カルデア
アンリマユ【そういや忘れてたわ。ガンダムだったわこれ。いやー、いつものガンダムになってきてるじゃねぇの。えぇおい。やっぱガンダムは親が死なねぇとな〜】
(このまま3ヶ月待つとは生殺しだねぇ。楽しいことは多い方がいいもんなぁ!)
【ついでに言うとたぬきは害獣だぜ!可愛いからって手を出さないこったなぁ!ヒャハハハハハハ!】
キラナ『あまけして、おめでとー!…あれ?セーヴァー、何見てたの?』
レッドファイッ!!
【清く正しいヒーロー番組だよ。来るなら言えアホ!】
キラナ『さぷらーいず!』
【日に日に逞しくなってきやがるな、こいつ…】
『改めて、あまけして、おめでとうございます。アフラ・マズダ共々、どうぞよろしくお願い致します』
【あけまして、な。はいはいおめでとさん。お年玉やるよ、なんと五万QP】
『わーい!ありがと、セーヴァー!我が神アフラ・マズダは貯金しなさいって仰ったから貯金する!』
【堅実だな、あの善神。まぁ、仲良さそうで何よりだ。カルデアにフリーで顔出せるのはもうツッコまねぇぞ】
『今年もよろしくね!セーヴァー!』
【おう。よろしくな、キラナ。しかしキラナ・シャーンティねぇ…いい名前貰ったじゃねぇの】
新年、リッカマイルームにて獣の集いをばっくれ最新ガンダムを見て御満悦となっていたアンリマユに訪れた来客、それはキラナ・シャーンティ。アフラ・マズダの使徒たる彼女はアンリマユの殻であるセーヴァーと知己であり、今回は新年挨拶ということでアフラ・マズダの計らいにより来訪を許されたのである。いわゆるクリスマスぶりではあるのだが。アンリマユはセーヴァーを被る、即ち同化しているようなものであるため、セーヴァーとして振る舞うことは間違いではないのだ。
『うん!ねぇねぇ、お正月だから色々やろうよ!私、セーヴァーとやりたいこといっぱい…あれ?アジーカやリッカちゃんは?』
【あいつらは人気者なので正月だって引く手数多。しがない悪神とちがって多忙の身なのよ。私はこうして引きこもってるのが好きだからここにいるけどな〜】
『ぼっち?』
【孤高と言え、孤高と】
『でもセーヴァーには私がいる!私がいるます、へっへっへ、心配することはない!』
【ニャルの娘もやってたなそれ…流行ってんのか?】
『一緒に遊ぼ、セーヴァー!あの時みたいに!』
あの時…キラナとセーヴァーが村にいた頃、世話係として色々世話を焼いていた頃だ。
【お前、まだ覚えてるのかよ】
セーヴァーからしてみれば、自分が自分であった頃の唯一の記憶。アンリマユからしてみれば皮肉な事だ。全てを剥奪されても、キラナの事だけは決して忘れまいとして…事実手放さなかったのだから。生け贄にしてはいい根性だ、とセーヴァーを取り込んだ理由でもある。
【…ったく。わざわざ来たのを突っぱねるのも良くないよな。いいぜ、時期遅れの正月を過ごそうや】
『うん!わーい!』
例え善なる神の使徒、化身となろうとも。持って生まれた天真爛漫さと自由さは健在なお転婆娘に付き合う事にしたアンリマユ。こう見えて強情かつ、決して退かないところがあるので…やると決めたら、付き合うしかないのだ。
『えっとね。アフラ・マズダから預かってきたカルタでしょ、羽子板でしょ、二人羽織でしょ』
【アイツどこ出身の神様なんだよ。日本に染まりすぎだろ…】
『イザナミ様オススメ『日本の文化堪能セット』を買ったんだー』
【イザナ味だったわ】
というわけで、楽園時空のラスボスや唯一神勢力の奮闘などどこ吹く風で、アンリマユとキラナはリッカのマイルーム…グドーシの屋敷をイメージした純白の空間で、二人きりで正月行事を楽しむ。
【あっと驚く為五郎】
『ほい!』
【…カルタって最低限三人でやるもんじゃねぇの?】
キラナはアフラ・マズダの箱入り、村でも誰かと触れ合う機会は希薄であったが故か、他人との触れ合いを人一倍楽しんでいる節がある。
『お雑煮って、お餅を食べるんだよね。むにーってするの』
【まぁ大体合ってるな。節操なしに祝うことに関しちゃ日本人の右に出るのはいな…】
『ウッ!』
【詰まらせてるんじゃねぇやマヌケぇ!】
だからこうして遊びに来るのだし、アフラ・マズダの使徒となった今でもなお、生前の縁があっただけの存在に積極的に会いに来る。
