サタン【だろうね】
バーソロミュー・くま「故有って…俺は麦わら海賊団と、ジュエリー・ボニーを逃がしたい。そして…」
サタン【!】
バーソロミュー・くま「彼等を、より強くする場所へと導きたい」
【……………と】
混沌、混迷を極めるシャボンディ諸島。──サタンは七大魔王について一つの指令を下していた。
【海賊を狩り賞金を稼ぐ】。即ち、海賊でも海軍でもない第三の選択肢。首にかかった懸賞金を目当てに、七大魔王たちはシャボンディ諸島へと網を張っていた。
ルシファー…サタンは天竜人のみを対象としたハンティングの為、十把一絡げの海賊達はバアル、アスモデウスに丸投げしている。そして彼は最寄りのぼったくりバーにて七武海の一人、バーソロミュー・くまと接触している中…七大魔王は、それぞれの職務と責務、使命を全うしていた。
色欲の魔王アスモデウスは、純粋なる賞金首の狩猟。殺してもいい賞金首、生け捕りにしていい賞金首の区別はベルゼブブとアスモデウスしかできないためだ(他は等しく大ざっぱなため)。そのため、彼女は最も海賊と戦う立場な為…
「強き女姓…怪僧としてお手合わせを願わずにはいられん!お付き合い願おう!」
【あら…あなたは確か、ウルージさん?億超えの一人の】
「名前を覚えてくださるか。ならばこちらも刻まれよ!【因果晒し】!!」
ウルージの渾身の拳が、アスモデウスへと叩きつけられる。空島出身の怪僧、身体を肥大化させた、因果の晒し者。顔面へと叩きつけられたアスモデウスは…
【ごめんなさい。私…興味はありませんの】
「!?」
【弱いものいじめには】
だが、体格差が数倍以上の相手の拳を顔面に受けたにかかわらず微塵も揺らがぬアスモデウスが、返す拳をウルージに返す。細腕から繰り出されたその一撃は──
「痛ァ!!」
遥か彼方、マングローブにウルージを叩きつけそのままへし折る程の勢いで吹き飛ばす。アスモデウスの真骨頂とは、何の混じり気もない肉弾戦。
【新進気鋭の御方。強く逞しくなりまたいらして?】
アスモデウスは色欲の魔王。その戦法とは肉体と肉体のぶつかり合い。肉体が奏でる色、本能を力にする。【褥で鳴らす肉体は福音。戰場で鳴らす肉体は高揚】。触れ合いから、彼女は相手を知り叩き潰す事を理解とするのだ。
ただし、サタン…ルシファーには触れられない。【嫌われていたらどうしよう】【本当の気持ちを知るのが怖い】という理由から来る乙女心である。
「んぬぅ…!げに高きは新世界の壁…!」
叩きつけられたウルージは…どこまでも笑顔であった。
そして、ベルゼブブは人攫い、賞金稼ぎの殲滅。高潔な彼は、蔓延る腐敗と不浄を貪り食う事を選択したのだ。
彼の聖霊は、ベルゼブブの際には死の蝿となる。それら全てを指摘するベルゼブブとは、死と病そのものに等しい。賤しい人攫いなど、生きながら身体を貪り食われるのみ。
「貴様…我等にこのような真似をして…ガハッ!!」
【喋らぬ方が良い。口に蝿が入るぞ。内臓から食い荒らされたいか】
「……!!」
ロズワード聖を確保したのは…単なる成り行きであった。
更に場面を変え、海賊達が逃げ出す街角にて…そこにもまた、魔王の手が伸びている。
「おい!お前らどうした!いきなり……」
「「「「「あ〜…………」」」」」
「いきなりだらけちまって!!!」
絶叫する海賊。そこに広がるのはこんな状況にも関わらず眠りこけ、だらけきった仲間達の姿。あまりにも状況に似合わぬ行動に、困惑顔吹き荒れる。
「いや…もう何もかもがめんどくさくなって…」
「死ぬならそれでいいや…」
「生きてて辛い」
「何言ってんだ!大将が来るんだぞ!起きろ!起きろオイ!起きてくれェ!!」
【( ˘ω˘)スヤァ】
