ロマン「そうだねぇ。今や特異点に放り込んだら一人で聖杯持って来ちゃいそうだよねぇ」
温羅「そっちもまぁそうなんだが、そうじゃなくてだな。魔法の杖を持ちたいっていう意識の変化だよ」
ロマン「へ?」
ダ・ヴィンチちゃん「昔のリッカ君なら『私にそんなメルヘンファンシーグッズは似合わないよー』なんて言って拒否していたはずさ。それが今や、別世界の魔導師のお墨付きで自作デバイスを作りたいと来た!」
にとり「アマゾネスやバーバリアンから進化してるんだなぁ!人間はやっぱり進化してくれなきゃ嘘だもんね!」
ムネーモシュネー『彼女の歩みに、相応しいものを作り続けましょう』
ロリンチ「最適なスニーカーをこしらえるようにね!」
ロマン「皆…そうだね!じゃあここに皆が提出してくれた案がある!色々試していこう!」
一同「「「「おー!!!」」」」
「とりあえず最有力候補の素体は、宇宙の穴を縫う針…ウルトラウーマンフィリアの力を宿したフィリアガペーだな。魔改造やあらゆる実験、強度、求める基準に異論はなしだ!」
カルデアの多種多様なる発明品、礼装、アイテムは降って湧いて出てくるものではない。カルデア技術部、開発部、そしてスタッフの尽力を以て完成と実践の目処を立て、吟味に吟味を重ねて調整されたものが配属される。あらゆる世界の技術が集うようになったカルデアだからこそ、暴走や悪用などをさせないために慎重かつ入念な開発情景が展開されるのだ。
メンバーは開発部名誉顧問かつ総括リーダー、ダ・ヴィンチちゃん。万能の天才たる頭脳にて企画やプランの総括を担う。技術部名誉顧問は温羅。異世界のロストテクノロジーを再現、知識を有する彼女は生けるオーパーツ生産工場だ。スタッフリーダーは河城にとり。その情熱は狂気にすら達し、無限のトライアンドエラーを可能とする開発妖怪。
ギルガメッシュ達が痛快に困難を蹴散らす中、彼女達が頭を悩ましアイデアを形とする。それでは視点を変えて、彼女達が如何にしてアイデアを形にするのかを覗いてみよう。
〜デバイス制作風景・AI
「やっぱり時代は話せる相棒だ!うたうちゃんやディーヴァのような千年先を行く魂を宿したAIは無理でも、自律コミュニケーションは完璧なくらいがいい!」
にとりの注文にて、インテリジェントデバイス形式のAIの仮想人格を誰にするかという議題に取り掛かる。本来なら何ヶ月もかける作業だが、技術部とスタッフリーダーのあわせ技は規格外だ。
「ベルカ式だっけか?あー、それが繁栄極めたロストベルトもあったあった。折角だから完全再現した技術で弄るとするか!」
「フィリアガペーとの摺合せはULTRAMAN因子で代用しようぜー!」
検索をかけヒットしたら即制作。狂気のハイクオリティの匠によりあっという間にフィリアガペーを元に基礎の形が再現され形となる。技術提供されれば、あっという間に再現が可能なのだ。
「温羅ネキはロストベルトの技術を再現できるんだったよな!すげーなー!ロストテクノロジーの宝庫じゃん!」
「おうよ。無くなるべき歴史なんてアタシはクソ食らえだと思うが、逆説的に『行き止まりに導いた技術』自体は必ずあるもんだからな。マジで門外不出だから、扱いには気をつけろよ?」
消え去るべき歴史が、せめてあった証を。その理念のまま蓄えられた技術を、にとりの狂気的な情熱が形にする。きゅうりを食べて水分を取れば三日三晩寝なくていいと豪語しながら、企画書がダ・ヴィンチに届けられる。
「なるほど、1から全く新しいAIを組み上げるよりは、彼女に親しい誰かの人格を元にした方が時間的にも最適か…」
