人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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『マシュ!聞こえる!?』


「はい!所長!先輩は気を失っていますが、健在です!」

『ヒュウ!流石リッカちゃん!だが勝利の余韻に浸っている暇は無い!』

素早くリッカを背負うマシュに、ロマンが告げる

『光帯の状態が不安定なんだ!ゲーティアがいなくなった事で魔力を束ねる要石が無くなったんだ!このままじゃリングの輪から――大爆発が起きる!』

即座に駆け出し、離脱するマシュ

「カルデアは、皆さんは無事なんですね!?」

『勿論さ!マルドゥークだってほぼ無傷だ!玉座の空間断層から聖門に戻ってくれれば即座にレイシフトできる!急ぐんだマシュ!ソロモンの慚愧に、君達が呑まれちゃいけない!』

「解りました!マシュ・キリエライト、マスターと共に即座に帰還します!」

それだけを告げ、マシュは全速力で駆け抜ける――!


「はっ、はっ、はっ!はっ――!」

瓦礫を飛び越え、足場を跳躍し、唯ひたすらにマシュは駆け抜ける

「――、・・・・・」

「先輩、最後までお供します!絶対、絶対死なせませんから――きゃっ!」

目の前の床が崩れ落ち

「くうっ・・・!」

崩落が巻き起こり

「つぅう!」

帰還の道筋が、断たれていく――!

「諦めない――!」

目の前に見えるはカルデアの光

「絶対に――!」

あと一歩

「諦めない――!」

もう、少し――

「最後ま、で――」


・・・――全てが、崩落する

浮遊感、虚無感。間に合わなかったという、瞬間の諦念

(――まだ!)

こうなれば、力の限り先輩を投げ、先輩だけでも――!

(・・・英雄王。英雄姫さん。すみません。――完全無欠の結末に、私は――)

謝罪と、覚悟を決め。行動に移そうとしたとき――

『――いやいや。それは悪手でござる。拙者がリッカ殿を置き去りにして、どれだけ迷惑をかけたと思われるか』

ふわり、と。マシュとリッカの体が浮かび上がる

ほんの一瞬、ほんの刹那

ほんの――『誰かに掴みあげられたかのような衝撃』

「・・・あ――」

『此処が時間の外で幸いにござった。未練がましく意志を繋いでいた甲斐があったというもの』

「あな、たは――」

『ただの亡霊、終わったもの。されど、我が親友とその相棒を助けるため、世界の裏側よりちょっとだけ顔見せでござる』

そこに在りしは、白髪に、青い瞳。それでいて黒いロングコートを羽織る、何者か

それは、醜悪な肉の器から解き放たれし魂の姿。造りしものが夢見し理想の姿――

『さぁ、行くでござるよ。――完全無欠のはっぴぃえんどは、直ぐ其処にござる』


そのまま、力強く投げられ、カルデアへと戻される

『手荒な手助け、誠にかたじけない。――最後の御都合主義は物語の華、笑って許されよ』

「待って、待ってください――!あなたは、あなたは、先輩の――!」

『――リッカ殿を宜しく頼むでござる。なぁに、拙者は心配召されるな。どのみち、意思は、裏側に還るだけにござる』

「待ってください!グド――――」

『・・・見てくださったでござるか。あれがリッカ殿。我が誇らしき、唯一人の親友にてござる――』

伸ばした手を掴んだのは――

「たわけ。――偉霊に手を伸ばすな。意志を、行動を汲み取ってやれ」

「でも!でも!先輩は――!彼の、為に――!」

――あなたの親友は、世界一のマスターです。ワタシは、彼女がマスターで・・・本当に良かった


・・・その言葉を救いとし、にこやかに笑いながら――

「っっっ――うぅう・・・ぅううぅううぅう・・・!!」


・・・リッカを助けに、紛れ込んだ何者かは、静かに・・・在るべき場所へと消えていった――


そして――


Order complete(人理定礎修復)――完全無欠のはっぴぃえんど――

『寝起きが悪いのがリッカ殿の欠点でござるな。ほら、起きるでござる』

 

――・・・

 

『皆、待っているでござるよ』

 

 

 

――・・・が、する

 

「――ぱい、・・・――ぱい・・・」

 

 

・・・声がする

 

 

「せんぱい、――せんぱい・・・!」

 

 

「・・・起きなさい!リッカ!」

 

 

私を呼ぶ、・・・声がする

 

 

「起きなさいリッカ!燃やされたいの!?ほら、はやく!起きなさいよ――!」

 

 

私を呼ぶ・・・声がする・・・

 

 

 

「・・・ん」

 

 

リッカがうっすらと目を開ける。戦い抜いた疲労を懐きながら、身体を起こす

 

 

「ここは・・・」

 

 

「目が覚めたか?フッ、スッキリとした顔をしおって。吐き出すべきものを吐き出し、ようやく少女らしくなっているではないか」

 

いつものように輝きながら、自我に満ちた声音を伝えるのは・・・

 

「ギル・・・!!」

 

「フッ、獣との決戦、大儀であった。此度の戦、完全無欠の大勝利である!・・・――だが、我よりも凡英霊に注目してやるがいい。涙を潤ませ、喧しくて構わぬ」

 

ゆっくりとカルデアの管制室より歩みだす

 

「あ、ギル・・・!何処に、何処に行くの!?」

 

