人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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マーリン「やぁ皆!皆の頼れるマーリンお兄さんだよ!」

キャスターアルトリア「うわ出た」

CCA「アヴァロンへ帰ってもらえますか?」

モルガン「来ないでください」

マーリン「うーん酷い評価。そんなに邪険にしないでおくれよ、ブリテンが舞台ということできっと力になれるだろうからさ!」

騎士王「……………性根はともかく、その腕前は信用できます。話は聞いてみましょう。性根はともかく」

リッカ(長い長い葛藤が見られたなぁ…)

マシュ(色々振り回されたが故でしょうか…)

マーリン「よぉし、では色々アドバイスしちゃうぞ!私としても、バッドエンドにページ追加で新しい物語を作るのは大賛成だからね!」

モルガン(…そう言えば、人より物語を愛する性根でしたね)

CCA(直々に力業でハッピーエンドにできる機会なんて、見逃さない訳かぁ…)

プーリン「ちなみにメスの方も控えてるよ!サポートは万全と思ってくれたまえ?」

アルトリア達((((うわぁ……))))


出張!頼れるお兄さん&お姉さん!

「さて、贖罪の旅とは言うがそこはケルヌンノスの怒りにより既に滅び去ってしまったブリテン。あてにする地名も、目当てになる目印も、目指すべき街すらもないナイナイ尽くしの大惨状。トネリコなにがしの導きが在るとはいえ、闇雲に行くには危険な場所に闇雲に行かなくてはならない矛盾が発生している。辛いところだねぇ」

 

だからこそ、オーディンが首を吊るという真似までして智慧を引きずり出した対応を取ったんだよねとマーリンは妖精國の詰みっぷりを説明する。的を射た発言ながら浮かれたガイドめいた発言にアルトリア達は目を細める。そんなだから傍観者でしかいられないんだと。共感性が欠如しているのだ。

 

「でも大丈夫!このマーリンが手頃かつ確実な手段をお教えしよう。踏破手段はこれでばっちりさ!あ、踏破の障害は自分でなんとかしてくれたまえ。長居したい場所でもないからね!」

 

「教えるだけ教えてトンズラこく気ですよ姉さん。柱に埋めますか?」

『やめなさい。腐ってしまうでしょう』

 

「ん〜辛辣だなぁ。だがめげないぞぅ!ではまず君たちはここにいる妖精達の力を借りて、この妖精國を歩き回れる『生存権』を確保するべきだ」

 

「生存権?チルノ達の力を借りてって…」

 

「リッカ君やマシュには馴染み深くないかもだね。本来妖精というのは自分の領域を定め、定めた範囲の世界法則を変えられる力を持っているんだ。汎人類史の妖精たちが姿を見せないのはこの力で世界を切り離しているから。そしてこの妖精國の惨状は一匹の妖精が世界をその力で包み、呪い続けているからなんだ」

 

だから、このような地獄そのものであり闇しか無いような光景が生まれているのだと頷くマーリン。地獄が産まれたのではなく、地獄を生み出し続けているのだ。妖精たる存在、あるいは神そのものが。

 

「それに対抗しなければ、呪いに浸され呑み込まれてしまうかもしれない。ここに集った妖精達もまた妖精。力を合わせて、皆の生命を護る領域を勝ち取ることが探索の絶対条件さ!」

 

「成る程。即ち妖精達の固有結界を移動時に張り続けろというのですね」

 

「そういう事だね。リッカ君の魔力は濃さで言えばケルヌンノス以上だが、量はあちらが圧倒的だ。海に飲まれた角砂糖にならないよう、対策は必須さ!」

 

「えっ…このマスターさんケルヌンノス以上の厄ネタなんですか…」

 

「引かないでCCA!コントロールできてノーリスク!ノーリスクだから!」

 

一番気に入ってるのは?安定性。そんなやり取りをアジーカはするくらいにコントロールできている泥にドン引きされショックなリッカをさておき、マーリンは笑顔で頷く。

 

「しかしそれだけではただシェルターを作ったに過ぎない。目的地への導き手が必要になるのは当然だね。そこでウーサー君の聖剣に、ルイノス氏の共感魔術の出番という訳だね。ウーサー君の聖剣に宿った誇らしき六人の妖精達の意志が、かつて厄災に呑まれた贖罪の鐘の残り香を見出してくれるだろう」

 

「ルイノスちゃんはバラバラにされてしまい、なおも生きている巫女とシンクロする事ができるから、封印されしほにゃららパーツ探しにはもってこいの人材だね。ナビゲートに二人は必須さ!」

 

「所々に殺されても文句言えない言文混ぜるの、ホントマーリンって感じするよね姉さん」

『後でアヴァロンの端に檻を作りましょう』

 

「ですがアドバイスは的確そのものです!そ、そうですよね騎士王!」

「えぇ。………そこが厄介なのですが」

 

コイツ本当にそういうとこだぞ、と心が一つになったところで、更なる腹立つアドバイスは重ねられる。報告される進言自体は値千金の金言であるのだ。そこがマーリンの忌むべきところである。腹立つくらい優秀なのだ。

 

