人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

241 / 2547
「では、私は此処で。――見事な手術でした、ドクター・リッカ」


「え、これからパーティーだよ!?行かなくていいの!?」

「怪我人がいます。そして病を患う方も。――最後まで、私は職務を全うします」

「じゃ、じゃあ私も!」

「いいえ。あなたには次の戦場が、病床が待っています。其処のオペの為に、あなたは休まなければなりません」

「ナイチンゲール・・・」

「私は、此処で。――あなたの知る私に、宜しくお願い致します」

「――握手」

「?」

「握手、しようよ。――ナイチンゲール」

「――はい、マスター」

――退院、おめでとうございます――


エピローグ1/2 皆違って、皆いい!

全てが終わり、平穏を取り戻したアメリカ。イ・プルーリバス・ウナム

 

 

 

狂王の領地であった東側は見る影も無く破壊し尽くされ、閑散と混沌、破壊と暴虐の爪痕を生々しく残す

 

 

・・・これがたった二人によって引き起こされた惨劇である、と伝えられ、鵜呑みにできる者は恐らくいないだろう

 

 

狂い果てた特異点にて、伝えるものはおらずとも。この光景こそが雄弁に語ろう

 

――クランの猛犬、此処にあり。アルスターの体現者には、アメリカでは狭すぎる狩り場にすぎなかったのだと言うことを

 

 

そして、天文台は見据えよう

 

 

たった一人の男を手にいれ、支配し、統治を共にするために

 

 

――世界総てを、ねじ曲げる道を選んだ少女がいた事を

 

 

生きる者のいないアメリカの大地は、無言のまま語る

 

 

『アイルランドとインドは勘弁していただきたい』と――

 

 

対照的に、アメリカの西側は歓声に湧いていた

 

 

己の土地を取り戻した慶び

 

 

暴虐の支配からの脱却

 

 

生命がこれ以上奪われないことへの安堵

 

平穏なる時への感謝

 

 

――それらの全てが、歓声となりアメリカを包み込んでいたのだ――

 

 

 

・・・そして、その結末を招きし勇者達もまた、手にした成果のかけがえのなさに沸き立ち、舞い上がる

 

 

 

固有結界の投射維持装置としての役目を終えたプレジデントハウス

 

 

「次は真なる交流の輝きを現すテスラ・プレジデント・コイルハウスに着手するのは如何かな?」

 

「それは素晴らしいな!全てが終わったあとに完成した交流の無能さを体現せし大発明となる!」

 

「あ?」

 

「お?」

 

「喧嘩しない!まだ準備は終わっていないんだから!」

 

 

「「はい!」」

 

 

無粋な戦闘機構は取り外され――

 

 

「こちらのセッティングは完了した、エレナ」

 

「ありがとう、カルナ!やっぱりインドは最高ね!」

 

 

準備と飾り付けを執り行われし、大統王の象徴は、今――

 

 

 

「「「完成――!!」」」

 

「――あぁ、素晴らしいな」

 

 

大社交会場たる、パーティー会場へと変化する――! 

 

「え!ここにあるもの食べ放題なんですか!私、はじめてです!ばいきんぐ!」

 

「マジで!?天下泰平王凄すぎ!!」

 

和洋中、あらゆる料理、スイーツはカルデアの腕利きにより揃えられ、天上の宴もかくやとする馳走が振る舞われる

 

 

「ネズミがいていい場所じゃないんじゃないですかねぇ・・・」

 

「あはは、アウトローも肩身が狭いや」

 

外装、改装の設備は我等がゴージャス☆ギルガメッシュが全て提供し、VIPの中のVIPを迎え入れる会場へと変わる

 

「こんなもんでいいか?全くルーンさまさまだな!」

 

「芸は身を助ける。言った通りであろう、クー・フーリン」

 

衣服は身分の分け隔てなくドレスとスーツ。スカサハとクー・フーリンのルーンにより万全に整えられる

 

 

完膚なきまでの特異点修復を彩る、締めの宴

 

 

「――我が声を聞け!全要員、集合!!」

 

漆黒のライダースーツに身を包み、ステージに立ち・・・エアの好みの『天空神の神酒』を並々と注いだ界聖杯を高々と掲げ、王は声を上げる

 

 

「宴に参ぜよ、我が赦す!至高の財を以てゴージャスたる我の威光を焼き付けるがいい!」

 

 

言葉に従い、アメリカを救った勇者達が次々とグラスを掲げる

 

 

「旅を彩るは我が歓待!!」

 

そして、今――

 

 

「『ゴージャス☆乾杯(メラム・ディンギル)』!!」

 

 

宴の開幕を告げる王の号令に

 

 

 

「「「「「「メラム・ディンギル――!!!!」」」」」」

 

高らかに共鳴する、人理を背負う勇者たち――!!