「そう不安げな声を出すな。『散歩』だ」

 

笑いながら、その言葉を告げる

 

「半年近く引きこもっていたのだ。外の世界を眺めたくなるというのも道理であろう?――暫し勝利の美酒に酔うがいい。なに。最早歴史が焼け落ちる事もない。ゆるりと過ごすがよかろうよ」

 

手を振り、管制室から退室する英雄王。その肩には、白い獣、フォウも一緒だ

 

そして――

 

 

――お疲れ様でした。皆、本当に良く頑張ったね・・・

 

優しき空耳が、リッカの耳に響く・・・

 

 

「・・・――」

 

「あはは、まったく照れ屋なんだからさ!もう、本当にさ!」

 

其処に感涙と涙目となり、よろこびを表すものが一人

 

 

・・・それは、誰もが願った事

 

誰もが夢見た未来

 

誰もが・・・望んだ現在

 

 

「おめでとう!リッカ君、マシュ!――君達の帰還を以て、僕たちのグランドオーダー・・・!人理修復の旅を完遂するものとする!!」

 

 

其処に笑うは、ロマニ・アーキマン。――自由なき自由を過ごし、世界を取り戻すために戦い続けたもの

 

「本当にお疲れ様!あぁ、感無量だ!こんなに、こんなに――素敵な未来を迎えることができるなんて!」

 

笑いながら、喜びを謳いながら。マシュとリッカを抱きしめる

 

「ありがとう!ありがとう・・・!生きていてくれて、ありがとう・・・!僕は本当に幸せ者だ!こんな幸福な瞬間に立ち会えて!」

 

その指には、『十の指輪』が嵌まっている。ゲーティアの九つ、そして、オルガマリーが再び返した最後の一つ

 

英雄王から渡されたものを・・・確かに受け取っていたのだ。その想いを、余すことなく伝える

 

「ありがとう・・・!お疲れ様、ありがとう・・・!君達がいてくれたから、この旅は素敵なものだった!本当に・・・本当に!」

 

「――・・・」

 

リッカはオルガマリー、マシュと顔を見合わせる。――自分が一番辛かった癖に。本当に優しい人で、本当に素敵な人だ

 

あっという間の十年を、駆け抜け続けた

 

地獄のような自由を、謳い続けた

 

その果てに――誰もが願った未来へ、臆病者は辿り着いた

 

 

『はーい、入ってまー―――って、うぇええええええ!? 誰だ君は!?ここは空き部屋だぞ、ボクのさぼり場だぞ!?誰の断りがあって入ってくるんだい!?』

 

そんな中――耳に響いた言葉は、はじめて会った時の、他愛ない言葉

 

なんてことのない『素敵な空耳』。全てが始まった、最初の邂逅

 

あの時は、何も感じなかったけど、今なら解る

 

あの出逢いは・・・かけがえのないものだったのだと

 

 

「――――・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・――ありがとう。おつかれさま。ドクター・ロマンティック

 

 

どうか、その歓びが。いつまでも幸せなものでありますように――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロマ二?嬉しいのは解るけどちょーっと自重しようか?リッカもマシュも引いているからね?」

 

泣き崩れるロマンに、笑いながらダ・ヴィンチがからかいの茶々を入れる

 

「仕方無いですよ。師匠だって目が真っ赤なんですから」

 

「おや、これは一本取られたね!だがワンチャン、事後処理の疲れという線もあるかもよ?」

 

「そう言うことにしておきます」

 

フフッ、とニヒルに笑うオルガマリー

 

「おや、邪悪じゃないかぁ?誰からそんな悪い笑みを教えられたのかなー?」

 

「・・・強いて言えば、老アラフィフかしら?」

 

笑い合う二人。カルデアの何処かでずっこける音がしたが気にしない事にする

 

「ご、ごめん!でも、でもさ・・・!本当に、本当に嬉しくて・・・!」

 

「ロマン様♥さぁ、私の胸の中で存分に♥」

 

涙目と、震え声を精一杯堪えながら、シバにゃんがロマンを受け入れる

 

「あぁ、ありがとう!・・・――僕は、本当に幸せだ・・・!」

 

シバにゃんと抱き合いながら、感謝と感涙を示し続けるロマンであった――

 

「クソァアァア――!!」

 

カルデアの怨念は皆、スルーする。いつもの事だからだ

 

「所長!ムニエルは放っておいて、号令をお願いいたします!」

 

カルデアメンバーが笑い合いながら、オルガマリーの号令を待つ

 

「皆、所長の言葉を待っていますよ!」

 

その言葉を受け、楽しげに、誇らしげに笑う

 

「――そうね。きっちり伝えるものは伝えないとね」

 

そして高らかに告げる

 

この旅の完遂。人類最新の叙事詩の完結

 

グランドオーダー、その閉幕を――

 

「藤丸リッカの覚醒を以て、最終グランドオーダー、全工程を終了とします!――此処に、未来は私達の手に取り戻されました!本当に、皆――お疲れ様!!!」

 

 

「「「「「「「うぉおぉおおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉお――――!!!!」」」」」」」

 

 

沸き上がる歓声、奮い立つ歓喜

 

 

此処に、未来は定まった。誰よりも強く、誰よりも優しく、誰よりも善き在り方を信じた者達は――今、此処に報われたのである

 

