はやて「そっちこそ、まるでなのはが鬼畜みたいなイメージになっとるやん!?」
フェイト「…リッカちゃんの性格上、聞かれたら必ずなのはに教えるよね」
はやて「間違いなくなのはに耳に届いてしもうとるやん!あかんで、時空管理局に一旦雲隠れを…」
なのは「へー、管理局に用事?ちょうど私達も同じタイミングで用事ができたんだよ」
「「!!」」
なのは「どうせなら一緒に行こうよ。ね?」
「「……はい」」
「というわけで、私とフェイトちゃん、はやてちゃんで一旦時空管理局に顔を出そうと思います。私は経由で97管理外世界、要するに私達の地球に顔を出すから、二人は改めて色んな内政とかの処理をよろしくお願いね?」
「はーい…」
「まぁそれが仕事やし…なんなら見学のつもりでめぼしい相手を探して見るとするわ。そっちはそっちで頑張るんやで!リッカちゃん!」
「はい!そちらもお気をつけて!」
なのは達が所属する時空管理局を経由し、なのはの実家へと向かうこととなったリッカ。時空管理局とは極めてザックリ言えば、各次元が共同で運営する魔術で人と法を護るお題目の組織である。そちらの解説はフェイトとはやての別働隊チームが行うであろうという観点からなのははあえて説明を省く。
「ドイツからもう帰ってきてるのかなぁ…お父さんとお兄ちゃん、それに姉にあたる人達が学んでいる小太刀術の事を御神流って言うの。お兄ちゃんが言うには、これを極めた剣士は重武装したり爆弾を装備した相手でもない限り、敵が100人いても負けないんだって!」
こ、小太刀にそんな可能性が…!脇差や小太刀はサブウェポンと印象していた自身の不理解を大いに恥じながら、金拵えの豪華な二刀を見やる。異聞帯武蔵ちゃんの例から勘違いしやすいが、武蔵の二刀流とは太刀と小太刀での形成でなっている。リッカや武蔵のような太刀二刀流は、尋常ならざる腕力と両方の太刀を十全に扱う技量がいるために現実的ではないのだ。軽々しくやっているので説得力は薄いかもしれないが。
「この大切な二振りの為にも、マスターしてみせる…!」
「それ、夏草のお寺に秘蔵されてたもの…なんだっけ?」
なのはの問いに頷くリッカ。彼女が夏草で一人でいるとき、金狼寺にて優しく迎え入れ、武芸の手ほどきを受けていた事がある。その際に握らせてもらっていたのがこの二振り。脇差し、小太刀の二本だ。
「そこの住職さんはとってもよくしてくれたんです。武術をすんなり受け入れられたのも、あの人と金狼寺があってくれたから。ヘラクレスが鎧まで受け継いでくれたなんて…これはもう運命だよ…」
まさか寺の秘宝を再びお目にかかれるとは思わなかったリッカは感慨げに呟く。金の鞘と銀色の紐、赤三角の留め金で彩られた刀身は、闇と影を切り裂かんばかりに輝いている。
「ではなのは教官!早速参りましょ……」
「待てリッカ!その修行、私も同行する!」
響き渡る凛とした声音。その声の主は確認するまでもない。リッカのクラスメイト、ヘラを宿せし黒神愛生である。彼女は、扇子をはためかせながら頷く。
「天才高町なのはと我が最高の朋友藤丸リッカ。そのさらなる飛躍と成長を間近で見たくなったのだ!同行を願おう、高町教官!」
「お友達も一緒に?勿論いいよ!お食事が楽しみ!」
リッカも頷き、愛生とハイタッチを行う。彼女はリッカにも引けを取らない観察眼、洞察力、精神力を有し神々の女王ヘラの依代に選ばれた女傑だ。必ずや、リッカのさらなる成長に一役買うだろう。
「で、でしたらその!私も仲間に入れてくださーい!」
『リリカルコラボとあらば、私達も参加しないわけには参りますまい!』
続けて現れるは、小さかった頃のなのはと面識のある少女イリヤスフィール。魔法少女時空の彼女は、なのはのルーツに興味があるようだ。
「なのはさんの強さと、リッカさんのとんでもな成長…!これは見逃せないから!一緒に連れて行ってください!」
『夏草に続く魔境に飛び込む覚悟を決めたイリヤさんを是非とも!大丈夫です、もっぱらヤムチャポジションのリアクション芸人になること請け合いですから!』
「まぁ確かにこの二人には程遠いかもだけど!」
「勿論大丈夫だよ!イリヤちゃんも愛生ちゃんも、一緒においで!」
「ヘラが行くなら私も行こう。イリヤもいることだ、引率は必要不可欠だろうしな」