 

 

食べ、飲み、歌い、歓喜する。

 

退去までの間、皆思い思いの時間を過ごす場を設け

 

 

別れをかけがえのないものにするために、最後の交流を

 

「交流!?」

 

「それは地の文!」

 

・・・交流を行っていた――

 

 

 

「いやー・・・世界広いっすわー。とてもじゃないがついていけないっすわー・・・」

 

「あはは、古いのはそれだけで強いんだねぇ。まさかマネーロンダリングやスポンサー、プロデューサーやセッティングまでこなすサーヴァントがいるなんて予想外だったけど」

 

「それな。――はぁ、こりゃあトラップを極めるしか道はねぇなぁ」

 

「一芸なれど、貫き通せばそれは宝となる。その小僧が速撃ちを極め、英雄となったようにな。卑屈になることはない。誇りを持って進むことだ」

 

「――誇り、ねぇ。へいへい、善処いたしますよ、っと」

 

「そうそう。こんな」

 

カンを投げ 

 

「ふうに」

 

即座にエアガンを抜き放ち、6つの銃痕を刻みつけ、そのカンをキャッチする

 

「ね?やってみたらなんでもなんとかなるものさ!」

 

「オタクはガンナーだろ・・・」

 

「・・・――それにしても、かの英雄王・・・みずからインドの英傑達の前に立ち、アメリカを護る選択をするとは・・・」

 

ビリー、ジェロニモ、ロビンのレジスタンス組が笑い合う

 

「余程の気紛れだったのか・・・彼をそこまで駆り立てたものがなんなのか、気にならんと言えば嘘になるが・・・いや、無粋と言うものだな」

 

「気まぐれ以外に何があるんですかねぇ?」

 

「惚れた女の子がいるわけでもないよね?」

 

「――さて、ね。精霊のみぞ知る、と言ったところかな?」

 

 

そして一角にて、ネロ、エリザベート、マシュ、コンラが互いに、自作の曲の歌詞を交換し合う交流を重ねていた

 

 

「人理を駆ける、星海の舟・・・ふぅん、悪くないじゃない。ビビッドでゴージャス!プレシャスな感じ?」

 

「うむ!これは自作か?」

 

「正確には、カルデアの皆さんの作詞です。カバーソング、という事になります」

 

「カバーソングだって、マシュと私が歌えば最高の曲になるのです!」

 

「大きく出たな?ならば余とエリザベートの曲をも昇華してみせるがよい!」

 

「『恋はドラクル』『ネロネロふぁんたじー』・・・確かに受けとりました。大切にしますね」

 

「唐突に思い付いたんだけど・・・アタシたち、コラボとか・・・よくない?」

 

「「!!」」

 

「い、いえ・・・あの。コラボレーションは歓迎なのですが、その・・・水と油と申しますか・・・」

 

 

 

パーティーの外れた場所で佇む男に、軽快に声をかける武者が一人

 

「宴会はお嫌いですか、神槍殿?」

 

団子とうどんを頬張りながら問うは宮本武蔵。喜色満面と呼ぶに相応しい表情とは対照的に

 

「・・・儂は宴に騒ぐ柄ではないよ。理なく殺しはせぬとは言え、迂闊に手を伸ばすわけにもいかぬ」

 

「こんな所で二の打ち要らずの弊害が、ですが神槍様?あなたは血に飢えただけの獣ではありませんと、私は睨んでいるのですが~?」

 

「・・・呵呵!それはお互い様であろうよ!儂の知る宮本武蔵はここまでお節介焼きではない筈なのだがな!」

 

むしろ性別すら違うな!と笑う書文

 

「おうとも!矜持よりも何よりも今を楽しみ、味わわなきゃ!」

 

「――マスターには逢わずともよいのか?」

 

「それは後!カルデアでじっくりゆっくり、仲を深めますとも!」

 

「――カルデア、か。招かれれば良いのだが・・・」

 

