人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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『ケイローン先生、ちょっといい?』

「おや、どうしましたか、リッカ」

『今日からちょっと、ルチャリブレの技と、受け身をマスターしたいんだけど・・・』


『・・・』

「楽しそうだね、母さん」

『・・・たのし、そう?』

「あぁ。・・・歌が、少しだけ明るかった」

『・・・たのしい・・・わたしが・・・』

「いいじゃないか。聞く僕も・・・嘆きより、心地がいいとも」

『・・・たのし、い・・・わたしが・・・』

『・・・Aaaaaa・・・』


ダイナミック山頂訪問――女神競り落とし――

「よし!集まったな者共!リフレッシュした面構え大変結構!」

 

 

そう言いながら一番愉快げに笑うは玉座に座る賢王だ。肌も艶々しており、あらゆる意味で健康な姿を見せてくれている

 

 

「そこに民どもの感謝の粘土版がある!報酬だ、目を通しておくがよい!――お前達!ウルクはよい都市か!!」

 

 

「「おーっ!!」」

 

「護りたくなったか!民の一人も失わせぬと決意するに足る時を過ごしたか!」

 

「「おーっ!!」」

 

 

「ウルクは好きか!!」

 

「「大好きーっ!!」」

 

「うむ!ならばよし!一ヶ月の滞在、御苦労であった!その心意気の芽生えこそ、我が望み、貴様らが足りなかった『故郷愛』よ!」

 

愉快げに玉座にて頷く賢王に、痛烈に皮肉を返すは英雄王

 

「こやつらは日本、カルデアが故郷なのだが?」

 

「黙れ愚かな我!ウルクは皆の心の故郷なのだ!ラマッス仮面にも感想を聞いておけ!」

 

――ウルク・・・あぁ、ウルク・・・!護ります!絶対!皆を喪わせません!!

 

鼻息荒く決意するエアを見、満足げに笑う王二人

 

『――その決意を待っていたのだ、姫よ。これで・・・舞台は整ったな』

 

《うむ。ラマッス仮面という珍妙な活動もまた、ウルクの語り草になろうよ》

 

(ボクも慣れないことをした甲斐があったね)

 

いつものマスコットモードに戻るフォウ。後にフォウはウルクに『豆と酒』の概念をもたらせし大賢者として伝説となるのだがここでは割愛する

 

――また一緒にウルクを歩こうね!フォウ!

 

(勿論だとも!)

 

満足げに頷く二人を撫で、英雄王が口を開く

 

 

「存分に英気を養ったのだ。残る三割の解決を取り組むに十分な時期だ。――方針を寄越せ、賢しき我。玉座に座っているのだ、思うままに振る舞う役割は我に任せ、存分に働くがいい」

 

そう言いながらがっしりと腕を組み見上げる英雄王。本来なら見上げるという行為事態が有り得ぬのだが、もはやゴージャス王の機嫌のよさは振る舞いなどに目くじらをたてないほどに高まっている

 

「ははは、ほざきおって!よかろう!放蕩、出奔、徘徊は貴様の役目よ!――貴様らにはいよいよ、女神の処理に打ってでてもらおうではないか!」

 

バン!と玉座をたたき、足を組み声を上げる

 

「まずは北!エビフ山に居を構えしメソポタミアの恥さらし!『イシュタル』めの処理を命ずる!ヤツは煮ても焼いても食えぬ上に人は扱えぬ役立たずの擬人化ではあるが、無駄に被害を増やすことに長けている!――概要は掴んだな!リッカ!」

 

ばしり、と拳を鳴らす

 

 

「解り合えって事だね!オッケィ!」

 

《――できればマルドゥークで真っ先に始末しておきたい女神であったが・・・失策であった。明日やろうは馬鹿野郎とは、つくづく先人は蘊蓄深い言葉を残すものよ・・・》

 

がっくりと肩を落とし、落胆の溜め息を吐き出す英雄王

 

――心中、御察しします・・・イシュタル様と英雄王、エルキドゥさんは犬猿の仲、好感触など懐けませんよね・・・

 

(メソポタミアの神の連中は子煩悩すぎる。何故娘をあんなになるまで放っておいたんだ)

 

王の落胆を励ますエアに、呆れて首を振るフォウ。そんな様子の中シドゥリが諫言を呈する

 

