人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リッカ「この大量の触媒を使ったら何が呼べるんだろう?(素朴な疑問)」

ゴルドルフ「それはリッカ君キミィ…なんだろうね?」

ロマニ「ランダムの縁の中から更にランダムな召喚になるんだ、きっと誰にも予測できないぞ…?」

アカネ「怪獣来ないかなぁ…かわいいやつ…」

エル「怪獣もしくはスーパーロボットでも大歓迎です!!リアルロボットでも大歓迎です!!」

ルル「楽園や人理に友好的なのが条件で…」

蛍「試してみるしかないよね。ほいっ」

ロマニ「ああーっ!?そんな簡単に!?」

ゴッドロード『(ぐっ)』
ラニ『手に負えなければ私が始末する、だそうだ』

ロマニ「安心と信頼では在るけれど!?」

シオン「あ、召喚来ましたね」

ロマニ「来たの!?」

ダ・ヴィンチ「どれどれ反応はー?」

モスラ『ムィイィィィィィィ!!』

アカネ「モスラだぁーーーー!!!」

モスラ『ムィッ(引っかかった音)』

リッカ「えっ」

モスラ『ムィ………』

リッカ「あ…召喚サークルが小さすぎて…」

エル「引っかかってしまったんですかね!?」

アカネ「かわいぃいぃいぃ!!」


OK召喚〜母性を有する怪獣〜

『ムィイ』

 

「ふんふん、なるほどなるほど、そっかぁ、人理を応援しに来てくれたんだね。勢い余ってマッハで突っ込んだら引っかかったと」

 

「こういう時、ルゥ様ってホント便利なマルチリンガルさんだね!」

 

召喚サークルから巨大な顔を表す存在、色鮮やかな極彩色の羽根と身体を持つ怪獣…ヤママユガモチーフの巨大怪獣『モスラ』が数多の触媒の巨大なパワーによりやってきた。やって来たがあまりに巨大なスケールの為、顔面だけが覗き見る形で召喚サークルから覗いている形となってしまったのである。特別な意思疎通は間にルゥが立って行い、彼あるいは彼女が味方であることを把握することに繋がる。

 

「私でも流石にモスラは知っているよ。一貫して悪役としては描かれなかった巨大なインセクト・モンスターだろう?間近で見るとなんとも…」

『ムィ』

 

「いやごめん、凄い大きな…瞳をしているね…?」

 

「そうなんですよ!一貫して人類へ敵対する大自然の化身ゴジラと何度も熱いバトルを繰り広げている超有名な怪獣にして守護獣的な側面のあるありがたーい存在でもあるんです!なんて言ってもキレイだし!可愛いし!生モスラを見れるなんてはぁ〜感激!カルデアさいこー!!」

 

『ムィ〜』

 

「喜んでるよ。良かったねぇ。でも勢い余って突き刺さってるから、なんとかして解き放ってあげたいねぇ」

 

「あ、そうだったそうだった!リッカ先輩、高天ヶ原ならモスラも自由自在に羽ばたけるんじゃないでしょうか!」

 

「早速イザナミおばあちゃんに連絡してみよう!」

 

やや困惑しながらも、モスラをカルデアは受け入れる態勢を見せる。顔面をもぞもぞと動かすモスラもまた、カルデアへは友好的な意志を見せている模様だ。

 

「かつてセイレムでは、怪獣王ゴジラが邪神を倒すためた力を貸してくれた。それはあくまで、敵が一緒だっただけかもしれないけど…」

 

「更に友好的なモスラが来てくれるなんてラッキーだね!流石は世界を股にかけた触媒だ!とんでもない大物だからね、ネームバリュー的にも!」

 

「人理的にクラスはどうなるんでしょうか、こういうモンスターって…」

 

「いや、それも大事なんですが…もし召喚に完全に成功していたら、マッハで飛行するモスラが管制室に…?」

 

「命拾いしましたね!もう少しでまるごと挽肉になるところでした!」

 

『ムィッ』

 

「力みすぎちゃった、ごめん。だって」

 

「う、うむ。もうそこは生物としてのスケールの違いとして受け入れよう…」

 

不幸中の幸い。カルデア重要職員総辞職ソニックブームはなんとか回避され一同は胸を撫で下ろすのでありましたとさ。

 

〜高天ヶ原にて

 

召喚サークルに引っかかったモスラを救出するため、一時的に高天ヶ原へと召喚サークルを移した一行。本体の飛翔スペースは確保した形となる。

 

「フィリアさーん!よろしくお願い致しまーす!」

 

『はーい!お任せくださーい!』

 

召喚サークルの間口自体を広げることにした一行は、月に連絡を取りウルトラウーマンフィリアに打電。彼女らの力を借り、一時的にゲート自体を拡大し通り抜けさせる事にしたのだ。

 

『それでは行きますよー!そーれっ!』

『ムィ〜』

 

フィリアが両手から光線を発し、モスラがつっかえた召喚サークルをこじ開ける形で広げていく。それにより、少しずつモスラが通れるスペースが生まれ、少しずつこちらへとやってくる光景が一同の眼前で繰り広げられる。

 

「ウルトラウーマンに大怪獣モスラ…!!版権を超えた光景が私の眼の前にっ!!初代とジラース依頼の超絶的光景に今私は立ち会っている!こんな幸せある!?いや!ない!!」

