人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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なんだかんだでもう二つの区切りにまで到達しましたねぇ…これもまた、皆様と一緒に積み上げてきた物語の証です!


本当にありがとうございます!それでは雷電タメエモンさん作を、どうぞ!


ストックマテリアル開帳・新方式施策その二十

 

◎ジェヴォーダンの獣

 

「アサシン・・・名マエ?・・・・わカらなイ・・・・」

 

真名:ベート(本名は彼女自身も分からない)

クラス:アサシン

性別:無し(元々は少女)

身長:147cm(獣時250cm)

体重:45kg(獣時300kg)

出典:ジェヴォーダンの獣伝承

地域:フランス

属性:混沌・悪

好きなもの:平穏

怖いもの:猟師・魔術師・宗教家(なぜかは自分では分からない)

 

○ステータス

筋力:B+ 耐久:B+  敏捷:A+

魔力:C  幸運:E   宝具:B+

 

○スキル

・堕天の魔:B

魔獣と堕した者に備わるスキル。

天性に至る事はできない人工の魔性。

防御力の向上・状態異常の耐性などの能力を得るが、

天性の魔よりやや能力は落ちる。

 

・怪力:B+

魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性。

使用することで一時的に筋力を増幅させる。

一定時間筋力のランクが一つ上がり、持続時間はランクによる。

 

・気配遮断:B+

「暗殺者」のクラス特性。

自身の気配を消すスキル。隠密行動に適している。

完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、

攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

 

・戦闘続行:B+

戦闘を続行する為の能力。

決定的な致命傷を受けない限り生き延び、

瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。

狩人の銃弾や槍を受けても生きていた逸話から有するスキル。

 

・仕切り直し:A

戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。

機を捉え、あるいは作り出す。

傷を負わされても幾度も逃走した逸話から有するスキル。

 

・自己進化(獣):EX

自己改造を上回る、自身への改良スキル。

目的遂行の如何なる障害も乗り越えられるように、

自身を秒単位で進化し続ける。

ただし、目的に特化するあまり

応用性が自己改造より低い点がデメリット。

ベートの場合、本能的に進化し続けることで殺戮を繰り返した。

 

・獣の自切:A

自身の分身を身代わりとして生み出す。

命の危機を感じると本能的に発動する。

敵のヘイトが分身のほうに集中する。

使用した後はしばらく自身の耐久が低下する。

 

・弱点看破:B+

力の弱いものの居場所、敵の急所や方陣の弱い箇所を見抜く。

応用して逃走の機を的確に掴み、最適な逃走経路を感じ取る。

女性や子供を狙い、竜騎兵の陣をたやすく抜けた逸話から

有するスキル。

 

・幸福の封印:EX

獣に変えられ、記憶を壊されながらも無意識に魂に刻みこまれた

シスターや仲間と過ごした、貧しくも幸福だった頃の思い出。

しかしそれをベートが思い出すことはできない。

それが彼女自身が無意識に

「どんな理由であれ人々を殺戮した」

己自身へと課した罰。

例え周りが許しても、彼女自身が己を許さないし、許せない。

令呪、聖杯であろうとこの封印を解くことはできない。

 

○宝具

『神出鬼没の殺戮魔獣(ラ・ベート・デュ・ジェヴォーダン)』

 

「ガ嗚呼アアぁぁあ!!!!」

 

「寄るナ!!!来ルな!!!!私ハ獣だゾ!!」

 

「私の大切ナものを傷つケる奴らハ消えロ!!失セろ!!