「王よ、女神イシュタルを倒すと言われるのですか?それは承伏いたしかねます。確かに素行と実害は見過ごせませんがかの女神はウルクの都市神。それに矛を向けるなどと・・・」

 

その言葉に、更に更に落胆する英雄王

 

「そう単純に行けば我が落胆などすまい。――ヤツは煮ても焼いても食えぬ。生かしておくのも目障りだが、かといって始末をするにも惜しいモノを持っているのだ」

 

「は、あの・・・なんと、では・・・?」

 

賢王が無念げに目頭を抑える

 

 

「・・・完全無欠の結末には、ヤツめの持つアレも必要となる、という事だ。――この戦いの最後に必ずやアレが必要となるのだ」

 

「アレ・・・?」

 

――イシュタル様が持つ。――まさか

 

ギルガメシュ叙事詩を読み解き、神話に触れたエアが真意に気付き、顔面蒼白となる

 

「うむ。ヤツの持つ焦土兵器『グガランナ』を操ることができるのはイシュタルのみ。アレはメソポタミア最強の神獣。――神々すら手懐ける事ができなかったかの災害を、イシュタルめは厳しく、時に厳しく、厳しさの中に時おり見せる厳しさにて自在に操った」

 

(ムチしか打ってないじゃないか。鬼かよ)

 

――英雄王、まさか・・・グガランナを、放つおつもりで・・・本当に・・・?

 

《マルドゥークに加え、磐石を期すならもう一押しが必要不可欠よ。マルドゥークはまず負けぬが、かといって準備を怠るもまた愚か。――まぁ我の本音としては、イシュタルめの価値はそれしか見出だせぬというだけの話なのだが》

 

英雄神マルドゥークとは違う、純然たる高層災害のグガランナをも使用する・・・

 

改めて、エアは思い知る。この戦いのスケールは、何にも勝る神話なのだと

 

「倒すのではない。手懐けるのだ。猛獣のようにな。そして――当然猛獣使いの資格を得るのは貴様だ、邪龍リッカよ!」

 

英雄王の言葉に頷きながら、ビシリとリッカを指さす賢王

 

「来た!ネゴシエイト来た!これで勝つる!」

 

『・・・大丈夫なのかしら。神は人間の道徳や価値観ではけして測れはしない。癇癪を起こし暴れだしてしまえば・・・』

 

「それはない。ヤツは我とマルドゥークが睨んでおく。――我が交渉の席を整えてやる。そこから先は貴様の仕事よ、マスター」

 

話が進むなか、おずおずとエアは声を上げる

 

 

――先に申し上げた通り、ギルガメッシュ王とイシュタル様は犬猿の仲。本当に、大丈夫なのでしょうか?ハンバーグとパフェを混ぜてもおいしくならないように、そりは合わないのでは・・・?

 

王は二人して頷く

 

『無論だ。そして仲間にしたところで旨みは特にない』

 

《本来ならば視界に入れるのも穢らわしい汚物ではあるが・・・理念と敵が敵だ、選り好みはしていられまい。一分でも理があるなら使い倒すまでよ。ボロ雑巾の如くな》

 

――呉越同舟。自らの所感と、仕事は別のもの。ですね

 

《そう言うことよな。――ならばこちらも、それなりの歓待はしてやらねばなるまい。興が乗らぬ事は死してもせぬが、一度やると決めたならば徹底的によ》

 

落胆と面倒くさげな顔を見せたのはこれが最後。すぐさま王に相応しき確信に満ちた笑みを浮かべる

 

「では我等は此より、駄女神の根城たるエビフ山に急行する!三時間もあれば片が付こうよ!賢しき我よ、団扇でも仰ぎ待っているがいい!!」

 

 

パチリ、と指をならすが早いか

 

 

「ぬうっ――!?」

 

爆音、そして絶大なる神威と迫力。総てを畏怖させし『英雄神』が、勇者たちを迎えんとジグラット上空へ君臨し、待機の体勢を取る

 

 

「では乗り込め!!ふははははははは!!おぞましき土産を期待しているがいい!!!」

 

マシュ、リッカ、そしてギルがジャンプにて掌に飛び乗り、それを認めたマルドゥークは即座に浮遊し、ワープにてエビフ山に跳躍する

 

 

――行ってきます!偉大なりし賢王!

