人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ブラックマーケット人材派遣ビル 入口フロント

マーケットガード【止まれ!】

マーケットガード【カイザーPMCを壊滅させたアダム・カドモンだな!】

アダム「アロナ、生徒達の反応をスキャン後にヒフミに伝えてくれ」

アロナ『はい!先生は…』

アダム「決まっている」

マーケットガード【単騎で来るとは舐めた真似を…!】

マーケットガード【生きて返すな!】

アダム「私の愛する生徒に手を出したらどうなるか…」

「───骨身に刻む形で教えてやる」


彼女らの装備はプラモデルの出来栄えにより強さが変わる

『こちらフリーダム、保志ヤマト。ブラックマーケットの領空に到達。制空権の確保に移ります』

 

蒼き翼を羽ばたかせ、天空を飛翔するストライクフリーダム、保志ヤマト。プラモデルアーマーに身を包んだ彼女が、ブラックマーケットのターゲットとなるビル周辺に突貫する。彼女のミッションは、空中戦力やマーケットガードの遊撃と撃破である。

 

『敵対反応の出現を確認。先制行動で敵の戦力を削ります』

 

多対一の戦闘の不利を覆すことに特化した多様武装のストライクフリーダム。彼女は作戦遂行の成功率を上げる為の切り込み隊長の面を担っていた。

 

『マルチロック開始。全目標範囲補足…』

 

その武装の数は驚異的であった。ビームライフル二本、レールガン二本、カリドゥスビーム砲一門、自立ビームユニット、スーパードラグーン八門の十三つの兵器全てを敵の補足に費やし、殲滅を可能とする。

 

『行っけぇえぇえぇえ───!!』

 

武装を全展開して放つハイマット・フルバースト。本来ならば想定されぬハイマットモード、フルバーストモードを両立させた一斉砲撃の範囲制圧能力は凄まじく、狙われたマーケットガード会社の警備員たちは戦闘不能を余儀なくされる。

 

「対空ミサイルを放て!何をしている!」

「そ、それがマーケットガード各域で戦闘が!襲撃です!」

 

同時にシャーレ戦力が陽動と撹乱を開始。一斉に戦線を展開することにより対処の手と戦力を大いに分散させる。人材派遣会社周辺は、アダムの真正面からの侵攻…破壊活動も含め大混乱に陥っていた。

 

『心が傷付いてしまった皆がどんな気持ちなのか、知ろうとも知らない人達なんかに…!』

 

「兵装ドローンに飛行兵装部隊を出せ!対空戦力をあの青い羽根のカトンボにぶつけて叩き落せ!」

 

当然ブラックマーケットも馬鹿ではない。治外法権ならではの違法武装に身を包んだガード部隊がヤマトを取り囲む。

 

「放て!撃ち落とせ!」

 

一斉に放たれる火力の面制圧。ヤマト一人に撃ち放たれた火力は一個小隊クラスの制圧射撃であったが、何とヤマトは華麗かつ流麗なマニューバによりただの一度も被弾せず、逆に頭部や武装を撃ち貫き反撃により加速度的に敵の戦力を削っていく。

 

「なんだ!?アレは神秘装甲の一種なのか!?」

 

「やはりキヴォトスのガキ共のノウハウを…!」

 

『あなた達と私達では勝負になりません。降伏を』

 

「図に乗るな!無法者風情が!戦力を回せ!撃ち落とせ!」

 

『止めろと言っているのに…。死にたいのですか!』

 

ヤマトは爆発力のアスカや意外性やセンスのサラと違い、データや地道な鍛錬による磨き上げられた技術による強さを誇る。敵を分析し、敵を知り、己の最適解を常に選択する。無味乾燥なまでの容赦のなさを表す戦いを得意とする。

 

そこに加え、彼女は情が深く同時に隠れた激情家で、怒り出すと相手への慈悲を取り去り戦いが無慈悲に更に寄る。ビームサーベルや蹴りを多用している様は、その怒りが生徒を攫った悪辣な大人に向いていることを示唆していた。

 

「駄目です!阻止できません!強すぎる…こんな兵器が…!」

 

「武装ヘリを展開しろ!装甲と火力で人型兵器など押し潰せ!!」

 

ドローンや浮遊部隊が粗方撃ち落とされると、巨大な武装ヘリがヤマトの前へと現れる。ミニガン、ガトリング、ミサイルなどの武装はヤマトには脅威の火力である。

 

「撃ち落とせ!!」

 

そのまま間髪入れずにヤマトに一斉射撃が放たれる。当たれば装甲が薄いヤマトは一撃戦闘不能すら危惧される火力だが……。

 

『ヤマトさんをやらせるもんかよ!!』

 

そこをフォローせしは、紅き翼の鈴村アスカの駆るデスティニーガンダム。素早く長距離射程ビーム砲とフラッシュエッジによる迎撃で、ヤマトの被弾をゼロにするバックアップを果たす。

 

『アスカ!ヘリをお願い!』

『任せてくださいヤマトさん!てぇえぁあぁあぁあぁあッ!!』

 

アスカが翼を展開し、圧倒的な速さで武装ヘリの懐へ侵入。対艦刀アロンダイトを展開する。直衛もないヘリなど、その無力を晒すのみ。

 

「対艦刀だと!?ば。馬鹿な!そんなものを携行できる兵器などある筈が───!!」

 

言い切れずに爆散する武装ヘリ。先に言ったように、デスティニーは大型兵器や戦略的重要要素を破壊し、覆していく役割を忠実に果たしているのだ。

 

『陽動は私が!ヤマトさんはリッカと一緒にビル戦力の無力化を!』

 