「本当によくやってくれたね!本当に、これは素晴らしいことだ!あぁくそ、うまい言葉が出てこない!勉強ばっかりでユーモア習ってなかったからなぁ・・・!」

 

ロマンもまた、胸の歓喜を表す。生命を、人生を歌い上げる

 

・・・それは、確かに。とある人類悪も抱いた・・・『誕生の歓び』そのものである。ようやく、全ての重荷を引き下ろせたのだ

 

 

「三十路のユーモアなんて寒いギャグにしかならないわよ、バーカ」

 

「うぅっ!」

 

「・・・お疲れ様でした。私のリッカ。・・・ようやく、あなただけの人生が始められますね」

 

ジャンヌが、リッカの手を握る

 

「・・・憎しみばかりと思っていた私に、こんな素敵な気持ちがあるとは知りませんでした。・・・特別に、言葉にしましょう」

 

・・・その時に浮かべたジャンヌの笑顔を、けして忘れはしないだろう

 

「ありがとう、私のリッカ。――あなたのいのちに、祝福を――」

 

暖かい日向のような、涙を潤ませ笑う、復讐者の笑顔を――

 

「・・・こちらこそ。私には、これから磨かなきゃいけないものがあるからね」

 

「はい。たくさん勉強しましょう!時間は、沢山あるのだから!」

 

笑い合う二人。誰よりも近くで、地獄を潜り抜けた、かけがえのない絆を胸に

 

 

「次、と言えば・・・外界は大騒ぎね」

 

オルガマリーがうんざりげに呟く

 

「こちらの通信は今のところカットして音信不通にはしてあるし、まだこちらの現状は把握してないでしょうけど。――まぁ、これからの私達には無用な騒ぎね」

 

「ほう、愛弟子。手は打ってあると?」

 

ダ・ヴィンチの言葉に、悪辣な笑みを浮かべる

 

「言ったはずですよ?『このカルデアはギルのものである』と。その旨を伝える文章は添付しておきました。いずれ国連、魔術協会、聖堂教会に伝わるでしょう。『納得してもらいます』。なんとしても、ね」

 

オルガマリーは既に書類を送信しておいたのだ。ダ・ヴィンチちゃんから教わった暗号や隠し文字を含めた、カルデアの活動の正当性の論文。――その一字一字に神代の字を混ぜ込み、末端に至る全組織の人員に向けて、カルデアと言う言葉に特に強い『認識催眠魔術』をかけるために

 

それは神代の技、人の魂に作用する魔術。『カルデアはなんの問題もなく、安全に稼働している。そして、干渉も最早不要である』という文に、魂レベルで干渉する魔力と術式を込めた

 

 

魔術回路を持つもの、文を見たもの、文を読んだものの『カルデア』の言霊を耳にしたものはみなこれにかかる。パンデミックのように。蜘蛛の糸のように。『カルデアは我々のものであり、安心、安全だ。半年の成果は事実だ』と『認識してもらう』作用

 

希望の華に釣られしモノを絡めとる、毒蜘蛛の罠

 

例え、破られようと問題はない。一週間もあればマルドゥークにカルデアのメインシステムや機器を移し、施設はもぬけの殻にする

 

誰も、カルデアを悪用することはない

 

誰も、カルデアの在り方に疑問を持つ事はない

 

誰もが、カルデアを自分のものだと『認識』しているが故に

 

 

時計塔、聖堂協会、国連。誰も知らぬまま、オルガマリーに自在に操られている

 

『誰かがカルデアを手にいれるために策略を企てている』と勘違いし自滅してくれれば儲けものだ

 

真実に気付き、接収しようとしたところで・・・武力行使はこちらが最も容易く対処できる悪手だ

 

 

要するに――悪意において、もはやオルガマリーを上回れる者は三組織にはいない

 

Mr.ダンディや黒幕たちに鍛えられた悪の教典は、確かにオルガマリーの中に生きている

 

自らが咲き誇るために、目障りな雑草を総て蹴散らす毒素として――

 

「人は誰もが見たいように見て、信じたいものを信じる。ならば信じてもらいましょう。――『カルデアはあなたたちのもの』という妄想をね」

 

邪悪にほくそ笑むその割には『支援と援助はいらない』と付け加え、搾取をよしとしない辺り、根まで邪悪にはなれないオルガマリーであった

 

「監査も、査察も来ることはないでしょう。少なくとも、外の皆からは『カルデアは異常なし』という認識なのですから」

 

「ヒュウ!君もワルだねぇ!理路整然とした書類には必ずや皆目を通す!其処につけこむとは!」

 

「気付かなかった方が間抜けなんですよ。――私達の旅路は、私達だけのものです。あとはカルデアスタッフの家族の受け入れでも、ゆっくりと検討しましょうか」

 

・・・もはや、人間の手にカルデアが渡ることはなくなった

 

アニムスフィアの至宝は今、完全に。裁定者にして絶対者のものとなったのである

 

 

「悪意に晒されるまえに、私の悪意で支配する。――さようなら。アニムスフィアに協力してくれた皆様。あなたたちの打算と思惑は、全て踏みにじらせてもらいます」

 

この上なく晴れ晴れと、オルガマリーは謳う

 

 

此処に、カルデアを巡る争いは、オルガマリーの反則手による『完全犯罪』にて。一方的に幕を閉じるのだった

 