 

『吉報を期待している!くれぐれもイシュタルに感付かれ、天舟に乗せられるなよ!エア――!』

 

 

王とシドゥリに見送られ、マルドゥークは黄金のエーテルを残し、旅立ったのであった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エビフ山・・・

 

 

それはシュメル最高峰の魔境、いや、霊山であった。あらゆる神々が恐れる、メソポタミアの誇る最大の山。シュメルの最高神、アンでさえ恐れ戦く恐ろしき山。それに執心していたイナンナ――イシュタルにアンはこう告げる

 

 

『エビフ山は豊かである。その恵みも、その深さも。我が娘、乙女イナンナ。エビフ山にさからうなど、愚か者のすることだ』と。

 

 

大切な愛娘を失うまい、神威にて落命させまいとする親心――だがそれが逆に、イシュタルの逆鱗に触れた

 

『あらゆるモノを手にする天の女主人たる私に、あろうことか拒絶の意を見せるなんて!恥知らずめ、生かしてはおかぬ!』

 

イシュタルは持てるだけの武器を抱え、嵐を起こしながらエビフ山に立ち向かった。山のはしから山肌を蹴散らし、抉り、蹂躙し、エビフ山の中心を目指したという。――マアンナを使わず、徒歩にて

 

無論霊峰たるエビフ山も迎え討つ。山に棲むあらゆる獣、火山、川、冷気がイシュタルを叩きのめした

 

これなら帰るだろうと毒蛇の霧を撒き

 

これなら帰るだろうと落石の雨を降らせ

 

これなら帰るだろうと灼熱の熔岩を沸き立たせる

 

 

その度にイシュタルは呪詛を吐き、エビフ山を呪い唄う

 

『信じられない!天の女主人たる私が、こんなもてなしを受けるなんて!』

 

山の息の根を止めようと踏み込んだ自らを棚に上げ、イシュタルは猛り狂った

 

 

エビフ山の過ちは、一気に災害を起こさなかった事だ。嵐を小出しにし、イシュタルを侮った

 

イシュタルは奔放で我が儘な女ではあったが・・・厄介なことに、逆境にていらぬ根性を見せる性分であったのだ

 

黒焦げになり、ぼろぼろになりながら、エビフ山の頂点にたどり着いたイシュタルは

 

『忌々しい山よ、だれが真に天に在りしものか思い知るがいい!』

 

エビフ山の首根っこをひっつかみ、その体内に深々と刃を打ち込んだ

 

――エビフ山にはたまらず崩れ落ち、その高い背は、水滴のように滑り落ちたのである

 

 

この逸話にてエビフ山の山の頂は半分に崩れ、イシュタルは人々に『戦いの女神』としての側面を知らしめたのである

 

 

この時のイシュタルは舟を使わず、徒歩で山を横断し、制覇し、槍を山肌に突き刺したのだ

 

奔放で、根性に満ち、ワガママ放題の天の女主人。それこそが――イシュタルという神なのである――

 

 

 

――エビフ山がっ・・・何をしたと言うのですかっ・・・!

 

読み終わり、エビフ山の惨状に咽び泣くエア

 

 

《全くしち面倒くさいヤツよな。力で押さえ付ければヤツは決して屈さぬ。こちらはマルドゥークがあるとはいえ、死ぬまで反抗するが関の山であろう。――やはり鍵はマスターしかおるまいよ》

 

エビフ山の頂より更に高い、神々のいる天すれすれにて待機するマルドゥーク

 

「マスター!我に交渉材料は任せておけ!貴様はいい感じに、ヤツを立ててやるがいい!」

 

オッケー!と返事を返すリッカ。それを見て、エルキドゥとギルガメッシュは頷き合う

 

「まずは――ヤツの仮初めの居城を吹き飛ばす!!シドゥリ、ティアマト、エレシュキガル!推進万物破壊双腕『天地合一拳(アンシャル・ドゥル・キシャル)』を展開せよ!」

 

『『『了解!』』』

 

王の言葉に即座に反応しマルドゥークを稼働させる三人

 

「では、始めようか。おぞましき女神の目を醒まさせてあげよう」

 

