レタッソク「ミョスガルド聖…今の我々は理解できる」
ウロヤソク「あなたは奇人ではない。人の優しさと強さを知ったのだな…」
ニャル【彼はドンキホーテ・ミョスガルド。かつて天竜人の座を放棄したドンキホーテ・ホーミングの座を継いだ天竜人。下界に降り、オトヒメと対話し目覚め、今はマリージョアの内部改革に勤しむ天竜人…】
ミョスガルド「天竜人の横暴、横行、そして歪みきった認識…私はそれを変えたいと考えている。その時私の前に、彼が降り立った…」
〜
『あなたが皆の言ってた、綺麗な天竜人かい?僕はルシファー。君の力を貸してくれないかな?』
〜
「ルシファー殿の考案した計画に、私は賛同した。まずは奴隷…非道な扱いを受けている者達を聖地から解放する」
「そ、それは…?」
ミョスガルド「…聖地マリージョアごと、天竜人を世界から隔離する!!」
「「!?」」
【皆様のいる世界からあと数年後、大きく世界が動く事象が起きる。そこに我々の同盟者…ミョスガルド聖が出会った【ルシファー】が単独で突撃。天竜人を確保し、物資を略奪し、聖地マリージョアへの海路と航路を完全に断ち切る。少なくとも、気まぐれに下界に天竜人は降りてこられなくなる上、その絶対数を大きく減らすこととなる。いうなればかの英雄『タイガー・フィッシャー』と大海賊【金獅子のシキ】の再来を起こそうと言うわけだな】
「「おぉ…!!」」
ルシファーが情報を仕入れ天竜人側のスパイに選んだミョスガルド、そして人として目覚めたウロヤソク、レタッソクにニャルはルシファーの計画を説明する。ルシファーは単に【これやりたい!】という案しか出さない為、頭をひねるのは同盟のカルデア側なのだ。
「どんな理由があれ、奴隷を手にし外の世界を害し続ける限り、天竜人への嫌悪や怒りを覆すことはできない。……ホーミングは、それを理解できずに下界に降りたばかりに…残念な結果になってしまった。奴隷制度こそ、天竜人がまっさきに廃すべき悪しき風習…!」
「このウロヤソク、カルデアのデータベースを見て学んだ。奴隷というものは正当な報酬を払い労働力を発揮する大切な人的財産。あの世界の奴隷制度は誤りだ。我々は、玩具と家畜に人を堕している…!」
「おお!このレタッソクの償いはまず、奪った全ての尊厳を取り戻す活動をすることだ!!」
「レタッソク聖…ウロヤソク聖…!」
【…存在することは罪にはならない。あなたたち天竜人はけして純粋悪ではない。あの世界を作り上げた20人の王は、愚昧では無かったのだから】
感涙に咽ぶミョスガルドの肩を叩く。計画の骨子を、ルシファーという最大最強の暴力を活かすために突き詰めていく。
「ルシファー殿の襲撃に合わせるため、マリージョアの地形天竜人が捕えている人々の位置や間取りを取りまとめあなたに提供しよう。可能な限り、虜囚の解放をこちらも支援する」
【その後の隠蔽工作は任せてもらいましょうか。あなたの行為は、天竜人への警察、神の騎士団の誘致を招きかねない行為…あなたは死んではならない御方だ】
「感謝する、ニャルラト聖。人と魚人の未来、天竜人の未来の為にも…全力で事に当たる所存だ」
【必要ならば私の娘たちもボディーガードに…】
「それはならんニャルラト聖ッ!!」
「あなたの見目麗しき娘を見れば、今の天竜人はどの様な手段を使っても略奪しにかかる!彼女たちの尊厳は護らねばならん!!」
【………(ちょっと嬉しい)。配慮に感謝しよう。では…】
「我々が…襲撃に合わせ『神の騎士団』の囮となろう」
「あぁ。死んだと思われた天竜人が、かつての天竜人に襲いかかる。その異常さには出張らざるを得まい。神の騎士団達が…!」
神の騎士団。天竜人の在り方を矯正する自浄作用。人の価値観に染まり、神でなくなった人間を粛清するマリージョアの自治組織。無論それらは最強戦力であり、戦いなど無謀だが…
「死ぬ気か、レタッソク、ウロヤソク!?」
「死なぬさ。死など逃げだ。我々は人として歩まねばならない生がある。死して楽になることなど許されん」
「おうとも!鍛え上げるのだ…!神の騎士団に負けぬよう、数年を懸けて!!」
神の騎士団に立ち向かう。二人はそう決断した。天竜人を処分する天竜人。二人の実力が、果たして数年の研鑽でどれほど埋まるかは未知数ではあるが…
「一つ、お願いがあるのだニャルラト聖。確保した天竜人に…なるべく、我らが受けた教育と更生を施してもらいたいのだ」
【ほう?】
「ミョスガルド聖やホーミング聖、そして我々の気付きを得て確信した。我々の存在は、どうしようもなく歪んでいる。何らかの要因によってだ。…世界を変えるためには、我々が目を覚まさなくてはならん」