(・・・一人くらいスパイを確保しておくべきかしら)

 

オルガマリーがいる限り・・・カルデアは人の手には渡らぬだろう。その為の、所長の肩書きなのだから

 

・・・後、ついでに冷凍保存してあったマスター達は転移で返しておいた

 

勿論、『カルデアの処置に不満はなかった。なんの問題もない』と睡眠学習を丹念に行なった上で

 

・・・まぁ、即座に認識催眠にかかるだろう。かからなかったとしても――対処は容易い

 

「まぁ、そう言うわけだから・・・」

 

「・・・サーヴァントの皆は?」

 

リッカの言葉に頷くロマン

 

「・・・本来なら、皆退去する筈だったんだけどね?なんと!皆残っているよ!『今までで一番の仕事場だ、死んで消える以外に退去するのは勿体無い』なんて言いながらね!皆素直じゃないな!君を放っておけないなんて素直に伝えればいいのにね!」

 

「そうね、放っておけないわね。『リッカの女子力』とかね」

 

「うっ!」

 

・・・実は、サーヴァント全員を退去させないように、ジャンヌオルタは頭を下げて回っていたのだ

 

「『リッカが現代社会に復帰するにはあらゆるものがたりない』私が知らないことを、できないことを教えてあげてほしい」と、リッカが地獄で見たことを丁寧に話し、またプレゼンした

 

このままリッカを放ってはいけない。せめて、真っ当な女子力を取り戻すまで・・・と

 

恥も外観もなく、時には土下座までしてリッカの為に頼み込んだ

 

リッカの為なら体面なんて惜しくはない

 

リッカが健やかに生きるためには、まだまだ何もが足りない

 

どうか、私のマスターを見捨てないで・・・と

 

その結果――今現界しているサーヴァントの全てが、『リッカを放っておけない』と決議し、退去を踏みとどまったのだ

 

――リッカの致命的な迄の女子力の無さと宿業の重さが。皆を繋ぎ止めたのである

 

「私達サーヴァント一同、あなたの女子力を復活させるために誠心誠意尽くさせていただきます。目標は、あなたのカッコよさに並ぶくらいの女子力!これからやることは一杯よ!私と一緒に頑張りましょう!」

 

そんな事はおくびにも出さず、マスターの為に戦うアヴェンジャーはけらけらと笑う

 

「えぇええぇええぇえ十年単位で続くじゃんソレ――――!!!!」

 

何年単位で続く教育を案じ、リッカは喜びと絶望の悲鳴をあげた――

 

・・・カルデアの皆は、誰一人欠けず残っている。そして――

 

「レイシフトもめでたく私達のものとなりましたー♥誰も文句を言わないのですから構いませんねー?♥これからも人類の未来と私達の懐の為にガンガンレイシフトしちゃいましょー♥」

 

「ギルの裁決がないと起動しないようにしたので悪しからず」

 

「が――――ん!!ラクダ、らくだぁ・・・」

 

獣耳をしなだれさせ、しょんぼりするシバにゃんを、優しく抱き寄せる

 

「レイシフトじゃなくて、本物を見に行こうよ。皆でも、二人でも」

 

ね?と、優しく額にキスをする

 

「僕との、いや。ソロモンとの縁を辿ってくれてありがとう。・・・これから始めよう。僕たちの、僕たちだけの未来を、ね」

 

「――はいっ♥♥♥」

 

「クソァアァア!!皆、囲め!!祝ってやる――!!」

 

「「「「ばんざーい!!ばんざーい!!ばんざーい!!!」」」」

 

胴上げされる、シバにゃんとロマン

 

 

・・・悲鳴をあげる自由は、此処に終わりを告げた

 

これより先にあるのは、騒がしくも輝かしい未来のみ

 

(良かったね、ロマニ。・・・聖杯を貰っておかなくちゃね。シバにゃんには必要だろう)

 

そんな様子を暖かく見守るダ・ヴィンチ

 

自ら未来を決めることが出来る

 

自ら明日をつかみとれる

 

そういった自由を・・・今度こそ、本当に。彼は掴みとったのだ。友として、頬を弛めずにはいられないというものである

 

「魔術の妨害とかは任せてくれ!指輪が揃ったソロモンは無駄に無敵だ!人類の産み出した魔術なんて全部無力化してやるとも!皆の身を、僕が保証するからね!」

 

「さらっとロマンが一番チートじゃんか!!」

 

「グランドキャスターだからね!まぁ今はとにかく休むといい!――あ!」

 

一同が思い至る

 

「グランドと言えば、最終決戦の時の――!」

 

そこに現れし、冠位のサーヴァント

 

ゲーティアの全能を奪い取り、決定的な勝利を確定させた、姫を名乗る何者か

 

その何者かの存在を――一同はまだ、目の当たりにしていない・・・!