 

「アカネさんが楽しいと僕も嬉しいです!怪獣はロボや特撮に無くてはならないファクターでもありますから!」

 

「おぉ!羽根が見えてきたぞ!いや本当に大きいね!?」

 

「虫が苦手な人には卒倒もののデザインだよね…」

 

「怪獣の中ではトップクラスに可愛いんですよ!?マジで!あ、羽根が、羽根が見え、見え…この!」

 

『せーの!ほいっ!!』

 

『ムィイィィィィィィ!!!』

 

「「「「「出たーーーーー!!!」」」」」

 

ウルトラウーマンの協力により、その全容がついに明らかとなるモスラ。翼を広げた全長は約100m。高天ヶ原の空を彩る極彩色の羽根は、見るものを魅了し、圧倒するほどの美容と威容を併せ持つ。羽ばたく度にもたらされる鱗粉が、キラキラと神のおわす領域を美麗に飾る。拘束より解き放たれたモスラが、フィリアの周りを感謝するように旋回し、高天ヶ原を楽しむかのように飛翔する。

 

『ムィイィィ〜〜!!』

 

『良かったですね、モスラ!せっかくなので、一緒に翔びましょう!』

 

「うぉおぉおエル君先輩見て見てウルトラウーマンフィリアとモスラの奇跡のTwo Shotだよこんなの版権で絶対赦されない奇跡の光景だよ生きててよかったぁ〜〜!!!」

 

「キュッ(首が締まったリッカ)」

「アカネさん!アカネさんのお胸で何も見えません!!」

 

感極まるアカネ。その光景は怪獣、ヒーロー好きとしては大変素晴らしい光景であり、感極まったアカネはエルに抱きつき、リッカの首を鷲掴みにする限界っぷりを見せつける有様。ルゥはうんうんと、ウルトラウーマンとモスラの並走を見つめる。

 

「そう言えばあの時ゴジラ君も言ってたなぁ。『侵略者如きに人類は滅ぼさせはしない』って。好きにしろ嫌いにしろ、人類には特別な思い入れがある者が、人類に関わろうとするんだねぇ」

 

「し、しかし今思ったんだがね。人類の歴史を巡る戦いに、守護獣たるモスラを使役してもいいものなのだろうか?」

 

「まぁ、良くはないでしょう。あくまでカルデアの目的は人理保障。地球侵略や征服ではないのですから」

 

「モスラ自身、それを弁えていると信じてくれたから姿を現してくれた…そう考えるのはややロマンチックに過ぎるかしら」

 

「ううん、マリー。きっと僕たちの頑張りは、そういう善いものとして判断されたんじゃないかな?前はほら、ゴジラが来て危うく大惨事にもなりかけたし。そこからかなり成長したという事で!」

 

「そう信じましょうか。…モスラを戦線に投入する際は、邪悪的怪獣対策に力を借りる、という形にしましょうか。極めて友好的な怪獣さんのようだし、ね」

 

突き抜けるような青空を、共に飛行するウルトラウーマン、モスラ。戦力ではなく、来訪者としてだからこそのその美しさ、雄大さは尚も際立っている側面を一同は把握する。

 

「このまま高天ヶ原の守護獣として鎮座してもらうとしましょうか。そうね…アカネ。あなたがルゥ様と一緒に意思疎通をお願いできるかしら」

 

「わ、私がですか!?」

 

「アカネさんは怪獣を深く深く愛しています!その感情の波はきっとモスラさんも受け取ってくれますよ!適任だと思います!!」

 

【良かったねぇアカネ君。メジャー中のメジャー怪獣の親睦大使だよ?】

 

「せ、責任重大すぎる…で、でもやる!やります!だって、怪獣大好きだから!」

 

「決まりね。…ウルトラウーマン、ガンダム、仮面ライダー、そして最高の怪獣にまで、私達の未来と今は応援されている」

 

「げほっ、げほっ。…絶対、道半ばで滅びるなんて無様は晒せないね!」

 

「ボクはそんなに心配してないよ。だって、君達のような素晴らしい子供達がいてくれるしね!」

 

「その素晴らしい子供、ロマニとシバにゃん謹製の子が見たいんだけどな〜?」

 

「ね、年末には良い知らせをお届け出来るかな…?」

 

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

「…モスラさんの鱗粉が枯れ果てないうちに、お願いね?」

 

『ムィイィィィィ〜〜!!』

『こんな美しい怪獣は初めて見たかもしれません…!よろししお願い致します!モスラさん!』

 

見るだけで、心を潤す怪獣。モスラとは、そんな怪獣なのであった。




高天ヶ原

モスラ『ムィッ』


アカネ「よ、よろしくね。モスラさん!」

ルゥ「極めて友好的な反応だよ。安心してねぇ」

アカネ「こ、光栄です!頑張るぞー!!」
エル「後学の為に、モスラさんから学ばせてもらいます!」


モスラ『ムィー!!!』

エル「わっ!?なんですか!?赤と青の鱗粉!?」
アカネ「えっ!?それって…!?」

モスラ『ムィッ』

『タマゴ』

ルゥ「お近づきの印に、だって!」

アカネ「え、うぅえぇえぇえ!!?」

子持ちになったアカネであった。

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