『解った、アスカ。リッカ、行こう!』

『無茶しないでね、アスカ!』

 

『へへっ、勿論!信じてよ、絶対に負けないから!』

 

ストライクフリーダム、並びにヴァルキュリアガンダムの背後を護るように、数を増やしていく無数の空中戦力に立ち塞がる。

 

『来い!!数ばかり居たってどうしようもないことを教えてやる!!』

 

地上ではシャーレの戦力が。空中においてはカルデアの戦力が共に奮戦する。その中において──ヤマトとリッカの役割はビルへの血路を開く事。

 

『リッカ!ビルから何かが出てきたみたい。あれは…』

 

『見たことない武装…もしかして、ノウハウ研究の成果ってやつ…!?』

 

生徒達を攫った人材派遣会社。件の会社側も人体実験により神秘をある程度再現し武装へ落とし込んだのだろう。神秘装甲精鋭部隊とも言えるそれは、騎士団のような上級組織であるのだ。

 

『だけど───そんな悪意に満ちた力で私達は阻めない…!』

 

OOクアンタ、ウィングガンダムゼロ(EW)、ユニコーンガンダムのミキシングにより…魔神柱への赦免の為に作られたヴァルキュリアガンダムは、ヤマト達の力を以てしても隔絶した領域に存在していた。

 

『そこを退いて!私達は友達を助けに来たんだから!』

 

リッカがヴァルキュリアガンダムとシンクロし、腕を薙ぎ払う。攻撃とも呼べないその動作は、しかし恐ろしい成果を残す。

 

「う、うわっ!?」

「装備が、勝手に…!?」

 

なんと、ヘイローや生徒を解析して作り上げた神秘の装甲。銃を含めた全ての武装が、何と時を巻き戻したかのように分解、構成前にバラバラになっていく。銃は組まれる前のパーツとして、装甲はただの原材料の集まりに。

 

それは榊原が赦免の為に、誤解なくわかり合えるという願いを込めたヴァルキュリアガンダムのフルサイコフレームによる干渉。精緻を極めた史上無二の傑作機は、T型の子機を通じて様々な摩訶不思議現象を巻き起こしたのである。

 

『こちらサラ、ヒフミチーム!ビルから高出力のバリアが展開された事を確認した!』

 

優勢かと思うのも束の間、突入を担当するサラから切羽詰まりし連絡が届く。突撃かつ生徒の居場所と救出を担当する彼女の懸念は、そのバリアにあった。

 

『奴等は物理的な突入を阻むつもりだ。アダム先生にビル内全戦力をつぎ込むつもりだろう。リッカ、ヤマト!このバリアを抜けれるか!?』

 

『私は面火力だから…そういうのはリッカが得意だよ。大丈夫』

 

ヤマトの言葉通り、時間が惜しいとばかりにリッカは構えに入っていた。それは両翼にマウントされし、ツインバスターライフル。

 

『ゼロシステムで、三回射撃を同じ場所に叩き込む…!その後はライザーソードをねじ込んで叩き切るからそのまま突入して!』

 

宣言通りにツインバスターライフルを構え、即座にエネルギーをフルチャージ。戦艦主砲すら遥かに上回る一撃を、立て続けに撃ち放つ。

 

『そこ────!!』

 

一発目はバリアの真正面に轟音と共に相殺被弾。

 

二発目、三発目は一発目のコンマ数ミリもズレずに同時着弾。ゼロシステムのアシストありきとはいえ、リッカの射撃技術は女神譲りのものだ、外す事などありえない。

 

『トランザム!!』

 

大きく穿たれし穴、そこにダメ押しを完遂するためにヴァルキュリアガンダムに備わった第三の機能、トランザムを展開しリッカが紅蓮に輝く。

 

『切り裂けぇえぇえぇえぇえッ!!』

 

翼部分に格納されていた、フェザーソードビットが結合したGNバスターソードを展開しリッカは風穴の空いたバリアに超巨大なエネルギー刃をねじ込み、完全にバリアを破壊し活路を遂に開ききる。

 

「サラ!行って!」

『ヒフミちゃん!気をつけて!』

 

「も、勿論です!アカペロロ様に付いていきます〜!」

『その奮闘、決して無駄にしないぞ…』

 

『救出が完了するまで、ここは私達が引き受けよう。そして信じよう。サラとヒフミを』

 

『うん!勿論だよ!』

 

敵が無制限に湧き出る絶望的な状況でありながら…。

 

二人は心より信じることが出来た。学園は違えど立ち上がった仲間たちと、何より──

 

自らに力を託し導いてくれた、『大人』という存在を信じ、リッカとヤマトは奮戦を貫くのであった──。




上空

サラ『突入にはリフターを使う。しっかり掴まっていろ!』

ヒフミ『い、いくらなんでも本社のフロアに外から突撃だなんて…アカペロロ様ったら大胆です!』

サラ『突入するぞ──!!』
『きゃあぁあぁあぁあ!?』

先んじてアダムから送られた、生徒達の所在位置の近くへと突入するためアカペロロが乗るリフターと、ビーム刃まみれのリフターが同時に展開される。

『行くぞ────!!』

バリアや壁すら突き破り、その後に、内部へと侵入を果たしたサラにヒフミ。

「無事か?ヒフミ」

ヒフミ「はい、アカペロロ様…。…?」

サラ『私から離れるなよ、ヒフミ。…囲まれてしまったかもしれないな…』

サラ達のその周囲には、ガスマスクを付けた無感情の存在。

『これが、アリウスの特殊部隊か…!』
ヒフミ「か、かか、囲まれてます本当に…!」

アカペロロとヒフミは生徒達を前にして、王を護る憎しみの化身達に行く手を阻まれるのであった………。

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