人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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御待たせしました、改築編です



王のスケジュール


特異点攻略→ブリーフィング→召喚→改築→設備強化→休憩→特異点攻略


ヤベーイ!!


幕間 メッチャ働く王様
大改築!いくら王が増えようが、我が責務は変わらぬわ!


「さて――」

 

 

鎧を脱ぎ、『改築王』のTシャツを着用し、鉢巻きを巻いた英雄王が息を吐く

 

 

 

《この改築が終わったならば即座に身体を預ける。――我が肉体を任せるぞ、エア》

 

王の決意に、深く頷くエア

 

 

 

――参りましょう!英雄王!

 

 

《うむ!時間が惜しい!早速ダイジェストと行こうではないか――!》

 

王として――決意の改築が始まった――!

 

 

 

 

エドモン・ダンテス『静かな一室』

 

 

「まさかオレにも気をやるとはな。輝かしき英雄王」

 

「楽園に招かれた以上、優劣はない。我か、それ以外かの話だからな。――その焔、たまには燻ることも必要だろうよ」

 

「――マスターに、これを渡してやってくれ」

 

『コーヒー豆』

 

「――フッ。プレゼントとする辺り、あざとい男よな――」

 

 

式『不要』

 

 

「まだ仕事は終わってない。贅沢なんて出来るか」

 

「なんだ、意外に凝り性よな?やはり根は良妻賢母か。さぞや良き夫を迎えたのだろうな」

 

「っ――う、うるさい!だから、オレに部屋はいらない!コンビニがあるならいいんだ!いつか『あいつら』が帰ってくる日まで、あいつらの部屋を綺麗にしとかなきゃならないんだからな!」

 

「フッ、任せる。――貴様は存外、世話焼きだったのだな・・・」

 

『うふふ、部員の皆の事、大好きなの。彼女』

 

――うん!ワタシも、大好き!

 

(あっ――(遠隔消滅、そして水の波紋から復活))

 

ナイチンゲール 健康把握書斎

 

 

「感謝します。私はここで、皆様の健康を把握します」

 

「私室というより事務室ではないか。本当に良いのだな?」

 

「はい。皆様のために尽力できることが、何よりの喜びです。そして、貴方に感謝を、英雄王」

 

「ん?」

 

「このように衛生環境が整った場所に、私を招いていただいて。いつか世界の全てが、この場所と同じ清潔なものになることを祈ります――」

 

「・・・フッ。願うだけでは飽き足らぬ女の太鼓判を押させるとは、我の楽園も大したものよな」

 

アヴェンジャー 中学校

 

 

【おーおー、いい見張らし!さんきゅーさんきゅー!これで私ぁ忘れねぇな!私が何者なのかをさ】

 

「穢れが過ぎる。我に下らぬものを作らせおって。雑種の苗床など見るのも穢らわしいわ」

 

【まーま、そういうなって。ここは私の始まりの場所で、終わりでもある】

 

「ん・・・?」

 

【私が死んで、私が産まれた。――二度の誕生と新生ってやつ?悪意であれ救いであれ、ここがなけりゃ私はいなかった】

 

「――」

 

【だから、私は・・・『ここ』しか無いんだよ。求めるとするなら、な】

 

「好きにせよ。我はこんな納屋に感慨はない。下らぬ畜生どもの小屋などにはな」

 

【辛辣だねぇ。ま、頑張れよ~!倒れんなよ~!差し入れ、いるかい?】

 

「要らぬわ!」

 

 

武蔵『100万石倶利伽羅武蔵城』

 

 

「しろ――――!!?」

 

「貴様のような浪人には永劫縁のないものであろう?あえて作ってやったわ!時の流れと時空を歪めねばならなかったがな!」

 

「あ、ありがとうございます天下泰平御機嫌王様――!!まさか、まさか私が一城の主になるなんて!!よーし!リッカさん達招いて酒宴しなくちゃ!!」

 

「はしゃぐのはいいが、相応の働きは見せろよ?それと火の扱いには気を付けよ」

 

「おうとも!私、ここに骨を埋める――!!」

 

李書文『竹林』

 

「かたじけない。これで存分に鍛練が叶う――!」

 

「竹林だけでは風情に欠ける。武蔵めが言っていた茶屋もサービスで付けておいた。活用するがいい」

 

「豪気なことよ。益々、下手は打てんな――!!」

 

エレナ『マハトマ空間』

 

 

「ありがと!キチンとお部屋を用意してくれるだなんて・・・あなた、素敵な王様ね!」

 

