人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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《狂犬が果て、女王が潰えたか》


――やったぁ!良かった!クー・フーリンも、マスターも勝てたんだ!良かった!良かったぁ――!

(あっ――(虹色の光線に股間を穿たれ消滅するフォウ))

――フォウ――!?

《後は聖杯か・・・それも何れ手に入ろうよ。この特異点もそろそろ幕を引く頃合い、か》


『――そうか。なら、なんとしても此処でお目通りをしておかなくちゃね』


《――む》

――?

(げっ――!)

『――こんにちは、皆の頼れるマーリンさんだよ。この度は、お目通りが叶い光栄の至りだよ、英雄王。そして――英雄姫、ギルガメシア』

――あなたは・・・?

(マーリンシスベシ――ッッッフォオォオォオウッ!!)

『七色に輝くレインボークラッシャーハンマーを生成し叩きつける』

『ごは――!!!?』

――フォウ――!?

《恨み骨髄か、無理もあるまい!よくぞその顔を出せたな、華の魔術師よ!ふははははははは!!》

  


「――交わした約束、果たさねばなりますまい」



「――カルナ。盟約――今こそ果たすぞ」



「エジソン、大丈夫!無茶は・・・!」


「無茶などするとも!私は人間!!今度こそ、私は『カッコいいエジソン』でいつづける!!」

「――エジソン・・・」

「二度と、我が背中に続く子供達を裏切るわけにはいかんのだ!!」

――ふははははははは!!無様、無様なりエジソン!!

「!!――こ、この高笑いは――!!」




雪花の盾、光輝の槍

狂王が討たれ、女王が倒れたアメリカの戦い

 

 

 

「やぁっ!」

 

その大勢を決した戦いに・・・まだ、異を唱える剣劇が一つ

 

 

「はぁあぁあぁっ!!」

 

 

 

前線に立つ雪花の少女の盾が振るわれ、光の御子の息子の光撃が迅る

 

 

「ふんっ――!!」

 

 

二人の攻撃、気迫の連携を、研鑽の武芸にて跳ね返す屈強な男が一人

 

 

「ぬぉおぉっ!」

 

螺旋の剣、カラドボルグを振るうケルトの勇士の中の勇士、フェルグス・マック・ロイが、マシュとコンラの攻撃を受け止める――

 

 

「なんとしても、なんとしてもここで――!」

 

マシュは猛っていた。気迫みなぎり、なんとしても討ち果たさんと雄々しく盾を振るっていた

 

「お父様の邪魔はさせない!ここで、食い止める!」

 

スリングショットから輝きの弾を放つコンラ。なんとしても父の戦いを邪魔させはすまいと、食い止め、動きを封じる所存であった

 

 

「――先輩!私は――!」

 

――マシュは、焦っていた

 

メキメキと実力を上げ、強くなっていく先輩、リッカ。コミュニケーションと武芸、どちらも身に付け、力強く進んでいく、大切なマスター

 

大統王にも一歩も引かず、ナイチンゲールすらも説き伏せ、――女王メイヴすら退け、魔術王の策略すら突破した、自慢のマスター

 

あらゆる英雄に認められ、傲ることなく、揺るぎなく進むマスター

 

ジャンヌ・オルタと、自分も知らぬ程に絆を強く結んでいたマスター

 

――私は、そんなマスターに追従できているか・・・解らなくなっていた

 

あの輝ける、英雄と遜色ないマスターに相応しいサーヴァントと、自分は名乗れる活躍を出来ているだろうか?

 

デミ・サーヴァントである自分は、彼女を護れているのだろうか?

 

・・・彼女の中に、自分は残っているのだろうか?

 

「はぁぁあぁあ!!やぁあぁっ!!」

 

 

不安を振り払うように、盾を打ち付けフェルグスと打ち合う

 

彼女は、もう自分を必要としていないのではないのだろうか?

 

「っ、ぁあぁあっ!!」

 

彼女に、自分の守護は不要なのではないだろうか?