 

「行こう!皆!」

 

リッカは走り出す。この物語の主役。この世で最も偉大なる王の下へ

 

「あの王様は何を隠していたのか・・・!いよいよ御披露目と行こうじゃないか!」

 

一同がそれに続く。――人理焼却が紡がれた、果ての未来へと

 

そして――

 

 

 

《長らく続いた我等の戦い。エア、そして獣よ。目の当たりにするがいい。これがお前達への報酬。我等が取り戻した輝きである》

 

魂となり、腕を組み。王が彼女の隣に立つ

 

「――あぁ・・・――あぁ・・・!」

 

 

胸に、かけがえのない親友、フォウを抱きしめし『エア』が、世界に相対し、『ソレ』を見る

 

 

 

 

 

 

 

何処までも拡がる白き山の峰。肌寒く、けれど暖かい。柔らかな陽射し

 

 

空を気儘にたゆたう、気ままな雲。突き抜ける、蒼き天、遥かなる青空

 

それらは、過去のものではない、自らの時代のもの

 

自らが生き、駆け抜ける――今を臨む世界――

 

 

「――きれい・・・」

 

そんな、感嘆と共にエアは堪能する

 

 

頬を撫でる風。眩しい陽射し。肌寒さ。踏みしめる雪の感覚

 

そして――何処までも拡がる『世界そのもの』を、存分に全身で味わっていたのだ

 

 

『キミの考えていることは伝わってくるよ。本当に、キミは真っ直ぐで。本当に素敵だからね。――あぁ、この風景を見たかった。この風景を、キミ達と見てみたかった』

 

感慨深げに、エアの胸の中で。穏やかに目を細める

 

『おめでとう。無銘から始まりし英雄達の姫よ。比較の獣はとうに倒され、憐憫の獣もまた、キミの、キミ達の手によって倒された。幸福なままに。至尊のままに』

 

フォウの言葉が、胸を打つ

 

『誰もが辿り着けなかった未来を、哀しみを、完全無欠の結末を垣間見た。――あぁ、本当に』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボク(・・)は、本当に。尊いものを見た――

 

 

 

 

 

 

 

 

フォウの万感の想いを耳にしながら、エアの胸には様々な想いが去来する

 

 

特異点Fでの、試行錯誤。王の戦い方に四苦八苦した事

 

 

第一特異点での疾走。かけがえのない、最初の趣味嗜好が生まれた事

 

 

第二特異点での情熱。初めて垣間見た開闢の理。人理に寄り添う、希望の華

 

 

第三特異点での冒険。船旅、大英雄との邂逅。何処までも痛快な、果ての海

 

 

第四特異点での拝領。王の全身全霊。かけがえのない名前と、この姿を賜ったこと

 

 

第五特異点での相愛。けして出逢えなかった者達の再会。英雄達の神話

 

 

第六特異点での対立。神たる獅子王に告げた、自分の答えと対立

 

第七特異点での英雄譚。原初の母との訣別、そして親孝行。果たした、星の海への約束

 

 

そして――

 

指輪を見る。ゲーティアより託され、王に嵌めていただいた、誓いの指環を

 

・・・極天にて示した、生命の答え

 

死と断絶を乗り越え、愛と希望を抱く、生命の旅路

 

虚無の希望を抱いた、獣がいたことの証

 

これが有る限り、忘れることはない

 

英雄王への敬愛

 

世界の全てへの感謝

 

獣たる親友との時間

 

そして・・・誰よりも生命のあり方を問うた、一つの悪を

 

 

(・・・ありがとう。ゲーティア。魔神達。あなた達は、ワタシが永遠とします。だから――)

 

だから、どうか安らかに

 

あなたの偉業、あなたの理想。あなたの真意を、ワタシは忘れない

 

この指輪が、その証

 

左手の薬指へと嵌めた意味は――その決意

 

 

『総てを、愛すると誓う』と。世界と個人に結んだ、誓約の証

 

この指輪が有る限り、自らが答えを示したあの瞬間に心が立ち返る事ができる

 

あの時の自らの答えに恥じぬよう、真っ直ぐ未来を生きていこう

 

 

――英雄姫、ギルガシャナ=ギルガメシア。そして、レメゲトンという名前を。未来永劫背負っていく

 

エアとして。一つの生きた生命として

 

 

・・・そう。ワタシの研鑽は終わらない

 

いつまでも、いつまでも。時の果てまで。だって――

 

《――・・・》

 

この王の『姫』として。裁定の瞬間まで、傍に寄り添うと決めたのだから

 

《――すまんな、エア》

 

「?」

 

王が、僅かながらに郷愁を浮かべ、謝罪を口にする

 

《我ながら安請け合いと言うものだった。――人理は取り戻しはしたが、未だ問題は山積みであったな。我が事ながら戯けた事を口にした。終局の獣。剪定されし未来の叛逆。――お前の夢を叶えてやるのは、未だ先となるようだ》

 

『本当だよなぁ?ぬか喜びだよなぁ?』

 

《ぬ――真面目に謝罪しているのだ。茶化すのは控えよ》

 

キャウキャウと笑うフォウ、僅かながらも本当に申し訳無さげな王

 

その言葉に、ゆっくりと許容と寛容を返す

 

「良いのです。星の大海に至るにはまだワタシは未熟。もっともっと研鑽を積んで、王に相応しき魂にならなくちゃ」

 

それは、エアの本心。まだ、エアは納得していない

 

 

答えに至ったからといって、それは終わりではない。むしろ、答えを得たからこそ新しき今が始まる

 

それが終わるまで。この星に、やり残しや知らないことがあるまで――けして研鑽は終わらない

 

 

新しき事を知る喜び。未知に胸をときめかせる本能

 

それこそが――

 

 