「当然よ!我は天下泰平御機嫌王!ゴージャスなのだからな!ふはははははは!!」

 

「ふふっ、この楽園にしてこの王あり、ね!召喚されて、良かったわ――!」

 

「・・・奴等の暴走の際には貴様に真っ先に出立してもらう事になるのだ、要望を通すは当然であろう?」

 

「あちゃあ・・・」

 

 

エジソン『直流プレジデントハウス』

 

「誠に、誠に感謝する!この気持ち、我が光にて示さなくてはなるまい!!そう!直流の輝きにて!!」

 

「お前にはバビロンの火の電力管理の一端を担わせよう。カルナ、クー・フーリン、ヘラクレスの消費を取り戻し賄え」

 

「任せてくれ!!私はカッコいいエジソン!リッカ君や、皆の期待は裏切らないとも!もう!二度とだ!!!」

 

「喧しい!!耳許で吼えるでないわ!!」

 

 

ニコラ・テスラ『交流紳士マンション』

 

「まずは飲みたまえ。紅茶だ」

 

「紳士的なことよな。マンションとはまた珍妙なチョイスよ」

 

「天才とは孤高であり、また素朴である。頭脳を働かせ、また輝く場所があるならそれで良いのだよ」

 

「そうか。――貴様にはバビロンの火の一端を担わせよう。あと千年、追加駆動させてみるがいい」

 

「任せてもらおう。――では、このマンションの電力総てを担うとしようか!!」

 

「・・・それがやりたかっただけのようだな、貴様は」

 

 

チャールズ・バベッジ『フランモードと相部屋』

 

 

「でけぇ!!せめぇ!!おいマジかよ!相部屋ァ!?」

 

「わーい!せんせー!」

 

「我が嘆願、聞き届けられり。感謝を示す。英雄王」

 

「そやつがうるさいのでな。精々仲睦まじく過ごすがいい」

 

「えいゆーおー!ありがとう、ございます!フランは、うれしいです!」

 

「オレ狭いんだけどなー!金ぴかー!オレ狭いんだけどなー!!」

 

「次だ!」

 

「無視かァ――!!」

 

 

スカサハ『病室』

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「未だ目覚めぬか、だが同情はせぬ。これは貴様が望んだ結末なのだからな」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「精々味わうがいい。ソレが貴様の望んだ『願い』であろうよ――」

 

 

クー・フーリン・コンラ『森と暖かい一軒家』

 

 

「わはぁーい!わはぁーい!お父様と一緒だぁ!わはぁーい!」

 

「サンキュな、金ぴか。コイツぁ・・・感無量ってやつだわ」

 

「フッ、生前果たせなかった団欒、楽しむのだな。――先の特異点、見事であった」

 

「おう。だがオレ達の戦いは終わっちゃいねぇ。だろ?」

 

「うむ。――人理の焼却の先までとは、お互いに腐れ縁よな、猛犬」

 

「ハッ、だが・・・今のテメェは、嫌いじゃねぇ」

 

 

「ギル様ー!お父様ー!猪狩りや、釣り!歌や楽器をやりましょうよー!コンラ、やりたいこと、したかった事、いっぱいいっぱいあるんですからー!」

 

「おう!全部付き合ってやるよ!あぁ――全部だ!」

 

「ふはは!多少のスケジュールの遅れ、構うまい!」

 

――良かったね、コンちゃん・・・!

 

 

フェルディア『浅瀬』

 

「んん!感謝感謝!肉体の研磨には、乾布摩擦に限る!」

 

「冷静に考えよ。貴様はどこの出身だ」

 

「コノートだ!しかし・・・日本の文化にはよきものがあるなぁ!」

 

「フェルディア~?メイヴちゃんが差し入れ持ってきたわよ~?」

 

「メイヴちゃん!!サイコー!!!」

 

「うむ、馬鹿しかおらぬな。次!」

 

 

ロイグ『馬小屋』

 

「・・・ありがとう。マハとセングレンも喜んでいる」

 

 

「ブルル(えいゆーおー!ありがとな!)」

「ヒヒィン(セタンタのこと、よろしくね~)」

 

「ふっ、案外書斎を望むかと思ったが・・・」

 

「それはそれだ。・・・こいつらより大事なものなどない」

 

「ブルルァー!(オレもだー!)」

「ヒヒィ~ン(私も~)」

 

「・・・いつでも、呼んでくれ」

 

「うむ。早駆けに声をかけるとしよう。手入れを怠るなよ」

 