『神出鬼没の殺戮魔獣』!!!!」

 

ランク:B+ 対人~対軍宝具 

 

神出鬼没に現れ、100人以上の人間を殺した逸話の再現。

牛ほどの大きさの獅子にも狼にも似た

獣の姿となり、超高速の連続移動からの

完全な意識の外からの相手の急所への強襲。

クリティカルが発生しやすく、

「人間無骨」と同じく防御無視の効果を持つ。

 

○真名

フランスで今もなお語り継がれる

多くの人々を殺戮した

正体不明のジェヴォーダンの獣。

その正体は元々はただの一人の少女だった。

 

当時のフランスは宗教間の対立によって

各地でイザコザが起きており、

ジェヴォーダン地方も例外では無かった。

そのイザコザに本来無関係のはずの少女が巻き込まれる。

彼女はよく食べ、よく働き、よく笑う

どこにでもいる普通の少女であった。

一つ普通とは違うところがあるとすれば、

少女には身元がおらず、孤児であったということ。

少女が14歳になってからしばらくして、

彼女は奉公先を紹介された。

とある貴族の賄い婦だった。

少女は孤児院のシスターと子供達に別れを告げ、

用意された馬車の中で静かに泣いた。

みんなと離れるのは寂しいが、

仕事を覚え落ち着いたらみんなに便りを出そう。

いつになるかわからないが、

また子どもたちに料理を振る舞ってやろう。

あちこち見て、たくさんのお土産話をしてあげよう。

そんなことを思いながら、昨日の晩は眠れなかったのと、

泣き疲れたこともあり、幾ばくかもしないうちに少女は眠りに落ちた。

ひどく揺れる馬車も気にならなかった。

それが少女の『人間としての』最後の記憶となった。

 

対立する宗派を陥れるため、

彼らは本来相容れない魔術師を抱き込んだ。

魔術師にとっては自分の魔術の実験台を得られるから好都合。

身内も無く、さらに健康的で若い少女。

少女への強引な施術その体躯を倍以上に膨れ上がらせ、

彼女の意識と記憶を朦朧とさせ、そして壊した。

その姿は牛ほどの大きさをした狼にも獅子にも似た姿で

背中にはよりよく目立つように一筋の縞模様。

最後の仕上げとして彼らは彼女の耳元で囁いた。

 

「女子供を殺せ。残酷に。惨たらしく」と。

 

こうして彼女は「獣」となった。

 

彼女はただただ殺し続けた。

人とはかけ離れたその牙と顎と腕と爪で切り裂き、解体した。

憎いわけでもない。お腹が空いてるわけでもない。

なのに何故殺すのか。

そこに感情もなく理もない。

時折見知った顔が彼女に何かを叫んだ気がするが

彼女は構わず殺し続けた。

なにせ彼女は「獣」であるから。

 

道理なきものはいずれ滅ぶ。

彼女も例外ではなかった。

国が動き、彼女に莫大な懸賞金がかけられ話が大きくなった折、

彼女を獣へと仕立て上げた彼らは彼女を捨て時と判断。

自らの手で撃ち殺す。

その後彼らは息のかかった猟師にそこらへんで手に入れた

狼の死骸を与え、恐怖がもたらした大量の利益を持って

この話を締めくくった。

 

そう、話はここで終わり。

そのはずだった。

 

彼女が死亡して三ヶ月程たったある日、

二人の少年が獣に襲撃を受ける。

一人は死に、生き残ったもう一人は

「背中に一筋の縞模様があった」と

証言した。

彼らが撃ち殺した獣は彼女ではなかった。

いつしか彼女は彼らの手に負えないほどに「進化」していた。

殺戮は繰り返され、表沙汰にはならなかったが

自分達が生み出した「獣」に怯える教派のものも

施術を行った魔術師も殺された。

やがてひとりの猟師に彼女は撃たれる。

しかし死骸は大きな狼の姿で、彼女自身では無かった。

彼女はどうなったのか、それは彼女自身も覚えていない。

 

○能力

少女の姿で腕や足、歯を部分的に獣に変化させて

鋭い牙で食らいつき、爪で切り裂く。

それは荒々しくも本能的に急所を的確に突く。

五感が鋭く、探索に向いており、

逃走のチャンスを敏感に感じ取り、逃走経路を見抜く。

追い詰められるとスキルによって即座に逃走する。

敵対した場合、その場で仕留めなければ

再敵したときはさらに強力になっている。

 