「ワタシと、ギルと、フォウで!王の庭を探索し尽くして、沢山『愉悦』しましょう!ワタシの愉悦はまだまだ始まったばかり!世界には、愛と希望が満ちているのですから!悲劇や絶望を悼み、夢と未来を謳いましょう!」

 

 

それこそが、姫の願い――

 

「これからも、ずっと!ずっと!死だって、ワタシを止めることはできない!いつか至る、英雄王の裁定の日を目指して!」

 

 

 

 

 

 

 

至尊の願い、今此処に

 

 

     世界への『敬愛』は、けして尽きることなく

 

 

 

 

 

《――我が裁定の日まで、と来たか。全く何処までも清楚にして強欲な姫よ》

 

 

 

目を輝かせるエアを、呆れながら、この上なく誇らしげに告げる

 

《ならばまずは、為すべきことは理解しているな?我が姫よ》

 

王の言葉に、元気よく頷く

 

「はい!まずは――世界に現れし『人類愛』の総てを受け止めに行きましょう!今を脅かすより善き願いを尊重し、受け入れ、乗り越え。ワタシ達の未来を謳い続けましょう!」

 

『此処からはボクも知らない物語だ。――だがまぁ、大丈夫だよ!ボクもいる、王もいる。人類悪だっている!負ける方が難しいってものさ!』

 

フォウの言葉に、満面の笑みを返す

 

「うん!けど、その前に。忘れてないよね、フォウ?」

 

『勿論!ツーリングの約束、こうして世界を取り戻した今、やっと果たせるね!なんならボクの背中に乗ってもいい!エアにだけ、特別さ!』

 

《それはツーリングとは言わぬ。散歩と言うのだ》

 

『お前は乗せてあげない』

 

《ふはははは!エアは我でもある!嫌でも乗せねばならんのだバカめ!首輪とリードを見繕ってやってもよいぞ?》

 

『やってみろ!勿論ボクは抵抗するぞ!至尊で!』

 

「まぁまぁ、二人とも。ワタシ達の関係は変わらないね、ずっと・・・」

 

あぁ、それは。なんて、素晴らしい――

 

はにかみながら眺めているエアに、声が届く

 

 

「お――――――い!!!」

 

 

それは、かけがえのない仲間達の声・・・

 

「姫様!姫様だ!皆、あの人が姫様だよ!!」

 

リッカが興奮した様子で皆に促す

 

「はい!あの人が、私達を勝利に導いてくれた、英雄姫と名乗りしサーヴァントです!」

 

マシュもまた、笑顔を浮かべる

 

 

「――なんだ、あの美しさは・・・――」

 

ダ・ヴィンチちゃんが目を見開く。神々が産み出せしその芸術の価値を一瞬で理解する

 

「――ギル、じゃ・・・ないわ・・・だって、違うもの。雰囲気が、優しさが・・・何もかもが」

 

オルガマリーが、ギルとエアの違いを一瞬で見抜く

 

「キングゥと同じ・・・!?いや、違う!今まで話していた英雄王の言葉は紛れもなく本物だった!だからボク達は戦ってこれた!なら一体・・・あの眩しいくらい輝く何者かは、誰だって言うんだ!?」

 

ロマンが驚天動地を口にする。魂は一つ、という観点に基づき、混乱し、困惑し

 

 

「ひわわ、何処かの女王様ですかぁ・・・?あ、でも身長は同じくらい・・・ちょっと私が高いでしょうかぁ?・・・なんて、優しい在り方なのでしょう・・・」

 

シバにゃんが、その在り方を称賛する

 

 

・・・この旅路にて出逢えた、かけがえのない仲間達

 

 

人類悪でありながら、善と正義を信じる素敵な女の子。藤丸リッカ

 

 

勇気と決意によって、今は遥か理想の城を築き上げ、皆を護り続けた、マシュ・キリエライト

 

その身を粉にして働き続け、責任を全うしたオルガマリー・アニムスフィア

 

悲鳴を上げる自由を走り抜け、愛と希望の物語を紡ぎ上げるであろう、ロマニ・アーキマン

 

 

万能なりし天才。カルデアを支え続け、楽園を影に日向に支え続けた、レオナルド・ダ・ヴィンチちゃん

 

 

皆が、走ってくる。駆け寄ってくる

 

 

・・・これから先、更なる苦難が待っているのかもしれない

 

膝を屈したくなるような残酷な現実が待っているのかもしれない

 

想像を絶する否定が、悪意が渦巻いているのかもしれない

 

「――ギル。フォウ、――始めましょう」

 

でも、きっと大丈夫

 

 

そんな未来を、そんな悲劇を、そんな結末を。王は知らぬと。些末であると蹴散らし続け

 

 

フォウは、いつまでも美しい姿でいることが出来るだろう。このカルデアの、善き人々達の中で

 

そしてワタシは――いつまでも。尊い日々を送ることができるだろう

 

 

どんな未来が待っていても、きっとこの皆なら大丈夫

 

力を合わせ、誰かに支えられ、遥かな絶望を乗り越えた皆がいるなら、確信を以て告げられる

 

 

ワタシ達の未来は、希望に満ちたものだと。至尊の理は、けして潰えず、未来に続いていくものだと

 

だからこそ――ワタシは進む

 

――英雄王

 

 

このかけがえのない世界を巡り、遥かなる紋様を紡ぎ、遥かなる星の果てへ、未来へと駆け抜けていく

 