二人の武芸者は、一時の団子を楽しんだ・・・

 

 

そして中央にて喧騒を謳うは、ケルトの勇士達

 

 

「ははははは!長い間戦ってきたが、まさか味方が誰も減らぬ戦争があるとはな!まさに完全勝利!いやぁ痛快痛快!」

 

「・・・あぁ。悪くないな」

 

ビールを浴びるように飲むフェルディアと、ラノベを読み耽るロイグ

 

「心残りはない!と言いたいが・・・メイヴちゃんの最期を看取れなかったのは残念だ。マスター殿とのキャットファイト、目の当たりにしたかった!」

 

「・・・マスターの彼女とメイヴ。猫のじゃれあいの規模で終わるとは思えんがな」

 

「ははははは!だな!カルデアに招かれれば・・・うん?そういえば我らの扱いはどうなるのだ?」

 

「セタン・・・クー・フーリンのルーンに招かれた我等は、クー・フーリンのルーンにてまた召喚される。――クー・フーリンがいる限り、我等もまた戦いが続くだろうさ」

 

クー・フーリンのルーンに招かれたコンラ、フェルディア、ロイグは再びルーンにて招集を待つ。

 

ルーンがあれば大体どんな状況でもなんとかなる。――霊基が破壊されない限り、記憶も状態も、そのままで。

 

彼等は彼等のままで――共に在るのである

 

「そうかそうか!なるほどつまり――引き続き我等の縁は続く!と言うわけだな!」

 

「そうなるな。――馬小屋が欲しいところだが、さて」

 

「よぅし、ロイグ!歌うか!散って逝ったメイヴちゃん、クー・フーリンに捧げる歌をな!」

 

「・・・そうだな」

 

陽気に歌うフェルディア、ハーモニカを吹くロイグ

 

・・・例え敵であろうとも、好ましい感情は忘れない

 

二人にとって、彼等は憎むべき相手ではない。ただ――星の巡りが悪かっただけの恋い焦がれた女王であり、――親友なのだ

 

それが、ケルトの勇士達の観点なのである

 

 

「ハッ、オレに捧げられる鎮魂の歌を聞くとは妙な気分だぜ」

 

スーツ姿のクー・フーリンが、おかしそうに笑う

 

「滅多にない経験であろう、楽しむがいい」

 

ドレス姿のスカサハと共に、ワインを飲み交わす

 

「生き急ぎと早死にが運命と覚悟はしていたが・・・まさか、誰も欠けねぇとはね。出来すぎと笑っちまうわな」

 

 

感慨深げに笑う。その視線の先には、コンラが楽しそうにはしゃいでいる

 

「・・・あぁ。良い主人にいい戦い、良い女。戦士として、欲しかったもんが全部手に入っちまったねぇ」

 

「――クー・フーリン、コンラの事は・・・」

 

「謝んな」

 

スカサハの言葉を、厳しく遮る

 

「何をしようが、何を悔やもうが事実と歴史は変わらねぇ。コンラは死んで、オレが殺した。――あんのはそんだけだ。アンタが気にする事じゃねぇ」

 

「――残酷だな、クー・フーリン。激情のまま糾弾されたほうが、気が晴れるというものだ」

 

「寝惚けんな。オレがアンタに渡すのは引導だけだ。義理も情けも、あんたにはもう過ぎたもんだろうよ」

 

「――・・・そう、だな」

 

「カルデアに招かれろよ、スカサハ。全部終わったらスッパリ殺してやる。――嬢ちゃんと一緒に、アンタの気の済むまでな。歓待の準備もしといてやるから、無駄にすんじゃねえぞ」

 

「・・・随分と気に入ったようだな、彼女を」

 

スカサハの言葉に、朗らかに笑う

 

「おう!なんたって、オレに戦士であれなんて願ってくれた嬢ちゃんだからな!」

 

――その顔を見て、スカサハは更に呟く

 

「――あぁ、私は、そんなお前に・・・」

 

「兄貴ー!」

 

同時に、リッカとジャンヌ・オルタが駆け寄ってくる

 

「ジャンヌがケルトの犬がどんな感じか知りたいんだって!」

 

「・・・大きいんですか?」

 

「おう!そりやあもうでけぇぞ!こんなだ、こんな」

 

「でけぇ!」

 

「・・・良かったら、監修してほしいのですけど・・・リッカや、マシュに作らせます」

 

