人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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(今から感想メッセージ返信を行います)

リッカ「もう可能性があるなら意地でも召喚する!って感じになったね、カルデア召喚システム」

オルガマリー「それほど人理が救いを求めているのか、或いは…もっと凄まじい力が働いているのか。往々にしてメリットばかりではないだろうけれどね」

リッカ「それでも、色んな世界の色んな人に会えるのは嬉しいし、楽しいよ!アカネちゃんとかとっても嬉しそうだったし!」

オルガマリー「そうね…出会いには、素敵な意味をもたらしたいわね。そうやって、私達は人理を取り戻す奇跡を起こしたのだから」

リッカ「ん!さて、次は〜…ん?」

ロマニ「この音…鐘の音?教会エリアで誰かが鳴らしてるのかな?」

ムニエル「いや、それが管制室に聞こえてくるのはおかしいでしょって」

ロマニ「それなら一体…」

シオン「どうやら御客様の演出のようですよ。サークルに反応あり!」

ディーヴァ『随分と派手な人が来るのかしら。仲良くできたらいいわね、リッカ』

リッカ「話ができれば大丈夫!」

?「──へぇ。ここが世界を護る組織、カルデアか。案外普通の機械も使うんだな」

ディーヴァ『来たわ!…って、あれ?』

『ベルト』

青年「あんたらがカルデアのトップ組、そして君が、カルデアのマスター…藤丸立香であってるか?」

ディーヴァ『仮面…ライダー?』

リッカ「私が藤丸立香…リッカです!あなたは…?」

英寿「俺か?俺は英寿。浮世英寿…スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ」

ロマニ「うん、なんて?スターバックス?スーパースター?」

英寿「馴染みがないか?ならこう呼んでくれ。仮面ライダー、ギーツ」

ディーヴァ『仮面ライダー…』
リッカ「ギーツ…???」

英寿「英霊召喚は未来の英雄も喚ぶときがある。俺はその未来のケースだ。知らないのも無理はないな」

ゴルドルフ「ではその、スーパースターはカルデアにどんな用かね?いや、邪険にしたい訳では無いが」

英寿「そうだな…契約を持ちかけに来たんだ」

リッカ「契約?」

英寿「あんた達の世界を護る手伝いをする。その代わりに…俺の世界を一緒に護らないか?」

リッカ「英寿さんの…」
ディーヴァ『世界…?』


OK召喚〜召喚・来訪者Ⅸ〜

「創世の女神と呼ばれる存在を手にした未来人があらゆる世界で執り行う、リアリティライダーショー…デザイアグランプリ。各地の世界で行われた悪趣味な催しから、あなたは遂に女神を取り返し世界を創造した…」

 

「その際に、この世界…汎人類史を未来人の舞台にさせないため、わざわざやってきてくれたのが、仮面ライダーギーツ、つまりあなた、浮世英寿…」

 

「そういう事だ。最近、母さんから世界を創造する力を託されたんでな。汎人類史を懸命に守るあんたらの事を、世界を創る過程で知り、足を運んだってわけだ」

 

手で狐を作り不敵に笑う青年、浮世英寿。年頃は二十歳前半ほどながら、その雰囲気と風格はとても年頃のものではない。言葉にしている核心も含め、只者でない事は確かと全員が認識する。

 

「未来人の連中は、過去の時代を自分達の娯楽の為に消費する最悪の連中だ。俺は漸くそいつらから、自分達の世界を取り返し新しい世界を創り上げた…」

 

「ま、待ってくれたまえ。仮面ライダーは世界を創れるようになるのかね?確かにオーマジオウ殿は出来るかもしれんが!君はそんなにも高位の存在なのか!?」

 

「言ったろ?スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズだって。俺の母さんは創世の女神だ。俺が出来ても、不思議じゃない」

 

「神の息子たる仮面ライダー…インフレーション極まれり、ね」

 

「どんな世界も、あんな奴等の好きにしていい筈はない。だが、向こう百年の人間の未来が約束された歴史、汎人類史をデザグラの舞台にされたら人間の存続に関わる事態だ。俺としても、それは見過ごせない」

 