認識は、世界は。何処までも広がり、ワタシ達を待っている

 

――ワタシは、ギル。あなたが大好きです

 

そんなワタシを受け入れてくれた、至高の王に、敬愛を

 

《――赦す。唯一無二の英雄姫たるお前の想い、確かに価値があるものと認めよう。――その愛、この我が受け取ってやろうではないか》

 

――そして、フォウ。あなたも、誰よりも、大好き

 

ワタシを形作ってくれた。孤独から救ってくれた優しい獣に、ありったけの親愛を

 

『うん!ボクも――エアの事が、大好きだ!』

 

 

――そして、ワタシの仲間達。未来を取り戻した皆も、心から――大好きです

 

かけがえのない、未来を臨んだ者達。こうして同じ世界にて生きていられることに、敬意と・・・苦難に屈しなかった輝きに。確かなる尊敬を

 

 

――そして、この世界の全てが・・・ワタシは、大好きです!

 

あらゆるものを産み出す世界に。あらゆる可能性を許容し、織り成される世界の営み全てが、愛しく、輝かしく、誇らしい

 

 

その全てに感謝を。その全てに祝福を

 

 

――この星に生きている全てに、尊重と未来を!どうかその営みが、光と輝きに満ち溢れたものでありますように!

 

エアは祈り、高らかに謳う

 

転生して、この世界に至れた事

 

一つの魂として生きていられる事

 

これから――無限に広がっていく世界に、喜びを

 

 

「さぁ――ワタシ達の旅!『尊き生命(いのち)』を謳う旅を始めましょう!」

 

目の前に拡がる世界に告げる

 

 

空よ、海よ。大地よ。此処に、ワタシは生きている

 

生きている事に意味があり、輝く過去に意味があり、紡がれし今に意味があり、果てしない未来に意味がある

 

 

それこそが『至尊』の想い。人の誰もが持ちうる、一人一人に在る尊さ

 

 

この世に、価値なきものはなく、意味なきものは無い。その事実を、絶望と嘆きと苦難に沈む何者かに、伝えに行こう

 

 

「――『私』は、エア。レメゲトンの名を背負う、英雄姫。ギルガシャナ=ギルガメシア」

 

 

哀しき人類悪を、鎮めに行こう。何処までも、いつまでも。人々の、世界の在り方を信じ、尊重しよう

 

その果てに――いつか。星々の果てへと旅立とう。遥かなる果てへ、結論を出しに行こう

 

 

それがワタシの、研鑽の旅。姫の名を抱く、ワタシだけの旅路

 

 

その旅路は――終わることの無い、生命有る限り続く旅

 

 

「私は、皆と――皆が生きるこの世界の全てが、大好きです」

 

 

・・・此処に、未来を取り戻す旅は、幕を下ろす

 

 

「どうか、世界がこのまま――あらゆる可能性と想いに満ちた――」

 

 

エアが両手を組み、目を閉じ、世界に祈り、願いを告げる

 

「素晴らしき歴史の紋様を、いつまでも――紡ぎ続けていられる在り方でありますように。全ての生命に、未来と希望が満ち溢れていますように。苦難と絶望に決して負けない力と可能性を、懐き続けることが出来ますように」

 

その願いが天に通じるかのように――空には虹が、その魂が空に架けた七色の祝福が映る

 

 

「そして――いつか。・・・いつか――」

 

 

――――あなた達の歴史が、美しい紋様となりて形を成しますように。あなた達の認識(せかい)が、宇宙の果てにまで届きますように――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総てを照らし、輝かしく在れ

 

 

 

人理を照らす、開闢の星。至尊を抱く、美しき魂よ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此は、王道に寄り添い、至尊を謳う物語―――




これにて、第一部は完結となります


皆様、本当に、本当にありがとうございました。何度でも言わせてください、伝えさせてください

この物語を完結に導いていただき、本当にありがとうございました

自分の懐く物語というものは、一人一人の中にあります。あれをこうしたい。あれをああしたい。あれはこうであってほしい

思うことは簡単ですが、それを形にするとなる、それが衆目につく投稿となれば途端に難しくなります

受け入れてもらえるのか?批評まみれにはならないだろうか?誰にも目に留まらない物語になり得ないだろうか?


そんな心配を、総て杞憂としてくださったのが皆様です。・・・心情的には、自分は最優先で第一部完結を目指していました。評価は、なるべく重きを置かぬようにしていました

「どんなに高い評価を途中で得ようとも、途中でエタったり、書くのを止めてしまっては意味がない。この物語がどんな評価を得るのかは読者の皆様に物語を描ききった後だ」と、自分に言い聞かせ、書き上げてきました