○人物

一人称は「私」。

普段の外見は14歳くらいの

可愛らしい少女の姿をしているが

肉体的には明確な性別が分からなくなっている。

記憶が壊れているゆえに言動が幼い、というより拙い。

名前も覚えておらず、記憶にあった

ベートという言葉を名称として名乗っている。

普段は虚空を見つめてぼんやりしているか

人の多いところを避けてひとりでいる。

自分から他者に近寄ろうとはしないが

ジャックやナーサリー、アステリオス達子供サーヴァントに

引っ張りこまれて仲良く遊んでいる。

表情に乏しいが極稀に嬉しそうに微笑む。

周りを見習って手伝いをすることもあり、

そのときの動きはとても慣れているかのようにスムーズで

特に年下の子の世話は率先して行う。

生前の人間だった頃の名残だが

なぜかは彼女自身には分からない。

 

獣になることや他者を傷つけることを好まないが

信頼するマスターの指示や自分の大切なものを守るためなら

獣の姿となって暴れまわる。

自分ひとりだと変身しても余程のことが無ければ戦わず、

逃げを選ぶ。

 

ベート自身には「ジェヴォーダンの獣」の頃の記憶は

曖昧にしかなく、

能力も本能的に使っている。

しかし同時に「自分は決して許されてはいけない罪人」と

自らの魂そのものに刻みつけているため、

自らが幸福を感じることを無意識に避けている。

だからこそ「罪は消える」「罪を許そう」などの類の甘言は

例えそれが神によるものだろうと

ベートの心にも魂にも全く響かない。

 

ベートがサーヴァントとして現界できているのは

『幸福の封印』によって人間だった頃の記憶が

ほとんど無いから。

もし記憶を思い出してしまったら、

本来は普通の少女であるベートの心は

自分の犯してしまったことに耐え切れず、

なんの躊躇も無く自死を選ぶ。

 

◎人間関係・サーヴァント関係

○子供系サーヴァント

よく一緒の遊びに誘ってくれる。

ベートの笑みを一番見ている。

かつて同じようにたくさんの誰かと遊んでいた気がするが

ベート自身はなぜかはわかっていない。

孤児院の仲間と遊んだ記憶をわずかに感じている影響だが

思い出すことはできない。

 

「ナーサリー達ト遊ぶノスゴく楽しイ 遊んデクレて嬉シい

でモ 思イ浮かブ皆は誰なンだろウ」

 

○ブーディカ

一番懐いている。

料理を作り、皆の世話をやく姿をよくじっと見ていて

誰かを思い出しそうになり、涙を浮かべる。

性格と雰囲気が孤児院で一番懐いていたシスターに

そっくりなためだがやはり思い出すことはできない。

 

「ご ごメンなサい ブーディカ

なンでダロう ブーディカに優しくさレるノ

凄ク嬉しイの二 涙ガ出てクるの」

 

○ヘシアン・ロボ

ロボはべートが人と獣の匂いが混ざっているため反応に迷い、

やがてなにかを感じ取ったのか傍に寄ることを許している。

べートもロボに寄り添うのを楽しんでいる。

ヘシアンはそんなふたりを優しく見守っている。

 

「暖かイ モフモフ 気持チ良い

私と違ッて ロボの毛並ミは素敵だネェ」

 

○ナイチンゲール

よく消毒液をぶっかけられそうになって逃げていた。

今は風呂へと強制連行されている。

 

「ふ 婦長!? オ風呂に行くヨ!!

行くカラ消毒液をかケないデ!!」

 

○狩人・聖人・魔術師系サーヴァント

理由は自分でも分からないが

ものすごい恐怖を感じており、決して近寄らない。

存在を感じ取った瞬間に即座に逃げ出し、

かち合ってしまうと恐慌状態になってしまう。

 

「いやァ!!! 怖イ!!!

来なイで!!!痛いコトしナイで!!!撃たナいデ!!!」




守 護 ら ね ば な ら ぬ 。

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