「いいぜぇ?・・・じゃあな、スカサハ」

 

「――ああ。第二の生、楽しめよ」

 

簡潔に告げ、クー・フーリンは楽しげに笑いながらマスターとジャンヌ・オルタに手を引かれ歩んでいく

 

その後ろ姿を、スカサハはただ、見つめていた・・・

 

 

「うわっはっは!見ろ!このパーティーを華やかに彩る直流の輝き!皆の笑顔、英雄王の輝きに負けぬ素晴らしさだ!」

 

「フン、所詮は凡骨だな。わざわざ言わねば伝わらんとは。見ろ!交流シャンデリアはその威光を言わずとも知らしめている!」

 

「あ?」

 

「は?」

 

流れるように自慢→険悪のムーブに至るエジソンとテスラ。殴り合いに発展する様を呆れながらエレナは見つめる

 

「もう・・・どちらも『名も知らぬ誰かを幸せにしたい』と願いの下に立ち上がった英雄なのに・・・どうして仲良くできないのかしら」

 

「似た者同士だからだろうな」

 

カルナが、深く頷く

 

「『好意の反対は無関心』『喧嘩するほど仲がいい』という。――彼等は近しいからこそ、いがみ合うのだろう」

 

「・・・ふふっ、なるほどね!」

 

「事実、彼等のどちらが欠けても今の人類は無かった。――二人の功績は、それほど偉大なのだから」

 

「カルナ君!!偉大なる直流発明王エジソンをこんなサイコテロリスト糞野郎交流と一緒にしてはいかん!」

 

「私こそ貴様と同列に語られること自体が屈辱だ凡骨ゥ!!」

 

「ほざくかテスラァァアァア!!」

 

二人のオカンに見守られ、獅子と紳士は仲良く喧嘩した――

 

 

――ロブスター?生ハムメロン?・・・美味しそう!

 

《フッ、口に運ぶか?》

 

――お願いします!あっ、めろん!あまい!ハム!しょっぱい!

 

グラスを鳴らし、満喫満悦するギルガメッシュとエア

 

「騒がしいにも程があるが・・・まぁ、たまには良かろう。我はあらゆる事象を笑って許すご機嫌王なのだからな!ふははははははは!!」

 

 

(魂は大丈夫かい?エア)

 

トリュフを食べながら、心配そうにフォウが呟く

 

――大丈夫!ぐっすり寝てたから!

 

《よもやお前の魂を乖離剣に共鳴させ、更に威力を引き上げることが叶うとはな。インド英雄三人の宝具を打ち消し、世界を切り裂く本懐を果たすことが叶うほどの威力を発揮するとは思わなんだ。全く――我に耄碌の二つ名がつくではないか。悉く我の予想を越えおって》

 

・・・本来の乖離剣を遥かに越えた威力を、エアの魂は呼び覚ます

 

それは乖離剣、そして――『英雄王ギルガメッシュ』にすら作用する者と為り得る、英雄姫の本領、魂の形である――先の乖離剣の本懐もまた然り

 

『魂を懸け、限界以上の力を引き出す』事こそが英雄姫の本懐――強化された乖離剣の一撃は、例え神の裁き、世界を焼き尽くし束ねた一撃にすらも比肩するだろう

 

未だ不安定で、反動は付きまとい。本来の英雄ならば肉体が砕け散るが――そう言った意味では、姫の本領を受け止められるは――英雄王のみである

 

 

――そしてそれは、極まれば・・・

 

《――フッ。その極致、楽しみにしているぞ》

 

己の想像を越え成長していくエアに、英雄王は笑みをこぼす

 

そして、確信する。――此度の我が身に、この魂は不可欠であると

 

最古にして最新の叙事詩の中心は我と、この・・・

 

 

――バナナ!体にいいんだよね!一緒に食べよう!あ、マーリンさんはどこに?

 

(帰ったよ。また逢おうねってさ)

 

――ええっ!?そ、そんなぁ・・・挨拶したかったなぁ・・・ワタシとフォウを巡り会わせてくれた、あの人に――

 

(あんなクズにまで、全霊の敬意・・・あっ・・・――)

 

身体中から虹色の剣を突きだし消滅するフォウ

 

 

――フォウ――!?