 

ラーマ・シータ『スイートホーム』

 

「ありがとう。城ではなく、屋敷ではなく。この小さい家こそ、僕が望んだものだ。・・・ここなら、シータ以外、何も必要ないのだから」

 

「ありがとう、ラーマ・・・英雄王さま。本当に、ラーマを助けていただいて、ありがとうございました・・・」

 

「フッ、我は我の思うままに振る舞ったのみよ。・・・最早神ですら貴様らを裂きはせぬ。思うままに過ごすがいい。タグにR18がつかぬ程度にな」

 

「――あぁ!じゃ、じゃあ、シータ・・・一緒に、ご飯を作ろうか・・・!」

「ふふっ、はい。英雄王さまは・・・御忙しい様子。お持ち帰りになってくださいね――」

 

「暇でも残らぬわ。無粋であろうよ」

 

 

メイヴ『ベッド・バス・リング』

 

 

「この衣食住を履き違えた混沌の間取りは如何なる理由だ?」

 

 

「戦う!汗を流す!眠る!ケルトの女子の理想の生活を総て詰め込んださいっこーの部屋よ!ありがと、英雄王!気前よく、恐れを知らず嫉妬しない・・・でも、貴方は男性本位だから私とは相性が悪そうね?」

 

「どちらかが組伏せられる頃には、どちらかが絶命していようさ」

 

「同感。さーて!リッカと無制限10本勝負!女子会しなくちゃね!そのあとはーお風呂入ってーフェルディアとーフェルグスとー」

 

「・・・規約に抵触するなよ。『タグの追加なく性的描写』は容認されぬ様なのでな」

 

 

アルジュナ『無繆の個室』

 

「ありがとうございます。私の、望み通りです」

 

 

「寂れた部屋よ。これが貴様の望みだと?」

 

「はい。――実のところ、私が望むものなど――」

 

「そう語り、踏み込ませたところを射殺す、か。虚無を語るには貴様は直情に過ぎる。口を開かねば何も産まれぬ平穏が確約されるのだぞ?」

 

 

「――――」

 

「おっと、図星を指したか。ふはは、少しは素直に振る舞うことだな。存外――『見合わぬことをすれば、新たな道は開ける』やも知れぬぞ?ふははははは!!」

 

「――私は・・・」

 

「へいよーかるでらっくす、アルジュナ。共に売店にいかないか。カレーパンが新発売だ」

 

「カルナ――!!」

 

 

ベオウルフ『ステーキハウス・ベオウルフ』

 

 

「なーんか通りがかるとガキが泣き出すもんでよ・・・てなわけで、イメージアップを図ることにしたぜ。ドラゴン専門店だ、食ってくかい?」

 

「剛毅なことよな。喉の部位は取り揃えていような」

 

「通だねぇ。あぁ、バッチリ焼いてやるよ!」

 

――ごくりっ・・・

 

《・・・食べていくか?》

 

――はい!!

 

フェルグス『ホテルの一室』

 

 

「セッティングは整った。後は女を招くのみ!」

 

「スカサハめが傷心中だ。貴様の包容力で癒してやるがいい」

 

「むむ!それは重畳!いやぁ、いよいよ姐さんと寝台を共にする日が――ははは!たぎる!たぎるなぁ!!」

 

「うむ、仲良くするがよい。そして食らい合え。――貞節は護らねばな。我が楽園の品位、落としてやるわけにはいかぬのだからな」

 

 

Mr.ダンディ『滝・ペンション』

 

「物凄く悪意を感じるこの配置!君これ、確信犯だろう!!」

 

 

「何の話だ、見晴らしがよかろう?人が落ちるには相応しい滝を見据えながら、お前は教鞭を振るうのだ・・・うむ、我ながらゴージャスに気が利くな・・・」

 

「ま、まぁ大丈夫サ、私も馬鹿じゃない。英雄王を出し抜こうだなんて思いはしないとも・・・あれ!?悪巧みしない私なんて魅力半減では!?」

 

「ライフワークのように宣うな。教授を生かせ教授を」

 

「ぐぬぬ・・・見ていたまえ!オルガマリー君を鍛えに鍛え、人類史上最高の邪悪所長(中身はそのまま)を産み出してみせるとも!Mr.ダンディの名に懸けて!」

 

 

「フッ、励めよ?ウルクアーツを目の当たりにしたくなったらいつでも言うがいい!」

 