「準備ができたところで、私のオススメとする目的地は北の地、救世主トネリコが婚姻の儀を行ったとされる土地だ。ちょうど君たちは本来なら名無しの森があった場所付近にいるから、とにかく北へ北へと向かってみると良い。あれほど優れた救世主が死を覚悟した策を打ったなら、術式以外に必ず何かを残しているはず。ソウルライク的な拠点、ファストトラベルポイントとして極めて有力候補だろう」

 

「婚姻の儀…教会、ってことだよね。自分の死を引き換えに、希望を託してくれた救世主トネリコ様…」

 

『…並々ならぬ覚悟だったでしょう。彼女の願いは、自身の居場所。それすらも捨てて、希望を未来に遺すことを選んだのだから。それに、恐らく私よりも何倍も優秀だ』

「まっさかぁ〜。姉さんより優秀な魔術師なんているはず…あのゆるふわポニテおじさんいなかったことにならないかな。だめかな」

 

『いやぁ、指輪がすごいだけなんだけどね?』

 

モルガンの言葉は称賛を多分に含んでいた。本来ならば、異聞帯の自分は汎人類史の知識と知恵を受け取った二回目の旅路であり、異聞世界を作る際にもその引き継ぎありきの妖精国だった。なんとこちらの救世主トネリコは、一度の挑戦で完璧な引き継ぎをしてみせたのだから。

 

『希望を見つけた時の喜びは察するに余り在る。…ゆえにこそ、その瞬間こそが救世主の命日だったのだろう』

 

全てを救い、誰もが幸せな国を作るという夢見る乙女は、自身の仲間のみを助け世界を救うという女王となった。

モルガンはそれを、幼年期の終りと見る。彼女は裏切られ続けた末、絶望ごと未来の民の障害を切り捨てたのだ。愛すべき家族と、小さな小さな今ある『國』の為に。

 

『その選択が正しかったのか、そうでなかったのかは…我々の奮闘が物を言うでしょう。奮起なさい、我が妻』

 

「………」

 

『返事はどうしました?我が妻よ』

 

「…え!?妻って私!?」

 

『他に誰かいますか?あなたは私の名代。なんとしても私の國を助けるように。可愛らしい夫たる私の願いを叶えなさい』

「オブフッww」

 

『おいチープアルトリア。何故今噴き出した。言え。言ってみろ』

「自分で可愛らしいと言うのは…麗しいならともかく…オブフッ…w」

 

『やはりお前を呼んだのは間違いでした。霊基を改造し爆弾にしてケルヌンノスの大穴に投げ込みましょう』

 

「そんな、だめです!可哀想ですよケルヌンノス様が!」

「キャストリアぁ!投げ込まれる私は可哀想でないとでも言うのかァ!」

 

「…………てへっ☆」

 

「ふっふっふ、どうやら私も楽園の厄災として寝返るルートも見えてしまいましたね…キュート・キャスター・アルトリア・オルタ!オイオイオイ終わったわ人類史」

 

『存分に滅せられますね。いつ成るんです?』

「止めてよぉ!!」

 

「解りました。巫女の念、必ずや受け止めてみせます!」

「俺も信仰を奮い立たす。俺は護りたいのだ。始まりの六人の名誉と尊厳、敬愛せし人理の光たちを…」

 

ルイノス、ウーサー、共に受諾。マーリンの印象はともかく、そのプランは全面的に肯定される事となる。

 

「よくわからんが、親分として妖精パワーを高めればいいんだな!任せとけ!あたいはなんか白黒のやつに『お前の罪は妖精にしては強すぎる』とかなんとか言われたことがあるからな!」

 

「では、ロード・キャメロットを使い移動式居城として妖精國を進みましょう!安全さには自信アリです!」

 

「お役に立てた様で何よりだ!それじゃあね!」

「果報をアヴァロンで待ってるよ〜!」

 

「あ、ついては来ないんだね!?」

 

「諦めましょう。マーリンとはそういう夢魔なのです」

 

騎士王が悟りきった目でリッカの肩を叩く。そのアドバイスは的確すぎるほど的確で、妖精の聖剣、キャメロット、巫女の宣託、ホープ達の領域により、移動手段は確保されたのだ。

 

「……」

「騎士王、どうかした?」

 

「…いえ。キュート・キャスターとモルガンなのですが。あのように私は、モルガンと仲良くはありませんでしたので。少し…微笑ましいと感じていたのです」

 

「〜……」

 

凛々しい騎士王の、ちょっと丸まった背中を優しく撫でるリッカ。目指すは北。トネリコの悲劇の地へと一行は向かう…。




■■■■■【へぇ〜。お前が噂のヴォーティガンかぁ。今度はそんなカタチの姿なんだ、意外なンだわ〜】

【妖精國、いやブリテンそのものを終わらせる?あぁ、それには賛成だ!跡形もなくなるくらい滅ぼしたいと思ってたとこだからな!】

【協力する気なら大歓迎だ!お互い仲良く力を合わせて、妖精の生きた痕跡もろとも綺麗さっぱり無くしていこうぜ!ところで聞きたいんだけどさ。■■■■、だっけ?】




























【お前も妖精だよな?】

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