バアル『えぇ、そうですね』
サタン【それさ…】
バアル『はい』
ルシファー『凄く嬉しい(人 •͈ᴗ•͈)』
アスモデウス(画面外らへんでクネクネ悶えてるアスモデウス)
「やぁやぁ、召喚に応じて只今やってきたよ!キャスター・ロキ。北欧神話のトリックスターとは僕の事さ!よろしくね!」
マモンの用意していた触媒、毒液を溜め込んだ毒壺。それはこのロキが地中に繋がれた際、滴る毒液を妻が受け止め続けた際の毒壺であり、彼の触媒として機能した。北欧神話の神ロキ。オーディンの義兄弟たる悪戯好きの神である。
【不和と不義の化身のような輩が来たな…】
「おや、噂のカルデアではなくここはヘルヘイムかな?いや…魔界?もしや地獄と呼ばれる場所かい?」
漆黒のスーツ、大袈裟な貴族衣装に姿を窶したロキは訝しむ。博識を極めるベルゼブブは、その一挙一動を苦々しく見やっていた。
ロキは北欧神話に登場する悪戯好きの神。その名は「閉ざす者」、「終わらせる者」の意。
神々の敵であるヨトゥンの血を引いており、巨人の血を引きながらもオーディンの義兄弟となってアースガルズに住み、オーディンやトールと共に旅に出ることもあった。
変身術を得意とし、男神であるが時に女性にも変化する。自身が変身するだけでなく、他者に呪文をかけて強制的に変身させたこともある。
美しい顔を持っているが、邪悪な気質で気が変わりやすい。狡猾さでは誰にも引けを取らず、よく嘘をつく。「空中や海上を走れる靴」を持っているとされる。
触媒に関する逸話は、ヘズをそそのかしてバルドルを殺させ、また老婆セックに変身してバルドルが甦らないように仕向けた事件。神々の宴に乱入し、そのことを明かすとともに、集まっている神々の過去の罪や恥辱を一人ずつ暴きたて巧みに罵倒。のちに神々に捕らえられ、巨大な岩に息子ナリの腸で縛られて洞穴に幽閉された。そこは蛇の毒液が滴り落ちる場所で、いつもは妻のシギュンが器を持ってそれを防いでいる。しかし、その器がいっぱいになり彼女が捨てに走るとき、一瞬だけ頭に毒液があたり彼は苦痛のあまり大声で叫び身を捩るという。その影響で地上に起きるのが地震であるとされる程の逸話を持つ。
【成る程、この器は貴様を罰から護っていた妻の愛か!泣かせるではないか狡智の巨人!】
「あはは、知られてるんじゃ誤魔化せないね〜!そうそう、それは僕の由来の品さ!見たところ君達は唯一神教の敵対者だよね?七つの大罪の魔王達?合ってる?」
【こいつ…チャラチャラしてて苦手…陽キャの匂いがする…】
「酷いなぁ〜。呼ばれたからには力になるよ?トールのミョルニルを取り返すアイデアを提供したのも僕だからね!信頼してよ!」
【へ〜。じゃあ詳しい説明をしてあげるよ。僕等は今人手がいるからね。バアル!】
【…はっ】
彼の存在を警戒しながら、ベルゼブブはロキに顛末を伝えた。自身らを阻む存在が必要な事を聞き、ロキはにこやかに応える。
「任せてよ!そういう頭を使う作業は得意技さ、君達の暴れぶりをなんとかして押し留めてみせよう!」
【やぁ嬉しい。契約成立だね!】
「よろしくね、魔王の諸君!では早速…と言いたいんだけど、僕、気になっているんだよね」
【?何が?】
「いやね?君達七大魔王が【本当にそんな手を尽くして止めるべき存在なのか】…っていうのがさ?」
その物言いに、敵意を越えた殺意を向けた者はアスモデウスとレヴィアタンであった。マモンは大胆不敵に笑っており、ベルゼブブは生来のトリックスターぶりを体感し、サタンは不思議そうに眉を上げる。
「ほら、僕って一応悪神のやらかしもあるからさぁ。抑え込む力が無いと何するか解らないし?」
【言うに事欠き、サタン様に疑いの眼差しを向けたか!穢らわしい巨人風情が…!!】
【サタン様、こいつ殺す。その愚昧さは微塵も羨ましくない】
殺意を顕に猛る両者を抑え、サタンは意外そうに問いかける。
【まぁまぁ。それで?何をすれば僕達を…あぁいや、この言い方はリッカを知る者によくないな。何を示せば力を貸してくれるの?】
「流石はサタナエル、話が解るぅ〜!実はキャスターで招かれたのもこの為さ、そーれ!」