「言わないからネ!?・・・あー、それとギル君、アラフィフ・ウイルスはネ?君の楽園の更なる進化を願って――」

 

「ジャンヌ!リッカ!」

 

「赦して――――!!!」

 

 

セミラミス『広大な敷地・教会、ゲート』

 

 

「此処に材料は総て仕入れておいた。後は貴様の製造次第よ。完成した庭園を運び出すゲートも追加しておいた。これで貴様の本領は、何時でも発揮できると言うわけだな」

 

「それは構わぬ、構わぬが・・・次の特異点、まさかもう入り用になるのか?」

 

「我等にもいい加減拠点がいる。何者にも侵されぬ拠点がな。貴様の庭園は、その為に拵えるものでもある」

 

「――材料と居場所、玉座、ぎょくざ!を用意した手前、文句はない。好きに使え。というか・・・」

 

「セミラミス~。お疲れ様です~」

 

「何故同じ空間に奴の教会を置く!なんの取り計らいだ!?」

 

「我の口からは、くっ、くく・・・言えぬわ!」

 

「貴様ァ――!!」

 

「ほらほら、二人も休憩しましょう。天草饅頭、美味しいですよ」

 

「・・・いただくとしよう」

 

「受け取ってやろう。ではな。甘美な毒、堪能せよ」

 

「おや、行くのですか?」

 

「うむ。先約があるのでな――」

 

 

太陽王の玉座

 

 

「うむ、よく働くな黄金の。だが、過労に蝕まれるようでは万全には遠い。休め、そして英気を養うがいい」

 

英雄王を労う太陽王。その顔は穏やかだ

 

「うむ。――妃はどうした」

 

「私用だ。気にするな。明日は設備の増強か?よい、許す。このファラオ・オジマンディアス。出費、支援は惜しまぬ」

 

「――羽振りがよいな、太陽の。いや、聞くまでもないか?」

 

「然り。此処は勇者どもの集う場所であり、英雄どもの王、それに寄り添う姫の楽園であり――」

 

太陽神の酒、天空神の酒を交わし合う

 

「余と、ネフェルタリの・・・アブ・シンベルであるのだからな――」

 

――太陽王・・・

 

 

英雄王と酒を酌み交わし、また、その中に眠る英雄姫を見据える太陽王の瞳は何処までも優しく、また、穏やかであった・・・――

 

 

・・・地獄より始まりし大改築は、此処に一区切りを終えたのである

 

 

 




《うむ、些か疲れた・・・》

――些か、で済んでいるのは皆様の優しさのお陰ですね。さぁ、後はワタシに任せて御休みください、英雄王

《うむ。任せるぞ、エア――》

――本当に、本当にお疲れ様でした。英雄王――


マイルーム

「ただいま、フォウ・・・?」

(お帰り!エア!)

「やはり、シャナの姿ですのね。ラーメスの言った通り。ふふっ」

「お疲れ様。あなたを待っていたわ」

「式ちゃん、ネフェル・・・フォウ、これは・・・?」

(休憩がてら、セッティングしたのさ。こんな美女が三人もいるんだから女子会しかないだろう?)

――フォウ・・・

(コミュニケーションをガンガンとるんだ、エア。ボクとギルだけじゃどうしても話題が片寄るからね。真っ当な女性の価値観に触れてみるといい。拳で殴らないし、暴力も振るわない、キャスパリーグチェックでも最上位に位置する二人だからね。きっとエアのプラスになるはずさ)

――うん!ありがとう!

「さぁ、座って?ラーメスが気に入っている料理を振る舞わせていただくわね。彼、言っていたの『姫と尊さを交わし合え。生まれる輝きはラーをも越える』と」

(解ってるぅ!)

「ふふっ、では私も本気を出しちゃおうかしら。板前料理は得意なの。振る舞う相手がいるのは素敵なことね?」

「日本料理、楽しみにさせていただきますわ、式様?」

「ワタシも負けていられません!メソポタミアシチュー、是非是非友達の二人、親友の一人に味わっていただかなくては!」

「ふふっ。では異文化交流をしながら、女子会を始めましょうか」

「年頃の女の子のようにはしゃぐ・・・素敵な経験ね。忘れないわ、ずっと――」

「では、皆さん台所へごー!です!ちょっと待っててね、うんと美味しい料理、食べさせてあげるからね!フォウ!」


(行ってらっしゃい、エア)

「ふふ、シャナは動物が好きなのね。式が言うには、ツル、という鳥が――」


(・・・尊い・・・)


フォウは安らかに目を閉じた――

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