エルキドゥが恐ろしげに笑い、マルドゥークの碗部マニピュレーターに装着されし追加装甲となる。通常の数倍の大きさとなる掌に、凄まじい程の神威が装填されていく

 

 

「アンシャル!ドゥル!キシャル!!」

 

英雄王の号令に合わせるかのように、右腕に地の王権、左腕に天の王権たる莫大なエネルギーが充填される。右腕が漆黒に染まっていき、左腕が黄金に染まっていく

 

天は雷雨と嵐を催し、地は震えるように鳴動する。大気は謳い、ティグリスとユーフラテスが逆巻き、マルドゥークの神威と威厳を、メソポタミアに在りし精霊達が厳かに歌い上げる

 

「『王が在った、姫が在った(ギル・ナナム・エア・ナナム)天と地の繋ぎ目(ドゥル)()その神の名は(ディンギル)』――」

 

王の唱えし真言にて、右腕と左腕の天地の具現たるエネルギーの奔流を――

 

「――はっ!!」

 

力付くで融合合体させ、がっしりと両手を組み上げる。瞬間、王気と神威、七つの嵐が英雄神たるマルドゥークの進む道を取り巻き、嵐となりて吹き荒れ巻き起こる

 

 

その辿り着く先は――

 

「『英雄神(マルドゥーク)』!!さぁ行け!放蕩の女神に、きつめの灸を据えてやれ!!」

 

 

――マルドゥーク、邁進!神罰、発進します!!

 

 

『GAAAAAAAAAA――――――――!!!!!!!』

 

 

クラッシャーから放熱となる雄叫びを上げ、黄金に煌めきながら邁進していくマルドゥーク

 

イシュタルの御株を奪う、大いなる天から大いなる地に向けて。絶対勝利の力たる英雄神の超絶術式が――エビフ山の頂上に在りしイシュタル神殿に叩き付けられる――!!

 

 

「え、ちょ、ま――!!!」

 

イシュタルが察知し、神殿より飛び退いた瞬間――

 

 

「ふははははははは!!すまぬなイシュタル!!手が滑ったわ――!!」

 

 

マルドゥークの神罰は降臨し、身体全体が真エーテルと神威、運動エネルギーの塊と化した英雄神の神体が神殿に叩き付けられ――

 

 

「あんた何しに――ちょ、嘘でしょ――!!?」

 

――山頂にて大爆発と大轟音、鮮烈なる破壊と創造が巻き起こる神話的終末風景が展開される。七色の火柱が重力を振りきり天に延び、エビフ山の山頂を綺麗さっぱり吹き飛ばす

 

神殿は山頂もろとも粉々に、いや・・・原初の塵となり霧散し、消滅し

 

『GAAAAAAAAAAAAAAAAA――!!!』

 

君臨していたのは・・・口部から排熱を行い、万物を震え上がらせるマルドゥークの偉容のみであった――

 

――遥か神代の原初の神に、頂を蹂躙される。

 

・・・エビフ山は、また新たなるトラウマを植え付けられたという・・・




「いや、すまんなイシュタル。上空でお前の優雅なる姿を見ていたら手が滑った。許せ。許すことを赦す。ははは」

「勝鬨上げてたでしょうが御兄様!!あんたら本当!あんたら本当にもうっ――!!」

「まぁ待てイシュタル。此度の用があるのは我ではない。こやつよ」

「誰!?何!?」

「女神様、こんにちは。神殿を失ってしまった、ヘルアンドヘヴンなあなたに耳よりのお話が」

「ヘルアンドヘルよ心情的には!!どこにヘヴンがあったか!?」

「実はですね、天の女主人たる誉れも高きイシュタル様に、貢ぎ物があるのです」


「はぁ!?貢ぎ物ぉ!?」

「貴様は宝石に目がなかろう。それでは優雅なる貴様にはさぞ辛い話と睨んでな。優雅なる貴様のために、我等がわざわざ優雅なる貴様に献上してやるということよ。不慮の事故もあったのだ、少し奮発してやろうではないか」