 

 

・・・我が想像すら越え成長し、歩み続けるこの無垢なる英雄姫であると

 

 

「英雄王ー!」

 

 

誇らしげに笑うギルガメッシュに、少年少女が近付く

 

「改めて、本当にありがとう!余は、僕は・・・漸く望みの全てを果たすことができた!」

 

誇らしげに、朗らかに笑うラーマ

 

「ラーマ様を護っていただいて、本当にありがとうございました。・・・忘れません。この恩は、ずっと・・・――」

 

手を深く繋ぎ、寄り添いながら、二人は深く深く頭を下げる

 

――あぁ、尊いって・・・こういう気持ちなんだね、フォウ・・・

 

(そうだよ、エア。――ボクがいつも、受け取っている気持ちさ・・・)

 

魂に寄り添うフォウ、そっと抱き寄せるエア

 

 

「フッ、案ずるな。我は思うままに振る舞ったまで。――そして、貴様らを引き裂く事はもう起こり得ぬ」

 

「え・・・?」

 

「し、しかし・・・消滅すれば、座に・・・」

 

「貴様らは座には還らぬ。貴様らだけはな。――詳しくは、楽園にて話してやろう。今はただ、楽しんでおけばそれでよい」

 

 

キョトンとする二人を尻目に

 

「よし!ならば本懐を果たすとするか!!――者共、集うがいい!!」

 

 

高々に、界聖杯を掲げる

 

「――記念撮影と行こうではないか!!」

 

 

――この瞬間を、永遠にする儀式の執行だ

 

 

 

 

『リッカ、シャッターはこちらに任せなさい。笑顔よ、笑顔』

 

オルガマリーの言葉に、サムズアップにて応える

 

「うん!ありがとう!」

 

「センターは我、と言いたいところだが・・・あえて譲ってやろう。ラーマ!シータ!この特異点の顔を譲ってやろうではないか!」

 

 

ビシリ、と指を指す

 

 

「そして犬!マスター!朗らかに笑い、締めを彩るがいい!」

 

「おいおい、嬢ちゃんは構わねぇかい?」

 

「応!!勿論!むしろお願いします!!」

 

深々と頭を下げるリッカ

 

「即答だねぇ。しゃあ!ちょいと失礼するぜ!」

 

朗らかに笑い、リッカをお姫様だっこするクー・フーリン

 

 

「し、シータ。――い、いいか?」

 

「はい、ラーマさま」

 

頷きあい、初々しく抱き抱えるラーマ

 

 

「フフッ、そうです。クー・フーリンくらいじゃないとリッカには釣り合いませんからね」

 

「ジャンヌ・オルタさん」

 

決意と誇り、意地をかけてマシュがジャンヌ・オルタを見つめる

 

「――マスターの盾と矛として・・・これからも頑張っていきましょう!」

 

「――えぇ、期待していますよ」

 

「フレームアウトしろテスラァ!!」

 

「毛がうざったいぞ凡骨ゥ!!」

 

 

「よし!歌うぞ!今こそ余とエリザベート、コンラ、マシュの力を発揮するときだ!!」

 

「やるのね!やるのね!!歌うわ!アタシ――約束を果たせるのね!」

 

「スカサハ、死にたいんだってな、そら」

 

『ヘッドホン』

 

「――本気かセタンタ」

 

「おう、まずは逝け。歓待はその後だ」

 

ネロとエリザベートの歌声を集約するヘッドホンをスカサハに渡すクー・フーリン

 

「まさか、『死ぬなら全霊のオレに殺されたい』なんて似合わねぇ感傷的な願い持っちゃいねぇよな?」

 

「ババ様、乙女なのですか!」

 

「ぐぬ――!えぇい!逝ってやるとも!――覚悟しておけよ、セタンタ!」

 

やけくそ気味にヘッドホンを被るスカサハ

 

「うむうむ!まさに大団円!よい戦いだった!!」

 

「・・・また逢おう。共に戦えて嬉しかったぞ、クー・フーリン」

 

「オレもだ。またカルデアでな、フェルディア、ロイグ」

 

 

「写真・・・」

 

「お嫌いですかぁ~?神槍様にも苦手があるんですねぇー?」

 

「・・・まぁ、今回は特別だ」

 

 

「スマイルスマイル!ロビン、ジェロニモ!笑えるよね?大丈夫?」

 

「人をなんだと思ってるんだっつの!大丈夫大丈夫笑えますよーだ!」

 

「笑顔は本来獰猛なもの。そこに意味を見出だしたのは人間の功績だ」

 

 

「ふははははははは!!永遠に残る記録だ、最大最高の顔で写らねば赦さぬぞ!」

 

全員が写った事を確認して、王は高らかに笑う

 

(エア、今度一緒に撮ろうね!)