 

盾を振るい、気合いを発す

 

彼女の、御荷物では無いだろうか・・・?未だ真名すら解らぬ自分に、彼女の傍らに立つ資格はあるのだろうか・・・?

 

不安を振り払うように放つ気合いは

 

「ふんっ!」

 

熟練の戦士に容易くいなされ、空回りし

 

「あっ――!」

 

「はぁっ!」

 

バットのスイングの如く振るわれたカラドボルグの一撃にて、コンラの下へ吹き飛ばされる

 

「マシュさん!――っっ!」

 

マシュをフォローし光のスリングショットを放ち続けるコンラ

 

 

――行かせない!お父様の場所にだけは!

 

 

クー・フーリンのゲッシュ『カラドボルグを持つものには、一度敗北せねばならない』を把握していたコンラは、進んで同行を申し出た

 

――お父様の邪魔はさせない。なんとしても、お父様の名誉は護り抜いて見せる

 

お父様は生前、あらゆる誓約を破らされ、誇りを折られ絶命して果てた

 

――卑怯な企みさえなければ、卑劣な真似さえなければけしてお父様は負けなかった

 

繰り返させるわけにはいかない。もう二度と、お父様に土を、屈辱を、敗北を味わわせるわけにはいかない

 

私が護るんだ、お父様の名誉を、誇りを

 

私が、護るんだ――!

 

「むぅ・・・」

 

 

鍛練と研鑽にて培ったその心眼にて、飛来する光を見切り、回避し

 

「ぬうっ!!」

 

一気に距離を詰め、ショルダータックルにてコンラを打ち付ける!

 

「あぅ――っ!」

 

軽い体躯は吹き飛び、マシュに受け止められる

 

「大丈夫ですか!コンラさん!」

 

マシュの問いに頷くコンラ

 

 

「これくらい!お父様が味わった屈辱に比べれば――!」

 

「はい!なんとしても、彼を二人で倒しましょう!」

 

力強く問い掛け、頷きあうマシュとコンラ

 

 

「・・・ふむ」

 

その様子に、頭をかき思い悩むフェルグス

 

「・・・護るべき主君も、女王も逝った。ならば少し、我欲に走っても問題はあるまい。反骨は望むところであるからな」

 

――フェルグスは決心した

 

目の前にいる、二人の『戦士』  

 

いや――佳き『女』の曇りを晴らしてやろうと、自らの想いに殉ずると誓ったのだ

 

「さぁ、立って!なんとしても、彼を――!」

 

 

「まぁ、待て。そう逸るな」

 

即座に戦闘に入らんとするマシュとコンラを、カラドボルグを地面に突き刺し制止する

 

「心技体がまるで合一しておらん。剣を重ねるにはあまりに稚拙なコンディションよ。まずは落ち着き、呼吸を整えるのだ」

 

「何をっ!あなたと私達は、敵同士の筈です!私は、倒します!必ず!」

 

「はい!フェルグス・マック・ロイ!卑劣にして悪辣な女王メイヴの夫!――お父様の確実な敗北のために招かれたのでしょうが、そうはさせない!お父様は、私が護る!」

 

吠える二人を、ゆっくりと宥める

 

「待て待て、心構えからして逆ではないか。盾の乙女よ、そなたの盾は敵を倒すためのモノか?」

 

「っ!?何を――サーヴァントなら敵を倒すのが当たり前の筈です!」

 

意気込み――いや、空回りに気付かぬマシュの焦りを冷静に指摘する

 

「適材適所、というものがあるだろう。敵を倒すのが目的ならば盾などではあまりに非効率だ。シールダー、などではなくセイバーになるべきではないか?」

 

「――!」

 

「盾とは護るもの。そなたは率先して、敵を倒したいのか?戦法を間違えてはおらぬか?焦りが伝わり、よろしくないぞ?何を逸っている?」

 

フェルグスは、幼少のクー・フーリンを指導し、導いたことがある。だからこそ、少年少女の悩みなどたちどころに見抜くのだ

 

『最強故、誰も追従できなかったが故に、寂しさを感じていた』かつてのクー・フーリンを知っているがゆえに

 