作者が示すべき誠意と感謝とは物語を投稿し、感想に感謝をすることであり、それ以外は慢心の元になると、励みにこそすれ、依存はしていませんでした

・・・そんな自分の小さな拘りを越えるように、凄まじい大反響を皆様は返してくださいました

日間ランキングで何度も一位を取り、四半期、年間ランキングでも一位を獲得することができました。こんなに多くの方が、この作品を『面白い』と言ってくださったのです

飛び上がる程に歓喜したと同時に、その時、評価に拘るという意味が全く違うものとなりました

「あぁ、こんなにも皆様に物語が愛されている。自分が一喜一憂するまでもなく、皆様が愛してくださっている」

そう考えた結果、やる気が天井知らずとなりました

読んでくれる皆様に、なんとしても物語の完結を

読んでくれる皆様の期待を、なんとしても裏切らないように

この作品を愛し、支えてくださった皆様に報いることはただひとつ。この旅を、正しく終わらせることだと

そう信じることができたのです。この五ヶ月、執筆が苦痛となった日はありませんでした

皆様が応援してくださり、愛してくださったからこそ・・・この物語は、此処まで来れたのだと信じています


そして、その感謝は『エア』に色濃く投影されました

実のところ、エアの告げる感謝は、皆様への感謝でもあるのです

支えてくれてありがとう

見守ってくれてありがとう

成長と研鑽を見守ってくれて、ありがとう、と。作者たる自分の感謝をエアに託して、旅路を続けてきました

その感謝は全く尽きず。何処までも、何処までも溢れ出し。ついにはあらゆるものを救済する結末にまで至りました(ゼパルですら!)

自分の物語では、無銘が限界でした。感謝のなんたるかも薄く、ただの英雄王の転生ものと考えていた自分だけでは

そんな無銘を、『エア』に変えてくださったのは、皆様の心の暖かさです

エアのキャラ付けは、けして計算では生まれないものだと信じています

応援してくださる皆様がいなければエアは無く

批評や批判、罵倒に満ちていたならばエアはエアにならず

筆を動かす意志がなければこの物語は未完だった


紛れもなく、エアは皆様の産み出してくださった、自分の宝物です!

エアの足下にも及びませんが、どうか言わせてください!

『エアを好きになってくださって、ありがとうございました』!この小説は、人生の宝です!

皆様に、尽きぬ感謝を!本当に、本当にありがとうございました!


リッカもまた、エアとは別ベクトルで皆様に愛されたキャラクターになってくれました!


単純な普通のぐだはなんとなく納得いかない・・・というか、無銘がいる中で存在感も出さなくちゃいけない!

そうだ!徹底的に癖のある主人公にしよう!そう至った結果、人類悪になっちゃいました・・・すまぬ、すまぬ

けれど、リッカの本質はそこではない。グドーシより培ったコミュ力こそが、リッカの強さと信じて書き上げてきました

女子力を引き換えに、誰よりもカッコいいヒロインになってくれて、本当に感嘆しています

『主人公だから愛されている』『主人公だから勝てる』なんて甘えに逃げたくなかったので、なんとか素敵なキャラクターにしてあげたいと四苦八苦した結果。今の女子力/ZEROのリッカが爆誕しました

皆様、リッカも愛していただき、本当にありがとうございます!暖かい言葉や叱咤も与えていただき、感謝の極みです!(カロメと野菜ジュースで完全に匙投げられてたけど)

これから先、女子力を身に付ける戦いがリッカを待っています。ついでにクリプターとの戦いが

リッカは真なる乙女になれるのか?傷だらけのイケメンアマゾネスボディを柔らかボディに変えることができるのか?あと凍結野郎Aチームの抹殺

ご期待ください!がんばえ!僕らのリッカ!


・・・そして、皆様薄々お気付きかもしれませんが・・・



第二部、執筆する気満々です!

もうなんか致命的な迄に原作と乖離していますが、これは開き直って色々できるのでは?と、自分なりに楽しみたいと思います!

なんかトラックで駆け抜けてるし、マルドゥークでも大丈夫だよね?ペーパームーン?カルデアスあるから別にいいよね?拠点?時間神殿あるからいいよね?

ゴルドルフ?オルガマリーでいいよね?みたいな感じで、頑張って好き勝手やりたいと思います!

謎の凍結少女?カルデアスの精霊?指輪持ってった謎の人物?コヤンスカヤ?コトミネ?

クリプターぶっ殺してから考えます(即決)。これから行われる戦い、待て、しかして希望せよ!ですね!

で――こちらの物語が完結したというのに未だ第二部が始まっていないという不具合

おかしい・・・300話近く投稿していたのに何故始まっていないんだ・・・え?五ヶ月の旅?カルデア時間ではハロウィンや月見イベに余裕で間に合うくらい時間があり余ってる?

・・・・・・・・・・・・

・・・すみません、イベクエや日常で時間稼ぎさせてください・・・(土下座)

カルデアの皆暫く遊び放題じゃないか・・・これが王の本気か・・・

そんな訳で、ちまちまイベクエとかもやっていきたいと思います!期待や希望もされていましたからね!

ただし・・・真面目な戦いにはほとんどならないギャグ全振りな展開は覚悟してくださいね!なんというか・・・はしゃぐエアが書きたい(真理)

そんな訳で、皆様へおんぶにだっこの執筆はまだまだ続きます!どうか懲りず、見捨てず、末長く、根気強く!お付き合いください!

皆様のお声は、自分の人生においてかけがえのないものです!これからも、どうかよろしくお願いいたします!

今は一先ず、この編で!また近日、お会い致しましょう!

それでは、また!頭のゆるい日常&イベントを、心待ちにしていただければ幸いです!

これからも、エアとリッカを忘れないでね!本当に、ありがとうございました――!



















此処まで導いてくださった善なるあなたの存在を以て、グランドオーダーを完結するものとする


尽きぬ感謝を。この旅路は・・・あなたと紡いだ物語である――――

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