスター、それ以上の絆が彼女との間にあった・・・少なくとも、マシュにはそう見えたのだ

 

リッカの隣に何の気負いをすることなく立てるじゃんぬ。リッカを護るマシュ

 

信頼は同じなようでいて、どこか違う気がする・・・そんな思いを、違和感を感じていたのだ

 

「そりゃあ違うでしょ。あんたのと、私の絆はまったく違うものよ」

 

ひょい、と団子をつまむじゃんぬ

 

「私は『誇り』、あんたは『憧れ』。全然違うもの。比べようなんて無いじゃない」

 

「そう、なのですか?私は、確かに先輩をすごく尊敬していますが・・・」

 

「別にいいんじゃない? 絆や信頼に正解なんて無いんだから、好きにリッカを支えてあげれば。私はそうするつもりだけど?」

 

足をぶらぶらさせながら宣誓する。ぴしり、と串を突き付け笑う

 

「あんたも、いつまでも戦う理由をリッカに押し付けてないで、自分の足で、心で戦いなさいよ。あんた、それじゃいつかぼっきり行くわよ?」

 

「え・・・?」

 

「『私のカッコいい先輩』なんて幻想を懐いて、背中ばっかり見るのは止めなさいって言ってるの。この世に完全無欠の人間なんていないんだから、等身大のリッカを見てやるくらいはしてやりなさい」

 

くりくりと串を弄るじゃんぬ。それは、どういう・・・

 

「じゃないと・・・永遠に、リッカの隣には立てないわよ」

 

「!」

 

べきり、と串を折る

 

「あなたに、リッカの地獄を受け止められる覚悟はある? 彼女の絶望を目の当たりにして、それでも支えられる甲斐性はあるかしら?」

 

「そ、それは・・・」

 

「憧れじゃあ、『ソコ』どまりよ。背中ばかり見ていちゃ、何も分からない。カッコいい先輩のために、なんてベッタベタな依存じゃあ、最後に傍に立っていられる筈もないわね、残念だけど」

 

それは、どういう・・・? 口にしようとして、躊躇ってしまう

 

それを告げられて、自らを改革できるか・・・それが、分からないから

 

「リッカの強さに甘えるのは、ほどほどにしておきなさい。強いだけの人間なんて存在しないわ。強い時にしか護れない。盾としても、そんな三流は願い下げ」

 

月を見上げながら、じゃんぬはマシュの在り方について投げ掛ける

 

「リッカにもっと頼ってほしいなら、『絶望を励ませる強さ』を持つのね。これからもリッカを支えたいのであれば。一番支えてほしい時に支えてあげられる強さを持たなくちゃ、あんたはいつまでもリッカのフンよ。相棒にはなれないわ」

 

「絶望を、励ませる強さ・・・」

 

それ以上、じゃんぬは何も言わず、月を眺めて団子を食べ続けた

 

じゃんぬの言葉が、胸に染み入っていく。その言葉の意味を解せる答えは・・・まだ、マシュの情緒には無いのだった――

 

 

・・・そして、王の自室

 

 

「今日もお疲れ様。無事こうやって栄養補給が出来るのは君達のお陰だよ」

 

ベッドに寝転びながら、フォウのお腹を撫で回すエルキドゥ。団子をフォウに食べさせつつ、楽しんでいる

 

(うわぁ~。むぐむぐ)

 

「可愛いなぁ。ずるくないかな? 僕もフォウになってみようかな」

 

(だめだぁ~。肖像権は譲れないんだぁ~)

 

「これでもかー、これでもかー」

 

(うわぁ~)

 

じゃれあうエルキドゥとフォウを眺めながら微笑ましく笑う王と姫

 

《さて、エアよ。我等も風情と風流を楽しむとするか》

 

――はい。ギル

 

プラネタリウムにて再現した星空を眺めながら、寄り添いあう二人

 

《ふむ、こういった趣向もまた悪くはない。些か酒に弱すぎるのが難点だがな?》

 

――す、すみません! その、お猪口から頑張ります、はい・・・

 

《何、構わぬ。弱いならばそれはそれで美徳よ。弱点、欠点なくして発展はないからな》

 

・・・弱点、欠点無くして発展はない・・・

 

《強さを手にする度に、生物は何かを切り捨てる。取捨選択の概念がそれよ。我以外の万物は、すべてを背負うなど出来ぬからな。しかし、だからといって正解を選び続けたとしてもその生命に先はない。進化も、発展も、全ては未来と文明を築く為に行われるものだ。解るか? 滅亡であれ、繁栄であれ。先に繋がらぬ袋小路に陥ったならば切り捨てるより他無くなる。編纂と剪定、それが宇宙の理と言うものなのだ》

 

先に繋がらぬ未来、袋小路の未来。それが、剪定の未来

 

・・・ならば、それは

 

――なら、王のいるこの未来。人間の皆が切磋琢磨していくこの未来は、まだまだ広がりを見せていくという事なのですね!

