クロ「よっと!上手くやったわね、イリヤ?」
イリヤ「クロ!良かった、消えちゃったのかと…!」
ギルくん「当然時限式ですよ。貴女の性格的に、消えたままではこれからに支障をきたしますからね」
エミヤ「驚きだ。そんな事も指定できるのかね」
ギルくん「奇跡とは本来そういうものです。なんでもできるあり得ないこと、という現象をそう呼ぶのですから」
イリヤ「ギルくん…ナハトヴァールの事、最初から助けるつもりで?」
ギルくん「僕自身は、産まれた心を排斥するというのはあまりしたくなかった…というだけの話です。皆さんが排除に向かうなら別に止めはしませんでしたよ」
エミヤ「心に罪はない。流石の裁定だな、王よ」
ギルくん「贋作者に褒められても嬉しくないですね〜。では、後処理はユーノに任せます。外せない用事があるので」
イリヤ「あ、あの!界聖杯返してないけど…!」
ギルくん「差し上げます。どうしょうもない局面の切り札として使うもよし、お好きにどうぞ」
クロ「…気前いいわねぇ」
エミヤ「恐らく、これよりも素晴しいものを彼は見出しているのだろう」
〜カルデア・ギルガメッシュ私室
ギルくん「こちら、今回の報告書になります。映像付きなので、どうかお楽しみください」
エア「はい!ギルくん、本当にお疲れ様でした!」
ギルくん「ふふっ、膝枕などしてくれますか?」
エア「はい、喜んで!」
ギル《全く、現金なヤツよな》
フォウ(気持ちは解りまくりだぞぅ!)
エミヤ「彼だけの、素晴しいものをね」
リッカの特訓より始まった、時空管理局を巻き込んだ今回の一件は『ビーストα遭遇案件』として定義され、その解決をもってカルデア、時空管理局による協力関係の締結を以て事件には幕が降ろされた。
「戦闘教導、シミュレーションバトル担当としてカルデアに配属となったシグナムだ。カルデアの猛者達と切磋琢磨して成長したいと思う。よろしく頼む」
ユーノが解明した、カルデア時空の全時空に類を見ない貴重性と重要さから、魔導王たるギルガメッシュの采配でエースクラスの人員を出向、転勤扱いで楽園へと配置する事が決定される。それはカルデアが所有する、アカシックグレイルや人理保障の為のカルデアスを守護するための両組織の配慮が形になった結果である。
「時空管理局は、カルデア…いいえ、オルガマリーさんやスタッフ達の人格と善性を信じます。手を取り合い、ビーストがもたらす人類の滅亡に立ち向かいましょう!」
「歓迎するわ。ユーノ・スクライア。そして、何よりも頼りに…ね」
無限書庫のデータベースにシバやトリスメギストスⅱ、カルデアのノウハウを合わせる事で更なる精度を高める目的で派遣されしユーノもまた、カルデアのスペシャルスタッフとして合流を果たす。その手腕は、これよりの特異点やロストベルト攻略の大きな助けとなると確信できる存在であろう。
「うちらエース組も変わらずカルデア配属や。アカシック・グレイルの存在やビースト案件、当然といえば当然やけどな」
「引き続き、お世話になります。その、ヴィヴィオの養育費を稼げるのもあるので」
「ユーノ?カルデアの皆は半端じゃないから気合い入れてね!」
なのはらエース組は、引き続きカルデアのサーヴァント待遇で籍を置く。それほどまでに、楽園カルデアの世界は時空管理局においても重要な意味を有しているのだ。
「うん、勿論だよ!…では、今回の主役の登場を皆で迎えようか!」
「ユーノ、本当に良かったのかしら」
「はい、オルガマリー所長。これは魔導王とも相談した末の人事です。彼女を、リインフォースとして扱ってくれると…僕達は信じています」
「ほら、リインフォース!はよ来んかいなー!」
そう、カルデアには今回の事件の解決と互いの友誼の証明として彼女が特別に託される事となった。
「あ、改めまして。サーヴァント、夜天の魔導書…いえ、祝福の風、リインフォース。カルデア、管制室最重要ユニット待遇で参列します。カルデアのより一層の強化と整備に貢献しますので…」
「あかんあかん、硬すぎや。もっと砕けてええんやって!」
「…よ、よろしくお願いいたします。チャオ」
「どこ国籍…?」
リインフォース、夜天の魔導書。カルデアス、トリスメギストス、シバと同格扱いの最重要ユニットデバイスとして参戦する運びで話が纏まった。元々封印か破棄が命題のロストロギアであった為、カルデアにおける保管は時空管理局側からしても渡りに船だったのだろう。
「高町なのはにフェイト・テスタロッサ。マスターも含め…大きくなりましたね」
「未だに男の影は見えん女やもめやけどな♪」
「私は出自が特殊すぎてちょっと…」
「あはは、まぁ元気にはやっていけてるよ!」
リインフォースからしてみれば、成長したマスターとその友人の再会を含め、世界には驚きが満ちている。きっと幸福な生活を送るだろう。
「カルデアの皆様も…この度は、本当にありがとうございました」
「礼には及ばないわ。困った人は助ける、当然の理念よ。…ところで彼女、ナハトヴァールはどこに?」
「あぁ、彼女はですね…」
リインフォース、同時に心に目覚めたナハトヴァール。その扱いをどうしたのかと言うと…。
〜
「歓迎しますよ、ナハトヴァール。これから時空管理局は、あなたの家です。思うがままにお過ごし下さい」
「…御世話になる」
ナハトヴァールは、ギルくんが所有する時空管理局の防衛プログラムとして配属される事となった。リインフォースと同じ、心を持つ魔導書という貴重品かつオーパーツは、人の手から離れ王がその管理を担う形となる。