 

――うん!

 

 

「嬢ちゃん、笑顔だぜ?」

 

「兄貴こそ!」

 

「愛しています、ラーマさま」

 

「僕もだよ、シータ。――永遠に、永遠に――」

 

『では――はい、チーズ!』

 

 

「「「「「はい!チーズ!!!!」」」」」

 

 

『『ボエ――――――――――――!!!!!!!!!』』

 

「~~~~~~~~~っっっっっ・・・・・・――――!!」

 

――こうして、また永遠のカタチとなる絆

 

 

星見の勇者は進む

 

――完全無欠の、結末を目指して

 

 

総てを、界聖杯は汲み取り

 

 

 

一同は、楽園へ帰還する――

 




「――来たか、カルナ」


「来るとも。それが盟約だからな」


「――本懐を遂げる。何者にも邪魔されず、今度こそ貴様を倒す」

「――こんな日が来るのを、いつか待ち望んでいたのかもしれんな。オレも、お前も」

「あぁ。――幾千、幾万の偶然の果てに掴んだこの機会。離しはしない!」

「――一つだけ、言わせてもらう。今のお前は、オレには勝てん。アルジュナ」

「何――」

「何故なら――今のオレは一人ではない。かけがえのないマスター。人理を救う使命。そして――オレの本懐を願った、無辜なるモノ達の想いが込められている」

「――」

「その弓矢、その鏃を以てしても――この身体、この願い、この魂を砕くことは叶わぬと知れ、アルジュナ」


「――その想い、もろともに貫く!それが、それこそが――私の総てなのだから――!!」

「――来い。今こそオレは、お前の総てを受け止めよう」


「行くぞ、カルナァアァアッ!!!」

「――来るがいい、アルジュナ――!」


「――私は救う。総てを救い続ける」


『退去が始まる身体』

「例え、総てを奪ってでも」


――我はすべて毒あるもの、害あるものを断ち


「――ありがとう。さようなら。ドクター・リッカ」


――我が力の限り、人々の幸福を導かん――


「――精神的疾患者を発見。救護に向かいます――」


マシュ☆コンカバーリング・エンディング・イメージソング 

歌手 マシュ・キリエライト(CVブケファラス高橋) コンラ(CV(幼少・小倉唯)(淑女・東山奈央))

制作 愉悦部員(フユキ・アラタ・ミコト・タケル) 作曲 黄金P



『人理を駆ける、星海の舟』

どんな事にも「終わり」はあって それは避けようなんてなくて
どうしようもない? いいや道はある 正面切ってGo Aheadさ
「悲しみ」だって「苦しみ」だって 明日へのバネ 無駄なんかじゃないから
未来へ向けて Hop Step & Jump!

モノクロームな心に「色彩」くれるのは いつだってこの世全てさ
酸いも 甘いも とことんまで「愉しんで」しまえ!

☆いつの時代も 黄金の星は僕らを見守る
 誰にも負けない オンリーワンの煌めき纏って
 涙流してちゃ ゴージャスな輝きだって曇るから
 いつかは来てしまう「終わり」も 笑顔で迎えてしまおう


もしも世界に「幸せ」だけがあったら きっと退屈でしかない
良いことだって? それは違うよ そんなものはFaceだけのFake

塗り潰すのでも 消してしまうのでもなく
自由に紡ぎ 描いていこう それが僕らの「可能性」さ

★気高き龍は 遥かなソラ臨み天を駆ける
 共に飛び立つは 雪花の意思に誇りの焔
 希望の華は 時の歩みへそっと寄り添う
 不滅の「浪漫」抱いて 自分に革命起こそう


一人一人は脆くって 時に折れそうになるけれど
その中で繋いだ絆は 君の宝物(プレシャス)になる
何であろうと汚せない 尊い光集まれば
晴らせない暗闇なんて どこにも無い!

そして船は往く 星が瞬く海原を
果てなき旅路 踏みしめながら――

★→☆ の順でリピート


使用許可、作詞、本当にありがとうございました!!

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。