英寿はその為、世界を護る為にカルデアへと力を貸すことに決めたと言う。人類史において重要なファクター、汎人類史は決して弄んではならないものだからだ、と補足を加えて。

 

「その代わりと言ったらなんだが、見返りとして、こっちの世界…つまり、俺の世界を護るための力を貸してほしい。世界を救う、助けるプロフェッショナルのあんた達の力をな」

 

「未来人風に言うなら、浮世英寿プロデュースの世界のスポンサーになってほしい、みたいな感じかな?」

 

「流石だな、智慧の王。解りやすく的確な解釈で助かるよ」

 

カルデアの首脳部は軽く会合を行い、その真意を吟味する。とはいえ、汎人類史の仕組みや世界の創世を行う彼の友好的な申し出を、断る理由は薄いという結論を下す。

 

「…わかったわ。あなたがカルデアに力を貸してくれる間は、私達もあなたに力を貸します。あなたに協力するマスター、サーヴァント、仮面ライダーを派遣させていただくわ」

 

「助かる。交渉成立だな。なら、これから…」

 

「待って!」

 

オルガマリー、そして英寿の契約に待ったをかけたのはなんとリッカだった。トントン拍子に進んだその契約に、彼女が静止をかける。

 

「り、リッカ君?どうしたかね?真っ先に君が喜びそうな契約だと思うのだが?」

 

「うん。勿論力を借りるのも、貸すのも大歓迎。でもちょっと気に入らないと言うか、訂正したい事があるんだ」

 

「…訂正?面白いな。言ってみてくれよ、藤丸リッカ」

 

英寿がリッカに言葉を促す。その態度は泰然自若で、真意は読み取りづらいと印象付けるものであったが、リッカは真っ直ぐ彼に告げる。

 

「世界を助けて、助け合う『契約』じゃなくて、お互い助け合う『協力』っていう形にはできないかな?私達は見返りじゃなくて、個人的にあなたへの恩返しとして力を貸す。そして、あなたは私達に力を貸して世界を一緒に護るって形にしたいなって」

 

「それ、結果は同じじゃないのか?わざわざ訂正する理由はなんだ?」

 

「『契約』だと、報奨や報酬だけのビジネスライクな関係になっちゃうでしょ?でも、お互い背中を預けて戦う仲間になるなら、信頼や信用を生む協力関係を築きたい。あなたが仮面ライダーであるなら、尚更ね」

 

英寿はリッカを見下ろす形で見据え、リッカは目を真っ直ぐそらさず視線を返す。英寿は静かに答えを返す。

 

「狐は人を化かすものだ。お前達を利用するためだけに近付いて来たかもしれない。ビジネスライクの方が後腐れが無いと思うけどな」

 

「初めから疑ってたら、信頼や絆は生まれないよ。騙されるのが怖くて、人付き合いはやってられないからね」

 

「俺を信じるのか?出会ったばかりの、未来から来た得体のしれない人間を、頭ごなしに」

 

「あなたは信頼できる。私は人を見る目に凄く自信があるんだよね」

 

「何故信じようと思った?根拠を聞かせてくれ」

 

「ざっと三つあるよ。一つは、あなたがお母さんと世界の為に命を懸けて戦える人だって事」

 

初対面の挨拶から、リッカは彼の戦う理由を聞き確信を得ていた。彼は、。世界を変えるに相応しい意志を持っていると。

 

「二つ目は、人を騙そうとする人間は、わざわざ自分が人を騙すかもなんて忠告をしたりしないよ」

 

「………」

 

「そして三つ目。英寿さんは自分の世界の前に、『私達の世界を護る』事を最初に伝えてくれた。俺の世界を護れば護ってやる、じゃなくてね。これは貴方が、強さと優しさを持ったヒーロー、仮面ライダーだって事の何よりの証拠だよ」

 

「…藤丸、リッカ。カルデアの中核のマスター…」

 

「だから私は、あなたをビジネスパートナーじゃなくてヒーローとして信じたいんだ。未来から来てくれて、私達の時代を大切だって言ってくれた、スターオブザスターズオブザスターズさんの事を、仮面ライダーとして!」

 

打算的なパートナーではなく、汎人類史を護るためにやってきた一人のヒーローとして受け入れたい。それが、リッカの方針であり答え。それを真っ直ぐ眼の前のヒーローへと告げる。母と世界を救ったであろう、一人の仮面ライダーに。