 

歓喜に声を弾ませるエア。未来はまだ広がっていく。未だ価値の、可能性の底を見せない人間達の生きるこの未来こそが、正しく進んでいる未来なのだとエアは確信する

 

――王の裁定こそがこの未来の果て。なら、それはずっとずっと先の事。そんな未来まで進み続けられる人間の皆と、人間の産み出す可能性を・・・ワタシはずっとずっと見ていたいです!

 

この世界が、ワタシの見たい世界。皆と笑い合い、風情を感じ、たくさんの可能性を広げるこの未来が、エアの望む人類史

 

――これからも、皆が笑っていられる美しい世界のために、ワタシも出来ることを精一杯やってみせます! それが、ワタシの愉悦ですから!

 

浮かび上がる月を、輝く星のような瞳で見上げるエア。煌めく月と星を、慈しみながら

 

――本当に、この世界は美しいですね! ギル!

 

心の底から、世界にて愉悦を楽しむ魂が、万感の想いを王に告げるのであった

 

《フッ、そうさな。人間は怠惰極まるが・・・その人格と精神は、最早神とそう大差は無い。後はさっさと成熟期に至れと檄の一つも飛ばしてやりたくなるものだが・・・まぁ、それはいずれの話よ――エアよ、まずは酒に慣れねばなるまい?》

 

――えっ

 

《一口で倒れられては話にならぬ。お前の魂はとかく無防備だ、少しは鍛えてやらねばな。さて、地母神の麦酒は何処にあったか・・・》

 

――ま、待って! 待ってください! ワタシはこれから二次会で、ネフェル達と出会わなくてはならないんです! 酩酊は不味いですから~!

 

あせあせと王を止めるエア。愉快げに酒を選定する王。笑いあう親友たち

 

 

広がる世界に、想いを馳せつつ・・・夜は更け、風流はカルデアに満たされていくのであった――




そして、マイルームにて


「どーぉ?リッカ?気持ちいい?」

何故か裸体にて背中を洗い合うアルテミスとリッカ

辺りは何故かアルテミス神殿に変わっており、真ん中にバスルームがあり、真上に巨大な月がある

「あの、その、アルテミスさま」

「なぁに?リッカ?」

「その、アルテミスさまの入浴エピソードには恐ろしいお話しか無いのですが・・・私、星座になってしまうんでしょうか・・・」

びくびくしまくりのリッカの背中をぺちんと叩く

「そんな事しないわよ~!ダーリンが言ってたの!友達とは、裸の付き合いをするものだって!」

「オリオンェ・・・」

「リッカは私の大切な友達だもの!私を叱って、殴ってくれた大切な大切な友達!長い間生きてきて、はじめての体験だったわ!素敵!男だったら、ダーリンの邪魔になるから射殺しちゃうくらい大好き!」

「ヒエッ」

「だから・・・これからも、友達でいてね?祝福、いっぱいあげちゃうから!猪のか皮とか、あげちゃうから!」

「ちょっとカリュドーン案件は・・・ううん。何にもくれなくたって、私はあなたの友達だよ」

空を見上げながら、リッカははっきりと告げる

「なんの損得も見返りも無くたって、一緒にいるだけでいい。それが友達だから。もし、アルテミスが神様じゃなくなって精霊になったとしても、私はアルテミスを信仰するから。約束する」

大切なのは、在り方。友達は、傍で支え合い、背中を預けられる事だとリッカは信じている

「これからも、よろしくね。ちゃんと相談はしてね!なんでも聞くからさ!」

「リッカ・・・!カッコいい・・・!身体もスッゴい鍛えられてるし!ダーリンと並んだら私が倒れちゃいそう!ヘラクレスみたい!」

「ヘラクレス・・・女体化が私みたいな風潮ごめんなさい・・・」

「あ、じゃあじゃあアルテミスの栄光みたいな感じで・・・ディアクレスとか、アルクレスとかどうかな?星座になる?」

「まだムチャシヤガッテは待って!死ぬのは世界が平和になってから!」

神殿浴場にて、二人きりではしゃぎ合うリッカとアルテミス

人と神。有り得ざる友情は、より強固に、よりヘンテコに。これからも紡がれていくのでした

控え室

「此処に来て俺縛られるのぉ!?俺もリッカちゃんのヘラクレスボディ見たいんだけどなぁ!!」


「えーい♥」


「ぷ ぎ ゅ る ! !」

「オリオンが死んだ!!この人でなしぃ!!」


ちゃんちゃん♪

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