そして現れたるはリッカの師匠にしてイリヤの守護者ヘラクレス。あまりにフリーダムすぎるゼウスはともかく、ヘラの事をまだ好意的に見れていないのか彼は監視の名目を取ったようだ。
「ちなみに日本人としての名前は歴(ヘラ)栄光(えいこー)だ。もし名前を問われることがあればこれで呼んでもらいたい」
「迸るDQNネーム感!」
『小娘、妾の栄光たるヘラクレスの意味名をDQNネームと言ったか?ん?』
「ひぇえぇえごめんなさいー!?」
『思ったことをすぐ口にする。イリヤさんは中々おこちゃまメンタルから脱出できませんねぇ?』
(ヘラ、イリヤは悪気があったわけではない。抑えるのだ)
『む…』
「いちいち子の言うことに青筋を立てるな、ヘラ。白髪とシワが増えるぞ」
『増えるか!芸人のような名前呼びをつけおって!』
「冒険家です」
「あはは、何かを企画するとあれよあれよと仲間が増えるのがカルデアだよね!」
なのはもう完全にカルデアに慣れ親しんでいた。ヘラやヘラクレス、イリヤや黒神がそれぞれの相手とわちゃわちゃしている光景が得難きものであることも知っている。
「予定が合えば、ティアナやスバルにもリッカちゃんを会わせてあげられるかもしれないね。期待してて!」
「おぉ…!噂に名高いドSと書いて優しいと読むティアナ・ランスターとマジカルファイタースバル・ナカジマ!楽しみです、教官!」
その二つ名は一体どこから…?疑問に思いながらも、自身の教え子達が顔を合わせる光景を想像し頬が緩むなのは。きっとお互いにいい影響を与え合ってくれる。そう信じ、リッカの肩に手を置く。
「よーし!早速それじゃあ行ってみよう!」
「おーっ!!」
(なのは、凄く楽しそう…)
(フェイト、フェイト(ムニッ))
(ひゃあっ!?)
フェイトの豊かなお胸をコールサイン代わりに鷲掴みにするはやて。これは彼女が美女でもギリギリのラインでアウトなコミュニケーションである。
(どうせ戻るんやし、せっかくだからうちらがキューピット役になってみぃひん?バルディッシュ下ろして?)
(…その心は?)
(リッカちゃんにはグドーシ君がおるやん?全部が終わった後結ばれるってカーマちゃんが言ってたんやけど、ならなのはもモタモタしてる場合やないやんか?孤高の行き遅れなんて笑えんあだ名定着してまうで?)
(それは当人同士の問題だと思うけど…)
(あかんて!時にはアシストが必要なんや!ユーノも英霊召喚には興味あるー!言うてたし、カルデアなら…ワンチャン…いけへん?)
(…バルディッシュ、どう思う?)
『出歯亀乙』
英文でそうバッサリ切り捨てるバルディッシュ、そういうファイナルファンタジーめいた横やりはどうかと…なフェイトを横にはやては燃える。
(やったるでなのは…!どうせなら派手にゴールインしてリッカちゃんに人生の成功者の前例を見せたるんや!)
(こういう時にばっかりやる気を出すんだから…)
「リッカちゃん?えい、えい、おー!」
「おーっ!!」
(…本当に、楽しそうで良かった)
はやてとは別の、真っ当に楽しんでいる笑顔を見せるなのは。無茶と自己犠牲に傾倒していた一時期よりずっとよい変化を見せてくれた親友に、フェイトもまた笑みを零す。
(ヴィヴィオともきっと、お友達になってくれるはず…だよね)
帰りを待つ愛娘を思いながら、カルデアでの出会いを噛みしめる金髪の内政執務官であった。
「ほーれ、隙あり〜!」
「む、スキンシップか?いいですとも!いくらでも揉み倒すとよろしい!」
「あ、うん?ず、随分と男らしいんやね…?」
『貴様…我が身体に触れるか…』
(はやては近いうちになんとかしよう…)
バルディッシュを握る手に力がこもるフェイトであった。
子ギル『時空管理局に入用ですか?でしたら僕がフリーパスしてあげますよ』
イリヤ「ギルくん!?どういう事!?」
子ギル『エアさんはいませんか…。いえ、時空管理局に人材派遣をするついでに労働環境改善や法整備を担っている最中なんです。時空単位の管理局の癖に内輪もめだの人材不足だの。呆れるばかりですよ』
フェイト「それって、つまり…」
子ギル『要するに今の監督は僕です♪ですので、行きたい場所を教えてくださいね』
イリヤ「こっちはこっちで好き勝手してるー!?」
リッカ「流石はギル、フリーダムすぎる…」
久しぶりに現れ、ギルっぷりを見せつけるギルくんであった。
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