人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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カドック「グランドマスターズ、いつでも行けるぞ!」

キリシュタリア「見るからに強そうなボスじゃないか。腕がなるね!」

ロマン「待ってくれ!あの呪いを解析したところ、特別な処理なしでは取り込まれてしまう!そのレベルの呪いなんだ!こちらで対策するまで待ってくれ!」

ベリル「おいおい、現に相手はそこにいるんだぜ?」

オフェリア「悠長な真似はできないわ。せめて足止めを…」

リッカ「なら私と、騎士王と、マシュが行く!」

ヒナコ「…大丈夫なんでしょうね?」

リッカ「呪いには強いからね!」

オルガマリー「──解ったわ。時間を稼いで、3人とも!こちらは処置を開始するわ!急いで!」

シオン「了解です!」

モルガン『…しくじるなよ、アルトリア』

騎士王『無論です』

(仕事帰り執筆なため、各種返信は明日から行います)



おわりのおわり

「あれが…このブリテン島に巣食う厄災の形…?」

 

リッカ、マシュ、そして騎士王が甲板に上がり、その厄災たる騎士の鎧、呪厄の化身と相対する。ロマンの呪詛対策がマスター、並びにサーヴァントに行き渡るまでは、アヴァロンを持つ騎士王、厄災を退けるギャラハッドと一つであるマシュ、そして、呪詛すら上回る真正悪神の【この世すべての悪】の資格者たるリッカのみがソレと見えることが出来る。

 

【■■■■】

 

言葉は発さず、正体すらも解らない。ただその存在が、全てを呪い仇なす存在であることのみを理解するしかない。そしてその魔力は、超抜という他無いほどに高い。

 

「くっ…」

「マシュ、大丈夫?」

 

その圧倒的重圧に、マシュは僅かにたじろぐ程だ。空間に人型に穿たれた奈落。そんな印象を懐かせるまで、その存在は常軌を逸している。地獄を識るリッカ、騎士達の王たる騎士王に比べふらつくは無理もない。

 

「マシュ。恐れを識るならば構えなさい。あなたの、私達のマスターを守護するのです」

 

だが、呪詛にも染まらぬ清廉さと清澄さでマシュに騎士王は勅令を飛ばす。騎士王は、歩み出る。

 

「おそらくこれは緒戦。今アレを討ったところで、状況の好転は望めません。ですが…」

 

「うん。私達の意志を伝えよう。呪いに対する、宣戦布告をお願い!騎士王!」

 

「承知しました。マシュ、リッカ。私の後ろに」

 

厄災にすらも、高潔さを見せる騎士王は相対する。呪いそのものの、その存在へと。

 

「──来るがいい。そして、挑め。勝者たる歴史に在りし騎士の王へと」

 

その言葉が──開戦の合図となった。

 

【■■■■■■!!!】

 

狂乱も隠さず、真正面から騎士王と激突するヴォーティガン。輝けしエクスカリバーと打ち合い、鮮烈な火花を上げ剣戟を演じるブリテンの呪いそのもの。

 

『───』

【■■■■■ーーーーッッッ!!】

 

狂乱のヴォーティガンの一撃一撃が、サーヴァントを安々と圧殺する殺意と重圧に満ち溢れた驚愕の連撃。それを騎士王は、片手のエクスカリバーの神域の剣技で捌き切ってみせる。

 

騎士王は界聖杯を有したサーヴァント。全ての騎士の力を内包した、アルトリアの形をした騎士道そのもの。その技量は、ランスロットやガウェインすらも内包しまた上回る。誉れ高き騎士の王は、言葉通りに厄災を打ち払う王足りうる。

 

「凄まじいです!流石は御機嫌王の右腕!」

「油断しないで、相手も普通じゃない!」

 

リッカの言葉に倣うように、ヴォーティガンも脅威の手練手管を見せつける。重ね塗られた、呪詛と怨嗟をカタチとする。

 

【■■■■!!】

 

手を打ち震えば、黒き熱波を放ち。足を震えば、黒き迅雷を放ち。爪で空をかき鳴らせば、真空の刃を放ち、その咆哮は、伝染する狂気を伝播する。攻撃するたびに空間が軋み、アトランティスボーダーが激震し、打ち払う騎士王が一歩、一歩と後退する。

 

「ブリテンに敷き詰められた厄災、これほどか…」

 

騎士王は、生前にすら見据えなかったそのあまりの積層に驚嘆を覚えるほどだ。まるで、ブリテンを終わらせんとする星の意志が形を以て迫りくるかのようだと、聖剣と左手で打ち払いながら瞠目する。

 

【■■■■■■■ーーーーーーーー!!!】

 

騎士王でなければ十は八つ裂きにされていたであろうラッシュを放ちながら、慟哭するヴォーティガン。その威容を見るだけで理解するだろう。神の怒りと、怨嗟の強大さを。

 

「グランドシールダーの名は、穢しません!!」

 

しかし、その呪いすらもマシュは凌ぎきりマスターを護る。ギルガメッシュの天の理すらも防いだ自負は、世界と神の怒りと呪いにも奮い立つ勇気となる。がっしりと腕を組み、マスターとしての本懐を担うリッカを守護する騎士として。

 

「それでいい。…ブリテンに巣食う厄災よ」

 

【!!!】

 

「赦免の刻は訪れる。我等がこの地に訪れた今、永劫の責苦は終わるのだ。──この一撃を、契機と知れ」

 

再び、剣戟を行わんとし猛進するヴォーティガン。魔力放出の要領であるのか、その突進は目視では捉えられぬ程の迅速さを誇る。

 

「『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)』」

 