その怠惰極めた状況を作り出したのは、怠惰の魔王ベルフェゴール。彼の怠惰は「世界を取り巻く全てへの倦怠」の為、例え新進気鋭の存在であろうと全てを堕落へと引きずり落とす。踏み込んだ者に、抵抗は許されない。
【( ˘ω˘)スヤァ】
ベルフェゴールは決して目覚める事はない。ルシファーの号令を受けるまで、致死の毒たる怠惰をまき散らすのみである。
そして更に場を変え、一番グローブ「人身売買場」。そこには二人の魔王が派遣されていた。
【商品の価値があるだなんて羨ましい…その価値は、自分たちの為に使って…】
レヴィアタンは奴隷の解放。人攫いにより攫われた、奴隷に落とされた者の身柄の確保。一人一人、海のような懐の深さで解き放っていく。
「でも…私、お父さんとお母さん、もう…」
【…そう。なら、連れて行ってあげる。皆が家族になれる場所に…あなたも一緒に…】
【フッハッハッハッ!!奴隷だと!?人身売買だと!?いかんなぁ、いかん!人が人に価値を付けてはならんのだ!】
人身売買場にて、大声で叫んでいるのは強欲の魔王マモン。彼は人身売買オークションの完全なる破壊を命じられた。
【人とは平等!人とは均等!貧富も地位も人の真価とはならん!全てが等しく素晴らしいものだ!!】
その成果とは、参加者全員の『黄金』化。全ての存在を黄金へと変える『黄金・荘厳・インゴット』の能力により、会場に参加する全ての裕福層が全身黄金…マモンの財宝へと変えらたのだ。
【人間は皆宝物!!フッハッハッ!!人間は等しく宝物!!俺様の宝物なのさァ!!フッハッハッハッハッ!!】
【うるっさ…】
「おやおや、こんな老いぼれも助けてくれるとは親切なものだ。そちらの黄金少しもらっても?」
【許す!!俺様にとってはジジイも等しく宝物だ!!持っていけジジイ!!】
「助かる。しかし、ジジイも宝物…君達は中々愉快な方々なわけだ。何か私にできることがないかな?力になりたいが…」
【気にするな!!人助けはプライスレスだ!!】
【そういうわけにはいかない…。んん、そうだな…じゃあ…麦わら海賊団って、知ってる?】
「いや…もしや、来訪しているルーキーの誰かかな?」
【うん。もしよかったら…力を貸してあげて。それで、貸し借りはなし】
【ギャンブルと飲酒は身を崩すぞジジイ!!体を労れ!!】
「ご忠告、大変痛み入る。麦わら海賊団か…解った。君達への恩は彼等に返すとしよう」
【うん…そうして。ん?】
「俺は…帰るべき場所がない」
【…海賊団にスカウトしてもらったらいいんじゃないかな】
「…そうさせてもらおう」
「ありがとうございます!これで帰れます…家族の下に帰れます!」
「夫のもとに…!本当に、ありがとうございました!」
【家族……つがい……】
【レヴィアタン…】
【…良かったね。ちゃんと帰って】
「「はい!!」」
【……………】
【その、なんだ。俺様の奢りで何か食うか?海鮮丼なんてどうだ?】
【どつき回すよ。……いいの。私は、いないから魔王。無限に誰かを…羨めるから】
そう呟く彼女の顔は…泣いているかのような、嘆いているかのような面持ちであった。
七大魔王の侵略は、混沌の極みへとシャボンディ諸島を突き落とす。
「ルフィ!どうする!?」
「……!」
それら全ては…麦わら海賊団の試練と化していた。
センゴク元帥「……どうなっとるんだ今の世界情勢は…」
ガープ「ぶわっはっはっはっ!!」
センゴク元帥「笑っとる場合かァ!!」
ガープ「…む?なんだと?」
センゴク「!?」
ガープ「大将が…出撃したじゃと!?」
センゴク「………天竜人の招集といえば面目は立つが…先走りおって…!!」
ガープ「ぶわっはっはっはっ!!」
センゴク「貴様も少しは慌てんかァ!!!」
海軍本部に、元帥の怒声が響き渡った──
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