 

「さては――マスターと上手くいっていない、か?」

 

 

「っ――!そ、そんなことは!」

 

むきになって否定するマシュを、我が意を得たと笑い飛ばす

 

 

「はっはっは!図星を指されると人は檄する!うむうむ、相談に乗ってはやりたいが互いに敵同士、――敢えて言うなら・・・」

 

ふむ、と

 

「その突き出た胸に仕舞い込まず、腹を割って語り合えばいかがかな?」

 

 

豪快に笑い飛ばす、クー・フーリンの叔父貴フェルグス

 

 

「――は、はぁ・・・」

 

マシュは邪気のない豪放磊落な笑いに毒気を抜かれ、クールダウンし空回りしていた気迫が静まる

 

「先輩と・・・話をしてみます」

 

「うむ、素直なのはよいことだ。――そして、クー・フーリンの息子・・・息子だな?」

 

腕を組み、朗らかに問い掛ける

 

「偉大な父の栄誉の為に戦うのはいいが、戦う理由を他人に全て預けてしまうのは感心せぬなぁ。お主もケルトの勇士。己のために戦うことは悪いことではないぞ?」

 

「・・・え、ぅ・・・」

 

突然の戦いの相手の気さくな問いかけに、毒気を抜かれるコンラ

 

「名誉は何より大事ではあるが・・・お前は余りに若輩。我が儘を言うのを誰も咎めはすまいさ」

 

「・・・あ、ありがとう、ございます・・・えと・・・」

 

「・・・敵、です・・・よね?」

 

アドバイスを授けてくる目の前の勇士に、呆気に取られる二人に

 

「おうとも。だが――敵である前に俺とお前達は男と女。リードするのは当然だろう?何せ、お前達は愛らしい!まだ歳は若輩だが、必ず佳き女になると俺は睨んだ!」

 

はっはっはぁ!と高笑いするフェルグス

 

 

「俺は主に女が大好きでな!お前達の顔が曇っているのを我慢できなかった、それだけの事よ。――さぁ、お前達は二人。少し話し合い、己の戦法を省み、全身全霊でかかってくるがいい。さぁ、少し時間をやろう」

 

「「・・・あ、ありがとうございます!」」

 

二人は言葉通り、互いに顔を見合わせる

 

 

「・・・マシュさん、マスターの信頼関係が不安なのですか?」

 

「・・・はい。先輩はどんどん強くなっていくなか、私は・・・」

 

「――それは違いますよ」

 

コンラはマシュの不安に否を突きつける

 

「かつて弱かったマスターを、あなたが護ってきたから・・・マスターは強くなれた筈です。あなたはもうすでに、一番弱い頃から側にいてくれたマスターにとってかけがえのない存在なのではないですか?」

 

 

コンラの言葉が、素直に胸に染み込む

 

「だから、胸を張るべきです。『私は最強のマスターをここまで護ってきたんだ、えっへん!』と!何せあなたは、私の相方、マシュ☆コンの片割れなのですから!」

 

「――そう、ですね!・・・そして」

 

「?」

 

 

――そして、彼女は思い出した

 

 

立てた誓いを。いつか、英雄王の至宝を受け止めると

 

――ならば、こんなところで腐っている場合じゃない

 

宝具の名前が解らなくても、マスターが強くなり、遥か先に行ったとしても。自分の道を、確かに進んでいこう。

 

――いつか、私だけの成果を、偉業を、未来を。この手に掴むために戦おう

 

その歩みを揺るぎなく進んでいけば――必ず、マスターの・・・先輩の未来に繋がると信じて

 

 

「――うん。いい顔になりましたね!」

 

コンラがマシュの頬を引っ張る

 

「流石はマシュ☆コンのメンバー!やはり貴女は相棒です!」

 

「・・・ありがとうございます。コンラさん、そして・・・」

 

ゆっくりと盾を構え、向き直る

 

「自分なりの答えは見えたかな?お嬢さん」

 

「――答えは、まだ。でも・・・」

 