「と言っても、あなたに望むことは一つです。カルデアの戦いと記録を見ながら、僕と夏草市を視察する事。偏った教育を、少しずつ解いていきましょう」
バイザーを掛け、全身スーツの少女といった様相のナハトヴァール。彼女はこれより、所有した心の育成と情緒の補正をしながら、人類と向き合う事となる。
「一つ、聞かせてくれ」
「何でしょう?」
「何故、私を排除しなかった?私は今もマスターをザッハーク様と定義している。悪辣な影響を疎むなら、この心は危険だと考えるが…」
「ふふ、悪は悪、善は善と切り捨てられるほど、心は単純なものではありません。…まぁ、その純粋さに人は報いられないので兵器が心を持つのは辛い事なのですが」
「私が、いつか善を成すと信じてくれているのか?」
「えぇ、勿論。何事も、期待と信頼をかけていかなければいい結果は生まれません。せっかく産まれた心、大切に育んでいきましょう。通信教育には、こちらの方を」
『アダム・カドモンだ。通信制授業で道徳を担当する。よろしく頼む』
「………感謝する。悪以外の面も、見れるように頑張ろう」
(エアさん程の大悟は期待しませんが、せめて人間に協力的になるくらいには人間を好きになってほしいものです。全く、境遇が似ているからと我ながら肩入れしすぎですけどね)
産まれた無垢な心の行末を見守る。その行為に憧れたのは、果たして誰だったのか。
魔導王は宇宙を眺めながら、照れくさそうに微笑むのだった。
〜
「始まりは小太刀術の習得から始まった件があれよあれよと大騒動ではないか。困難に事欠かんな、リッカ」
「嵐を呼ぶ!藤丸リッカとゾロアスターツール!なんて如何でしょうか!」
「クレヨンしんちゃんかな…?」
そしてこちらはカルデア遊覧地区の夏草マイティモールカルデア支店。フードコートにて、友人達とたむろするリッカである。先のワールドエンド・ブレイカーでカレイジャスハートが無事にオーバーホール行きの負担がかかった為の待機である。『私達は必ず帰ってくるわよー!』とはカレイジャスハートの弁。なのはは正式にカルデアスの白き魔王の座を揺るぎないものとした。
「ザッハーク、いやビーストαとの決着もついて万々歳だったんじゃないか?聞く限り、ろくでもない奴だったようだしな」
「とりあえず気絶させただけだから、本体はまだ無事だけどね。きっと近いうち、本当の意味でまた戦うことになるよ」
「古代ベルカにも紛れていただなんて…同じアジ・ダハーカでも、全然違うんだね」
ルル、大和の言葉に呼応しアジーカが姿を見せる。たんこぶを作ったむくれっ面でスイーツを貪る姿が健在であった。
「わ、たんこぶが凄いです!なにゆえ!?」
【多少フィードバックした。本体のが】
「いたそう…リッカ、どれだけ力んだの?」
「ご、ごめんねアジーカ…ああするしか無くて…」
【許そう。しかし私のお腹が許すかな(グゥ~)】
「私が奢るから!これから高町さんちでスバルやティアナも含めた二次会やろうよ!皆で!」
【許そう】
「許すのか!?」
「何はともあれ、活路は高町家の秘奥義だった。お礼参りは必然だろう!」
『私はアルテミスの許へゼウスと向かう。無断で祝福を使用した事に対し『再発防止の為に贋作者って概念ごと殺しちゃおうかな♪』と言われては宥めるほか無いからな。黒神はリッカらと向かうが良い』
『頼むぞ、ヘラ…』
『嘆くな。ギリシャとはそういうものだ』
『リッカ?準備できたわよ』
『いつでも待ってますよ!』
「よし、じゃあ行こっか!あ、私ちょっとトイレ!」
全員の奮闘により、また何も欠けずに戦いを乗り越える事が叶ったカルデア。
これからも、リッカ達は戦っていくだろう。かけがえのない仲間と、自らの信念と共に。
洗面台
リッカ「…………………」
〜
愚かなり。天の供物よ。
肉親を殺し、
友の死に立ち会えず、
隣人を手に掛け、
数多無数の屍を築き上げ、
果ては己が力の根源すらも手に掛けんとする。
お前の魂の一片にまで、呪いと咎は満ちている。最早お前への救いは何処にもない。
全ての悪の体現者よ。人理における禍の全てよ。
お前は永遠に、呪われる道を選んだのだ。
その身こそ、我が光と輝きに焼き尽くされ滅び、救いと福音を齎すに相応しい。
愚かなる天の供物よ。
最期の審判を告げる喇叭を、楽しみに待つがいい──。
〜
リッカ「…ビーストαがいる以上、終わりの獣ビーストΩもどこかにいる。火口に飛び込んだ時に聴こえた声は多分そうだ」
アンリマユ【好き勝手に言いやがる。見せてやろうぜ?私達はお前らには勿体無いってな】
リッカ「うん!」
〜ビーストαについての報告書 著 藤丸リッカ
ビーストαの本体は、ダマーヴァンド山の最下層に不死の状態で眠っている。
ビーストαの対はΩ。いつかどこかに現れる。
ビーストαの獣性は【愉悦】。Ωとの対義性は『邪悪』。
つまりビーストΩの属性は…
自分こそが最も正しく尊いとする【自尊】、そして善の悪側面『独善』と予想する。
例え、ビーストαとΩがどのような存在でも。
私はカルデアのマスターとして、最後まで人類の味方として戦い抜く事を誓います。
藤丸龍華。
皆が私にくれた、大切な名前に誓って。
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