海兵「そ、それが…!サカズキ大将、ボルサリーノ大将、クザン大将が総出にて!『パシフィスタ』『戦桃丸』も投入しシャボンディ諸島に!!」
センゴク「なんだと………!馬鹿な!この『白ひげ』との決戦もあり得るタイミングで…!!」
ガープ「むぅ。もしやあのガキ共は勘づいたのやもしれん」
センゴク「なんだと…!?」
ガープ「一夜の伝説…拭えなんだ屈辱…!そう【サタン】の存在を確信し…汚名を濯ごうと!」
センゴク「………尚更、戦力を二分して敵う相手ではあるまい………!!」
ガープ「目論見が当たっているとして…さぁて、リベンジに燃えるひよっ子共はどこまでやれるかのぅ。あの【大魔王】相手に…!」
「お、おい!あれは…!!」
「嘘だろ、早すぎる!もう来たってのか…!?」
混迷極まるシャボンディ諸島。一般的な海賊は命がいくつあっても足りないであろうこの死地にて、次々と脱出を試みた海賊船が見たもの。それはある意味で死刑宣告にも等しいものであった。
「海軍の軍船!!いくらここが世界貴族の膝下だって、あまりにも────」
海賊船、木端の海賊たちはそれ以上言葉を紡ぐ事は叶わなかった。次の瞬間、徹底的な正義の行使が行われた故に。
「うわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!」
瞬間、天から『光』が降り注ぎ、海が『冷気』により氷付き、『マグマ』の鉄拳により数多無数の海賊船が一息に薙ぎ払われた為である。最高峰の能力、ロギア…自然系の能力行使。その持ち主など今更語るまでもない。
「邪魔じゃア、木端海賊ども。さっさと塵にならんか…!!」
「流石に向こう側もこんな手厚い包囲は予想できませんでしょって。仕方ないところはありありなんだから手心をねェ…」
「ん〜〜〜〜。そうも言ってられないよねェ〜…わっしらは『リベンジ』に来てるわけだから、クザン君…」
「…まぁ、そうなんですが。…天竜人を躊躇いなく害せるなんざ、間違いなく【大魔王】の傘下の連中だろう」
「構う事はない…!わしらの失くした『正義』を!あの邪悪を討つことで取り戻さにゃあ始まらん!!」
赤犬、黄猿、青キジ。なんと、海軍大将三人が肩を並べてシャボンディ諸島へと脚を運びやってきたのだ。海軍大将の天竜人護衛の任に、三人はあまりにも過剰戦力である。
しかし彼等は知っていた。想定される相手の強大さを。億超えのルーキーなど足元にも及ばない、新時代においても四皇すら上回る危険度を有する聖地の破壊者、大魔王サタン。かつて手痛い惨敗を喫した彼等は、そのリベンジの為にやってきたのだ。邪悪の目を、ここで摘むために。
「パシフィスタを先行させろ!ボルサリーノ!先行させた戦桃丸と合流させてひよっ子共を包囲し殲滅!!」
「やってるよォ…でも、連絡がつかなくてねェ…」
「…旦那、その黒いのは盗聴用だぜ」
「あ…。…もしもし〜?戦桃丸君?」
『オジキぃ!なんだってんだその戦力は!?赤犬の旦那に青キジの旦那まで連れてきたのか!?』
「パシフィスタもいるよォ〜〜〜…」
『なんだってそこまで……』
「いるからだよ。【大魔王】の配下…或いは【大魔王】そのものがね。だから…借りは返さないとならないし、放ってたら天竜人が大将引換券にされちまうからさ」
『大魔王…まさか、サタンか!?馬鹿な…!いや、あいつらはまさか…!』
「無駄口を叩く暇があるなら手と脚を動かさんか!!海賊という悪をパシフィスタと共に殲滅せェ!!」
『りょ、了解!!』
「勝てますかね、俺等」
「馬鹿な事を抜かすなクザン!わしらが勝たなきゃ、正義はたち行かん!再び世界に正義を掲げるためにものぉ!!」
「見つかるといいねェ……無駄足は困るよォ〜……」
そうして、シャボンディ諸島に海軍の最高戦力と、準ずる兵器が大量に投入される事となった。降り立った『パシフィスタ』と呼ばれる大柄な男の姿を模した兵器は、その圧倒的な制圧力と防御力を縦に、逃げ遅れた海賊や最悪の世代達を確実に追い立て、追い詰めていく。
「くそっ……!どこまでふざけた1日だ…!」
「泣き言を抜かすな、ユースタス屋。生き残りたきゃ戦え」
「誰に向かって口を聞いてやがる…!!」
サイボーグ…鋼鉄の肉体に光のビームを搭載したパシフィスタは、その圧倒的な性能により億超えの賞金首すら圧倒せしめる実力を発揮する。ユースタス・キッドやトラファルガー・ローを同時に相手取りなお押すほどに。