その心と身体に、迷いと焦りはもう消え去っていた

 

 

「誓いを思い出し――道は、見つけました」

 

その答えを聞いて、満足げに頷くフェルグス

 

「――よい顔つきになった。これで、存分に殺し合えると言うもの」

 

「殺しません」

 

マシュの言葉に、眉をひそめるフェルグス

 

「んん?」

 

「――護ります。私の背中にいる、総てを。懸命に、力の限り」

 

盾を叩きつけ、真っ直ぐ前を向く

 

「それが――私の戦いです。フェルグスさん」

 

「――シールダー、か。・・・お嬢さんに相応しい戦いだな」

 

カラドボルグを引き抜き、担ぎ構える

 

「――マシュ!一分だけ、私を護ってくれますか!」

 

コンラが魔力を高め、練り上げ始める

 

「コンラさん・・・!」

 

「『私も、私のために戦ってみます!』そして――フェルグスさんに叩きつけます!私の総てを!――私の意志で!」

 

・・・そう。父のために、あえて『自分の為に』力を振るう

 

 

名誉を護るために、自らの全力を出す

 

悔いのない戦いをしなければ、何より――

 

「――それが父の、お祖父様の名誉を護る事になると信じて!」

 

二人は強く目線を交わし、頷く

 

「――守護は任せてください!必ず時間を稼ぎます!」

 

「ほう――ならばその一分、最大最高のものにするしかあるまいな!」

 

 

ゆっくりとカラドボルグを掲げ――

 

「――真の虹霓をご覧にいれよう――!」

 

大地に、深々と突き刺す!

 

――宝具!

 

直感的に悟ったマシュもまた、全力を以てその守護の全霊を開帳する!

 

「――コンラさん!私を信じて、準備を!」

 

「はい!」

 

 

突き刺したカラドボルグから、虹色の光が沸き上がりアメリカの大地がかき回され砕かれ噴き上がっていく――!

 

 

「我が全霊、その盾に敵うものと信じよう!――『虹霓剣(カラドボルグ)』――!!!」

 

天地天空、大回転。虹色の剣光が大地を問答無用で粉砕する地形破壊兵器の側面を遺憾無く発揮し、二人の少女を呑み込まんと輝き猛る――!

 

 

その輝きの暴威に――

 

 

「――宝具、展開します――!」

 

 

恐れを勇気と決意で包み込み

 

仮想宝具・疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)』を、真っ向から展開する――!

 

 

「っ、あぁあぁあぁあぁあ!!」

 

 

迫り来る虹の破壊、怒濤のごとく迫り来る暴力的な螺旋の剣光――

 

踏ん張り、目を開き、手を握り、身体を一つの盾と成し、真っ向から迎え撃つ

 

 

――背中にいる、仲間を護るために

 

「はぁぁあぁあぁあぁあぁあぁあ――!!!」

 

 

――今まで、先輩を護ってきた事実に誇りを抱き

 

 

「ぬぅ――!」

 

――これからも、護り抜く事を誓うために――!

 

「それが、私の――」

 

 

そしていつか――

 

「進む道――選ぶ、戦いだから――!!」

 

 

――開闢の星の輝きを受け止める守護に、至ることを信じて――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――見事だ、お嬢さん」

 

丁度一分の攻防、土地を破壊し、蹴散らしたその剣劇

 

 

フェルグスの周りの大地は余さず破壊し尽くされ、粉々に粉砕されている

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ――!」

 

 

――マシュの周囲、背後は――なに一つ破壊されていない

 

――雪花の盾、勇気と決意にて奮い起つ

 

此処に、マシュの盾は更なる強固さを手に入れたのだ――

 

 

「・・・っ、あ・・・」

 

ぐらり、と力が抜け、倒れこむマシュを

 

 

「――ありがとう、マシュ」

 

水色の長髪、額を隠す程のロングヘアーの『淑女』が抱き抱える

 

 

「あ――コンラ、さん・・・?」

 

――其処にいたのは、童児コンラとはかけ離れていたものだった

 

