ナギサ「はい……。その節は大変失礼を致しました…」
ミカ「澄まし顔を崩さないだけで物凄く参ってたもんね〜。肩の荷が下りて良かったね☆」
ナギサ「肩の荷そのものな貴方が何をおっしゃいますか!?」
ミカ「わーお、こわーい!…アダム先生、まだ私がティーパーティーでいいのかな?」
アダム「あぁ。私の観点から見て、トリニティは内から変わる必要がある。それは幼馴染の君たち三人しか取り組めないものだ。幸い、クーデター計画はご破算になりパテル分派の失脚もない。ミカ、君は新たなるトリニティの柱になるんだ」
ミカ「それも償いの一つ、だよね。解ったよ先生。頑張ってみる!」
アダム「期待している。セイア、君は予知能力の特訓を行おう。今のままでは君は身を滅ぼしかねない」
セイア「……そうだね、先生。少なくとも、手にした力とは向き合っていかなくては。過ちを犯さないためにも」
アダム「それでいい。君達の結束は、エデン条約成功の必須要件だ。…さぁ、件の問題児に会いに行こう」
ミカ「補習部の皆の事?」
アダム「あぁ。顧問として、用意は万端だ」
「補習部の皆さん。まずは謝罪をさせていただきます。疑心と恐怖に駆られ、皆さんを疑い排除しようとしてしまった浅はかさをここに懺悔し、皆様の退学関連の処置は白紙とさせていただきます。本当に、申し訳ありませんでした…」
シャーレ、アダムのファーム。どの生徒も等しく受け入れる学び舎でもあるファームは今、補習部の部活になっていた。そこにティーパーティー三人、並びに補習部員4名と補佐数名が青空教室にて会合を果たしている。
「特にヒフミさん。私の愚かなる行いにて、あなたを疑った事を此処に謝罪致します。私はなんという事を…」
「い、いいんですよ!良かったですね、ナギサ様!ミカ様もセイア様もお元気になって!」
阿慈谷ヒフミ。ペロロゲリラ講演に参加するためテストをサボり続け留年の危機。サラに付いていった結果ブラックマーケット徘徊により成績は赤点に突入してしまう。
「よ、よく解んないけど、退学は無くなったの?じゃあ私、正義実現委員会に帰れるの?」
「駄目だよコハルちゃん?赤点三回も取るおバカさんは正義実現委員会に必要ないってさ☆」
「そ、そんなぁ〜……!」
下江コハル。シンプルな成績不振。退学は無くなったが確実な留年が目の前に待っている。
「ミカ、言い方を考えないか。…君がアリウスの和睦の使者なんだね」
「何もかも伝わっているんだな、百合園セイア。白州アズサ。アリウスからやってきた…トリニティの裏切り者になる予定だったものだ」
白州アズサ。トリニティ敷地内で武力行使していたところを拿捕。立てこもり一トンの教材用催涙弾を爆破、三時間の抵抗の末確保される。
「うふふ…奇しくもトリニティの頂点と問題児が此処に集いましたね。やはりあなたは凄いです、アダム先生…♡」
「私の目からすれば君の格好が一番凄く見えるのだが」
スクール水着の彼女は浦和ハナコ。トリニティ敷地内を水着姿で徘徊。捕らえられ素行不良生徒として補習部送りとなる。
「君達の中の裏切り者を探し出し、また君達を生贄に排斥する予定だった補習部の在り方は終わりを迎えた。しかし君達が留年ないしは退学をしないよう、テストの規定点は確保してもらいたく願う。言うなればこれらは健全な補習へと姿を変えたのだ」
「何よ健全な補習って!不健全な補習だったってこと!?」
「まぁ間違いなくミカとナギサの思惑ありきの補習ではあったね…」
「「ごめんなさい……」」
「私は先生として、君達の学園生活を護る使命がある。故に君達を徹底的に鍛え直す為に奮闘を開始する!」
「学力向上の為の試練……失敗すれば、過酷な罰が待つのだろうな」
「………それはどうでしょう?アリウスではこう、肉体を虐めるような♂過酷な♀罰が…?」
「か、か、過酷な罰!?やっぱりそれが目的だったのね!アダム先生のエッチ!スケベ!名前からして怪しいと思った!イチジク一枚で歩き回るだなんてもう死刑!!」
「アダム先生………♡♡♡」
「ハナコ…」
「何意気投合してるのよ!?」
『アダム、本題からズレてはいけない』
「おっと。私も皆に寄り添うが、この手の助っ人はいればいる程いい。君達を助ける助っ人はティーパーティーと…彼女達だ」
アダムが指を鳴らすと、数名の生徒が紹介の席に就く。
「歌住サクラコ、主の導きにより皆様の補習の支えを致します。共に頑張りましょうね」
「救護騎士団団長、蒼森ミネ。皆さんと一丸となり、学園生活の障害を取り除きに参りました。過度な詰め込み教育で具合の悪くなった際には、お申し付けを」
「……正義実現委員会、剣先ツルギ。アダム先生の代わりの監督役だ。サボりや居眠りを見つけたら……けひゃひゃひゃひゃ!!」
「嘘ぉおーーーーー!?」
「トリニティの最重要メンバーが一挙に…!」