「うたうちゃんみたいにできればそれが一番いいんだろうけど、残念ながら彼女やディーヴァレベルのAI情緒の創造は僕達では不可能だ。人間の心を完全にAIにできた夏草の科学者たちはオルガが今も捜索中だからね…」
「ギルガメタブレットの姫様…は、だめだね。流石に御機嫌王でも、彼女のAIを許すとは思えないし」
『では、マシュ・キリエライト、オルガマリー・アニムスフィア、ジャンヌ・ダルク・オルタの三名のうち誰かから選択するのはいかがでしょう』
「あ、じゃあ僕がサンプルでルーチン組んでみようかな!」
『先輩!突っ込んで殴って盾で峰打ちしましょう!』
『あぁ、もう!しゃんとしなさい!』
『大丈夫よ、私が傍にいるわ!』
「精神時期に偏りがないかー?ヒステリック入ってたり頭がなすびしてないかー?」
「じゃんぬは捻くれ無くしたらマジでただのいい娘だな…」
「じゃんぬ一択じゃないか!はいこれ決定!デバイスの名前は何にしよう?レイジングハートに因んでブレイブハートかな?」
「んー、意味合いはいいんだけどもう一声捻りが欲しいかなぁ?」
『では、精神的な勇敢を表す単語ではどうでしょう。リッカさんの精神ではなく、理念を示す意味合いも込めて』
「ではこのダ・ヴィンチちゃんがピッタリな候補を見出しておこう!ではAIはじゃんぬ君で補整調整をしておこうか!」
「じゃあ次はデバイス方式だなー。フィリアガペーっていうかウルトラウーマン発祥なら割とどうとでもなるんじゃないか?」
「インテリジェントデバイスがAI手動で魔力や魔法…あぁいや、こっちでは魔術か。そいつを担当するんなら、アームドデバイスの利点をフィリアガペーに再現してもらえたらうまく行くんじゃねぇか?」
「それならリッカに似た奴が使ってたシンフォギア・システムって奴を技術転用すれば良さげじゃないか!?」
「でも確か、シンフォギアシステムの開発者のリョーコ・サクライさんは亡くなってて、ロストテクノロジー化しているって風鳴弦十郎さんが仰っていたんだよね…」
「ウルトラウーマンの技術とベルカ式技術とシンフォギアシステムを同じデバイスにブチ込めってかぁ…?」
「温羅ネキなら…温羅ネキならなんとか…!」
「そこをなんとか大明鬼神!」
「人間がそこに辿り着くまでもう少しだけ力添えをしてほしい!!」
「あ〜〜〜……解った、解ったよ!流石にフィリアの力だけはオミットさせてもらうからな、あくまでできるのは技術的再現だけだ!」
〜数十分後
「出来たぜオラァ!!桜井理論の提唱する人と聖遺物の隔たりの部分をフィリアガペーと最新ベルカ式のアレコレでなんとかした!ていうかウルトラウーマンの力の詰まった宇宙の針ってコレよく考えたら完全聖遺物じゃねぇか!?」
「でかした温羅ネキ!!全身が筋肉だから全身脳みそで天才だなぁ!!」
「褒めてんのか貶してんのかビミョーな称賛ありがとよ。ロマンさんよ、こいつをリッカの魔術回路を経由するバリアジャケット制作を魔術で頼めるか?」
「任せてくれ!魔術もあっちでいう魔法も魔力を使うなら全部同じだ、ソロモンとしての力便利だなぁ!」
「てゆーかカッパの私にはカルデア用語の魔術と魔法と、向こうの魔法の違いがよくわからんのだが。何がどう違うんだ?」
「こっちの魔術は、ソロモンが神の奇跡を技術的に編纂、体系化して定着した魔力による術の行使を指すんだ。そして魔法の定義はざっくり『誰も再現できない現象、奇跡』といったものを指す。だから魔法使いは魔術師より遥か先にいるんだよ。誰も再現できない奇跡を行使できる存在を、魔法使いとこちらでは呼ぶのさ」
「管理局における魔法は、ハリー・ポッターシリーズの魔法と同じようなもんだろ。チチンプイプイかドンパチに使うかっての違いだけだ」