『むー。むむー』
【もうこれ顔じゃねぇよな。輪郭に目と鼻と口が入ってねぇもん】
『えっ?あー!ホントだー!これ、アンリマユの顔ー!』
【なんだとコノヤロー!最低でも輪郭は保っとるわボケェ!】
アンリマユやアフラ・マズダの確執は、とっくの昔にセファールに御破算にされている。アナーヒターに後を任せ、仲良く白き巨人に叩き殺された身だ。アフラ・マズダ自身は聡明で、争いを好みはしなかったが為の放任なのだろう。
『羽子板、羽子板!』
【屋内でやるな屋内で。三階じゃアルクェイドがすやすや寝てんだぞ?起こしたらめんどくせーんだからそっとしとけ、マジで】
『落書き、落書き!』
【全然聞いてねぇな!?解った解った、せめて中庭に出ろ中庭に。その病弱白肌、マックロクロスケにしてやるからよぉ】
『うん!あはははっ!』
【なんだ?急に笑い出しやがって】
『楽しいね、セーヴァー!私もあなたも、皆に会えてよかった!』
【…まーた、マクロな視点で物を言いやがるぜ】
ここでいうキラナの皆とは、生きとし生けるもの全てという意味だ。キラナは生まれながらにして神に通じる視座と視点を持っていた。故に、遍く全ての人々の幸福を本気で願っていた。そんなだから、人々の善なんてものを背負わされたというのに。
あれだけの事をされても、あれだけの事を担わされても、世界の事を祝福する。筋金入りだ。全くもって、善神選ばれるべくして選ばれたとしか言い様がない。
『セーヴァーはどう?皆に会えて、良かった?』
そんな風に思っていたらこれである。随分とまぁ、答えにくい事をサラリとぶつけてくれるものだ。
【そりゃあお前…】
正直なところ、セーヴァーとしてはたまったものではないだろう。死にそうなガキの世話を押し付けられ、ある日突然この世すべての悪に仕立て上げられ、挙句の果てには正真正銘の悪神への依代と来た。人類で最も不運と言っても過言では無いのかもしれない。
そんなセーヴァーを尊重するのなら、んなわけねーだろボケェと怒鳴り散らすのが筋かもしれないが…
【…ま。悪くはねぇやな。いや、むしろ良さげな気すらしてきたぜ?不思議な事によぉ】
アンリマユとしては、極上の依代に若く瑞々しい身体と心。手間はかかるが頼れるドラゴンまでついてきた極上の転生先にしてセカンドライフと来た。これ以上を望むのは贅沢と言っていい程に。というわけで、セーヴァーがどう思うかなど完全に無視し、自身の…悪神としての所感をぶちまける。
正直なところ、今のアンリマユはリッカとセーヴァーの魂に大いに影響を受けている。総括すると『当たり前の幸せと大切な人達の明日が大好きな世話焼き』という行動方針なのだ。どこが悪神だ、と言われてしまえばそれまでの破綻っぷりである。
【こうして、手間のかかる奴らとわちゃわちゃすんのも面白いからよぉ。ま、極上のセカンドライフってやつだぜぇ?】
『うぐぐ〜』
だがアンリマユにとって、今の生活は非常に愉快で楽しいものなのだ。悪神は悪神であるが故に、自身の好きなように振る舞うのみである。
【おら、次は凧揚げでもやろうや】
『やるー!』
それが、セーヴァーとキラナが出来なかった『普通の生活』だから故に、アンリマユは積極的に取り組んでいるのか。それとも、世話焼きが極まってしまっているな故、アンリマユがただの世話焼き悪神となっているだけなのだろうか。それは彼女にだけしか解らない。
解らないが…。
『飛べー!』
【おーおー、どこまで高く飛ぶのかねえ】
一つだけ、確かな事は。
───アンリマユは結構気に入っているのである。この生活を。
キラナ『( ˘ω˘)スヤァ』
アンリマユ【来るだけ来て遊ぶだけ遊んで寝やがった…自由すぎるだろこいつ…】
(まぁいいや。何か用がなけりゃ来るなってわけでもねぇしな)
アンリマユ【…顔に落書きでもしてやるか】
アフラ・マズダ(キラナ)『お騒がせした』
【うぉお!?急に乗っ取るんじゃねぇや!?】
アフラ・マズダ『あけましておめでとう。早速だが、君は知っているか?』
アンリマユ【あ?】
『ザッハークが作ったとされる…【怒りの鎧】を』
【…知らねぇが…あんまり聞きたくねぇなー…】
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