 

タイツは、胴体のみに纏わる水色のレオタードに。オッドアイだった両目は神性を表す金色に

 

未熟な幼児体型だった肉体は、しなやかな雌豹のような引き締まりと、肉感的な豊満さを兼ね備える絶世の肢体へと変貌する。身長は170センチメートルにまで伸び、胸はDカップにまで成長し、レオタードが臀部に食い込むほどに大きくなる

 

鼠径部をギリギリまで見せるその動きやすさを追求した余りにも過激なデザインと、右腕に刻まれた大神ルーを表すルーン、右指全てに嵌まる指輪

 

 

そして、それとはアンバランスな・・・幼児のような無邪気な笑顔

 

「ここからはこのコンラに、お任せを」

 

 

――右腕に握るは、光の神槍『極光の槍(ブリューナク)』。その輝きは眩く、光輝く神威となりて偉容を示す

 

 

――今のコンラは、アーチャーではない。更に言えば、本来のコンラですらない

 

 

これは『有り得た可能性』。大神ルーが夢見、その祝福の総てにて霊基を引き上げた『成長した』コンラ

 

 

――存命であったならば、その武勇はアルスター総てを統一し、遥かローマにまで届くと豪語せしめし、クー・フーリンすらも上回らんとする有り得ざる英雄

 

『ダブルクラス』により、ルーの祝福を完全解放した――ランサー・コンラの姿だった

 

 

「おぉ・・・クー・フーリン・・・息子がこのような美女とは・・・スカサハと瓜二つではないか・・・!」

 

歓喜にいきり立つフェルグス。雄々しきフェルグスのフェルグスもいきり立つフェルグス

 

「――ありがとう、お父様を導きし勇士の中の勇士・・・フェルグス」

 

マシュをそっと下ろし、片腕で巧みに槍を振るい構える

 

「貴方と手合わせできる光栄、我が武芸の全霊にて御応えさせてください!」

 

コンラの真っ直ぐな嘆願に、力強く頷くフェルグス

 

 

「おう!これは負けられん!即座に打ち倒し、押し倒して口説かねばな!!」

 

「??――行きます!!」

 

そして、即座にコンラは全力を解放する

 

 

「――っっ!!!」

 

――フェルグスは、目で追うことは出来なかった

 

 

コンラとブリューナクは『光となり、一体化』し、人型の光速となりて、フェルグスを、いや――『世界総てを置き去りにする』速さにて、フェルグスを縦横無尽に打ち付けたのだ

 

 

――太陽神ルーの祝福を解放したコンラの起源は『光』。そして、コンラの有り得ざる武芸は、武器を操る者の極み、極致に到達していたのだ

 

 

「ぬぅうっ、ふぅ――!!」

 

経験と修練にて培った心眼にて追い縋るも、肉体の反射と反応すら置き去りにする凄まじい速さにて、身体を損壊させられていくフェルグス

 

 

――その極致即ち『武器との一体化』。光の中にて『武具と合一』し、輝ける一条の光となり、光源槍術を縦横無尽に振るうコンラ

 

その速さ、評価規格外――

 

『――ッッ!!』

 

その迅速さには――何者も追い縋るものが無いほどの無双

 

 

有り得ぬが故に、何者にも触れ得ざる――『光速』の槍術

 

 

父と並ぶ・・・まさに、アルスター最速也――!

 

『決める――!!』

 

縦横無尽の軌道を描き、やがて実体化し、大気中のマナを一身に集め、魔力に還元し

 

『はぁあぁあぁあ――!!』

 

コンラの声音に、アメリカの精霊達が呼応し、大地の総てを槍と、その身に一身に受ける

 

 

 

『行きます――お祖父様、お父様に、この一撃を捧げましょう――!!』

 

大地と太陽神の輝きを集め、自らがそれを束ね、一身に受け――光に――昇華し

 

『――いざ――っ!!』

 

 

――――光条が、迅る

 

 

『『星照らす極光の槍(ルアヴァータ・ブリューナク)!』』

 