 

「…………流石、俺が協力しようと持ちかけた組織だな」

 

それを聞き、険しい表情の英寿の声音が柔らかくなり笑みをみせる。そして、リッカの頭をそっと撫でた。大きな手が、彼女の頭に添えられる。

 

「信じようとしなくちゃ、人には信じてもらえない。本当の意味で仲間になるには、相手を受け入れる必要がある。裏切られる恐れを、勇気で乗り越えなくちゃ出来ないことだ。俺はそうやって、奇跡を起こした人を見てきた」

 

「英寿さん…」

 

「お前の言葉と想いを、俺も信じることにする。ビジネスパートナーじゃなくて、お互いを助け合う仲間として。アンタ達に協力を改めて頼みたい。受けてもらえるか?所長さん」

 

「…そこのリッカは、私達カルデアの最高戦力よ。彼女の判断と決定は、私達の総意と受け取ってもらって構わないわ」

 

英寿の言葉に、オルガマリーは頷く。先の腹の探り合い、騙し騙されの関係はリッカによりあっさりと破壊され、本当の意味での協力関係が構築される事となる。

 

「なら、俺もお前たちが望む願いと世界の未来に全力を尽くす。仮面ライダーとして、同じ時代と未来を生きる仲間としてな。俺の言葉を…信じるか?」

 

「勿論!ライダーは助け合いだからね!オーマおじいちゃんやディーヴァ、うたうちゃんの事もどうぞよろしくお願いいたします!」

 

「フッ、決まりだな。じゃあ早速、楽園と呼ばれるカルデアを案内でもしてもらおうか」

 

「えっ、早速!?」

 

「あぁ。『誰もが幸せな世界』を創る。それが俺の、俺が叶えるべき願いだからな。存分に参考にさせてもらうとするよ。カルデアの幸せの在り方をな」

 

彼は笑みを浮かべながら、リッカを連れて管制室を後にする。現れた当初より、その振る舞いは力の抜けた自然体そのものだった。

 

 

「…彼みたいな子を、偽悪者というのだろうねぇ。歴戦の猛者の風格を持つ彼が味方なのはありがたいが…」

 

「いえ、ゴルドルフ所長。ひょっとしたら…彼、純粋な子かも知れませんよ?」

 

ロマニは彼を見てしみじみと語る。リッカと談笑しながら出ていく際に見えた表情。

 

それは…仮面で隠された、母を慕う無垢な子の様であったと。ゆるふわながらも英寿の本質を見抜く、智慧の王なであったとさ。




英寿「そう言えば、カルデアとの協力の証として…お前に持っていてほしいものがある」

リッカ「何かな?クレジットカード?」

英寿「これだ。お前達で言う、触媒ってヤツだよ」

『手入れのされた金貨』

リッカ「これは…?」

英寿「契約の証だ。それを持っている限り、どこにいようと、何があろうとお前を助けてやる」

ディーヴァ『西暦元年くらいのものみたい…どこでこれを?』

英寿「秘密だ。ただ…」

リッカ「ただ…?」

英寿「…女神のいるべき場所は、楽園だって相場は決まっているものだからな」

こうして、浮世英寿との協力関係となったカルデア。



オーマジオウ【お前が新たなる未来のライダー…世界を創造する者か】

英寿「仮面ライダーとして、王には挨拶するのが礼儀だろ?」

オーマジオウ【殊勝な事だ。では、その力を見せてみろ】

英寿「ああ。お眼鏡に叶わせてやるさ」

『MARKⅨ SET IGNITION』

【祝福の刻!!】

『REVOLVE ON』

【最高!最善!最大!最強王!!】

『DYNAMITE BOOST』

【逢魔時王!!!】
『GEATS Ⅸ』

ギーツⅨ『………』
オーマジオウ【フッ…創造のライダー、か】


『READY FIGHT !!』

ウォズ「──祝え!!生命の螺旋を越え、世界を創造する未来の勝者!その名も仮面ライダーギーツⅨ!平成の世が未来へと繋がった瞬間である!!」

カルデアに、そしてライダーの歴史に新たなる1ページが記された

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