「彼女達は皆、シャーレの当番の資格を持つ。だがシャーレの仕事なぞ私一人で5分もあれば片付くものだ。故に、その時間を皆に使ってもらう事になった」
アダムはシャーレの一日の業務を平均十分、連邦生徒会の仕事を受け取れば一時間で終わらせている。生徒との時間を取るためだ。もっぱらキヴォトスを漫遊しているアダムのソニックタスクが、ここでも活きた形となる。
「ティーパーティー三人も含め、これはトリニティ一大補習となる。さぁ皆、学生の本分に存分に打ち込むとしよう。私は君達の青い春の物語を愛している!ペロロ様の導きが在らんことを…アンバサァ……」
「はい!ペロロ様の導きが在らんことを!では補習、開始です!」
「これが、アダム先生…先生ってとんでもない…!」
「アリウスの生徒を助けた手腕か。…物理的にも精神的にも、打倒は極めて難しいな…」
こうして、補習は幕を開ける。アダムが製作した一人一人の為のカリキュラムと、学習範囲をナギサとサクラコが講義にて授業とする。
そしてミカとセイアが採点を行い、解らなければ個別にレクチャー。ミネとツルギの救護と監視により極めて真面目な環境を形成。
「ヒフミさん、私にも…ペロペロ様を教えてくださいますか?」
「あはは…ペロロ様です。二度と間違えないでくださいね?」
「ひぃ!?」
「コハルちゃん……マルが殆どないよ?」
「うぅ……」
「大丈夫!私、見捨てないよ!コハルちゃんがどんなにおバカさんでもね☆」
「歯に衣をきせないか、ミカ。そうだね、まずは何が解らないかが解らないかを解決しようか」
「………」
「アズサちゃん!アズサちゃんもどうですか、ペロロ様!」
「ペロロ様…?」
「私も、偉大なるペロロ様の道を歩むつもりです。アリウスのあなたとの、共通の趣味としたいのですが…」
「……虚しい試みではあるが…うん、足掻くつもりでやってみよう」
「ツルギさん、紅茶はどうでしょう?」
「……皆の分も淹れてやれ」
「はい、では配膳を手伝ってくださいますか?」
トリニティは様々な派閥があり、それがしがらみとなり思うように動けない場合もままある。
だが、ここはシャーレのファーム。その枠組みは消え、彼女達はただの生徒、学び舎のクラスメイトとなっている。
そのリラックスさと、当たり前の学園生活の追体験は良い方向へと向かい…
「では一日の復習の小テストを行います。鉛筆の用意を」
「まだやるの!?もう頭がパンクしそうなのに…!」
「コハルぅ………やれるよなぁぁあ…正義実現委員会だもんなぁ…!!!」
「やりますぅ!!」
「ミカさん達も、採点側の復習として是非」
「はーい!満点取っちゃうぞ〜!」
「久しぶりだな…。こうやって、勉強するのも」
「二人共?ペロロ様は可愛いでしょう?」
「ハイ、ペロロサマハスバラシイデスヒフミサン」
「アカペロロ…会ってみたいな……」
今日一日で、三週間分の範囲を進めることに成功した結果がテストの結果より証明されることとなった。
「わー!コハルちゃんマルが増えたよ!やったね!」
「40点だけど…」
「それでも初テストでは上出来だ。この調子で頑張ろう」
「う、うん!」
「コハルぅ!!」
「はひっ!?」
「……よく、頑張った」
「ツルギ先輩……!!」
「では宿題を忘れないように。忘れてきてしまった方は記憶力と判断力に難有りとして、救護観察を行います」
「救護…!噂のトリニティの超暴力的治療、見てみたい…!」
「アリウスでも有名なのかい、それは…」
「これならいけそうだね!…あれ?」
ミカが気付き、辺りを見渡す。
「アダム先生?どこ行っちゃったのかな?」
「あの変態も…個別テスト…?それって…!!」
「落ち着いてください。ハナコさんはアダム先生にお話があるとの事でしたから心配は無用です」
一縷の不穏を抱え、しかし好調な滑り出しを切った補習部であった。
シャーレ事務室
アダム「……………」
ハナコ「うふふ…アダム先生とはこうしてお話がしたかったんです…♡」
アダムは、水着姿のハナコに密着され言い寄られていた。
ハナコ「この様なテストでは、お互いの何も解るはずないとは思いませんか?アダム先生は…私の事を知りたいのですよね?」
ハナコが持つ、『3点』の答案用紙。
アダム「一筋縄ではいかない事は覚悟していた。だが私は、生徒から逃げるつもりはない」
ハナコ「…………うふふ。トリニティという監獄を壊していくアダム先生と、こうして二人きりで…」
「受けて立とう。シャーレの教師アダムとして…君の内側の全てを」
誰かに見られれば不純異性交遊として諸共破滅する極限状態にて、アダムとハナコは決意と情念にて睨み合うのであった。
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