エクスカリバーの前身、選定の剣を左手に持ち、ヴォーティガンの突進を真正面から受け止める。数十m遥か後方にまで勢いを引きずり、足甲から火花と炎を放ちながら、ヴォーティガンと鍔迫り合う騎士王。

 

【■■■■■■■■■■!!!】

「受けるがいい」

 

受け止めた刹那、ヴォーティガンの両腕を跳ね上げる。そして高らかに、星の聖剣を掲げ──。

 

「『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』」

 

片手で、振り下ろす。それは呪詛と厄災に満ちた暗雲を貫き、尊き祈りと輝きを持って、妖精國の全てを照らし出すように煌めく。それは、妖精國にいる僅かなる命全てが目にした輝きとなって、贖罪を望む心を強く肯定する。

 

【ーーーーーーーー!!!!!!】

 

痛打、というより驚愕を表しながら、光の奔流を受け遥か彼方へと吹き飛ぶヴォーティガン。相性としては最悪であろう。かつて一度も目にしなかった、聖剣の輝きの直撃を受けたのだから。

 

その威光はアトランティス・ボーダーを越え、遥か空を貫き輝く光となって厄災を打ち払う。いつの間にかに雨と風は止み、辺りには静寂に包まれる。カリバーンとエクスカリバーを、下ろす騎士王。

 

「やりましたか!?」

「あっ、マシュ!」

 

「…いえ、マスター。言ったとおりです。これは緒戦に過ぎません。星の聖剣だけでは、世界に巣食う呪厄を焼き払えはしない」

 

騎士王は静かに目を眇める。そう、ヴォーティガンとはブリテンを襲う全ての名。アレを打ち払い打倒を果たした、という生易しいものではないのだ。

 

【■■■■■■■■■■!!!】

 

絶叫を上げ、咆哮し猛り狂うヴォーティガン。この地に刻まれし罪深さとおぞましさが、更なるカタチを担い顕現する。

 

 

【炎の厄災】

 

 

 

ヴォーティガンから生み出されし、高機動ドラゴンユニットと言うべきフォルムの敵性体。遥か音速すら越える高機動を持って、再びアトランティス・ボーダーへと肉薄する。

 

 

 

【獣の厄災】

 

 

『アルトリア。更なる厄災が来る。しくじるな』

 

モルガンの通信と同じくして、甲板に超巨大な獣の形を取る厄災が現れる。リッカらより遥かに巨大で、獰猛なる猛犬が如き威容と威風で、騎士王に立ちはだかりし四足の厄災。

 

「貴女の国は厄災ばかりですね、モルガン」

『黙れ。ブリテンの風土がそうさせるのだ』

 

始祖の厄災。復讐の厄災。炎の厄災。獣の厄災。そしてブリテン全土を包む、呪いの厄災。

 

「これら全てが…私達が立ち向かうべき、ブリテンの厄災…」

「ギルが気に入るような宝物、残っていたらいいね…」

 

自身らの目の前に広がる、世界を滅ぼす呪いの全容。あまりにも膨大かつ強大な、罪の証。これらを全て打ち払わなければ、汎人類史に未来はない。

 

「恐れる必要はありません。マシュ、リッカ。我々は決して、この厄災に我等のみで挑むのではないのだから」

 

『不本意ながら、アルトリアの言う通りです。このブリテンが、まだ世界としてあるのなら…』

 

そう。絶望が世界を覆い尽くしているのだとしても。眼の前の全てが、呪いと絶望に満ち溢れていたのだとしても。

 

『絶望を打ち払う希望を観測する展望台。それがこの、カルデアという組織であるのですから』

 

モルガンの言葉は、確かなる証明として現実となる。先に騎士王が打ち放った渾身の聖剣。あれはヴォーティガンを滅ぼす為に放ったものではない。

 

「──あーもう!速すぎ!速すぎるんですよこの多脚馬!上にいるのは首吊りおじさんじゃなくてか弱い乙女なんですよ!?」

 

『聞こえるかい3人とも!協力者とコンタクトできた!!今そっちに向かってもらっているからね!』

 

妖精國の希望を、照らすためのものであったのだ。




キャスター・アルトリア「カルデアのみなさーん!!私は現地の協力サーヴァント!キャスター・アルトリアでーす!!アルトリア・キャスターじゃありませーん!!そしてこちらはスレイプニルー!!協力者の一人の、首吊りおじさんのペットでーす!!」

炎の厄災【!!!】

キャスター・アルトリア「今から首吊りおじさんが皆さんをワープさせますんでー!!覚悟の準備をしておいてくださーーーい!!!」

マシュ「首吊りおじさんとは!?」

リッカ「スレイプニル…もしかして…!?」

瞬間、アトランティス・ボーダーをまるごと魔法陣が包む。最高位の魔術が一同を包み、そして────。


〜ランデブー・ポイント 憩いの湖

リッカ「ここは…?」

妖精『わぁ…!本当に、本当に来てくれました…!』
妖精『ふふ、やっぱりね。あの光は吉兆だったのさ』

三人の前に現れし、二人の妖精。小さきものと、筋骨隆々の妖精。

ホープ「はじめまして!私はホープといいます!ようこそ、汎人類史の救世主様方!」
ビリィ「ビリィ。ビリィ・ヘリント。考古学を学ぶ妖精だよ。そして先程のアルトリアさんと…」 

首吊りおじさん「」

ビリィ「オーダインさん。湖の管理人も含め、ここが妖精國、最後の生存領域さ。来てくれて、本当にありがとう!」

リッカ「首吊りおじさん!?」

マシュ「なぜ首吊りを!?」

奇怪な出会い…妖精國最後の希望達と、一行は出逢う。


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