トットムジカ【グオォオォオォオ…!!】
ロマニ『シミュレーショントットムジカ、討伐を確認。…グランドマスターが総掛かりなら、こうして討伐は果たせるみたいだけど…』
ぐっちゃん「フン、当然よ。今更私達が苦戦するなんてナンセンスってやつ」
カドック「…………」
ぐっちゃん「何よカドック、副リーダーとしてご不満?」
カドック「いや、不満って訳じゃない。今のトットムジカは、シミュレーションにおける最大レベルの戦闘能力を有したものだ。それを倒せるのは幸先が良い。だが…」
ペペロンチーノ「あぁ、力押しで倒せること自体が甘い見通し…って事ね?」
カドック「あぁ。仮にもあの世界の魔王…リッカや岸波を抜きにした僕らだけで安定して倒せる、というのは楽観視が過ぎるだろう」
キリシュタリア「ふむ…君がそう感じたならば間違いなくそうであるという信頼がある。仮にも国民的漫画の大ボスだからね」
カドック「ロマニ、シミュレーションのレベルはもう上げられないか?」
ロマニ『これ以上上げるとシミュレーションサーバーが落ちるかもだけど…君の懸念だ、挑んでみる…って、え!あなたは…!』
カドック「…?」
リリス『失礼。シミュレーションの精度を上げたいのでしょ?うってつけの人員で助けてあげるわ』
カドック「リリス…!?」
アダム「私が呼んだ」
キリシュタリア「アダム先生!?」
(今日から明日にかけメッセージ感想返信を行います)
トットムジカとの対策シミュレーション。来たるべき魔王との対決に備え、グランドマスターズカルデアサイドはトットムジカの楽譜を解析し、それをシミュレーションルームにて再現。戦闘を行っていた。
戦闘能力を最大にし、負荷を限界まで追加したトットムジカは幻想種クラスの力を振るったが、グランドマスターズ達が総力を上げ挑んだ結果討伐は可能との結論が出た。しかし、それをカドックは『甘い見通し』と懸念。さらなる想定を願ったところに現れしは、原罪を憎む楽園の追放者、汎人類史のリリスであった。
「私の部下であり生徒でもあるつむぎは、幻想や虚構の概念に心得がある。トットムジカとやらの強さ、概念やアビリティも極めて高く再現できるわ。…エレジアを滅ぼした際のトットムジカを想定したのね?」
『あぁ。それしか顕現は確認されていなくてな。リッカの発言では『トットムジカは力押しじゃ倒せない。力を合わせなきゃ』って話だったが…』
「いいでしょう、カドック。つむぎの観測をデータに打ち込む。それを踏まえてトットムジカの力を判断なさい」
「アロナ、シッテムの箱で演算補助を」
『任せてください先生!むーん、アロナパワー!』
データを打ち込まれ、リソースを投入されたトットムジカのシミュレーションデータが変化を起こす。上半身のみの案山子のようなトットムジカが起き上がり、意匠が追加されていく。
「トットムジカは『楽譜』。つまり音楽として姿を変える。それはさながら楽章…カルデアのシミュレーションで再現できたのはギリギリ第一楽章といったところかしら」
「一応適時アップデートはしているんですが、世界は広いし沢山ありますからねぇ〜。まぁ錬金術師的に完成は死ですので未完成バッチコイなのですが」
「ぶっつけ本番で挑まないあなた達の慎重さは好きよ。あの傲慢なルシファーならいけるいける、で通したかもしれないもの。…始まるわよ」
『うぉ〜!がーでんつぇーく!』
トットムジカが起き上がり、顔面が青白くなる。更に帽子に竜の顔のような意匠が追加され、さらに鍵盤の足が付け足され、フォルムが更に禍々しく変化した。
『!形態変化を有していたのか…!』
『四肢が増えた…単純に手数と火力が二倍になったということかしら』
「第二楽章……恐らくこれが、エレジア崩壊を招いた、赤髪海賊団が挑んだトットムジカの姿よ。見ていなさい。今、都市のテクスチャを張り付けるわ」
リリスはその手腕を職員として振るう。男性により蔑視された社会的立場を獲得せし女性。その化身たるリリスは、アダムとは違う電子や演算関連において最高峰のスキルを見せる。
【グオォオォオォオォオォオォオォオォオ!!!】
シミュレーションで再現されたトットムジカは暴れ回る。長い腕、破壊光線、四肢による蹂躙は瞬く間に人が築いた文明を破壊し尽くしていく。
『都市を防衛しろ!サーヴァントを回すんだ!』
『無茶言うなって!どうやってトットムジカを倒すんだよそれじゃ!』
『破壊効率と規模が早すぎる!一撃一撃が対軍宝具クラスか…!』
『それを間断なく振るってくる…強いな、これは』
対応に追われ、倒すどころではないグランドマスターズ。赤髪海賊団の置かれた状況はこれなのだ。護れば諸共に潰され、攻めれば護るべきものが無くなる。そういった強さを、シミュレーションのトットムジカは発揮している。
