ルフィ「!!」
クザン『アイスエイジ』
サニー『』
ルフィ「サニー!!皆……!!」
ボルサリーノ『おっとォ。逃さないよォ〜?』
ルフィ「ぐアァ!!」
サカズキ「そのまま仲間も船も、粉々に砕いちょる…!!」
ルフィ「や─────」
サカズキ「よう見ちょれ麦わら海賊団…!!これが悪の末路じゃァ!!」
ルフィ「止めろォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
?【天竜人のペットが偉そうにしてんじゃねェや!!!】
サカズキ「!!!!!」
ルフィ「え…………──」
アンリマユ【よう、三匹のお供共。躾にきてやったぜ?】
ルフィ「リッカ………!?」
「あらら………黄猿の旦那に蹴り飛ばされた割には元気そうじゃないの。だが……」
【────────】
「……見るからに異質だね、どうも。麦わら海賊団にあんたみたいなヤツがいたとは聞いちゃいないんだが……」
青キジにサニーと仲間を氷漬けにされ、黄猿に抑え込まれ、赤犬にそれら全てを粉砕されかけたルフィ。慟哭の絶叫を上げるしかなかった彼と仲間を救ったのは──
【オイタが過ぎたな、三匹のお供どもよぉ。さっきまでの私がどれだけお行儀良かったか…】
「リッカ…………なのか……!?」
【骨の髄まで教えてやらァ!!!】
鎧がより強く禍々しく変化した、リッカの姿そのものであった。一見すれば、それがリッカとわかる要素は無いほどに。
「『八咫鏡』」
「『アイスタイム』」
一度ルシファーに惨敗を喫している大将に、油断の二文字はない。常に全力かつ全霊の手段を行使しリッカを…否、悪神アンリマユを排除しにかかる。
【ケッ、笑わせやがる。いくら粋がろうが所詮は能力頼りの大道芸…】
嘲りながら、アンリマユは槍を召喚する。世界をかき混ぜる天沼矛。リッカの日本人の血筋が使用可能とする対界宝具。それを起動し──
【弱点生やしたか弱い生き物に変わりはねぇんだよ、クソボケ共がァ!!】
瞬間、辺り一面を瞬時に『海水』が満ちるフィールドへと変化させてしまう。テラフォーミング、固有結界にも類するほどの世界浸食、あるいは改竄。それらにより、能力者を確実に減衰、無力化する手段は確立されていたのだ。
「おやぁ〜〜…………しまったねェ……〜」
【映画見たから知ってるぜお猿さん。お前が一番能力頼りのクセがあるってなァ】
邪悪な笑みを浮かべながら、ボルサリーノへアンリマユが最接近する。洗練され鍛え抜かれたリッカの移動とはまるで違う、無限の魔力による力任せの推力──
【テメェはもっかい【やり直し】だァ!!!】
「!!!!!」
力の限りの渾身のパンチ。先の蹴りの意趣返しとも言える必殺の一撃が胴体へと叩き込まれる。命をも奪い去る、必滅の威力の拳。
(こりゃあ……いかん───!!)
次に吹き飛ぶのはボルサリーノであった。マングローブにめり込む程度であった威力とは比較にならず、諸島の遥か彼方にまで吹き飛ぶその一撃。ダメージも距離も、戦線離脱を余儀なくされた。それはリッカが受けたダメージの返礼でもあったのだろう。
「く………やり返してぇが、どうも力が入らねェ……」
青キジ、クザンはガープの薫陶を受けているために体術にも秀でているが、能力者の宿命として海水を受けた状態では力を発揮できるはずもない。精彩を欠いた動きに、アンリマユは歪んだ笑みを零す。
【弱いヤツは死に方も選べねェ。とびきり無様に仕留めてやるぜ?昼行灯】
槍に続き召喚したのは、女神の弓オルテギュアー。リッカへの愛と祝福の代わりに絶対悪を装填することで、破壊力と貫通力を極限まで高めきりフルオートモードにて──無慈悲に斉射する。
【釣瓶打ちってヤツだ!キジも泣かずば撃たれまいってなァ!!】
「!!!!!」
虚空から海を生み出す。そんな能力者にとって最悪の無法を披露された三大将の二人は見るも無惨に制圧されていく。圧倒的な暴力、という点ではかつてのサタンに似通うが、アンリマユのそれは残虐かつ、徹底的に悪意に満ちたものだ。まともに戦わず、一方的に蹂躙する悪辣極まる殺戮。
「また負けかよ……どうなってんだ、最近の海賊事情は…」
全身をくまなく貫かれ、クザンが撃沈する。青キジ、という名を皮肉るような、徹底的な狩猟とも言うべき手法で対処した。
リッカは今回、アンリマユに肉体の主導権を委ね、アジーカに魔術回路を預けた。それはつまり、アジ・ダハーカとも違う【悪神アンリマユ】の受肉顕現状態の再現。ここにいる存在は、リッカを器とした絶対悪の神アンリマユそのもの。