瞬間、魔界の固有結界を、更に上の固有結界にてロキが塗り替える。そこは、黄昏と血煙の死臭漂う末世の有り様。
【これは……神々の黄昏、ラグナロクか】
「流石はカナンの主神、話が早いね〜!そう、ここは僕の心象の具現化ラグナロクの大地!あらゆる神々が呑まれた黄昏の終末さ!」
【貴様ァッ!!よりにもよってサタン様の麗しき心象を穢らわしい心象で塗り潰すなど!今すぐに心臓を生きたまま引き抜いてむぐぐぐ…!!】
【シャアァァァァァァァァァァァァ!!───むぐ】
【まぁ待てアスモデウス、レヴィアタン。話が進まん!】
「御無礼をお許しあれ、その他の魔王諸君!さぁサタン、君の力を図るにはこの終末は相応しいと思うんだ!マスターとサーヴァントの関係を築く試金石として、遊んでみない?」
彼方には一切の隙間なくする無数の超巨大巨人。此方には武装されし死の戦士たち。サタンらは戦場のど真ん中に放り出された形となる。倒さねば、どのみちサタンらは滅びるであろう。
【ふーん。まぁまぁ面白い趣向だね?皆殺しにすればいいの?】
「できるならば、是非とも!北欧神話の終焉を、君に!」
【それで納得してくれるならいいよ。一分もあれば…】
【──お待ちを、サタン様】
ロキに応え、玉座から立たんとしたサタンをベルゼブブが制する。そして──その姿を変える。
【ここは私が。必ずや其処な悪神を納得させてみせましょう】
冷然にして耽美な青年の姿から、禍々しく、威厳に満ち、全ての生命に死を運ぶ死蠅の王の姿を見せしベルゼブブ。黄昏の地に、サタンの片腕たる魔王が降り立つ。
【やる気だね、ベルゼブブ。いいよ。じゃあ任せた】
サタンは特段、協力を得られれば手段や過程は問わず、観客として玉座に座る。彼にとって、執着とは誠意と誠実。譲れぬものとは美徳のみであるのだ。自らの力の示威になど頓着しない。
【感謝を。──マモン、そやつらを抑えておけ】
【もう抑えている!優秀だなオレは!フッハッハッハ!】
【んっ、ん……ふむ、んく…んっ、んふーっ…】
【むぐ〜〜………】
拘束されたアスモデウス、レヴィアタンを下がらせ、ベルゼブブが羽根を広げ黄昏の空へ飛翔する。
【貴様の真意は読めているのだ、トリックスター】
「!」
【識れど、どうにもならぬ無常を刻むがいい】
───其処からのラグナロクは、残酷と残虐、死と破滅の満ちる凄惨極まる地獄絵図に塗り潰される事となった。
ベルゼブブはラグナロク…即ちロキの心象風景たる固有結界全てに自らの聖霊にして眷属、死蠅の軍勢を展開。
それらは瞬く間に空を覆い、光の全てを遮り。
それらは瞬く間に地を満たし、命の全てを貪った。
エインヘリアルの死の戦士も、数百メートルを越える死の戦士たちも、空も、海も、大地も、落ちる星も、何もかもをベルゼブブとその眷属は食らい尽くした。
「─────…………」
ベルゼブブの羽ばたきが止み、一斉に蠅達が引いた頃には、巨人や戦士の存在した僅かな痕跡を残し、あらゆる全てが蠅に食い荒らされ不毛の大地がただ広がるのみ。これには流石のロキも絶句する他無かった。
何より悍ましいのは、無数の蝿がもたらした穢れと死により、その大地は向こう千年は生命の存在が赦されぬ不浄の大地と成り果てた事。強きにとどまらず、未来永劫の繁栄すら食らい尽くす【暴食】の魔王。
【満足した?足りないなら僕もバアルに続くけど?】
あっけらかんとなんでもないかのように言ってのける玉座のサタンの背後に、魔王ベルゼブブが雄々しく降り立つ。
「──いいや。予想以上だ、充分すぎるよ」
一つの神話の終末と未来の可能性を食らい尽くす暴食の大罪の顕現を見たロキは…
「君達の為に、誠心誠意働かせてもらおうじゃないか。無礼を許しておくれ、魔王の皆様方」
静かに、協力を誓うのであった。
しかし、そこは北欧神話最高のトリックスター。
ニャル【これが、ベルゼブブの全身全霊……】
その一部始終のデータは、極秘裏にカルデアに届けられており…
ニャル【いやあの……ちょっと困るレベルで無法な強さなんですが…】
カルデア陣営への、値千金の情報提供になったのであった。
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