『こうなれば、お決まりの惑星轟だ!ゼウス!!』
『任せておいてくれ。ゼウスは魔王には負けん。テュフォンは勘弁な』
キリシュタリアが惑星轟の切り札を切る。速攻しなければ勝負の意味すら無くなる。そして放たれた無数の隕石は、トットムジカ第二楽章を完膚なきまでに打ち据える。
【グオォオォオォオォオォオォオ…!!!】
「都市の防衛をキリシュタリア以外にやらせて、惑星轟でようやくか…!」
『マシュとリッカは絶対に必須よ、これは。絶対防御はまさに不可欠…最低条件だわ』
マシュのカルデアス・アヴァロンとロード・キャメロットの防護ならば、容易く都市を覆い守護できる。しかしそれはリッカとマシュの二大戦力を防護に回すという痛打を被る。第二楽章ですら、生半可でない力を示すトットムジカ。
「……第三楽章…」
「ま、マリー?」
「リッカの報告書にあったわ。トットムジカは第三楽章から成る音楽…。今よりさらなる上が、トットムジカの本領よ」
『……アイリスフィールを後方に下げて、無限魔力を確保しないと手がまるで足りなくなるな…』
「そちらの再現もしてみましょうか。怨恨を調伏するのであれば対決は避けられないもの。アダム、そちらのAIは大丈夫?」
「AIではない、アロナだ。心配ない、スーパーアロナは無敵だ」
『しんじだいー!』
「大賢者アプリも起動しましょう。へい大賢者、シミュレーションモード機能」
『承認。シバ、トリスメギストス並列接続。リソース倍加』
更にリソースを追加されたトットムジカは変容を更に極める。巨大な四手に二足。そして黒い翼が生え、さらに帽子の衣装がより豪華になり髑髏の数珠の数も五つに増加した。
「第三楽章…最終形態ね」
それらは顕現の余波だけで都市の全てを吹き飛ばし、絶え間なく光線と暴力を齎す破壊の限りを尽くす。それは最早、戦うという次元に存在していないほどの規模。そして何より…
『おいどうなってんだ!?攻撃がまるで効いてねぇぞ!』
『我々の惑星轟がまるで堪えていない!?』
『テュフォン以来だ…あのときも雷霆効かなくてジジイ・リアリティ・ショックだった』
そう、直撃した攻撃をまるで意に介さないのだ。当たっているのにまるで効果を齎さない。防御ではなく、透過や消失の類。
「トットムジカの顕現にはウタウタの実の力が必要と報告書にあった。ウタウタの実は、ウタワールドという別世界を作る…」
「………ウタワールドの中でしか、攻撃は通らない?」
「どうなんだねホームズ!?ゴッフサンドあげるからネタバレしなさいキミィ!」
「……こうして被害を出せるのなら、確かにそれは顕現している。そしてそれがウタワールドから発足すると考えれば推理は叶う。恐らくトットムジカは最終形態になれば【ウタワールド】『現世』両方に顕現するのだろう」
『成る程、更新で得たのはそういう事か』
『デイビッドが言ってた…同時攻撃?』
『あぁ。ウタワールド、現実のトットムジカを全く同じタイミングで攻撃する。そうすることで、やつは初めて手傷を追うのだろう』
『イカれた防御性能だなオイ……』
「オーディン神にこの結果を報告して!」
「あの人もう首吊ってました所長!『マルドゥーク神ならば概念毎殴り倒しトットムジカを打倒できる』との事!」
「………実質的なカルデア手詰まり宣言ね。ワールドエンドクラスの問題にしかマルドゥーク神の起動嘆願はギルには出せない。それはつまり、私達の敗北打診も同義…」
『魔王トットムジカ…ここまでの存在か…』
「……一先ず、この報告を主神バアル経由でルシファー勢力に報告しましょう。今回は恐らく、カルデア単体の攻略は不可能…」
「忌々しい事だけれど、サタンの協力は不可欠ね。…果たしてあなたでも殴り飛ばせるかしら、アダム」
「どうかな。ただ……生徒の見せ場を私が奪う気はない。まだ、生徒たちは諦めていないのだから」
『しんじだいー!』
【グオォオォオォオォオォオォオォオォオ!!!!】
焦土と化したシミュレーションの都市にて、トットムジカが咆哮を張り上げていた──。
オルガマリー「ワンピース…聞いてないわよ、こんな劇場版クラスの敵が来るなんて…」
ロマニ「うーん…連載当時に読んだ少年はもう少年じゃないよね…」
オルガマリー「そこはいいわよ、別に…ん?」
リリス『つむぎからのさらなる報告よ』
オルガマリー「………」
『完全顕現したウタワールドからは、トットムジカを倒しても出られない』
「………!!」
『地獄の軍勢、魔王達をまとめて処分できるわよ』
オルガマリー「………Shit……」
ロマニ「マリー?」
久しぶりに、オルガマリーは酷い頭痛に見舞われたのだった。
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