「木端海賊にかかずらうな!わしらが成すべきは、潜伏しているであろう【大魔王】の捜索と討伐の他に無い!!」
「へいへい。連行する船もねェんで…巻き込んだ海賊は殺してし行くって事で…」
「大丈夫だよォ〜…戦桃丸君が直に見つけてくれるだろうしねェ〜〜〜……」
海軍大将は目に付く悪を片端から薙ぎ払っていく。氷、光、マグマの行軍は、通る後にも先にも等しく悪を決して許さない。鏖殺の正義を掲げ、海賊達を薙ぎ払いながら進んでいく。
「どこじゃァ…!サタン…!!おどれを討たにゃ何も始められん…!!」
三人は、背負うべき正義のコートを羽織っていない。聖地マリージョアにてサタンに惨敗した際、奪われてしまったが故にだ。それは海軍において死よりも重い屈辱であり、苦渋と辛酸を同時に舐めたかのような忸怩たる思いを三大将は抱え今日まで生きてきた。
その失墜した正義と、自身を見つめ鍛えなおさんと決意した三大将は、過労死すら視野に入る過密スケジュールで偉大なる航路中を巡り海賊達を検挙、或いは討伐を続けた。大海賊時代に海に蔓延るミーハー達は、大いにその数を減らした。
しかし、それでは足りない。大魔王サタンの姿は世界の何処にもなく、ただその伝説と伝承が非加盟国を中心に爆発的に広がるのみ。
何度か散見された目撃情報は、下界に降りた天竜人の近くのみ。紛れもなく、サタンは天竜人のみを目当てに海を活動している。今残る天竜人は、最早本来の2割を切り断絶の危機を迎えてすらいた。
早急に大魔王を討ち取らねば、この世界の秩序は崩壊する。海軍も、海賊も等しく害する世界の敵たる大魔王。それらを討ち果たさなくてはならない。奪われた正義を取り戻さねばならない。
『黄猿のオジキ!億超えのルーキーの洗い出しは終わってる!『トラファルガー・ロー』『ユースタス・キッド』『ウルージさん』『アプー』『カポネ・ベッジ』『ジュエリー・ボニー』『バジル・ホーキンス』!どれからやる!?』
「おー、そうなの…じゃあ…」
「待て。麦わらのルフィ…ドラゴンの息子はおらんのか?」
『あ、あぁ…見かけてないが…』
「探せ!!ひよっ子が揃っているならあいつがおらんはずがない!ヤツはここで摘まにゃァならん…わしの勘が訴えよる!!」
『りょ、了解!』
(麦わら…いつ以来か。もしいたら運が悪いって話じゃあねぇが…)
「その過程で見つけたひよっ子は全て仕留めろ!!いずれ海に害を成すゴミ共じゃァ、多少の被害は構わん!!いざとなればシャボンディ諸島もろともに沈めることも考える!」
『な、何言ってんだ大将!?』
「安いもんじゃァ!それでひよっ子諸共やれるんならのぅ!!さっさとやらんかァ!!」
『…了解…!』
「おォ〜…あまり戦桃丸君をイジメないでもらいたいねェ〜…」
「悪とサタンを討ち取れば、憂いなく白ひげと事を構えられる…!合理的な話じゃろう!重大性を理解するならやらねばならん!!気を引き締めろ、お前ら…!!」
サカズキの徹底的な正義は、シャボンディ諸島をマグマのように埋め尽くしていく。いずれ完全に、この諸島を海に沈めんとする程の熱量と共に。
『目星がついた!41番マングローブの船舶地に麦わらの一味の船を発見!』
「パシフィスタを向かわせ包囲しろ!!海賊共を始末しながら向かう!!」
(あらら…今度こそここまでか?麦わら海賊団…!)
(くまァ…お前さん、どこでなにやってんだい…)
──運命の時刻が、すぐそこにまで迫っていることを、ルフィ達はまだ知らない。
【見えたよルフィ船長!待ち合わせ場所の13グローブ!確か、コーティング屋のレイさんがあそこによくいるとか!】
「よし、ケイミーたち避難させてすぐサニーに戻ろう!メリー!リッカ!頼む!」
『解った』
だが…今のルフィの傍らには【異分子】が付いている。
それがどう転ぶかは…未だ確定せぬ未来であった。
サタン【…君の意志は解ったよ。君がなぜボニーを気にかけるのかも】
くま「解ってくれたのか。ありがとう…」
サタン【どうあれ、今シャボンディ諸島は騒がしい…。後でゆっくり話そう。一杯飲んだら…ここを【静かに】する】
くま「!」
サタン【それと…君、自我を無くしちゃうんだって?もうすぐ】
くま「…あぁ。そういう約束で、俺は娘を助けてもらった」
サタン【後でサターンは半殺しにするか…】
くま「?」
【こっちの話。…どうせ無くしちゃうならさ】
【君の自我、僕にくれない?】
くま「!?!?」
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