「どうしようもなく腐りきった者達は、我々が責任を持って始末を付ける。故にどうか…我等が同胞の尊厳も、取り戻す手伝いをさせてくれないだろうか」
…ルシファー的には【とりあえず全員殺せば良いんでしょ?】という認識を持っているため、懇切丁寧に説明する手間が生まれたが…ニャル的にもこれは歡迎の申し出だった。
【それでは、確保した天竜人の再教育と奴隷扱いを受けた人々のケアはここで行う。極秘情報な為他言無用だ】
「ここは…かつて滅んだエレジアか!?急激な海難と悪天候による【トットムジカの呪い】と呼ばれし亡国…」
【着実に復興している。いずれここは大海賊時代における中立国家…新時代における音楽国家として生まれ変わるだろう。天竜人諸君にはここの復興の手伝いを、奴隷扱いを受けた者達はここの市民権を確保してもらう。何、資材と資金はマリージョアからしこたま戴く計算だ。ウロヤソク、レタッソクは復興と教育の陣頭に立ってもらおう】
何度も言うが、ルシファーは個の極みにして輝ける者にしか関心がないため、プランはバアルが組み立てカルデアに送られてくる。それの仔細を詰めるのがカルデアの役割なのだ。エレジア復興プランは、カルデアと地獄の共同計画なのである。
「中立国家!かの聖地ナツクサのように、誰もが仲良い国家か!」
「夢のある響きだ…海賊も海軍も天竜人も無い、真の平和と平等を目指すに、かつて芸能を追い求めたエレジアは相応しいだろう!」
【ならばこそ、ますます二人が死ぬことは許されないぞ。指揮と教育、監督業務をマリージョアから離れられないミョスガルドの代わりに務めるのだ。覚悟はできているか?】
「無論だとも!捨てるために命を、尊厳を救って貰ったのでは無いのだから!」
「鍛え上げ、虜囚と天竜人をどちらも救うために戦うのだ…!生きねば何も、償えぬ!!」
その決意と決心は揺るがぬ鉄のようだ。紛れもなくそれは、世界を創り上げた高貴なる世界の創始者の輝きを宿している。レタッソクにウロヤソクは、救いと償いの道を見出していたのだ。
「私も負けてはいられんな。可能な限り、マリージョアの情報と動向をあなた方に伝えよう。天竜人の立場にあればこそ、出来ることもある」
【大変助かります。ルシファーは襲撃後、天竜人と賞金首を対象にした『天竜狩』と【賞金稼ぎ】に勤しむそうですので、非加盟国等に滞在している天竜人などがいれば、是非】
ミョスガルドもまた、天竜人の在り方を変えんとするものだ。彼の先代ドンキホーテ・ホーミングは人として下界に降り、人として生きようとした。しかし、人が天竜人に抱く怒りと憎しみを理解しきれず、惨たらしい最後を迎えることとなった。
余りにも閉鎖しきった環境、余りにも閉塞的な環境。それを成し遂げる活路…粛清とすら呼べる膿出しよる改革の可能性が、今眼の前にある。ならば望みを託すはなんらおかしい事ではない。ミョスガルドは、三人は懸けたのだ。天竜人の未来を。
【それでは、ミョスガルド聖はマリージョアへと送迎させていただきます。ウロヤソク、レタッソクはエレジアにて復興と鍛錬を始めてもらう。猶予は…4年ほどか】
「四年か…一日も無駄にはできんな」
「うむ!我等の出来ることはすべてやらねばならんな!世界政府よ…目にもの見せてくれよう…!」
「皆…我々の力を合わせ、悲劇に満ちた世界に僅かでも希望を齎そう。人間の生きる世界のために、我々が生きる世界のために…!」
三人の天竜人が肩を強く組む。二度と過ちを侵さぬ為にも、手にした尊厳と想いの為にも。
(…海軍大将は当然、場合によれば元帥や五老星とも一戦交えるやもしれん。カルデアの難敵、ルシファーの力…計るには丁度いい)
そして、いつか刃を交える敵の実力も計る。抜かりのないドブ色の脳細胞、ニャルなのであった…。
聖地マリージョア パンゲアの玉座 花の間
イム『デビューはまだか?ムー、早く最前列でライブ見たいぞ』
ルシファー「もうすぐもうすぐ。あ、今度マリージョア襲うんだけど、天竜人何百人か貰っていい?アリーナSチケット渡すから」
イム『構わん構わん。…あ、数人だけ残せ。あとは好きにしろ。アリーナチケットの代金としてなら安いゴミ達だ』
ルシファー「ありがとう、イムちゃん!」
イム『イムゥ……ウタ女子としてこの灯は灯さねば…』
着実にウタ沼にハマるイムであった。
ルシファー(別次元じゃカープ女子だもんなぁ…イムちゃん…)
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