 

――結果、因果すらも置き去りにする一撃

 

 

「――佳き女達を導き、また倒される」

 

胸を穿たれ、消滅が始まるフェルグス

 

「よい、結末だな――うむ。有り得ぬクー・フーリンの息子の業、この身に刻んだぞ」

 

笑いながら、聖杯を投げて寄越す

 

「――うむ。よい――最期であった――メイヴ、クー・フーリン・・・お前たちも、そうだったか?ク、ハハハハ――!!」

 

最期まで豪快に笑いながら――勇士の中の勇士、フェルグス・マック・ロイは、精悍に、朗らかにこの世を去っていった――

 

 

「・・・ありがとうございました。勇士フェルグス」

 

ブリューナクを解除し、深々と頭を下げるコンラ

 

「貴方がいなければ――お父様の活躍は無かったでしょう。――貴方の武勇伝に、心からの敬服を」

 

「――聖杯、確かに・・・回収しました」

 

・・・二人は、胸に刻んだ

 

 

気前よく、嫉妬せず、恐れを知らない

 

一人の、勇士の存在を――




――いいえ。魔神にはならなくていい。むしろならないで



・・・何と

魔神にするのはクラン・カラティンだけよ。貴方を魔神になんて醜いものにしたら勿体無くて仕方無いわ


貴方は貴方のままに、相手に立ちはだかりなさい。気前よく、嫉妬せず、恐れを知らないその姿、見せつけてあげて


――全く。身体以外は最悪と信じて疑わなかったが・・・

何?その顔。私は負けないわ


だって――最大最高の『女』なんだもの!私が踏みにじるに相応しいライバル!負けるわけには――いかないんだから!


――そういえばお前に・・・


だから――貴方は、貴方のままで。私も、クーちゃんも戦うから。同じように

――同姓の友は、いなかったなぁ――

さぁ、ベッドにいきましょう?貴方の力を貸して、フェルグス

――出逢えたなら、仲良くするのだぞ?


・・・愛しているわ。私の勇士――

――教わるがいい。女付き合いと言うやつをな――



孫よ、その身に祝福あれかし(ルー・ゲッシュ・ギフト)

種別 対人 ランクA+ レンジ 一人 最大捕捉 一人


コンラの身に宿らせた太陽神ルーの祝福を完全解放した姿に変貌させる宝具


ランサーにクラスチェンジ。武勇を振るう勇士に相応しい姿と肉体に変わる

有り得ざる故の姿ゆえに、限界を遥かに越えた力を発揮する最強の親バカ宝具

この姿のコンラは父に迫る、或いは上回る武芸に加え、太陽神ルーの力にて身体の『光化』を可能にし、光なる存在となり自在に活動が可能となる。同時に、大地の精霊の力を一身に受け、エリンの神々の祝福を余さず受ける状態になる

星照らす極光の槍(ルアヴァータ・ブリューナク)


種別 対人・対軍 ランクA+++ 最大捕捉500 レンジ1~500


極光の槍、ブリューナクと己自身を一体化させ、光の槍となり相手を呑み込み穿つコンラとルーの必殺光槍

武器使いの極致『武器との一体化』に辿り着いたコンラの武芸と、太陽神ルーの祝福、そして大地の精霊総てのバックアップを受けて放つ光の刺突

防御、回避技能を完全無視した敏捷依存のダメージ。――この宝具は、発動から一秒後には総てが決している

この世で光より速い物質は存在しない故に――回避、防御は『間に合わない』のである


そして、コンラの魔力消費の殆どはルーが受け持っているので、この宝具はEランク相当の魔力消費しか行わない

大地の精霊、太陽神ルーのバックアップにて威力が無限に引き上がる、愛され孫の至高の一撃である

――尚、女体化した場合はスカサハの姉妹とされたオイフェ、母に瓜二つとなる

精神的な年齢は変わらないので・・・喜怒哀楽豊かなスカサハ、みたいな事になるので兄貴は歓喜とサブイボ必至


コンラは子供だし、全然行けるし

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