「マシュ!マルドゥークからあちらを!」

「はい!」

「んなっ――!?」

マシュが持ち込んだのは、荷台10台分のラピス・ラズリ。宝石、財宝、宝の山。富豪何億人分の目映き黄金――

「な――その荷台いっぱいのラピス・ラズリは何!?冠?もしかして七石の冠もない!?それ!これだけあれば魔術用の宝石に困らない!え、くれるのこれ!神か!?」

――王です。そしてこちらは英雄神

「途中で嘘です何て言わないわよね!?あとこれ、勿論非課税でいいんでしょうね!?あわわ、目がくらくらしてきた!落ち着け私!そしてイシュタル!!」

「はい、この荷台のものは手付金です。すべて差し上げます。ですよね先輩!」

「そのとーり!『手付金』なのですよイシュタル様。――おわかり?」

「手付金・・・ですって・・・!?(ごくり)つまり、つまり・・・!?」

『浅ましいにも程があるのだわ・・・』
『・・・はで、ずき・・・』

「貴様を雇う、と言っているのだ。我が絢爛なる英雄叙事詩の道化(ヒロイン)として、存分に天を駆けるがいい」 

「その証として英雄王出血大サービス!!宝物庫の宝石類!五割を差し上げまーす!!」


「ごわっ、ごわ、五割~~~~!!?!そ、総人口の半分の財が私に――!?」

――破格の条件です!宜しいのですか王よ!?

《構わぬ。――至宝が手元にあるのだ。名も知らぬ財宝など手放しても惜しくはないわ。それに、この局面を乗りきらねば財を振り撒く機会すら失せる。――グガランナを競り落とす費用として、必要経費と割り切っておくさ》

ぽん、とエアの頭を撫でる王

「い、い、いえちょっと待って!私の積年の怒りはその程度じゃ」

「マシュ、荷台を下げて」

「はい、先輩」

「待って、止めて!哀しすぎて死にたくなるから!待ってさげないで!――わ、私は女神イシュタル・・・そんな、浅ましい条件で・・・」

【さぁ!!決断の時です!!】

即座に邪龍に変化し、加えたタバコ型チョコを吐き出す

【私達に力を貸すのか!貸さないのか!はっきり口に出して言っていただきましょう!!!】


『観念したまえ女神イシュタル。世界が滅びてしまっては、誰が君の美を語り継ぐんだい?』

「うぐ、うぐぐ(ちら)うぐぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・!!(ちらちら)」

(エア、見てみなよ。女神だぜアレ)

――美しいもの大好きなんですね・・・

「――はぁ。言わねばわからぬか、イシュタル」

王が、一歩前にでる

「金ぴか・・・」

「――よいか、一度しか言わぬぞ。・・・我はな」

すう、と言葉にする

「貴様(の持つグガランナ)が、欲しいのだ」

「――――――――――・・・・・・・・・・・・」

――殺し文句だ!殺し文句って言うんだよねフォウ!

(ストレートだぁ・・・)

「ブッフッwww」

マルドゥークの追加装甲が、堪えきれず震えだす


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし!そういうことならよしとしましょうか!」

「では!」

「アナタの勝ちよ、リッカ。その条件でアナタの味方になってあげる。何しろ今、世界が七度終わるくらい葛藤したし。なら、いいかなって」

「時間にして二分ほどだが?貴様の世界は砂庭か何かか?」

「うっさい金ぴか!あんた、キチンと発言の責任とりなさいよね!ていうか鳥肌がスゴいんだけど!」

「無論だとも。これで後顧の憂いは消え去ったな」

「はい!これで来るべき大戦は大丈夫ですね!」

「勝ったな!風呂入らなきゃ!」

「オホホホ!任せておきなさい!・・・え、そんなに期待してくれてたの?」

「決まっていよう。貴様のグガランナは、我が財と引き換えるに充分な宝だ」

「(世界の終わりのような表情)」

――?

「あ、あはは、そうね。そうよね?グガランナ、グガランナはつよい、つよいわね、あははははあはは」

――・・・?

「よし!女神は競り落とした!このような山に長居は不要だ!では帰還するか!シドゥリ!時間は何分かかった!」

『32分となります』

「良かろう!呪いを捩じ伏せるのだ、そのままの威風を保てば貴様も少しは使えよう!ふははははははは!!万全よな!これこそ、我が戦いよ!ふははははははは!!」

(ヤバイ、死ぬかも私・・・)

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