海軍大将を真っ向から討ち果たすには、自分の人生の経験では不安が残る。ならばリッカの半身たる古の神性…アンリマユとアジ・ダハーカたるアジーカを頼ったのだ。原初の信仰拝火教、万物の悪たる彼ならば、格においても悪魔の実程度の能力など意にも介さない。人生経験、並びに能力修練のアドバンテージを覆す為の起死回生の奇策であった。
【最後はテメェだ、顔真っ赤の犬っころ。踏み躙った善良な市民の皆様の怒りをテメェに叩き付けてやるから有り難く受け止めな】
「舐め腐りよって……!!若造がァ!!」
サカズキの鍛錬は二人を隔絶していた。其の為、能力者として致命的な弱体を受けていてもアンリマユへと拳を振るう膂力を有していた。鎧が軋む程度の拳が、叩きつけられる。
「もう二度と、わしらは負けるわけにはいかん!!海軍の絶対正義を、揺らがす訳にはいかんのじゃァ!!」
【…なんだ?マグマグしちょらなきゃこんなもんなんか?マダオ声の大将さんよ】
だが、あくまで拳が鎧を揺らしただけ。芯に響くようなものではなく、アンリマユは避けなかった。避けるまでもない拳だったのだ。
【そんなに正義が好きならよ、私が絶対普遍の正義ってやつを今から見せてやる。有り難く思えよ?】
「なんじゃとォ…!!」
【答えはシンプル…!『勝った方が正義』ってヤツだ!!】
鎧のブーストを最大限に展開。魔力放出による莫大な推力を展開し、サカズキへのパンクラチオンのフルコースが始まった。
【ヒャハハハハハハハ!!二度と散歩出来ねぇようにしてやるぜェ赤ワンちゃんよォ!!】
「ぐああァ……!!!!」
マングローブ中に叩きつけながら、身体を徹底的に破壊し尽くすパンクラチオン。それは無慈悲なまでに、人体の破壊に徹底的に特化した殺人格闘術。
【お得意の正義はどうしたァ!!小を切り捨てた大の正義はそんなもんかァ!?】
「………!!!」
【懸命に生きる愚民の皆様を蔑ろにしてェ、特権階級が成立するワケねぇだろうがよ、クソッタレがァ!!】
そのパンクラチオンにはリッカの怒りもまた込められていた。先の侵略には、民家や集落が何件も焼き尽くされているのを確認している。被害を構わずサカズキが海賊を拿捕した為に。
そこには、リッカが護りたい当たり前の人々の幸せがあった。世界を焼き払う灼熱…。リッカが容認できる要素など、何処にも存在していなかった。その怒りの果が、叩きつけられる。
【テメェ等の正義は誰を護ってんだァ?いけすかねぇ天竜人か?どうでもいい歴史の真実か?しょうもねぇ絶対正義のプライドかァ?】
「……………!!」
【特権階級の首輪付きにすぎねぇ哀れな飼い犬がよ。命を懸けて吹けば飛ぶような幸せ護ってる『私』に勝てるわけねぇだろうが、あァ?】
アンリマユからしてみれば、正義は善から生まれるもの。正しき正義であるならば、アンリマユが勝てる筈もない。彼は討ち果たされ正義を証明する者。絶対悪を討つものこそ絶対正義。
即ちそれは──天竜人の走狗となり、弱者を虐げる海軍の正義が欺瞞の張りぼてでしかない事の、何よりの証拠であったのだ。アンリマユは、そこにある正義を期待していたというのに。
【人間正しくなきゃ生きる価値なし。良い言葉だ、真理だと思うぜ?だからよ、赤犬】
「………!!!」
【テメェはもう一度正義のなんたるかを学び直して来やがれって話だぜ、ボケが!!】
そのまま、サカズキの身体を荒々しいサブミッションで破壊し尽くすアンリマユ。傲慢なまでの無慈悲な一撃により、サカズキは完全沈黙を果たす。
「ガフッ───!!!」
【安心しな。叩き付けは勘弁してやるぜ。精々ベッドでねこけてな】
こうして、三大将は再びの大惨敗を喫する。サタン、アンリマユという神の領域の両名が、正義の象徴を蹂躙し尽くした。
【末法の世極めてるぜ。死んだほうがいい世界ってのは伊達じゃねぇな。ヒャハハハハハハハ!!】
世界を嗤うアンリマユは…リッカが持つ最悪の切り札でもあったのだ。
リッカ「ルフィ船長、大丈夫ですか…!?」
ルフィ「ウゥ、グゥ………!ゥ、ゥ……!!」
リッカ「ルフィ船長、ケガを…!?」
ルフィ「違う!違うんだ…!おれ、おれは今…情けなくて、恥ずかしい…!」
リッカ「…!」
ルフィ「全部、全部リッカに助けてもらった…!あいつらも!ロボットも!おれが、本当はおれがみんなを護らなくちゃいけないのに!船長としての務めなのに…!!」
リッカ「…ルフィ、船長……」
ルフィ「ありがとう、リッカ……!情けない船長で、本当にごめん……!!」
リッカ「……………」
ルフィ「おれは!!!弱いっ!!!!!」
ルフィの嗚咽と慟哭が、シャボンディ諸島に木霊する。
ルシファー『……なるほど…くまが来たのは、こういう事か…』
その様子を、確かにルシファーは見つめていた…。
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