「なるほどな!じゃあこっちの世界で魔法使いだなんていったらいい笑い者な訳だなー!」
「まぁ話によると、カレイドルビーの制作元は魔導元帥キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグらしいけどね…」
「NP100チャージおじさんってそんな凄いのか?」
「一説には平行世界を管理してる…らしいよ?」
「時をかけるおっさんじゃん!!すげぇ!!」
「物怖じしないお前さんの胆力も相当だがな…」
「じゃあ次は技の数と変身バンクに着手しようぜ〜!」
「待った待った、部員の皆からも案が出ているから、それも含めて一つずつ形にしていこう。ベルト型とか童子切安綱をデバイスにするとかなんて案も出ているんだよ?」
『藤丸龍華の身体レベルに合わせた戦術構築パターンを推察。再現可能な技、20を上回りました』
「えっ!?これだけ多彩なやれることだらけのデバイスを作戦決行のあと数時間後に完成を!?」
「できらぁっ!!ていうかやるしかねぇんだにとり。開発なんてもんはいつだって納期と予算との戦いだろうが。カルデアに無いのは何もないんだ、気合い入れろ!」
「おっす!よーし!!じゃあまずは仮面ライダー変身ポーズ集でも見るかー!」
「時間が数時間後に迫ってるって言ってるじゃないかー!?」
「ウルトラマンヒカリだ!ウルトラマンヒカリに連絡を取るんだ!」
『連絡先が分かりません…』
…このてんやわんやの中で、どれだけの技術革新とシンギュラリティ、ロストテクノロジーの復活と再現が行われたか把握が出来ただろうか。
このメンバーに何か企画書を回すと、何倍もの技術ツリーの開発が同時に行われる。カルデアの異常な技術レベルの根幹はここにあるのだ。
祝福の風、リインフォースとの再会と時空管理局との同盟提携。その為に必要な、リッカの魔導師用礼装デバイスの制作。
「やっぱクウガと一号の変身ポーズが至高じゃね?」
『何故キューティーハニーやセーラームーンを参考にしないのです?』
───彼女達の底無しの有能さの証明として、一つの事実を提示する。
リッカ専用デバイスが出来たのは、この開発事情より一時間後の出来事であった。
補足 さらなる特殊デバイス
アームドデバイス
デバイスそのものが武器として扱える。主にベルカ式。
剣や槍、ハンマーなど完全個人仕様で、さらに独特な形態へ変化するもの多数。持ち歩き用の待機状態を取るものや補助用のAI搭載機も多い。
フレームの強度が強く、他の種類のデバイスが無改造でぶつかればたとえ武器型でも拮抗すらできない。
一方で、AIの能力は低い。そもそもAIや待機状態が非搭載の場合も。
最大の特徴はデバイスに組み込まれたベルカ式カートリッジシステム
保有魔力の絶対量で劣るベルカの民が編み出した機構で、事前に圧縮した魔力を詰めた弾丸を武器内で炸裂させることで瞬間的な魔力の底上げを行う。
しかしその増幅された魔力の制御の難さや、武器には一定の強度を求められるなど使用者には高い技量が必要。
ユニゾンデバイス
使用者と融合することで能力強化、魔法の管制などを行うシリーズで最も特殊なデバイス。
インテリジェントデバイスの設計思想を極端化したもので、その性能は他の形式のデバイスと比べて桁違い。、単独で魔法を行使することすら可能。最早道具というより一人の魔術師。
その代わり非常に繊細であり、各術者の性質に合わせた微調整や適合検査の必要といった手間はまだ良いが、デバイスが術者の体を乗っ取る『融合事故』が起こる可能性があったりと、他のデバイス以上に相性が重要。
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